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閉塞性動脈硬化症モデル動物、るい痩研究用モデル動物、及び全身性アミロイドーシスモデル動物としての非ヒト哺乳動物

国内特許コード P140010348
整理番号 S2013-1219-N0
掲載日 2014年2月26日
出願番号 特願2013-150077
公開番号 特開2015-019617
出願日 平成25年7月19日(2013.7.19)
公開日 平成27年2月2日(2015.2.2)
発明者
  • 山中 恵一
  • 水谷 仁
出願人
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 閉塞性動脈硬化症モデル動物、るい痩研究用モデル動物、及び全身性アミロイドーシスモデル動物としての非ヒト哺乳動物
発明の概要 【課題】閉塞性動脈硬化症モデル動物、やせ薬研究用モデル動物、及び全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患モデル動物を提供する。
【解決手段】内因性IL-1α及び/又はIL-1βを誘導することにより、上記疾患群のうちの少なくとも一つの疾患を生じさせることを特徴とする非ヒト哺乳動物によって達成される。このとき上記非ヒト哺乳動物は、(1)皮膚特異的に発現する遺伝子プロモータの下流に前記型カスパーゼ1遺伝子を結合した組み換えDNAを有し、持続的に皮膚炎を生じるトランスジェニック非ヒト哺乳動物、又は(2)皮膚特異的に発現する遺伝子プロモータの下流に副甲状腺ホルモン遺伝子リーダーシークエンス及びIL-18遺伝子を結合した組み換えDNAを有し、血中に持続的に成熟型IL-18を分泌し、持続的に皮膚炎を生じるトランスジェニック非ヒト哺乳動物であることが好ましい。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要



心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化を基盤として起こる血管疾患は、世界の死因のおよそ3割を占め、日本においてもほぼ同様の傾向を示している。動脈硬化の予防と治療は、日本の健康福祉における大きな課題の1つである。動脈が肥厚し硬化した状態を動脈硬化といい、これによって引き起こされる様々な病態を動脈硬化症という。動脈硬化には、アテローム性動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化などのタイプがあるが、注記のない場合はアテローム性動脈硬化を指すことが多い。アテローム性動脈硬化は、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する状態である。アテローム性動脈硬化は、脂質異常症(従来の高脂血症)や糖尿病、高血圧、喫煙などの危険因子により生じると考えられ、最終的には動脈の血流が遮断されて、酸素や栄養が重要組織に到達できなくなる結果、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる。





閉塞性動脈硬化症は、主に下肢の大血管が慢性に閉塞することによって、軽い場合には冷感、重症の場合には下肢の壊死にまで至ることがある病気であり、特に50歳以降の男性に多い。動脈硬化を発症するモデル動物としては、(1)Apo E*3 Leidenトランスジェニックマウス(TNO(The Netherlands Organization for Applied Scientific Research)社製。アテローム性動脈硬化症を発症する)、(2)Apo Eノックアウトマウス(MMRRC(Mutant Mouse Regional Resources Centers supported by NIH)社製)、(3)Ldlrノックアウトマウス(MMRRC社製)等があるが,高脂質血症を伴わず閉塞性動脈硬化症を発症するモデル動物は知られていなかった。

一方、慢性炎症は、動脈硬化症、アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis:AD)及び肥満など先進国で増加しつつある疾患に於いて潜在し治療の標的となり得る。基礎となる炎症は、異常な脂肪組織のリモデリングに関与することで、肥満と脂肪異栄養症(非特許文献3:先行技術文献については、末尾に纏めて示す。)の両方の病因に寄与する。炎症性サイトカインのIL-1を阻害する治療法に関する臨床試験が、アテローム性動脈硬化症(非特許文献4)とADに関する臨床試験で検討中である(http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01122914)。





皮膚は、外部刺激に応答してケラチノサイト自身や皮膚に存在するランゲルハンス細胞などがサイトカインを産生しシグナル・カスケードを引き起こす免疫器官である。皮膚炎(アトピー性皮膚炎)を自然発症するモデル動物として、(1)外来性のヒト前駆型カスパーゼ1遺伝子とケラチン14プロモータとを含む組換えDNAを有し、持続的にIL-1とIL-18を放出しアトピー性皮膚炎を生じるトランスジェニックマウス(特許文献1、非特許文献1)、(2)ケラチン14プロモータの下流に副甲状腺ホルモン遺伝子リーダーシークエンス及び外来性のIL-18遺伝子を結合した組換えDNAを有し、生後1年以降に持続的にアトピー性皮膚炎を生じるマウス(特許文献2、非特許文献2)が知られている。

