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3次元メタマテリアル

国内特許コード P140010338
掲載日 2014年2月25日
出願番号 特願2011-518490
登録番号 特許第5581526号
出願日 平成22年6月3日(2010.6.3)
登録日 平成26年7月25日(2014.7.25)
国際出願番号 JP2010059437
国際公開番号 WO2010140655
国際出願日 平成22年6月3日(2010.6.3)
国際公開日 平成22年12月9日(2010.12.9)
優先権データ
  • 特願2009-136417 (2009.6.5) JP
発明者
  • 上田 哲也
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 3次元メタマテリアル
発明の概要 所定の間隔で並置された複数個の誘電体(20)及びホスト媒質(22)を含む誘電体層(13)を、それぞれ複数の孔(12)を有する1対の導電メッシュ板(11)により挟設することにより、上記複数の誘電体(20)に対応する複数個の誘電体共振器(20R)を含む機能層を形成し、当該機能層を複数個積層して構成してなるメタマテリアルにおいて、上記複数の孔(12)の軸と上記複数個の誘電体共振器(20R)の軸とがそれぞれ互いに同軸となるように配置され、電磁波を上記各機能層において上記積層面に対して垂直な伝搬方向に伝搬させて、上記積層面に対して垂直な伝搬方向に対して左手系メタマテリアルとして動作させる。
従来技術、競合技術の概要



メタマテリアルの構造は、マイクロ波回路、そのコンポーネント及びアンテナ、並びに平板スーパーレンズ、波長以下の分解能を有する近傍界イメージング、クローキング技術等のような光学的デバイス及びそのコンポーネントへのアプリケーション用に研究されてきている。左手系メタマテリアルは、負の実効誘電率及び負の実効透磁率を同時に有し、かつバックワード波の伝搬を可能にする。マイクロ波回路又はアンテナのアプリケーションの大部分は、1次元又は2次元の左手系メタマテリアル構造に基づいている。最近では、スプリットリング共振器と細線との組合せ、伝送線路ネットワーク及び誘電体球を用いる異方性/等方性の左手系構造も提案されている。





メタマテリアルの構造において、右手系というのは、電磁波の電界ベクトル、磁界ベクトル、波数ベクトルが右手系をなす方向関係を有する電磁波の伝搬状態を指し、電磁波の伝送電力の方向(群速度の向き)と、位相面の流れの向き(位相速度の向き)が同方向となるフォワード波(前進波)の伝搬状態を指す。この状態は、実効誘電率及び実効透磁率がともに正の値を持つ媒質及び構造体において可能となる。





また、メタマテリアルの構造において、左手系というのは、電界ベクトル、磁界ベクトル、波数ベクトルが左手系をなす関係を有する電磁波の伝搬状態を指し、電磁波の伝送電力の方向と、位相面の流れの向きが反対となるバックワード波(後進波)の伝搬状態を指す。この状態は、実効誘電率及び実効透磁率がともに負の値を持つ媒質及び構造体において可能となる。





メタマテリアルの構成方法はいくつか提案されているが、代表例として、共振型メタマテリアルと伝送線路(非共振)型メタマテリアルの2つが挙げられる。





前者の共振型メタマテリアルは、金属ストリップからなるスプリットリング共振器と細線の組合せに代表されるように、外部電磁界の磁界及び電界成分によって応答する磁気的及び電気的共振器の組合せからなる。この構造は、実効誘電率あるいは実効透磁率が反共振特性を示すので、共振周波数付近において損失の影響が非常に大きくなる。





一方、後者の伝送線路型メタマテリアルは、一般的な電磁波の伝搬形態が伝送線路モデルで記述できることを用いて構造体が構成されており、フォワード波伝搬を許す従来の一次元右手系メタマテリアル構造は、直列枝に誘導性素子が、並列枝(シャント枝)に容量性素子が挿入された梯子型構造を取るのに対して、一次元左手系メタマテリアル構造は、実効誘電率及び実効透磁率の値を負にするために、直列枝に容量性素子が、並列枝に誘導性素子が挿入された構造となる。この伝送線路型メタマテリアルの多くは、実効誘電率及び透磁率において反共振特性を示さないため、上記の共振型に比べて低損失となる特長がある。伝送線路型メタマテリアルにおいては、動作周波数帯域により、右手系メタマテリアル、左手系メタマテリアル、誘電率あるいは透磁率のどちらか一方が負で他方が正となるシングルネガティブメタマテリアル、実効誘電率あるいは透磁率が零のメタマテリアルとして動作することから、右手/左手系複合メタマテリアルと呼ばれる。





