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悪性腫瘍のPET診断用トレーサー

国内特許コード P140010351
整理番号 S2013-1257-N0
掲載日 2014年2月26日
出願番号 特願2013-159132
公開番号 特開2015-030671
出願日 平成25年7月31日(2013.7.31)
公開日 平成27年2月16日(2015.2.16)
発明者
  • 松井 裕史
  • 田村 磨聖
  • 廣原 志保
  • 谷原 正夫
  • 垣内 喜代三
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 悪性腫瘍のPET診断用トレーサー
発明の概要 【課題】陽電子放出同位体を用いた悪性腫瘍のPET診断用トレーサーの提供。
【解決手段】下記式、



で例示される、ポルフィリン化合物に陽電子亜鉛などの陽電子放出金属同位体を錯体化した物質で、これを用いてPET診断を行うことにより従来よりも効果的に腫瘍を検出し得るポルフィリン化合物。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



腫瘍に対するポルフィリン類の親和性はよく知られており、比較的長い三重項寿命を有するポルフィリン化合物は、光線力学療法(PDT)を用いた悪性腫瘍の治療に使用されている。

他方、ポルフィリン化合物は、腫瘍の治療のみならず、腫瘍を可視化して腫瘍を検出又は診断するツールとして利用することが可能である。ポルフィリンはそれ自身が赤色に蛍光する物質であることから光線力学診断(PDD)として用いられてもいる。しかしこの診断では、多量の薬剤が必要となりこの薬剤によって正常部位に損傷(光細胞毒性)を与えてしまう。一方、陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)に用いる薬剤濃度は光細胞毒性の起こらない低濃度で診断することから、ポルフィリンに由来する副作用がほぼないという利点がある。





18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)は、主にPETに使用されている診断薬である。しかし、18F-FDGは、糖を必要としない部位や通常でも糖代謝が高い部位の診断には適用することができないため、脳腫瘍や胃癌の診断をすることが困難である。また、18Fは半減期(t1/2 = 1.83時間)が短いため、使用しにくいという問題がある。





また、胃癌や脳腫瘍に特異的に集積するポルフィリン誘導体(Photochlor)に124I核(t1/2= 4.13日)を導入したSingle-photon emission computed tomography (SPECT)用薬剤として、124I-Photochlor誘導体が開発された。マウス大腸癌(Colon26)腫瘍を移植したBALB/cマウスに対し、この化合物を用いた生体動態が報告されている(文献名:Suresh K. Pandey, J.Med. Chem. 2005, 48, 6286-6296(非特許文献1))。この化合物はPDT薬剤の誘導体であるが、放射核種を導入するための前駆体合成が特別に必要となり、放射核種の導入にも時間がかかる。このため、123I核(t1/2= 13時間)が使えず、半減期の長い124I核を用いたSPECT診断しかできない。この124I-Photochlor誘導体は腫瘍に集積するものの集積までの時間が遅く(48時間かかる)、また遊離したヨウ素が甲状腺に集まるという問題がある。

産業上の利用分野



本発明は、陽電子放出同位体を用いた悪性腫瘍のPET診断用トレーサーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式(I):
【化1】


(式中、R1、R2、R4、R5、R7、R8、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アゾメチンイリド、任意に置換されてもよいC1-10アルキル、任意に置換されてもよいC2-10アルケニル、又は任意に置換されてもよいC2-10アルキニルを表し、ここで、置換基は、アミド結合を有する基、並びにOR20及びCOOR20(R20は、水素原子、C1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表す。)からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
R3、R6、R9及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、任意に置換されてもよいC1-10アルキル、任意に置換されてもよいC2-10アルケニル、任意に置換されてもよいC2-10アルキニル、任意に置換されてもよいC6-14アリール、任意に置換されてもよいC7-20アリールアルキル、又は任意に置換されてもよい5~14員ヘテロアリールを表し、ここで、置換基は、C1-6アルキル、C6-14アリール、C7-20アリールアルキル、OR20及びCOOR20(R20は前記と同様である。)、酸素原子、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子が結合してもよい糖、ハロゲン原子、並びに次式:
【化2】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
各置換基は、アミノ酸、葉酸、抗体、次式:
【化3】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基、アジ化物又はこれらの組み合わせを含む基でさらに置換されてもよく、
Mは、[64Cu]、[52Mn] 、[52Fe]、[99mTc]、[111In]、[68Ga]及び[62Zn]から選択される陽電子放出核種であり、
【化4】


