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K-Ar年代測定装置及び方法

国内特許コード P140010214
整理番号 76
掲載日 2014年1月21日
出願番号 特願2012-126314
公開番号 特開2013-250210
登録番号 特許第5930460号
出願日 平成24年6月1日(2012.6.1)
公開日 平成25年12月12日(2013.12.12)
登録日 平成28年5月13日(2016.5.13)
発明者
  • 亀田 真吾
出願人
  • 学校法人立教学院
発明の名称 K-Ar年代測定装置及び方法
発明の概要 【課題】LIBS法を用いて同一岩石試料に含まれるKとArとを測定可能にするによって、試料が異なることに起因する測定誤差を減少させると共に、様々な岩石採取地点において岩石の年代測定を可能にする可搬型の年代測定装置を提供する。
【解決手段】K-Ar年代測定装置1は、岩石試料2の表面にパルスレーザ光を集光させるパルスレーザ装置3と、試料2の表面から蒸発し励起した物質から発光された光4を分光するように配置されたトロイダル型凹面回折格子5と、トロイダル型凹面回折格子5の1次光6に含まれる波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出するように配置された検出器8(マイクロチャンネルプレート(MCP)及びマルチアノードの組み合わせ)と、トロイダル型凹面回折格子5の0次光7に含まれる波長767nmのK輝線を検出するため配置されたバンドパスフィルタ9及びフォトダイオード10と、を備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



従来、岩石中に含まれる放射性元素の壊変を利用して岩石の固化年代を計測するための年代測定法が知られており、当該測定法は、主に固体地球科学分野の研究(例えば火山噴火年代の特定など)に用いられていた。





近年では、宇宙惑星科学分野において月や惑星の形成史の解明を目標として、年代測定法を実施する装置の更なる小型化が希求されるように至った。例えば、月面の形成年代はアポロ計画で持ち帰られた岩石試料の年代測定結果を基に推定されているが、近年になって月面の非一様性が明らかになってきており、アポロ計画によって岩石試料が採取された非常に限られた地域だけでなく、より多くの地点で年代測定を実施することの重要性が高まってきている。また、他の惑星では岩石試料の採取は行なわれておらず、年代に関する情報はほとんど得られていない。一方で、月や惑星から岩石試料を持ち帰る事はアポロ計画から40年が経過した現在でも技術的に非常に困難であるだけでなく、大型の年代測定装置を現地に送り込む事も難しいため、小型で軽量な年代測定装置が必要である。





岩石の年代測定法の一つに、K-Ar年代測定法がある。K-Ar年代測定法は、岩石中に含まれる40Kが電子捕獲により40Arへと壊変することを利用している。岩石が固化する前であれば40Arは脱ガスし内部には残らないが、固化後であれば内部に蓄積される。この壊変の半減期は12.5億年ということが分かっているので、岩石中に存在する40Kと40Arの比が分かれば、岩石の固化年代を特定する事ができる。





従来のK-Ar年代測定法においては、湿式分析によってKを定量し、脱ガスの質量分析によってArを定量している。また、Kをレーザ誘起絶縁破壊分光法(Laser Induced BreaKdown Spectroscopy, 以降「LIBS法」という)で計測し、Arを脱ガス分析により計測する手法も考案されている。





しかし、上記いずれの方法も、KとArとを異なる方法で測定しているため、それぞれの測定用ごとに試料を用意する必要があり、試料中のK及びArの量の不均一性が測定誤差の要因となっていた。また、Ar脱ガス分析のための超高真空の測定装置及びKの湿式分析装置が必要となり、装置全体が大型化する、という問題を有している。この装置全体の大型化は、K-Ar年代測定方法を上記のような宇宙惑星科学分野に応用することを、きわめて困難なものとしている。





一方、LIBS法を用いて対象物質に含まれる複数の成分(元素)の各々の含有量を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような周知の技術文献には、KとArとをどのように同時に測定するかに関して、開示も示唆もされておらず、宇宙惑星科学分野への応用を容易にするため可搬型の年代測定装置を如何に実現するかについて全く考察がなされていない。

産業上の利用分野



本発明は、岩石中に存在するK及びArを検出することにより、岩石が固化したときの年代を測定するK-Ar年代測定装置及び方法に関し、より詳しくは、主に固体地球科学分野の研究(例えば火山噴火年代の特定など)のみならず、宇宙惑星科学分野において月や惑星の形成史の解明に有用となるように可搬型装置の提供を可能とした、K-Ar年代測定装置及び方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
岩石試料に含まれるK及びArを検出することにより、該岩石試料が固化したときの年代を測定するためのK-Ar年代測定装置であって、
前記岩石試料の表面にパルスレーザ光を集光させるパルスレーザ装置と、
前記パルスレーザ光により前記岩石試料から蒸発し励起した物質から発光された光を分光するように配置されたトロイダル型凹面回折格子と、
前記トロイダル型凹面回折格子の1次光に含まれるAr輝線を検出するように配置されたAr検出器と、
前記トロイダル型凹面回折格子の0次光に含まれるK輝線を検出するため配置されたK検出器と、
を備える、K-Ar年代測定装置。

【請求項2】
前記Ar検出器は、波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出するため、マイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを備えている、請求項1に記載のK-Ar年代測定装置。

【請求項3】
前記K検出器は、波長767nmのK輝線を検出するためのバンドパスフィルタとフォトダイオードとを備えている、請求項1又は2に記載のK-Ar年代測定装置。

【請求項4】
前記トロイダル型凹面回折格子の溝本数を少なくとも1200gr/mmとする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のK-Ar年代測定装置。

【請求項5】
岩石試料に含まれるK及びArを検出することにより、該岩石試料が固化したときの年代を測定するための方法であって、
パルスレーザ光を岩石試料の表面に集光させることによって該岩石試料の表面物質を蒸発・励起させ、
前記表面物質の発光をトロイダル型凹面回折格子で分光し、
前記トロイダル型凹面回折格子の回折光の1次光に含まれるAr輝線を検出し、
前記トロイダル型凹面回折格子の回折光の0次光に含まれるK輝線を検出し、
検出されたK輝線及びAr輝線の光量に基づいて前記岩石試料に含まれるKとArの量を同定する、各工程を備える、方法。

【請求項6】
前記Ar輝線の検出工程では、マイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを用いて、波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出する、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
前記K輝線の検出工程では、バンドパスフィルタとフォトダイオードとを用いて、波長767nmのK輝線を検出する、請求項5又は6に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012126314thum.jpg
出願権利状態 登録
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