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タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに該タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ

国内特許コード P140010294
整理番号 592
掲載日 2014年2月21日
出願番号 特願2005-134170
公開番号 特開2006-152237
登録番号 特許第4641214号
出願日 平成17年5月2日(2005.5.2)
公開日 平成18年6月15日(2006.6.15)
登録日 平成22年12月10日(2010.12.10)
優先権データ
  • 特願2004-311254 (2004.10.26) JP
発明者
  • 八木 則子
  • 村岡 清繁
  • 岸本 浩通
  • 渡邊 隆司
  • 佐藤 伸
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに該タイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ
発明の概要 【課題】 ゴム製品を分解処理した後に再利用したゴムを含有し、かつ破壊強度や耐摩耗性に優れるゴム組成物を提供することを目的とする。さらに、該ゴム組成物を用いることによって、ゴム製品のマテリアルリサイクルを実現しつつ耐摩耗性とグリップ性能とのバランスに優れたタイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】 天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対し、リグニン分解力を有する酸化酵素を用いて加硫ゴムを分解することによって得られる酵素分解ゴムを5~150質量部の範囲内で配合したゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤに関する。該酸化酵素は、加硫ゴム中の不飽和脂肪酸の過酸化反応により該加硫ゴムを酵素分解する酸化酵素であることが好ましい。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


従来、タイヤに高グリップ性能を付与する目的で種々のゴム組成物が検討されており、ガラス転移温度(Tg)の高いスチレン-ブタジエンゴム(SBR)を使用する方法、プロセスオイルを高軟化点樹脂に等量置換する方法、軟化剤またはカーボンブラックを高充填する方法、粒子径の小さいカーボンブラックを使用する方法等が知られている。しかし、ガラス転移温度(Tg)の高いスチレン-ブタジエンゴム(SBR)を使用した場合、タイヤ性能の温度依存性が高くなるため、温度変化によってタイヤ性能が大きく左右されてしまうという問題がある。また、プロセスオイルを高軟化点樹脂に等量置換する方法においては、置換量が多量である場合、高軟化点樹脂の影響によりタイヤ性能の温度依存性が高くなるという問題がある。さらに、軟化剤またはカーボンブラックを高充填した場合、または粒子径の小さいカーボンブラックを用いた場合には、軟化剤またはカーボンブラックの分散性が悪化し、破壊強度や耐摩耗性が低下するという問題がある。



上記の問題点を解決し、耐摩耗性とグリップ性能とを両立させるための方法としては、たとえば低分子SBRを使用する方法が検討されている。しかし、この方法においては、SBRの有する架橋性の二重結合により、一部の二重結合部分はマトリクスのゴムと架橋してしまい、十分なヒステリシスロスや破壊強度が得られないという問題がある。一方、近年の環境問題という観点から、タイヤゴム片またはゴム粉末をそのまま再利用するマテリアルリサイクルが検討され、たとえば、二軸押出機等で大きな剪断力を加えて粉砕脱硫する方法や、微生物によってゴムを分解する方法等が検討されている。物理的な処理方法は大きなエネルギーを必要とする問題があるため、より少ないエネルギーでマテリアルリサイクルを行なう方法として、微生物による各種ゴムの分解処理方法は種々検討されており、たとえば、ノカルディア属に属する微生物を用い、軟質ゴム製品の存在下で硬質ゴム製品を処理する硬質ゴム製品の分解方法や、ノカルディア属に属する微生物を用い、軟質ゴムの不存在下で硬質ゴムを処理することを特徴とする硬質ゴムの分解処理方法が検討されている。しかし上記の方法はいずれも天然ゴムを多く含む硬質ゴム製品に限定された分解処理方法であり、合成ゴムを多く含有するタイヤ等の加硫ゴム製品のマテリアルリサイクルには適用し難しいという問題がある。



すなわち、従来の方法では、タイヤのゴムを分解して再利用する場合、十分な破壊強度や耐摩耗性が得られない等、タイヤに要求される性能を十分に満足することが難しいという問題があった。



特許文献1には、加硫ゴムと、木材腐朽菌に属し、該加硫ゴム組成物に含まれる加硫ゴムのスルフィド結合を切断することができる微生物と、該微生物の培養に適した培地と、を共にインキュベーションするステップを備える加硫ゴム組成物の分解処理方法が提案されている。スルフィド結合を切断することができる微生物としては担子菌類に含まれるものが提案されている。特許文献1においては分解処理後のゴムがマテリアルリサイクルの原料として用いられ得ることが示唆されているが、具体的なリサイクルの詳細な態様については提案されていない。
【特許文献1】
特開2004-99738号公報

産業上の利用分野



本発明は、酸化酵素によって分解処理された酵素分解ゴムを含有するゴム組成物およびその製造方法、ならびにこれを用いた空気入りタイヤに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対し、リグニン分解力を有する酸化酵素を用いて加硫ゴムを分解することにより得られた酵素分解ゴムを5~150質量部の範囲内で配合してなり、
前記加硫ゴムが天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよびアクリロニトリル-ブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、最大粒径が1mm以下のゴム粉末形状であり、
前記酵素分解ゴムの重量平均分子量が2,000~80,000の範囲内、分子量分布Mw/Mnが1.0~5.0の範囲内、かつソックスレー抽出法によって得られるクロロホルム抽出量が1~80wt%の範囲内である、タイヤ用ゴム組成物。

【請求項2】
前記酸化酵素が、前記加硫ゴム中の不飽和脂肪酸の過酸化反応により前記加硫ゴムを酵素分解する酸化酵素である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。

【請求項3】
前記酸化酵素が、ペルオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、ラッカーゼから選択される1種以上を含む、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。

【請求項4】
前記酸化酵素がリグニン分解酵素である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。

【請求項5】
前記リグニン分解酵素が、木材腐朽菌由来のリグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、バーサタイルペルオキシダーゼから選択される1種以上を含む、請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。

【請求項6】
天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムを主成分とするゴム成分100質量部に対し、リグニン分解力を有する酸化酵素を用いて加硫ゴムを分解することにより得られる酵素分解ゴムを5~150質量部の範囲内で配合してなるタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
前記加硫ゴムを最大粒径が1mm以下となるように粉砕する工程と、
粉砕された前記加硫ゴムを前記酸化酵素によって分解処理し、酵素分解ゴムを得る工程と、
前記酵素分解ゴムが他のゴム成分とともに混合されたゴム組成物を生成させる工程と、を含み、
前記加硫ゴムが天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよびアクリロニトリル-ブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記酵素分解ゴムの重量平均分子量が2,000~80,000の範囲内、分子量分布Mw/Mnが1.0~5.0の範囲内、かつソックスレー抽出法によって得られるクロロホルム抽出量が1~80wt%の範囲内である、タイヤ用ゴム組成物の製造方法。

【請求項7】
前記分解処理における反応時間が10時間~30日間の範囲内に設定される、請求項に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。

【請求項8】
請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物、もしくは請求項6または7に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法によって得られたタイヤ用ゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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