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ナノカーボン材料含有ゲルの製造方法 新技術説明会

国内特許コード P140010232
整理番号 S2011-1071-N0
掲載日 2014年1月27日
出願番号 特願2013-017589
公開番号 特開2013-177295
出願日 平成25年1月31日(2013.1.31)
公開日 平成25年9月9日(2013.9.9)
優先権データ
  • 特願2012-018251 (2012.1.31) JP
発明者
  • 小西 利史
  • 望月 隆行
  • 松井 光一郎
  • 平田 一成
  • 生田 太郎
  • 本間 将太
  • 金内 翔太郎
  • 吉田 慶太
出願人
  • 学校法人 芝浦工業大学
発明の名称 ナノカーボン材料含有ゲルの製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】新たなゲル化媒体を利用した、カーボンナノチューブ以外のナノカーボン材料にも適用でき、極めて簡単な手法で行うことができるナノカーボン材料含有ゲルの製造方法を提供する。
【解決手段】ナノカーボン材料と、ゲル化媒体としての液体状態にある置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環および/または置換基を有していてもよい芳香族複素単環(塩の形態であってもよいがイオン液体は除く)を、撹拌混合することによることを特徴とする(但しゲル化媒体に対するナノカーボン材料の配合割合は両者を撹拌混合することでゲル化する配合割合とする)。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



カーボンナノチューブは、電気伝導性、熱伝導性、機械的強度などの点において優れた特性を有する次世代の炭素素材として、エレクトロニクス分野をはじめとする様々な分野における利用が期待されていることは周知の通りである。しかしながら、カーボンナノチューブは、ファンデルワールス力などの作用に起因して容易かつ不可逆に凝集(バンドル化)し、それによって特性の低下や加工性の低下をきたすことがその実用化の障壁になっている。この問題を解決するための方法の研究開発はこれまでにも精力的に行われている。問題解決のポイントは、凝集を引き起こす要因ともいえるカーボンナノチューブが有するπ表面がもたらすカーボンナノチューブ相互間に働くπ-π相互作用にいかに対処するかという点にある。そこで、カーボンナノチューブの表面を化学処理することでπ表面を変質させてしまう方法が提案されているが、この方法には、カーボンナノチューブの表面の化学処理によってカーボンナノチューブ本来の特性が低下してしまう問題がある。また、これとは別な方法として、カーボンナノチューブの表面に対して親和性の高い界面活性剤などを分散剤としてカーボンナノチューブとともに溶媒(水系溶媒や有機溶媒など)に添加し、溶媒中においてカーボンナノチューブとカーボンナノチューブの間に分散剤分子を介在させることで、カーボンナノチューブ相互間に働くπ-π相互作用を軽減乃至遮断する方法が提案されている。この方法は、カーボンナノチューブを、その本来の特性を低下させることなく溶媒中に分散させることができる点において優れている。しかしながら、カーボンナノチューブと分散剤の会合には平衡論が成立しているため、両者の会合は動的で可逆な現象であるのに対し、カーボンナノチューブ同士の会合(即ち凝集)は沈殿をともなうため、動的で不可逆な現象である。そのため、溶媒中にカーボンナノチューブと分散剤を共存させることによってカーボンナノチューブ同士の会合を一時的に抑制することができても、カーボンナノチューブ同士の会合を完全に止めることはできないので、時間の経過とともにカーボンナノチューブが再凝集してしまう問題がある。また、カーボンナノチューブは溶媒中に分散しているため、加工の場面において、溶媒をどのように取り扱うかという問題や、溶媒を取り扱う際にカーボンナノチューブが再凝集してしまう問題がある。





