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鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法、同定装置および同定用プログラム コモンズ

国内特許コード P140010383
整理番号 N13017
掲載日 2014年3月7日
出願番号 特願2013-215178
公開番号 特開2015-077643
出願日 平成25年10月16日(2013.10.16)
公開日 平成27年4月23日(2015.4.23)
発明者
  • 酒井 悟
  • 前島 祐三
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法、同定装置および同定用プログラム コモンズ
発明の概要 【課題】体積弾性係数、流量係数などが未知である鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法を提案すること。
【解決手段】鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法では、鉛直多関節油圧マニピュレータの非線形モデルを表す状態空間方程式(式(1))を定め、次に、従来の逐次同定法を修正した新たな逐次同定法を用いて未知パラメータを同定する。同定法では、各ステップ1~3において、パラメータ同定計算を行うことなく、状態空間方程式に基づき、体積弾性率、流量係数を含む未知パラメータについての線形方程式を立てる。最終ステップ4において、未知パラメータについての線形方程式を、全ステップを横断して2つの線形方程式に厳密に統合し、これらを各時刻に亘って連立することで2つの正規方程式(式(3))を導き、これらの正規方程式を解くことで未知パラメータを同定する。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



油圧マニピュレータは、電動マニピュレータと比較すると、出力荷重比が高いだけでなく、エネルギを消費せずに姿勢維持が可能である。このため、油圧マニピュレータは建設、レスキュー、地雷除去、農業などの分野における作業機として普及している。近年は作業条件(作業環境、作業対象、作業者、作業機自身の手先形状などの条件)に対する依存度を低減させるために、モデルベースト制御による高度自動化が強く期待されている。





油圧マニピュレータを高度自動化するために、インピーダンス制御、適応制御、ゲインスケジュールド制御を含め、数多くの制御系設計法が提案されている。これらの制御系設計法は、油圧マニピュレータのパラメータ同定を前提としている。また、パラメータ同定を前提としない制御系設計法を数値シミュレーションで検証するためにも、パラメータ同定が必要である。さらに、高度な故障検出や品質管理を達成するためにもパラメータ同定は重要である。





油圧マニピュレータの場合には、電動マニピュレータの場合に比べて、パラメータ同定が困難である。理由の第1点として、油圧マニピュレータの未知パラメータは電動マニピュレータよりも個数が多く、かつ、流量係数のように公称値が与えられない(非特許文献1参照)ことがある。





理由の第2点として、油圧マニピュレータの制御系設計モデルは複雑なナビエ・ストークス方程式などに複数の仮定を与えて得られるため、電動マニピュレータなど(非特許文献3、4、5、6参照)と異なり、常に解軌道が存在するとは限らないことがある。換言すると、同定誤差が一定程度を上回ると、圧力の平方関数を有する入力行列が虚数になって数値シミュレーションが不可能となり、GA(Genetic Algorithm)(非特許文献9)、PSO(Particle Swarm Optimization)(非特許文献10)などの探索法に基づく同定法を適用できない。





理由の第3点として、油圧マニピュレータは入出力の制約が強いことがある。入力にはスプールに対する摩擦力を低減するためのディザー(人工の振動)信号が常に存在するため、零入力応答を用いた同定ができない。また、モータ駆動ではなくシリンダ駆動が多いため、関節位置など出力飽和が生じやすい。





本発明者等は、流量係数、配管体積を含む9つのパラメータを未知とする水平1自由度油圧アームのパラメータ同定法を提案し、モデル検証により当該同定法の有効性を実証することに成功した(非特許文献8参照)。当該同定法は、GA(非特許文献9)、PSO(非特許文献10)などの探索法に基づく同定法とは異なり、初期推定値などを試行錯誤する必要が無く、計算コストも低い。





一方、従来において、鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法には、全リンクを同時運動させる同時同定法(非特許文献5)と各リンクを逐次運動させる逐次同定法(非特許文献4)が知られている。一般に、建設機械など実際の油圧マニピュレータでは

、作業領域の形状や大きさ、計算精度(逆行列の条件数)の観点から同時同定法よりも逐次同定法が好ましい。





なお、本明細書において参照している先行技術文献を以下に列記する。

産業上の利用分野



本発明は、体積弾性率(体積弾性係数)、流量係数などを未知とする鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法、当該同定法を用いた同定装置および当該同定法をコンピュータに実行させるための同定用プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
鉛直多関節油圧マニピュレータの非線形モデルを表す状態空間方程式に基づき、前記鉛直多関節油圧マニピュレータの体積弾性率および流量係数を含む未知のパラメータを同定するパラメータ同定法であって、
前記鉛直多関節油圧マニピュレータは、nを2以上の整数とすると、固定端リンクの側から、第1~第n関節軸を順次介して第1~第nリンクが直列に連結され、前記第1~第n関節軸を中心として前記第1~第nリンクをそれぞれ旋回させる第1~第n油圧アクチュエータが取り付けられている開ループリンク構造のものであり、
前記状態空間方程式を式(1)で表し、
【数1】


