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サブポルフィリン化合物およびその製造法並びにその応用

国内特許コード P140010319
整理番号 1000
掲載日 2014年2月24日
出願番号 特願2005-226900
公開番号 特開2007-039588
登録番号 特許第4521579号
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
登録日 平成22年6月4日(2010.6.4)
発明者
  • 大須賀 篤弘
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 日本電信電話株式会社
  • 三菱化学株式会社
発明の名称 サブポルフィリン化合物およびその製造法並びにその応用
発明の概要 【課題】吸光係数、吸収極大波長および吸収形状に優れ、青色レーザー光を用いた光記録にも対応可能な光学記録媒体の記録層形成用色素として有用なサブポルフィリン化合物およびその製造法を提供する。
【解決手段】2-(5-オキソ-1H-ピロール-2-イル)酢酸誘導体およびホウ素化合物を混合して反応させる工程を含む該サブポルフィリン化合物の製造法及び該製造法により得られる特定のサブポルフィリン化合物。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



近年、高密度での情報の記録保存/再生が可能なことから、レーザー光を用いた光学記録媒体、特に光ディスクについての開発が取り進められている。光ディスクの中でも最近注目を集めているものに、書き込み型コンパクトディスク(CD-R)がある。CD-Rは、通常、案内溝を有する円形のプラスチック基板上に、色素を主成分とする記録層、金属反射膜および保護膜が順次積層された構造をしている。CD-Rへの情報の記録は、レーザー光を照射し、その照射エネルギーが記録層で吸収されることにより、レーザー光照射部分の記録層、反射層または基板に分解、蒸発、溶解等の熱的変形を生じさせる方法(ヒートモード)や、レーザー光照射部分の記録層に含まれる色素の構造を可逆的に変化させる方法(フォトンモード)などにより行なわれる。また、記録された情報の再生は、レーザー光照射による熱的変形や色素構造の変化が起きている部分と起きていない部分のレーザー光に対する反射率の差を読み取ることにより行われる。従って、光学記録媒体の記録層はレーザー光のエネルギーを効率良く吸収する必要があり、記録層には一般的にレーザー光吸収色素が用いられている。





レーザー光吸収色素として有機色素を利用した光学記録媒体は、有機色素溶液を塗布するという簡単な方法で記録層を形成し得るため、安価な光学記録媒体として今後益々普及することが期待されている。





また、近年、記録の高密度化のため、記録に用いるレーザー光の波長を従来の半導体レーザーの発光波長である780nmを中心としたものから、405nm前後以下の青色光領域へと短波長化することが検討されつつある。

更に、近年、記録媒体の高容量化のため、記録媒体に記録層を2層作成することによって記録容量の倍増を図った2層記録媒体の作成が検討されている。





光学記録媒体では、記録データの形成、すなわち記録前後における記録層の反射率変化を、一般的に記録レーザー照射前後において色素の吸収強度が低下することに起因する反射率の上昇を用いる方法(吸収変化方式)もしくは記録レーザー照射前後において色素の複素屈折率強度が低下することに起因する反射率の低下を用いる方法(屈折率変化方式)によって行うが、これらのうち、上記2層記録媒体には、屈折率変化方式による記録が有利である。これは次の理由による。





一般的に、吸収変化方式では、未記録状態の記録層はレーザー光を良く吸収するため、1層目の記録層を透過し、2層目に至るレーザー光の強度が低くなる。従って、2層目の記録層には低いレーザー光強度で記録可能な著しく高い記録感度が求められる。更に、1層目でレーザー光が良く吸収され、2層目に至るレーザー光の強度が低くなるということは、2層目においては照射光量に対するレーザー光反射率が未記録部・記録部の別なく極端に小さくなること意味するため、記録後の反射率変化の低下を招き、記録信号の信頼性を低下させる要因ともなる。





一方、屈折率変化方式では、色素の吸収極大近傍に存在する複素屈折率極大を用いるため、色素によるレーザー光の吸収は少なく、1層目の記録層を透過し2層目に至る光の量はそれほど低減しない。このことから、2層記録媒体であっても2層目に用いられる記録層用色素化合物のレーザー光に対する記録感度は吸収変化方式で用いられる色素ほど高くなくて良く、また、2層目における記録後の反射率変化が著しく小さくなる懸念はない。更に、色素によるレーザー光の吸収が少ないということは、再生光劣化に強いことも併せて意味するため、記録媒体に好適である。





先述したように、屈折率変化方式による記録の際には色素の吸収極大近傍に存在する複素屈折率極大を用いるが、特に記録前後の反射率変化を大きくとるには、吸収極大より長波長側に存在する正の屈折率極大を用いることが好ましい。従って、405nm前後の青色レーザー光を記録光として用いる場合、その吸収極大は405nm以下、特に380~390nm以下である必要がある。また、屈折率変化方式による記録の際には、記録前後における色素の光吸収変化に伴う反射率変化が無視できるほど小さいことが記録前後の反射率変化を大きくとるために好ましく、従って上記のレーザー光を記録光として用いる場合、405nmにおける色素の光吸収が極端に小さいか、もしくはほぼゼロである必要がある。更に、吸収形状がシャープであり、かつモル吸光係数(ε)が大きいほど、複素屈折率極大が増大し記録後の反射率変化が大きくなるため好ましい。





