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光電変換素子、その製造方法、及び太陽電池

国内特許コード P140010311
整理番号 1809
掲載日 2014年2月24日
出願番号 特願2007-222521
公開番号 特開2009-054936
登録番号 特許第5011032号
出願日 平成19年8月29日(2007.8.29)
公開日 平成21年3月12日(2009.3.12)
登録日 平成24年6月8日(2012.6.8)
発明者
  • 伊藤 紳三郎
  • 大北 英生
  • 増田 幸治
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 日本電信電話株式会社
発明の名称 光電変換素子、その製造方法、及び太陽電池
発明の概要 【課題】有機膜を構成要素とし、高効率・高出力で発電する光電変換素子、その製造方法、及び太陽電池を提供する。
【解決手段】照射光を吸収して励起した電子を界面で接する電子輸送相(22)に注入する第1光吸収相(21)と電子輸送相(22)とが混在する混合膜(20)と、混合膜(20)を間に配置して相互に対向して設けられる正極層(11)及び負極層(12)とを、備える光電変換素子において、照射光を吸収して励起した電子を界面で接する混合膜(20)に注入するとともに膜厚が0.1nmから100nmの範囲で正極層(11)の側に設けられる第2光吸収薄膜(30)を有することを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



図6(a)は、従来の有機膜を用いた太陽電池を示す概要図で、(b)はその発電原理の説明図である。

例示した太陽電池80は、光吸収相21及び電子輸送相22(22a,22b)が互いに界面で接して混在する混合膜20の両面を、正極層11及び負極層12で挟んで構成した、いわゆる、バルクヘテロ接合層(bulk-hetero-junction layer)を構成要素とするものである。





ここで、光吸収相21は電子ドナーとして作用し、照射光Rを吸収すると、励起した電子(-)を、電子アクセプターとして作用する電子輸送相22(22a,22b)に注入する。

入射した照射光Rが光吸収相21に吸収されると、図6(b)に示されるように、そのHOMO準位にある電子(-)がLUMO準位に励起する。そして、この励起した電子(-)は、界面で接する電子輸送相22のLUMOに移動し、光吸収相21から電子輸送相22へと電子注入が行われることになる。





このようにして、図6(a)に示される電荷分離Kaにより注入された電子(-)は、電子輸送相22aのLUMOにより負極層12に伝達され、付随的に発生する正孔(+)は光吸収相21のHOMOにより正極層11に伝達される。これにより、正極層11と負極層12との間に起電力が発生する。





ところで、照射光Rを吸収して、電子(-)及び正孔(+)が分離する電荷分離Ka,Kbの発生位置は、光吸収相21及び電子輸送相22(22a,22b)の界面に集中していることが知られている。

よって、そのような界面を広く設定することができるバルクヘテロ型太陽電池50は、高効率発電の実現が有望視され、精力的に研究が進められている。例えば、高効率発電を実現する光吸収相21及び電子輸送相22の最適材料の選択及び組み合わせに関する報告例がある(例えば、非特許文献1)。





一方、バルクヘテロ型太陽電池の高効率化を阻害する要因として、混合膜20の相構造に規則性が無いことから、望まない光吸収相21と負極層12との接触、望まない電子輸送相22bと正極層11との接触が避けられないことが挙げられる。

この望まない接触は、図6(a)左上に示すように、正極層11(又は負極層12)の近傍で生じた電荷分離Kbにより発生した電子(-)及び正孔(+)が同極に飛び込み、内部漏洩電流となって発電特性を低下させる問題がある。

このような内部漏洩電流の従来対策として、TiOxやLiF等の無機材料の薄膜を、混合膜20の負極側に配置して、正孔(+)の負極層12への移動を遮断することにより、発電特性を改善させた報告例がある(例えば、非特許文献2)。





【非特許文献1】

dv.Mater.2006,18,789-794

【非特許文献2】

dv.Mater.2006,18,572-576

産業上の利用分野



本発明は、有機膜を構成要素とする光電変換素子に関連する技術分野に属し、特に、膜厚が高精度に制御された高分子薄膜を介在させて発電効率を向上させる光電変換素子、その製造方法、及び太陽電池に関する発明である。

