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多層構造の有機薄膜を有する光電素子、その製造方法、及び太陽電池 UPDATE

国内特許コード P140010296
整理番号 597
掲載日 2014年2月21日
出願番号 特願2005-262522
公開番号 特開2006-156956
登録番号 特許第5024979号
出願日 平成17年9月9日(2005.9.9)
公開日 平成18年6月15日(2006.6.15)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
優先権データ
  • 特願2004-317552 (2004.11.1) JP
発明者
  • 伊藤 紳三郎
  • 大北 英生
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 日本電信電話株式会社
発明の名称 多層構造の有機薄膜を有する光電素子、その製造方法、及び太陽電池 UPDATE
発明の概要 【課題】 有機薄膜を用いた光電変換技術に関し、高効率の発電特性を発揮する光電素子及び太陽電池に関する。
【解決手段】 光電素子(31)を構成する複合層(11)が、光エネルギーを捕集して励起する光増感基を含む第1光捕集膜(A1)と、この光増感基に電子を供与する電子供与基を含む第1正孔輸送膜(P1)と、第n-1光捕集膜(An-1)を通過した光エネルギーを捕集して励起する光増感基を含む第n光捕集膜(An)と、第n光捕集膜(An)及び第n-1光捕集膜(An-1)に挟持され、励起した前記光増感基に電子を供与する電子供与基を含む第n正孔輸送膜(Pn)と、第n-1光捕集膜(An-1)及び第n光捕集膜(An)を連結する光捕集膜連結子(41)と、第n-1正孔輸送膜(Pn-1)及び第n正孔輸送膜(Pn)を連結する正孔輸送膜連結子(42)と、を備える。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


図13は、従来の有機薄膜を用いた光電素子を示す概要図で、(a)は第1従来例の構成及び発電原理を示し、(b)は第2従来例の構成を示す。
図13(a)に示すように、従来の光電素子38は、ガラス等の透明な支持体に蒸着された透明電極(電極23)の上に、電子供与性を有する有機半導体膜からなる正孔輸送層Pxと、入射する光線Rの光エネルギーを吸収して励起する光増感基を含む光捕集層Axと、電子受容性を有する有機半導体膜からなる電子輸送層Nxとが積層され、さらにその上に対向電極(電極24)を配置して構成されたものが知られている。なお、前記した正孔輸送層Px及び電子輸送層Nxは、それぞれ積層される順番が逆であったり、またいずれか一方のみが積層されたりする場合もあり得る(例えば、特許文献1、2)。



次に、図13(a)に示される、従来の光電素子38の動作メカニズムについて説明する。まず、光線Rが透明電極(電極23)に入射して光捕集層Axに吸収されると、これに含まれる光増感基は励起して、図13(a)に示されるように、界面近傍には正孔・電子対27,27…が生成する。
すると、正孔輸送層Pxとの界面近傍で生成した正孔・電子対27,27…からは、正孔(+)が電荷分離して正孔輸送層Pxへと取り込まれることになる。そして、取り込まれた正孔(+)は、正孔輸送層Pxを媒介して電極23に輸送される。



一方、発生した正孔・電子対27のうち、この正孔(+)が電荷分離した後に残った電子(-)は、光捕集層Axの内部を移動して電子輸送層Nxとの界面(反対界面という)に到達する。そして、反対界面に到達できた電子(-)は、電子輸送層Nxを媒介して電極24に輸送される。



同様に、電子輸送層Nxとの界面近傍で励起した正孔・電子対27,27…からは、電子(-)が電荷分離して電子輸送層Nxへと取り込まれることになる。そして、取り込まれた電子(-)は、電子輸送層Nxを媒介して電極24に輸送される。一方、発生した正孔・電子対27のうち、この電子(-)が電荷分離した後に残った正孔(+)は、光捕集層Axの内部を移動して正孔輸送層Pxとの界面(反対界面という)に到達する。そして、反対界面に到達できた正孔(+)は、正孔輸送層Pxを媒介して電極23に輸送される。



このように、正孔輸送層Px及び電子輸送層Nxとの界面で発生した正孔・電子対27,27…のうち、電荷分離後に光捕集層Ax内部を移動して反対界面に到達できた正孔(+)及び電子(-)は、電極23,24に輸送されて両極間に電位を発生させることになる。そして、電極23,24間を図示しない外部負荷を経由させて短絡し、光線Rを照射させれば、光電素子38は発電し連続的な電力が出力され続ける。



ところで、光電素子38を高効率で発電させるため、従来において、次のような観点から取り組みが行なわれていた。すなわち、光線Rを透過させることなく光エネルギーの吸収率を向上させることと、光捕集層Axの内部における電子(-)または/及び正孔(+)の移動を円滑にすることを目的とするものである。
具体的には、各層(正孔輸送層Px、光捕集層Ax、電子輸送層Nx)の層厚を最適化することや、図13(b)に示すように、光捕集層Ax´における正孔(+)または電子(-)の伝導特性の向上のため、光捕集層Ax´中に、それぞれ正孔輸送層Pxの成分H、または電子輸送層Nxの成分を混合させるといった試みである。
【特許文献1】
特開平7-240530号公報
【特許文献2】
特開平5-259493号公報