青色光領域のレーザーを用いた光学記録媒体用の有機色素としてかねてから注目されてきた化合物として、ポルフィリン系化合物がある。この化合物が注目されてきた理由としては、モル吸光係数の高さが挙げられる。一般に、405nm前後の短波長領域に吸収極大を有する化合物は分子内共役構造が短いためεの値が小さくなる傾向があり、その値は一般に20,000~50,000以下である。しかしながらポルフィリン系化合物は広大な芳香環構造を有し、更に高い対称性を有するため吸光係数が大きく、εの値が100,000を越えることも珍しくない。





以上の理由からポルフィリン系化合物の光学記録媒体用色素としてのポテンシャルは広く知られており、これまでにも例えば特許文献1~10などのように、多数の報告がなされている。





しかしながら、従来のポルフィリン系化合物のうち、例えばテトラアリールポルフィリン化合物は吸収形状がシャープであるものの主に405nm以上に吸収ピークを有するという問題を有しており、β-置換ポルフィリンは405nm以下に吸収極大を有しているものの吸収スペクトルのブロード化により405nmに相応の吸収を有していることが問題となっている。その他のポルフィリノイド誘導体についても同様で、結局ポルフィリン系化合物は吸収極大が長波長過ぎて、青色レーザー光対応の光学記録媒体に不適であると考えられていた。

【特許文献1】

開平8-127174号公報

【特許文献2】

開2003-182223号公報

【特許文献3】

開平6-295469号公報

【特許文献4】

開平7-304256号公報

【特許文献5】

開平8-169182号公報

【特許文献6】

開平10-330632号公報

【特許文献7】

開平11-221964号公報

【特許文献8】

開2001-138633号公報

【特許文献9】

開2003-300983号公報

【特許文献10】

開2004-160742号公報

産業上の利用分野



本発明はサブポルフィリン化合物およびその製造法並びにその応用に関するものである。特に、本発明は青色レーザー光対応の光学記録媒体の記録層形成用に用いられる色素として有用なサブポルフィリン化合物及びその製造法に関するものである。本発明はまた、このサブポルフィリン化合物を含む光学記録媒体の記録層形成用色素と、この色素を用いた記録層を有する光学記録媒体とその記録方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式()で表されるサブポルフィリン化合物を製造する方法であって、2-(5-オキソ-1H-ピロール-2-イル)酢酸誘導体およびホウ素化合物を混合して反応させる工程を含むことを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。
【化1】


(一般式(2)中、R10~R25は、それぞれ独立に、水素原子、下記置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良い芳香環基、または下記置換基群Bから選ばれる炭素数0~20の非芳香環置換基を表し、Xは酸素原子を表す。
置換基群A:炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数3~20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2~6縮合環由来の複素環基、炭素数1~9のアルコキシ基、炭素数2~18のアルキルカルボニル基、炭素数2~18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3~18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2~20のアルキルアミノ基、炭素数2~30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2~20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2~20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基
置換基群B:炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数3~20の非芳香族炭化水素環基、5または6員環の単環または2~6縮合環由来の非芳香族複素環基、炭素数1~9のアルコキシ基、炭素数2~18のアルキルカルボニル基、アミノ基、炭素数2~20のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2~20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基)

【請求項2】
請求項1に記載の製造法において、反応温度が300℃以上であることを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。

【請求項3】
請求項1または2に記載の製造法において、ホウ素化合物が置換または無置換のホウ酸であることを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。

【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の製造法において、2-(5-オキソ-1H-ピロール-2-イル)酢酸誘導体がイソインドリノン-3-酢酸誘導体であることを特徴とするサブポルフィリン化合物の製造法。

【請求項5】
下記一般式(2)で表されるサブポルフィリン化合物。
【化3】


(一般式(2)中、R10~R25は、それぞれ独立に、水素原子、下記置換基群Aから選ばれる置換基を有していても良い芳香環基、または下記置換基群Bから選ばれる炭素数0~20の非芳香環置換基を表し、X酸素原子を表す。
置換基群A:炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数3~20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2~6縮合環由来の複素環基、炭素数1~9のアルコキシ基、炭素数2~18のアルキルカルボニル基、炭素数2~18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3~18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2~20のアルキルアミノ基、炭素数2~30の(ヘテロ)アリールアミノ基、カルバモイル基、炭素数2~20のアルキルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2~20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基
置換基群B:炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数3~20の非芳香族炭化水素環基、5または6員環の単環または2~6縮合環由来の非芳香族複素環基、炭素数1~9のアルコキシ基、炭素数2~18のアルキルカルボニル基、アミノ基、炭素数2~20のアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数2~20のエステル基、ハロゲン原子、水酸基)

【請求項6】
前記一般式(2)において、R10~R12が水素原子である、請求項5に記載のサブポルフィリン化合物。

【請求項7】
前記一般式(2)において、X25が、-OH、-OCH、-OEt、-O-C-(オルト位)CONEt及び-O-サブポルフィリン(2量体を形成)から選ばれる、請求項5または請求項6に記載のサブポルフィリン化合物。

【請求項8】
請求項5ないし7のいずれか1項に記載のサブポルフィリン化合物を含むことを特徴とする光学記録媒体の記録層形成用色素。

【請求項9】
請求項8に記載の記録層形成用色素を含む記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。

【請求項10】
波長350~530nmのレーザー光を用いて記録することを特徴とする請求項9に記載の光学記録媒体の記録方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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