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光線力学療法のための新規糖連結光感受性物質

国内特許コード P140010269
整理番号 S2013-1229-N0
掲載日 2014年2月14日
出願番号 特願2013-161518
公開番号 特開2015-030703
登録番号 特許第6177044号
出願日 平成25年8月2日(2013.8.2)
公開日 平成27年2月16日(2015.2.16)
登録日 平成29年7月21日(2017.7.21)
発明者
  • 片岡 洋望
  • 林 則之
  • 城 卓志
  • 矢野 重信
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 光線力学療法のための新規糖連結光感受性物質
発明の概要 【課題】光線力学療法用の光感受性物質である抗腫瘍活性を有するクロリン誘導体及びその金属錯体の提供。
【解決手段】一般式(I):



[式中、R1~R20は、同一又は異なって、F-、マンノース-S-などを示す。R21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、アルキル又はE-(CH2)n-を示す。ここで、Eは、アリール、アミノ、アルキルアミノ、イミノなどを示し、nは0~3の整数を示す。]で表されるクロリン誘導体又はその金属錯体。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



光線力学的治療法(PDT)は、ターゲットとなる疾患患者の血管内又は組織中に光感受性物質を投与し、癌又は腫瘍組織に集積させた後、特定波長の光を照射することにより活性酸素を発生させ、癌細胞のみを特異的に死滅させる治療方法である。PDTは、光化学的反応により腫瘍細胞のみを選択的且つ特異的に死滅させることができる低侵襲な癌治療法である。





PDTでは、特定波長の光により光感受性物質が励起され、活性化された光感受性物質からの直接的又は間接的なエネルギー移動により三重項酸素から一重項酸素が生成され、この一重項酸素により腫瘍細胞が破壊されると考えられている。





PDTに使用される光感受性物質としては、ポルフィリン誘導体が周知であり、ポリヘマトポルフィリンエーテルやタラポルフィリンナトリウムなどは既に実用化がされている。しかしながら、ヘマトポルフィリンやその2量体の最大吸収波長は630 nmであって、モル吸光係数も3000と低いので、PDTの治療効果が表層癌に限定されてしまう。また、副作用の問題も存在する。そのため、これらの点を改善することを目的として、種々のポルフィリン誘導体が研究されている。





PDTにより、一般的には、癌や腫瘍組織だけでなく、正常組織も損傷させることになるので、光毒性を示す光感受性物質は可能な限り少量を使用することが要求される。また、癌や腫瘍組織周囲の正常組織への障害を最小限にするために、光感受性物質が正常組織に比べて癌や腫瘍組織に選択的、特異的に集積することが好ましい。さらには、副作用を軽減させるために、光が照射されない条件では、細胞毒性が低いことが要求される。糖をポルフィリン環に結合させることによって、光照射下での強い細胞毒性を維持しながら、暗所下での細胞毒性を軽減できることが近年発見され、PDT用の薬剤として糖連結ポルフィリン誘導体を利用することが提案されている。





そして、特許文献1及び非特許文献1では、S-グルコシル化又はS-ガラクトシル化された5,10,15,20-テトラキス(テトラフルオロフェニル)クロリンが調製され、これらは光毒性を有していたこと、S-グルコシル化された化合物はS-ガラクトシル化された化合物より強い光毒性を示したことが報告されている。





さらに、非特許文献2では、上記文献に記載されている、5,10,15,20-テトラキス[4-(β-D-グルコピラノシルチオ)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]-2,3-[メタノ(N-メチル)イミノメタノ]クロリン(以下、H2TFPC-SGlcと略記する)について、日本において臨床で使用されているタラポルフィン(Talaporfin)とのPDTの効果を比較したこと、H2TFPC-SGlcはインビトロでは癌細胞に対する細胞毒性が約30倍高く、インビボでもタラポルフィンと比べて有意に腫瘍増殖が抑制されたことが報告されている。





また、特許文献2には、S-グリコシル化によりガラクトース、マンノース、キシロース及びグルコースから選択される単糖等を結合させたポルフィリン誘導体について記載され、当該ポルフィリン誘導体は光細胞毒性作用を有し、光線力学的療法に使用することが記載されている。特許文献2には、クロリン誘導体についての記載もあるが、結合させられているのはグルコースのみであり、またフェニル基がフッ素で置換されたものは記載されていない。

産業上の利用分野



本発明は、優れた抗腫瘍活性を有するクロリン誘導体及びその金属錯体、並びに該クロリン誘導体及びその金属錯体を含む医薬組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I):
【化1】


[式中、R1~R20は、同一又は異なって、F-、マンノース-S-、マンノース-D-S-又はマンノース-O-D-S-を示し、これらのうちの少なくとも1つはマンノース-S-、マンノース-D-S-又はマンノース-O-D-S-を示す。ここで、Dは炭化水素基を示す。
R21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、アルキル又はE-(CH2)n-を示す。或いは、R21及びR22は、互いに結合して環を形成してもよい。ここで、Eは、アリール、アミノ、アルキルアミノ、イミノ又はシクロアルキルを示し、nは0~3の整数を示す。]で表されるクロリン誘導体又はその金属錯体。

【請求項2】
R5~R20が全てF-を示す、請求項1に記載のクロリン誘導体又はその金属錯体。

【請求項3】
R1~R4が、同一又は異なって、マンノース-S-、マンノース-D-S-又はマンノース-O-D-S-を示す、請求項1又は2に記載のクロリン誘導体又はその金属錯体。

【請求項4】
前記金属錯体が一般式(II):
【化2】


[式中、Mは金属原子を示す。R1~R22は前記に同じ。]で表される、請求項1に記載のクロリン誘導体又はその金属錯体。

【請求項5】
Mが遷移金属原子を示す、請求項4に記載のクロリン誘導体又はその金属錯体。

【請求項6】
Mが、Pt、Pd、Zn又はAuを示す、請求項4又は5に記載のクロリン誘導体又はその金属錯体。

【請求項7】
前記マンノースが、D(+)-マンノースである、請求項1~6のいずれか一項に記載のクロリン誘導体又は金属錯体。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のクロリン誘導体又はその金属錯体を含む医薬組成物。

【請求項9】
腫瘍又は固形癌の光線力学的治療用である、請求項8に記載の医薬組成物。

【請求項10】
皮膚病の光線力学的治療用である、請求項8に記載の医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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