は単結合又は二重結合を表す。)
で示されるポルフィリン化合物を含む、腫瘍のPET診断用トレーサー。

【請求項2】
R1、R2、R4、R5、R7、R8、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、又は任意に置換されてもよいC1-10アルキルを表し、ここで、置換基は、アミド結合を有する基、並びにOR20及びCOOR20(R20は、水素原子、C1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表す。)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載のトレーサー。

【請求項3】
R3、R6、R9及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、又は任意に置換されてもよいC6-14アリールを表し、ここで、置換基は、OR20及びCOOR20(R20は前記と同様である。)、酸素原子、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子が結合してもよい糖、ハロゲン原子、並びに次式:
【化5】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
各置換基は、葉酸、次式:
【化6】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基、アジ化物又はこれらの組み合わせを含む基でさらに置換されてもよい、
請求項1または2に記載のトレーサー。

【請求項4】
R1、R2、R4、R5、R7、R8、R10及びR11は、水素原子を表し、
R3、R6、R9及びR12は、それぞれ独立して、任意に置換されてもよいC6-14アリールを表し、ここで、置換基は、酸素原子、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子が結合してもよい糖、ハロゲン原子、並びに次式:
【化7】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載のトレーサー。

【請求項5】
アミド結合を有する基が、-CONHCH2CH2NHCOCH2CH2COOR40(R40は次式:
【化8】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基を表す。)で示される基である請求項1~3のいずれか1項に記載のトレーサー。

【請求項6】
Mが[62Zn] である請求項1~5のいずれか1項に記載のトレーサー。

【請求項7】
ハロゲン原子がFである請求項1~6のいずれか1項に記載のトレーサー。

【請求項8】
ポルフィリン化合物が、次式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)及び(VIII)のいずれかで示されるものである請求項1に記載のトレーサー。
【化9】


(式中、PEG1000は分子量1000のポリエチレングリコールを表し、Znは[62Zn]を表す。)
【化10】


(式中、PEG5000は分子量5000のポリエチレングリコールを表し、Znは[62Zn]を表す。)
【化11】


(式中、Znは[62Zn]を表す。)
【化12】


(式中、PEG3000は分子量3000のポリエチレングリコールを表し、Znは[62Zn]を表す。)
【化13】


(式中、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立して、フッ素原子又はエチレングリコールを表し、Znは[62Zn]を表す。)
【化14】


(式中、Znは[62Zn]を表す。)
【化15】


(式中、Znは[62Zn]を表す。)

【請求項9】
次式(IX)で示されるポルフィリン化合物を含む、腫瘍のPET診断用トレーサー。
【化16】


(式中、Rbは-CH(OH)CH3又は-CH=CH2を表し、Znは[62Zn]を表し、nは1~6の整数を表す。)

【請求項10】
次式(IV)で示されるポルフィリン化合物。
【化17】


(式中、Znは[62Zn]を表す。)

【請求項11】
次式(VII)で示されるポルフィリン化合物。
【化18】


(式中、Znは[62Zn]を表す。)

【請求項12】
次式(I'):
【化19】


(式中、R1、R2、R4、R5、R7、R8、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アゾメチンイリド、任意に置換されてもよいC1-10アルキル、任意に置換されてもよいC2-10アルケニル、任意に置換されてもよいC2-10アルキニルを表し、ここで、置換基は、アミド結合を有する基、並びにOR20及びCOOR20(R20は、水素原子、C1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルを表す。)からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
R3、R6、R9及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、任意に置換されてもよいC1-10アルキル、任意に置換されてもよいC2-10アルケニル、任意に置換されてもよいC2-10アルキニル、任意に置換されてもよいC6-14アリール、任意に置換されてもよいC7-20アリールアルキル、又は任意に置換されてもよい5~14員ヘテロアリールを表し、ここで、置換基は、C1-6アルキル、C6-14アリール、C7-20アリールアルキル、OR20及びCOOR20(R20は前記と同様である。)、酸素原子、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子が結合してもよい糖、ハロゲン原子、並びに次式:
【化20】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
各置換基は、アミノ酸、葉酸、抗体、次式:
【化21】


(式中、nは1~200の整数を表す。)
で示される基、アジ化物又はこれらの組み合わせを含む基でさらに置換されてもよく、
【化22】


は単結合又は二重結合を表す。)
で示されるポルフィリン化合物に、[64Cu]、[52Mn]、[52Fe]、[99mTc]、[111In]、[68Ga]及び[62Zn]から選択される陽電子放出核種を導入することを特徴とする、次式(I):
【化23】


(式中、R1~R12及び
【化24】


は前記と同様であり、Mは、[64Cu]、[52Mn]、[52Fe]、[99mTc]、[111In]、[68Ga]及び[62Zn]から選択される陽電子放出核種を表す。)
で示される化合物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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