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伸縮性デバイスおよびその製造方法

国内特許コード P140010374
整理番号 E114P15
掲載日 2014年3月3日
出願番号 特願2014-020701
公開番号 特開2015-149364
出願日 平成26年2月5日(2014.2.5)
公開日 平成27年8月20日(2015.8.20)
発明者
  • 関谷 毅
  • 染谷 隆夫
  • 松久 直司
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 伸縮性デバイスおよびその製造方法
発明の概要 【課題】本発明は、伸縮してもトランジスタ特性劣化を生じ難い伸縮性デバイスの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、樹脂基板上に1つまたは複数の半導体素子が形成され、該半導体素子を有機高分子材料からなる内側封止層で覆って構成した半導体搭載基材が、エラストマーからなる伸縮性樹脂フィルムに埋設され、伸縮性樹脂フィルムに半導体素子に接続される導電回路が形成され、半導体搭載基材の周囲が外側封止層で覆われた伸縮性デバイスであり、外側封止層が半導体搭載基材を直に囲うエラストマー製の第1封止層と、該第1封止層の外側に形成され、伸縮性樹脂フィルムの一部を兼ねるエラストマー製の第2封止層を備え、第1封止層のヤング率が第2封止層のヤング率よりも大きくされ、第2封止層に半導体搭載基材に近い側から遠い側にヤング率のグラデーションが形成されてなる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


フレキシブルエレクトロニクスという新技術分野が最近大きな注目を集めている。エレクトロニクスに機械的可撓性を実現するための技術であり、従来の微細化の技術トレンドとは異なる方向である。特に、フレキシブルエレクトロニクスは、ディスプレイ、太陽電池、センサ、アクチュエータなど大面積エレクトロニクスにとって、重要な価値をもたらすものと考えられている。
例えば、エレクトロニクスデバイスが大きくなればなるほど、携帯性や耐衝撃性のためにフレキシビリティーは不可欠である。フレキシブルエレクトロニクスを実現する上での難しさは、プラスティックフィルム上に優れた電気的特性と機械的特性をどのようにして両立するかである。
エレクトロニクスデバイスの伸縮性は運動や加重に伴い変形する構造体や生体に組み込むためのエレクトロニクスデバイスに必要な機能と考えられる。このような伸縮性を有したデバイスを実現するためには、デバイスを構成するトランジスタ等のアクティブな回路、抵抗やコンデンサ等のパッシブな回路がデバイスの変形に伴い、損傷を受けない構成であって、特性が変化しない構成とする必要がある。



しかし、シリコンに代表される無機材料からなるトランジスタは、シリコン、酸化物無機材料などの伸縮性を有しない材料からなり、これらの材料は1%を大きく下回る歪で亀裂を生じてしまう。また、炭素を主骨格とする有機半導体を用いた有機トランジスタは、有機材料が柔らかく、延性を有することにより、1%程度の歪でも、破断を生じることがなく、フィルム状の基板に形成した場合、曲げ変形に強くフレキシブルなデバイスの実現に有効である。
また、3次元的な対象物の表面に密着するように、フィルム状のデバイスを貼り付けるためには、フレキシブルであることだけではなく、伸縮性を有することが必要である。また、ロボットや人の表面、特に関節部の表面にデバイスを張り付けるためのデバイスフィルムは、数10%の伸びに対応する必要がある。



そこで、従来、電界効果型のトランジスタ集積回路を備えたフレキシブルなセンサを人体の一部に貼り付けることができるように構成し、感圧センサとして利用する研究が進められている(非特許文献1参照)。
この研究では、有機TFT(Organic Field Effect Transistor : OFET)を用いて折り曲げ可能な柔軟な回路を実現し、触覚センサなどのエリアセンサに有効な感圧センサアレイと周辺回路を集積した電子人工皮膚を試作している。
具体的には、可撓性を有する樹脂製のフィルム上に複数の有機トランジスタをマトリクス状に形成し、これらの上に感圧性導電ゴムのシートと、電極付樹脂フィルムと、ランドを持つスルーホールを所定のピッチで備えた樹脂製のフィルムを積層し、圧力センサを構成している。

産業上の利用分野


本発明は、伸縮性デバイスおよびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
樹脂基板上に1つまたは複数の半導体素子を形成し、前記半導体素子を内側封止層で覆って構成した半導体搭載基材が、エラストマーからなる伸縮性樹脂フィルムに1つまたは複数埋設され、前記伸縮性樹脂フィルムに前記半導体素子に接続される導電回路が形成され、前記半導体搭載基材の周囲が外側封止層で覆われた伸縮性デバイスであり、
前記外側封止層が前記半導体搭載基材を直に囲うエラストマーからなる第1封止層と、該第1封止層の外側に形成され、前記伸縮性樹脂フィルムの一部を兼ねるエラストマーからなる第2封止層を備え、前記第1封止層のヤング率が前記第2封止層のヤング率よりも大きくされるとともに、前記第2封止層に前記半導体搭載基材に近い側から遠い側にヤング率のグラデーションが形成されてなる伸縮性デバイス。

【請求項2】
前記第2封止層の面方向および厚さ方向にヤング率のグラデーションが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の伸縮性デバイス。

