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金属錯体およびこれを含む燃料電池用カソード

国内特許コード P140010370
整理番号 78
掲載日 2014年2月28日
出願番号 特願2013-121811
公開番号 特開2014-024833
登録番号 特許第6146860号
出願日 平成25年6月10日(2013.6.10)
公開日 平成26年2月6日(2014.2.6)
登録日 平成29年5月26日(2017.5.26)
優先権データ
  • 特願2012-139127 (2012.6.20) JP
発明者
  • 和田 亨
出願人
  • 学校法人立教学院
発明の名称 金属錯体およびこれを含む燃料電池用カソード
発明の概要 【課題】過酸化水素を発生させずに速やかに酸素を水へ還元しうる活性を有する金属錯体の提供。
【解決手段】下記式に代表される金属錯体。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



深刻なエネルギー問題および環境問題に直面している現在、新たな発電システムとして燃料電池に大きな期待が寄せられている。燃料としては、水素が最も一般的に使用されるが、この他にもメタノールまたはグルコースを使用する燃料電池も開発されている。燃料電池では、アノードで起きる燃料物質の酸化反応と、カソードで起きる還元反応の電位差分だけ起電力が得られる。総ての燃料電池において、カソード反応は酸素還元反応である。これは酸素が空気中に多量に存在し入手しやすい物質であるばかりではなく、水へ還元される平衡電極電位が+1.229V(vs.NHE、pH0)と正側であることが主たる理由である。水素、メタノール、グルコースが酸化される平衡電極電位はいずれもほぼ0Vであるから、起電力はカソード反応に依存する。従って、できる限り平衡電極電位に近い電位で酸素を還元することが望まれる。具体的には、平衡電極電位(+1.229V vs.NHE、pH0)に近い電位で酸素を4電子還元することが望まれる(スキーム1)。ところが、酸素還元反応では酸素を還元し過酸化水素を生成する反応(スキーム2)も生じる可能性がある。スキーム2の反応における平衡電極電位は+0.695V(vs.NHE、pH0)と比較的負側であるため、過酸化水素を発生する割合が大きいほど酸素還元反応が進行する電位も負側になり、燃料電池としての性能が低下する。さらに、過酸化水素は燃料電池を劣化させる。よって、過酸化水素を発生せずに正電位で酸素を還元できる触媒が要求されている。現在のところ、このような要求を満たす触媒として、白金あるいは白金を主とする合金が一般的に用いられているが、これ以外の触媒が望まれている。





【化1】








ところで、好気性生物の呼吸において、鉄と銅の2核錯体を活性中心とするシトクロムc酸化酵素が酸素の還元を行っていることが知られており、遷移金属錯体が酸素還元触媒として機能することが期待される。実際に、非特許文献1にはシトクロムc酸化酵素の構造をモデルとしたFe-Cu錯体(化学式i)が、非特許文献2および3にはCoを中心金属とするポルフィリン(化学式ii)が、非特許文献4にはコロール錯体(化学式iii)が、非特許文献5には複数の金属を含有する高分子錯体(化学式iv)が、酸素を4電子還元して水を生成することが報告されている。





【化2】




産業上の利用分野



本発明は、金属錯体およびこれを含む燃料電池用カソードに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)で表される金属錯体。
【化1】


[式中、MはCoまたはFeであり、
Lは一般式(Ia)、(Ib)、または(Ic)で表される二座配位子であり、
【化2】


およびRは独立に炭素数1~3のアルキル基であり、dは独立に0~4の整数、eは独立に0~3の整数、fは独立に0~3の整数、gは0~2の整数であり、
Xは炭素原子または酸素原子であり、
【化3】


は二重結合または単結合であることを示し、
は独立に炭素数1~4のアルキル基であり、R~Rは独立に炭素数1~3のアルキル基であり、hは独立に0~3の整数、iは0~2の整数、jは独立に0~4の整数、kは独立に0~2の整数、lは独立に0~4の整数であり、
-nは、n価のカウンターアニオンであり、nは1~4の整数、mはn×m=4を満足する整数である。]

【請求項2】
前記Lが一般式(Ia)で表される二座配位子である、請求項1に記載の金属錯体。

【請求項3】
前記Xが炭素原子であり、前記式(y)で表される結合がすべて二重結合である、請求項1または2に記載の金属錯体。

【請求項4】
前記dおよびh~lが0である、請求項3に記載の金属錯体。

【請求項5】
前記Xが酸素原子であり、前記式(y)で表される結合がすべて単結合である、請求項1または2に記載の金属錯体。

【請求項6】
前記dおよびj~lが0であり、hが1であり、iが2である、請求項5に記載の金属錯体。

【請求項7】
前記(Y-nが、(PF、(ClO、(BF、または(PPhである、請求項1~6のいずれかに記載の金属錯体。

【請求項8】
一般式(1)で表される化合物と、CoSOまたはFeSOとを混合しながら加熱する工程、
【化4】


[Xは炭素原子または酸素原子であり、
【化5】


は二重結合または単結合であることを示し、
は独立に炭素数1~4のアルキル基であり、R~Rは独立に炭素数1~3のアルキル基であり、hは独立に0~3の整数、iは0~2の整数、jは独立に0~4の整数、kは独立に0~2の整数、lは独立に0~4の整数である。]
前記反応系に、酸素と、一般式(2a)、(2b)、または(2c)で表される化合物とを加え、加熱する工程、および
【化6】


[式中、およびRは独立に炭素数1~3のアルキル基であり、dは独立に0~4の整数、eは独立に0~3の整数、fは独立に0~3の整数、gは0~2の整数である。
前記反応系にZ・Y-nで表される塩(Zはn価のカチオンであり、-nは、n価のカウンターアニオンであり、nは1~4の整数である)を加える工程、を含む、
請求項1~7のいずれかに記載の金属錯体の製造方法。

【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載の金属錯体を含む、燃料電池用カソード。

【請求項10】
請求項9に記載のカソードを備える燃料電池。

【請求項11】
請求項1~7のいずれかに記載の金属錯体を触媒として用いる、酸素を水に還元する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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