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4-ヒドロキシ-L-イソロイシンの製造法

国内特許コード P140010318
整理番号 1498
掲載日 2014年2月24日
出願番号 特願2007-254762
公開番号 特開2008-173116
登録番号 特許第5246639号
出願日 平成19年9月28日(2007.9.28)
公開日 平成20年7月31日(2008.7.31)
登録日 平成25年4月19日(2013.4.19)
優先権データ
  • 2007104645 (2007.2.7) RU
  • 特願2006-265452 (2006.9.28) JP
  • 特願2006-345461 (2006.12.22) JP
発明者
  • 小寺 智博
  • セルゲイ ヴァシリエヴィッチ スミルノフ
  • ナタリヤ ニコラエブナ サムソノヴァ
  • ヴェロニカ アレクサンドロヴナ コトリャロヴァ
  • ナタリア ユリエヴナ ルシュケヴィッチ
  • ユーリー イヴァノヴィッチ コズロフ
  • 清水 昌
  • 小川 順
  • 日比 慎
出願人
  • 味の素株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 4-ヒドロキシ-L-イソロイシンの製造法
発明の概要 【課題】大量調製が可能な微生物由来の酵素を用いて4-ヒドロキシイソロイシンを製造する方法を提供する。
【解決手段】Bacillus thuringiensis由来のL-イソロイシンジオキシゲナーゼ遺伝子とベクターDNAとを連結し、大腸菌等の細菌に形質転換された細胞から、高活性L-イソロイシンジオキシゲナーゼ酵素を得る。L-イソロイシンジオキシゲナーゼ存在下で、水性溶媒中でL-イソロイシン又はその塩を水酸化反応に供し、(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩を製造することからなる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



4-ヒドロキシ-L-イソロイシンは、コロハ(フェヌグリーク)種子 (Trigonella foenum-graecum L.leguminosae) から抽出、精製できるアミノ酸である。4-ヒドロキシ-L-イソロイシンは、興味深いインスリン分泌性(insulinotropic)活性を示すが、これは、単離潅流ラット膵臓及びヒトの膵島の両者で実証されているように、その促進効果がミディアム中の血漿グルコース濃度に明白に依存するからである (Sauvaire, Y.ら, Diabetes, 47: 206-210, (1998)) 。そのようなグルコース依存性は、2型糖尿病[非インスリン依存性糖尿病、(NIDD) mellitus (NIDDM)]の治療に現在使用されている唯一のインスリン分泌活性薬であるスルホニル尿素(Drucker, D. J., Diabetes 47: 159-169, (1998)) では確認されていない。その結果、低血糖症が依然として、スルホニル尿素治療の通常望ましくない副作用である。(Jackson, J., and Bessler, R. Drugs, 22: 211-245; 295-320, (1981); Jennings, A. ら. Diabetes Care, 12: 203-208, (1989))。またグルコース耐性の改善も知られている。((Am. J. Physiol. Endocrinol., Vol. 287, E463-E471, 2004) 。このグルコース代謝増強活性とその医薬品と健康食品への応用の可能性が報告された(特開平6-157302号公報;US2007-000463A1)。





植物にのみ発見されている4-ヒドロキシ-L-イソロイシンは、その特別なインスリン分泌性作用のために、様々な程度のインスリン耐性に関連するインスリン分泌不全を特徴とする疾病である2型糖尿病の治療用の可能性を秘めた新規分泌促進剤と見なしてもよい(Broca, C. ら, Am. J. Physiol. 277 (Endocrinol. Metab. 40): E617-E623, (1999))







フェヌグリーク抽出液中のジオキシゲナーゼ活性を利用する鉄、アスコルビン酸、2-オキシグルタル酸、酸素に依存するイソロイシンの酸化法が4-ヒドロキシ-L-イソロイシンの製造法として、報告されている(Phytochemistry, Vol. 44, No. 4, pp. 563-566, 1997) 。しかし、この方法は、20mM以上のイソロイシン濃度で酵素活性が基質で阻害され、この酵素が同定されていなく、酵素は植物の抽出液から誘導され、たやすく大量に得られなく、かつ、この酵素が安定でないために、4-ヒドロキシ-L-イソロイシンの製造法として不充分である。