【請求項3】
前記第1封止層と第2封止層はいずれも架橋剤で硬化されたエラストマーであり、前記第1封止層と前記第2封止層のヤング率の大小は架橋剤の添加量によることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の伸縮性デバイス。

【請求項4】
前記ヤング率のグラデーションは、前記第1封止層を構成するエラストマーに含まれていた架橋剤の前記第2封止層を構成するエラストマー側への拡散により生成されたグラデーションであることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の伸縮性デバイス。

【請求項5】
前記半導体搭載基材の樹脂基板において前記半導体素子形成側と反対側に、内部被覆層が形成され、該内部被覆層の周囲が前記第1封止層で囲まれるとともに、前記内部被覆層のヤング率が前記第1封止層と前記第2封止層の中間のヤング率であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の伸縮性デバイス。

【請求項6】
前記伸縮性樹脂フィルムにおいて前記第1封止層が形成された側の反対面に前記第2封止層のヤング率と同等のヤング率を有する保護層が形成されたことを特徴とする請求項5に記載の伸縮性デバイス。

【請求項7】
前記半導体搭載基材の樹脂基板に対し前記半導体素子に連通するためのビアホールが形成され、このビアホールに形成された導体を介し前記伸縮性樹脂フィルムに形成された導電回路が前記半導体素子に接続されたことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の伸縮性デバイス。

【請求項8】
前記半導体素子が、ゲート電極とゲート絶縁膜と半導体層とソース電極及びドレイン電極を積層してなり、前記ゲート電極に連通するためのビアホールと前記ソース電極に連通するためのビアホールと前記ドレイン電極に連通するためのビアホールが前記半導体搭載基材の樹脂基板を貫通するように形成され、前記伸縮性樹脂フィルムに形成されたゲート配線に前記ビアホールを通過する第1導体によりゲート電極が接続され、前記伸縮性樹脂フィルムに形成されたソース配線に前記ビアホールを通過する第2導体によりソース電極が接続され、前記伸縮性樹脂フィルムに形成されたドレイン配線に前記ビアホールを通過する第3導体によりドレイン電極が接続されたことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の伸縮性デバイス。

【請求項9】
前記半導体素子が有機薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の伸縮性デバイス。

【請求項10】
樹脂基板上に1つまたは複数の半導体素子を形成し、前記半導体素子を内部封止層で覆った構造の半導体搭載基材を用い、
主剤と架橋剤を配合し、加熱架橋して硬化するエラストマーからなり、標準配合比よりも架橋剤を過剰に配合した第1コート層で前記半導体基材の周囲を覆う第1塗布工程と、
主剤と架橋剤を配合し、加熱架橋して硬化するエラストマーからなり、標準配合比よりも架橋剤を少なく配合した第2コート層で前記第1コート層の周囲を覆う第2塗布工程と、
前記第1コート層と前記第2コート層を同時加熱して前記第1コート層に過剰に含まれる架橋剤を前記第2コート層側に拡散させながら前記第1コート層と前記第2コート層を架橋し、前記第1コート層を第1封止層にするとともに前記第2コート層をヤング率のグラデーションを有する第2封止層とその外側の伸縮性樹脂フィルムとする架橋工程を備えたことを特徴とする伸縮性デバイスの製造方法。

【請求項11】
前記半導体搭載基材において前記半導体素子を形成していない側の面をダミー基板上に剥離層を介し設置する設置工程を備え、前記ダミー基板上において前記第1塗布工程と前記第2塗布工程を行うことを特徴とする請求項10に記載の伸縮性デバイスの製造方法。

【請求項12】
前記半導体素子の周囲を囲むように前記内部封止層と前記樹脂基板と前記剥離層を貫通して前記半導体素子をその周囲部分と分離する分離溝を形成する分離溝形成工程と、
前記分離溝に前記第1コート層を塗布する第1塗布工程と、
前記第1コート層を予備加熱して該第1コート層を部分架橋し、前記分離溝の内側の前記半導体素子周りを囲む第1予備封止層を形成する第1予備架橋工程と、
前記ダミー基板上において前記第1予備封止層に囲まれた部分を残してその他の部分を剥離する剥離工程と、
前記第1予備封止層の周囲に第2コート層を形成する第2塗布工程を備えたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の伸縮性デバイスの製造方法。

【請求項13】
前記第1コート層に含まれる架橋剤と前記第2コート層に含まれる架橋剤として、いずれも前記第1コート層と前記第2コート層の両方を架橋可能な架橋剤を用いることを特徴とする請求項10~請求項12のいずれか一項に記載の伸縮性デバイスの製造方法。

【請求項14】
前記架橋工程後、前記第2封止層の一面側から前記半導体素子のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極に対し個々に到達するビアホールを形成し、前記第2封止層の一面側に前記ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極のいずれかに前記ビアホールを介し接続する導体を形成することを特徴とする請求項10~請求項13のいずれか一項に記載の伸縮性デバイスの製造方法。

【請求項15】
前記ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極のいずれかに前記ビアホールを介し接続する導体を形成した後、前記伸縮性樹脂フィルムに前記導体を介し前記ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極のいずれかに接続する導電回路を形成することを特徴とする請求項14に記載の伸縮性デバイスの製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 染谷生体調和エレクトロニクス 領域
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