右手/左手系複合メタマテリアルの実効誘電率及び実効透磁率が零の値を取る周波数は、一般に異なる。その場合、隣接する実効誘電率が零の周波数と実効透磁率が零となる周波数の間の帯域は、実効誘電率あるいは実効透磁率のどちらか一方のみが負で、他方が正の値を取る。このとき電磁波の伝搬条件を満たさず、禁止帯が形成される。この禁止帯の下側の帯域では、実効誘電率及び実効透磁率がともに負であるので左手系メタマテリアルとして、上側の帯域ではともに正の値となり右手系メタマテリアルとして動作する。実効誘電率と実効透磁率が零となる周波数が一致する場合、禁止帯が形成されず、左手系伝送帯域と右手系伝送帯域が連続的に接続される。このようなメタマテリアルを平衡型右手/左手系複合メタマテリアルといい、そうでないものを非平衡型右手/左手系複合メタマテリアルと呼ぶ。平衡型右手/左手系複合メタマテリアルは、禁止帯を生じないばかりでなく、位相定数が零となる周波数においても、群速度が零とならず、効率良い電力伝送が可能という特長を持つ。

産業上の利用分野



本発明は、電磁波の伝搬を許したり、阻止させたりする機能を有するメタマテリアル(人工構造体)装置(以下、メタマテリアルという。)に関し、特に、構造体の実効誘電率が正、負、零のいずれかであり、一方で、実効透磁率が正、負、零のいずれかの値を取る3次元右手系及び左手系複合メタマテリアルに関する。以下、右手系及び左手系を「右手/左手系」という。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定の間隔で並置された複数個の誘電体共振器及びホスト媒質を含む誘電体層を、それぞれ複数の孔を有する1対の導電メッシュ板により挟設することにより、上記複数個の誘電体共振器を含む機能層を形成し、当該機能層を複数個積層して構成してなるメタマテリアルにおいて、
上記複数の孔の軸と上記複数個の誘電体共振器の軸とがそれぞれ互いに実質的に同軸となるように配置され、
上記複数の誘電体共振器に対して上記複数の孔を介して電磁波を上記積層面に対して実質的に垂直な方向で入射したときに、上記誘電体共振器が上記積層面に対して少なくとも平行な磁気双極子モーメントを有する共振状態となるという条件のもとでかつ所定の動作周波数において、上記複数の孔が負の実効誘電率及び正の実効透磁率を有するように、上記複数の孔のサイズが設定され、
上記条件のもとでかつ上記動作周波数において上記各誘電体層が正の実効誘電率及び負の実効透磁率を有するように、上記各誘電体共振器の形状、サイズ、比誘電率及び間隔と、上記ホスト媒質の比誘電率と、上記誘電体層の厚さとが設定され、
上記条件のもとでかつ上記動作周波数において当該メタマテリアルの実効誘電率及び実効透磁率がともに負となるように、上記各誘電体共振器の形状、サイズ、比誘電率及び間隔と、上記ホスト媒質の比誘電率と、上記誘電体層の厚さと、上記各導電メッシュ板の厚さとが設定され、
電磁波を上記各機能層において上記積層面に対して垂直な伝搬方向に伝搬させて、上記積層面に対して垂直な伝搬方向に対して左手系メタマテリアルとして動作させることを特徴とする3次元メタマテリアル。

【請求項2】
電体を、それぞれ孔を有する1対の導電メッシュ板により挟設することにより誘電体共振器を形成してなる単位セルを形成し、当該単位セルを複数個上記導電メッシュ板に平行な2次元方向に所定の間隔で並置しかつ上記各導電メッシュ板に垂直な方向で積層化して構成されたことを特徴とする請求項記載の3次元メタマテリアル。

【請求項3】
第1の誘電体基板に複数の孔を形成し、
上記第1の誘電体基板と同じ構成を有する複数の孔を有する第2の誘電体基板の複数の孔に上記誘電体を突出するように挿入充填し、
上記第1の誘電体基板の複数の孔にそれぞれ上記突出した誘電体を挿入充填するように、上記第1の誘電体基板と上記第2の誘電体基板とを嵌合させて上記1つの誘電体層を形成し、
当該形成した誘電体層を上記1対の導電メッシュ板で挟設して1つの機能層を形成し、
上記機能層を複数層積層することにより構成したことを特徴とする請求項記載の3次元メタマテリアル。

【請求項4】
上記各導電メッシュ板に垂直な方向での電磁波の伝搬方向に対して、当該3次元メタマテリアルの実効誘電率及び実効透磁率が零となる周波数を一致させるように設定することにより、平衡型右手/左手系メタマテリアルとして動作させることを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。

【請求項5】
上記各導電メッシュ板に平行な方向に電磁波の偏波方向及び伝搬方向を有するように電磁波を入射させることにより、右手/左手系複合メタマテリアルを構成したことを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。

【請求項6】
上記各誘電体層内の互いに隣接する複数の誘電体共振器が磁気的に結合するように、上記複数の誘電体共振器を近接して並置させることにより、上記各導電メッシュ板に平行な方向に電磁波の伝搬方向を有し、かつ上記各導電メッシュ板に対して垂直な方向に偏波を有するように電磁波を入射させる場合においても左手系メタマテリアルとして動作させたことを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1つに記載の3次元メタマテリアル。
産業区分
  • 伝送回路空中線
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011518490thum.jpg
出願権利状態 登録
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