前記鉛直多関節油圧マニピュレータの関節数nが2の場合に、
式(1)のxを次式で与え、
【数1A】


但し、q:第1関節軸の相対関節角度
:第2関節軸の相対関節角度
+1:第1油圧アクチュエータのシリンダのキャップ側圧力
-1:第1油圧アクチュエータのシリンダのロッド側圧力
+2:第2油圧アクチュエータのシリンダのキャップ側圧力
-2:第2油圧アクチュエータのシリンダのロッド側圧力
s1:第1油圧アクチュエータのスプール変位
s2:第2油圧アクチュエータのスプール変位
式(1)のf(x)、g(x)を式(2)で与え、
【数2】


式(2)において、
【数2A】


であり、各符号は次の通りであり、
【数2B】


ステップ1において、前記第1関節軸の相対関節間角度qを任意の角度に固定した状態で、前記第2関節軸の単独運動を行わせて当該第2関節軸の相対関節間角度qを変化させることにより、式(1)で表される前記状態空間方程式を以下の式で示す線形方程式で表し、
【数2C】


ステップ2において、前記第2関節軸の前記相対関節間角度qを最小値に固定した状態で、前記第1関節軸の単独運動を行わせて当該第1関節軸の相対関節間角度qを変化させることにより、式(1)の前記状態空間方程式を以下の式で示す線形方程式で表し、
【数2D】


ステップ3において、前記第2関節軸の相対関節間角度qを最大値に固定した状態で、前記第1関節軸の単独運動を行わせて当該第1関節軸の相対関節間角度qを変化させることにより、式(1)の前記状態空間方程式を以下の式で示す線形方程式で表し、
【数2E】


ステップ4において、前記ステップ1~3において得られる3組の線形方程式を、これらステップ1~3を横断して以下の式(3)で示す2つの線形方程式に厳密に統合し、
【数3】


当該線形方程式を、各時刻t=1、・・・、tに亘って連立することで、2つの正規方程式を導き、当該方程式を解き、
【数3A】


ヒルベルト空間における射影定理より、式(3)の未知パラメータa1、a2が、式(4)
【数4】


により一意に定まる、
ことを特徴とする鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法。

【請求項2】
前記鉛直多関節油圧マニピュレータの関節数nが3以上の場合には、
前記第1~第(n-1)関節軸のそれぞれの相対関節間角度を任意の角度に固定した状態で、前記第n関節軸について前記ステップ1を実行して線形方程式を導出し、
kを1~(n-1)までの整数とすると、第(k+1)関節軸の相対関節間角度を最小値に固定し、k関節軸および第k、第(k+1)関節以外の各関節軸の相対関節間角度を任意の角度に固定した状態で、k関節軸について前記ステップ2を実行して線形方程式を導出し、
第(k+1)関節軸の相対関節間角度を最大値に固定し、第k、第(k+1)関節軸以外の各関節軸の相対関節間角度を任意の角度に固定した状態で、第k関節軸について前記ステップ3を実行して線形方程式を導出し、
前記第1ステップ、および、前記第(n-1)~第1関節軸のそれぞれについて前記ステップ2、3を実行することによって得られる(2n-1)組の線形方程式について、前記ステップ4を実行して正規方程式を導出して当該正規方程式を解く、
請求項1に記載の鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定法。

【請求項3】
請求項1または2に記載のパラメータ同定法を用いた鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定装置であって、
前記ステップ1~3のそれぞれを実行するために前記鉛直多関節油圧マニピュレータを駆動する駆動制御部と、
前記ステップ1~3のそれぞれにおける各時刻t=1、・・・、t毎に、相対関節間角度q、キャップ側圧力p+およびロッド側圧力p-の測定値が入力される入力部と、
前記測定値および前記鉛直多関節油圧マニピュレータの既知パラメータを記憶保持する記憶部と、
前記測定値および前記既知パラメータに基づき、前記の式(4)を計算して、前記の式(3)の未知パラメータを算出する演算部と、
を有していることを特徴とする鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定装置。

【請求項4】
請求項1または2に記載のパラメータ同定法を用いた鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定用プログラムであって、コンピュータを、
前記ステップ1~3のそれぞれを実行するために、前記鉛直多関節油圧マニピュレータを駆動制御する駆動制御手段、
前記ステップ1~3のそれぞれにおける各時刻t=1、・・・t毎に、相対関節間角度q、キャップ側圧力p+およびロッド側圧力p-の測定値を取得する入力手段、
前記測定値および前記鉛直多関節油圧マニピュレータの既知パラメータを記憶保持する記憶手段、および、
前記測定値および前記既知パラメータに基づき、前記の式(4)を計算して、前記の式(3)の未知パラメータを算出する演算手段、
として機能させることを特徴とする鉛直多関節油圧マニピュレータのパラメータ同定用プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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