表皮角化細胞は、サイトカインカスケードを活性化し、炎症反応の引き金となるマスターサイトカインであるIL-1α、及びIL-1βの前駆体を提供する貯蔵槽となっている。IL-1αは皮膚炎と引っ掻きによって生産・分泌され、傷害を受けた表皮角化細胞に対して、CTL/NKプロテアーゼ・グランチームB(非特許文献5)及びカルシウム活性化プロテアーゼ・カルパイン(非特許文献6)を生じさせる。IL-1βは不活性な前駆体として貯蔵されており、カスパーゼ1/IL-1β変換酵素などの特異的な酵素によって活性化され、放出される。表皮角化細胞から放出されたIL-1は、局所的なメディエータとして作用する。しかし、重症型ADでは、ケラチノサイト由来のIL-1は血流によって循環され、潜在的に遠隔器官に影響を及ぼす高IL-1血症を誘導すると考えられている。このような全身性病態は、臨床的に大きな関連があるが、今のところ未解明のままである。

また、アミロイドーシスは、アミロイド蛋白が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患であり、日本では特定疾患(難病)に指定されている。アミロイドーシスの病態については、不明な点が多く、モデル動物が望まれていた。

産業上の利用分野



本発明は、閉塞性動脈硬化症モデル動物、抗肥満薬およびるい痩研究用モデル動物、及び全身性アミロイドーシスモデル動物として用いる非ヒト哺乳動物等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
内因性IL-1α及び/又はIL-1βを誘導することにより、閉塞性動脈硬化症、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患を生じさせることを特徴とする非ヒト哺乳動物。

【請求項2】
(1)皮膚特異的に発現する遺伝子プロモータの下流に前駆型カスパーゼ1遺伝子を結合した組み換えDNAを有し、持続的に皮膚炎を生じるトランスジェニック非ヒト哺乳動物、又は(2)皮膚特異的に発現する遺伝子プロモータの下流に副甲状腺ホルモン遺伝子リーダーシークエンス及びIL-18遺伝子を結合した組み換えDNAを有し、血中に持続的に成熟型IL-18を分泌し、持続的に皮膚炎を生じるトランスジェニック非ヒト哺乳動物であることを特徴とする請求項1に記載の非ヒト哺乳動物。

【請求項3】
非ヒト哺乳動物に対して、IL-1α及び/又はIL-1βを投与することにより、閉塞性動脈硬化症、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患を生じさせることを特徴とする実験用非ヒト哺乳動物の作製方法。

【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに記載の非ヒト哺乳動物に被験物質を投与し、閉塞性動脈硬化症、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患の改善効果を検定することを特徴とする閉塞性動脈硬化症、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患の予防又は治療用物質のスクリーニング方法。

【請求項5】
閉塞性動脈硬化、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患の予防又は治療用の抗IL-1抗体。

【請求項6】
内因性IL-1α及び/又はIL-1βを誘導する非ヒト哺乳動物を、生後一定期間育成し、皮膚炎発症を観察し、
皮膚炎発症後にCTスキャン観察、体重観察、血圧観察、体外における体脂肪培養観察、血中アミロイドAタンパク質濃度観察の少なくともいずれか一つの観察結果を用いて、閉塞性動脈硬化症、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患の実験用として選別された実験用非ヒト哺乳動物。

【請求項7】
前記実験用非ヒト哺乳動物の育成期間中、定期的に外的刺激を与えて育成された事を特徴とする請求項6記載の実験用非ヒト哺乳動物。

【請求項8】
前記外的刺激がテープストリーピングまたは、薬品塗布のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項7記載の実験用非ヒト哺乳動物。

【請求項9】
内因性IL-1α及び/又はIL-1βを誘導する非ヒト哺乳動物を、生後一定期間育成し、皮膚炎発症を観察し、皮膚炎発症後に
CTスキャン観察、体重観察、血圧観察、体外における体脂肪培養観察、又は血中アミロイドAタンパク質濃度観察からなる群から選択される少なくともいずれか一つの観察結果により、閉塞性動脈硬化症、るい痩、又は全身性アミロイドーシスからなる疾患群のうちの少なくとも一つの疾患を発症した被検動物を選別する、実験用非ヒト哺乳動物の育成方法。

【請求項10】
前記実験用非ヒト哺乳動物の育成期間中、定期的に外的刺激を与えて育成する事を特徴とする請求項9記載の実験用非ヒト哺乳動物の育成方法。

【請求項11】
前記外的刺激がテープストリーピングまたは、薬品塗布のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項10の実験用非ヒト哺乳動物の育成方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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