近年、上記の従来の方法が有する問題がない新たな方法として、イオン液体(常温溶融塩や単に溶融塩などとも称される常温で溶融状態を呈する塩)の存在下でカーボンナノチューブにせん断力を加えて細分化することによってカーボンナノチューブ含有ゲルを得る方法が特許文献1において提案されている。この方法は、カーボンナノチューブとイオン液体を混合して乳鉢ですりつぶすといった簡単な手法でナノチューブをゲル中に分散させることができる点や、ゲルゆえに加工性が高い点などから、非常に利用価値に優れる方法として評価されている。しかしながら、特許文献1に記載の通り、この方法には、1.イオン液体の存在下で、2.カーボンナノチューブに、3.せん断力を加えて細分化する、という3要素が必須であり、このうち1要素が欠けてもゲルは得られないとされていることから、汎用性に劣る側面がある。具体的には、ゲル化媒体としてイオン液体の使用が必須である以上、限られた物質群からゲル化媒体を選択せざるを得ない。加えて、イオン液体は電気伝導性を有するので、この方法は、ゲルが電気伝導性を有していることが好都合である分野での利用には適しているが、ゲルが電気伝導性を有しない方が都合がよい分野での利用には適さない。また、カーボンナノチューブ以外のナノカーボン材料、例えばカーボンナノファイバーやグラフェンではゲルは得られない。さらに、カーボンナノチューブにせん断力を加えて細分化する操作は、実験室レベルでは簡単に行うことができても、工業規模では、特許文献1には湿式粉砕装置やニーダータイプの混練機が使用できるとの記載はあるものの、必ずしも簡単に行うことができない。





そこで本発明者らの研究グループは、特許文献1に記載の方法よりも優れた方法を開発すべく、鋭意検討を重ねてきた。その結果、特許文献1に記載の方法においてカーボンナノチューブ含有ゲルを得るために必須とされている3要素は必ずしも必須ではなく、イオン液体のような塩の形態でない物質であってもゲル化媒体となり得ることを見出した。そして、様々な物質についてゲル形成能を調べてみたところ、ゲル形成能を有する物質の共通点として、常温で液体状態であるかまたは加熱によって溶融する物質であるということ(物理化学的性質条件)と、芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環を分子内にあわせて2個以上有する物質(芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環は縮合していてもよい)であるということ(化学構造条件)を見出した。さらに、こうしたゲル形成能を有する物質を液体状態や溶融状態にてカーボンナノチューブと攪拌混合するだけでゲル化し、この現象はカーボンナノチューブに特有のものではなく、カーボンナノチューブ以外のナノカーボン材料でも起こることを見出し、これらの研究成果をまとめて特許文献2において公開した。本発明者らの研究グループが提案した特許文献2に記載の方法によれば、特許文献1に記載の方法に比較してゲル化媒体を広範囲な物質群から選択することができる。しかしながら、特許文献2に記載の方法をもってしてもゲル化媒体の選択には少なからず制約があると言わざるを得ず、より広範囲な物質群からゲル化媒体を選択できればより望ましい。

産業上の利用分野



本発明は、カーボンナノチューブなどのナノカーボン材料を含有するゲルの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノカーボン材料と、ゲル化媒体としての液体状態にある置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環および/または置換基を有していてもよい芳香族複素単環(塩の形態であってもよいがイオン液体は除く)を、撹拌混合することによることを特徴とするナノカーボン材料含有ゲルの製造方法(但しゲル化媒体に対するナノカーボン材料の配合割合は両者を撹拌混合することでゲル化する配合割合とする)。

【請求項2】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環がベンゼン、トルエン、アニリン、ニトロベンゼン、スチレン、フェノール、クロロベンゼン、安息香酸、ベンゾニトリルから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。

【請求項3】
置換基を有していてもよい芳香族複素単環がピリジンであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。

【請求項4】
ナノカーボン材料と、ゲル化媒体としての、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質を、この物質に対して溶解能を有する液体物質に溶解することで得られる溶液を、攪拌混合することによることを特徴とするナノカーボン材料含有ゲルの製造方法。

【請求項5】
ナノカーボン材料がカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。

【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法によって製造されてなることを特徴とするナノカーボン材料含有ゲル。

【請求項7】
ゲル化媒体に対してナノカーボン材料を重量比で5%以上含んでなることを特徴とする請求項6記載のナノカーボン材料含有ゲル。

【請求項8】
ゲル化媒体として用いる物質がそれ自体同士でおよび/またはその他の物質と重合することによって高分子物質となることができる物質であることを特徴とする請求項6または7記載のナノカーボン材料含有ゲル。

【請求項9】
請求項8記載のナノカーボン材料含有ゲルに含まれるゲル化媒体として用いる物質をそれ自体同士でおよび/またはその他の物質と重合させてなることを特徴とするナノカーボン材料を含む高分子組成物。

【請求項10】
請求項6または7記載のナノカーボン材料含有ゲルを高分子物質に分散させてなることを特徴とするナノカーボン材料を含む高分子組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013017589thum.jpg
出願権利状態 公開


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