産業上の利用分野



本発明は、有機薄膜を用いた光電変換技術に関し、特に、この有機薄膜が多層構造を有してなる光電素子、その製造方法及び太陽電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複合層と、この複合層の両面に配置される一対の電極とを有する光電素子において、
前記複合層は、
光エネルギーを捕集して励起する光増感基を含む光捕集膜と、
起した前記光増感基に電子を供与する電子供与基を含む正孔輸送膜と、
を交互に積層して形成され、
前記一対の電極のうち一方の電極、及び前記複合層の間に設けられ、前記複合層から前記一方の電極に電子を輸送する電子輸送層をさらに有し、
前記光捕集膜はポリパラフェニレンビニレンを含み、
前記正孔輸送膜はポリエチレンジオキシチオフェンを含み、
前記電子輸送層はフラーレンを含み、
前記複合層及び前記電子輸送層の境界は、前記光捕集膜で接している
ことを特徴とする光電素子。

【請求項2】
複合層と、この複合層の両面に配置される一対の電極とを有する光電素子において、
前記複合層は、
光エネルギーを捕集して励起する光増感基を含む光捕集膜と、
励起した前記光増感基に電子を供与する電子供与基を含む正孔輸送膜と、
を交互に積層して形成され、
前記一対の電極のうち一方の電極、及び前記複合層の間に設けられ、前記複合層から前記一方の電極に電子を輸送する電子輸送層をさらに有し、
前記光捕集膜はルテニウム錯体を含み、
前記正孔輸送膜はポリエチレンジオキシチオフェンを含み、
前記電子輸送層はフラーレンを含み、
前記複合層及び前記電子輸送層の境界は、前記正孔輸送膜で接している
ことを特徴とする光電素子。

【請求項3】
前記一対の電極のうち他方の電極、及び前記複合層の間に設けられ、前記励起により発生した正孔を、前記複合層から前記他方の電極に輸送する正孔輸送層をさらに含む
ことを特徴とする請求項1または請求項に記載の光電素子。

【請求項4】
交互吸着法により前記複合層が作製される
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の光電素子。

【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の光電素子を用い、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力として外部に取り出す機能を有する
ことを特徴とする太陽電池。

【請求項6】
基板電極を負(または正)に帯電させる電極帯電工程と、
帯電した前記基板電極を、電子供与基の導入されたカチオン(またはアニオン)の溶液に浸漬し、静電吸着により形成される正孔輸送膜が表面を覆うと共に、全体として正(または負)に帯電させる正孔輸送膜吸着工程と、
正(または負)に帯電した前記基板電極を、光増感基の導入されたアニオン(またはカチオン)の溶液に浸漬し、静電吸着により形成される光捕集膜が表面を覆うと共に、全体として負(または正)に帯電させる光捕集膜吸着工程と、
前記光捕集膜吸着工程及び正孔輸送膜吸着工程を交互に繰り返し、前記基板電極に複合層を形成する交互吸着工程と、
前記複合層の、前記基板電極とは反対面に電子輸送層を設ける電子輸送層形成工程と、
前記電子輸送層の、前記複合層とは反対面に対向電極を設ける電極形成工程と、を含み、
前記光捕集膜はポリパラフェニレンビニレンを含み、
前記正孔輸送膜はポリエチレンジオキシチオフェンを含み、
前記電子輸送層はフラーレンを含み、
前記交互吸着工程は、光捕集膜吸着工程で終了し、前記複合層及び前記電子輸送層の境界は、前記光捕集膜で接している
ことを特徴とする光電素子の製造方法。

【請求項7】
基板電極を負(または正)に帯電させる電極帯電工程と、
帯電した前記基板電極を、電子供与基の導入されたカチオン(またはアニオン)の溶液に浸漬し、静電吸着により形成される正孔輸送膜が表面を覆うと共に、全体として正(または負)に帯電させる正孔輸送膜吸着工程と、
正(または負)に帯電した前記基板電極を、光増感基の導入されたアニオン(またはカチオン)の溶液に浸漬し、静電吸着により形成される光捕集膜が表面を覆うと共に、全体として負(または正)に帯電させる光捕集膜吸着工程と、
前記光捕集膜吸着工程及び正孔輸送膜吸着工程を交互に繰り返し、前記基板電極に複合層を形成する交互吸着工程と、
前記複合層の、前記基板電極とは反対面に電子輸送層を設ける電子輸送層形成工程と、
前記電子輸送層の、前記複合層とは反対面に対向電極を設ける電極形成工程と、を含み、
前記光捕集膜はルテニウム錯体を含み、
前記正孔輸送膜はポリエチレンジオキシチオフェンを含み、
前記電子輸送層はフラーレンを含み、
前記交互吸着工程は、正孔輸送膜着工程で終了し、前記複合層及び前記電子輸送層の境界は、前記正孔輸送膜で接している
ことを特徴とする光電素子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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