特許請求の範囲 【請求項1】
照射光を吸収して励起した電子を界面で接する電子輸送相に注入する第1光吸収相と前記電子輸送相とが混在する混合膜と、
前記混合膜を間に配置して相互に対向する正極層及び負極層とを、備える光電変換素子において、
前記照射光を吸収して励起した電子を界面で接する前記混合膜に注入する前記正極層と前記混合膜との間に配置される第2光吸収薄膜を更に備え、
前記第2光吸収薄膜の最低空軌道のエネルギ準位は、前記第1光吸収相の最低空軌道のエネルギ準位よりも高く、
前記第2光吸収薄膜の最高被占軌道のエネルギ準位は、前記第1光吸収相の最高被占軌道のエネルギ準位よりも高く、かつ、前記正極層の自由電子の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、
前記第2光吸収薄膜の膜厚が0.1nmから100nmの範囲で形成される
ことを特徴とする光電変換素子。

【請求項2】
前記第2光吸収薄膜は、
カチオン高分子とアニオン高分子との交互吸着膜で形成され、
前記カチオン高分子及び前記アニオン高分子のうち少なくとも一方に、前記照射光により電子が励起する光吸収成分を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。

【請求項3】
前記正極層前記第2光吸収薄膜の間に配置される正孔輸送膜を更に備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光電変換素子。

【請求項4】
前記第1光吸収相又は前記第2光吸収薄膜は、π共役系化合物を主成分としたものであ
とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光電変換素子。

【請求項5】
前記第2光吸収薄膜はポリパラフェニレンビニレン又はその誘導体を主成分としたものであ
とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光電変換素子。

【請求項6】
前記第1光吸収相はポリ3-ヘキシルチオフェンを成分とす
とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光電変換素子。

【請求項7】
前記電子輸送相はフラーレン70又はその誘導体を成分とす
とを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光電変換素子。

【請求項8】
正極層が設けられ負又は正に帯電させた電極基板をカチオン溶液及びアニオン溶液に交互に浸漬し、カチオン膜及びアニオン膜が交互に積層してなる第2光吸収薄膜を形成する薄膜形成工程と、
第1光吸収相の成分及び電子輸送相の成分が混合されている混合溶液を塗布し、脱溶媒し、前記第1光吸収相及び前記電子輸送相が混在している混合膜を形成する混合膜形成工程と、
負極層を有する対極基板を設ける対極形成工程とを、含む光電変換素子の製造方法であって、
前記第2光吸収薄膜の最低空軌道のエネルギ準位は、前記第1光吸収相の最低空軌道のエネルギ準位よりも高く、
前記第2光吸収薄膜の最高被占軌道のエネルギ準位は、前記第1光吸収相の最高被占軌道のエネルギ準位よりも高く、かつ、前記正極層の自由電子の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、
前記第2光吸収薄膜の膜厚が0.1nmから100nmの範囲で形成される
ことを特徴とする光電変換素子の製造方法。

【請求項9】
請求項に記載の光電変換素子の製造方法において、
前記カチオン膜及び前記アニオン膜のいずれか一方はπ共役系化合物を主成分とするものであって、
他方は前記π共役系化合物の電気極性が逆転するよう陰イオン交換基又は陽イオン交換基が前記π共役系化合物に導入された誘導体であることを特徴とする光電変換素子の製造方法。

【請求項10】
請求項又は請求項に記載の光電変換素子の製造方法において、
前記電極基板は、前記正極層の上に正孔輸送膜が設けられたものであることを特徴とする光電変換素子の製造方法。

【請求項11】
請求項から請求項10のいずれか1項に記載の光電変換素子の製造方法により製造された光電変換素子。

【請求項12】
請求項1から請求項、請求項11のいずれか1項に記載の光電変換素子を備え、連結した外部負荷に仕事をさせる太陽電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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