光学的に純粋な(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンが全収率39%で得られる効率的な8工程合成が開示されている。この合成の重要な工程は、エチル2-メチルアセトアセテートをGeotrichum candidum でエチル(2S,3S)-2-メチル-3-ヒドロキシブタノエートに生物変換すること、及び不斉Strecker 合成を含む (Wang, Q. ら, Eur. J. Org. Chem., 834-839 (2002)) 。





短い6工程で立体化学を完全に制御した(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシイソロイシンの化学酵素的合成も発表されているが、最終工程は市販のEupergit C(E-PAC)上固定化ペニシリン・アシラーゼGを使用したN-フェニルアセチルラクトン誘導体の加水分解による酵素的分割である(Rolland-Fulcrand, V. ら, J. Org. Chem., 873-877 (2004)) 。





しかし、現在、L-イソロイシンジオキシゲナーゼのクローニング、及び、L-イソロイシンジオキシゲナーゼを用いるL-イソロイシンの直接的酵素水酸化により(2S,3R,4S)-4-ヒ

ドロキシ-L-イソロイシンを生成する報告はない。





微生物によるイソロイシン類似体の生産については、バチルス属細菌による2-アミノ-3-ケト-4-メチルペンタン酸(AMKP)生産の報告がある[Bioorganic Chemistry, Vol. 6, pp.263-271 (1977)]。しかしながら、微生物由来イソロイシン水酸化酵素に関する報告はない。

産業上の利用分野



本発明は、微生物産業に関し、詳しくは、新規なジオキシゲナーゼ及び4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
微生物由来の、イソロイシンから4-ヒドロキシイソロイシンを生成する水酸化酵素存在下でイソロイシン又はその塩を水酸化反応に供し、4-ヒドロキシイソロイシンを生成させる工程を含むことを特徴とする、4-ヒドロキシイソロイシン又はその塩の製造方法であって、
水酸化反応が、
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1種のL-イソロイシンジオキシゲナーゼの存在下または当該L-イソロイシンジオキシゲナーゼを含む細菌の存在下で水性溶媒中で行われる、方法。

【請求項2】
微生物がバチルス属に属する微生物である、請求項1記載の製造方法。

【請求項3】
バチルス属に属する微生物がBacillus thuringiensis、Bacillus licheniformis、及び、Bacillus sphaericusから選択される微生物である、請求項2に記載の製造方法。

【請求項4】
水酸化反応が、微生物の対数増殖期細胞から調製された破砕液の存在下で行われる請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
L-イソロイシンを水酸化反応に供する、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項6】
水酸化酵素が、ジオキシゲナーゼである、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方
法。

【請求項7】
水酸化酵素が以下の性質を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
(a)補因子として、酸素、Fe2+、アスコルビン酸、及び、2-オキソグルタル酸を要求する。
(b)反応至適pHがpH5~pH8。
(c)反応至適温度が45℃以下。
(d)50℃以上で失活する。
(e)EDTAやCu2+、Zn2+により阻害される。

【請求項8】
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1種のL-イソロイシンジオキシゲナーゼの存在下で水性溶媒中でL-イソロイシンを反応させ、生成した (2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを単離することを含む(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造方法。

【請求項9】
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれるL-イソロイシンジオキシゲナーゼを含む細菌の存在下で水性溶媒中でL-イソロイシンを反応させ、生成した (2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを単離することを含む(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造方法。

【請求項10】
前記細菌がL-イソロイシンジオキシゲナーゼの活性が増強されるように改変されている請求項に記載の方法。

【請求項11】
L-イソロイシンジオキシゲナーゼの活性が、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子の発現の増大により増強されている請求項10に記載の方法。

【請求項12】
L-イソロイシンジオキシゲナーゼの活性が、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子の発現調節配列の改変、又は、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子のコピー数の増大により増強されている請求項11に記載の方法。

【請求項13】
前記細菌が、Escherichia, Pseudomonas, Corynebacterium, Arthrobacter, Aspergillus又は Bacillus属に属する請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。

【請求項14】
前記細菌が、Escherichia coli, Arthrobacter simplex, Corynebacterium glutamicum, Arthrobactor globiformis, Arthrobactor sulfureus, Arthrobactor viscosus 又はBacillus subtilisに属する請求項13に記載の方法。

【請求項15】
前記細菌が、細菌培養物、細胞、細胞処理物又は細胞破砕液である請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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