TOP > 国内特許検索 > アミノ酸イソニトリル骨格を有する水中付着生物の防汚剤

アミノ酸イソニトリル骨格を有する水中付着生物の防汚剤 新技術説明会

国内特許コード P140010411
整理番号 S2013-1394-N0
掲載日 2014年4月2日
出願番号 特願2013-174653
公開番号 特開2015-042622
出願日 平成25年8月26日(2013.8.26)
公開日 平成27年3月5日(2015.3.5)
発明者
  • 北野 克和
  • 野方 靖行
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 一般財団法人電力中央研究所
発明の名称 アミノ酸イソニトリル骨格を有する水中付着生物の防汚剤 新技術説明会
発明の概要 【課題】公知の防汚剤と比較して優れた特性を備える新規水中付着生物の防汚剤を提供する。
【解決手段】本発明は、式(I)で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する水中付着生物の防汚剤に関する。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



海洋生物の中で、フジツボ類、イガイ類及びコケムシ類等は、水中付着生物として知られている。水中付着生物は、船舶、漁網又はブイのような漁業施設又は資材、火力発電所若しくは原子力発電所等の冷却水取水施設、又は水族館等の海水取水施設等の表面及び/又は内部に付着する。水中付着生物がこれらの施設又は資材に付着すると、例えば、船舶の航行性能低下、冷却水取水量の減少による発電能力の低下のような影響が生じ得る。





水中付着生物を防除するために、船舶等の付着対象物に塗布することで水中付着生物の付着を実質的に抑制する防汚剤が使用されてきた。従来、トリブチルスズオキシド(tributyltin oxide, TBTO)のような有機スズ化合物又は亜酸化銅等の重金属化合物を有効成分として含有する水中付着生物の防汚剤が使用された。特に、有機スズ化合物を有効成分として含有する防汚剤は、優れた防汚効果を有することから、船舶の底部を塗装するための塗料の形態で広く使用されてきた。しかしながら、有機スズ化合物は、巻き貝の不妊化のように、他の海洋生物に対しても影響を及ぼすことが明らかとなった。このため、現在、我が国では、有機スズ化合物を有効成分として含有する防汚剤の製造及び使用は禁止されている。





現在では、亜酸化銅又は特定の農薬を有効成分として含有する水中付着生物の防汚剤が使用されている。しかしながら、これらの化合物は、水中付着生物に対する殺生物活性によってその防汚活性を発現すると考えられている。このため、これらの化合物も、海洋への拡散によって海洋環境汚染を引き起こすことが懸念される。





そこで、近年では、水中付着生物に対する忌避活性を有する天然生理活性物質をリード化合物として、新規な水中付着生物の防汚剤を開発する試みが進められている。





例えば、特許文献1は、イソシアノ基を有するセスキテルペンである、式(I)で示される化合物及び該化合物を有効成分として含有する防汚剤を記載する。当該文献に記載の式(I)で示される化合物は、ウミウシより単離・構造決定されたイソニトリル基を有する新規セスキテルペンをリード化合物として開発された化合物である。





特許文献2は、イソシアノ基、アミド基又はアミノ基を有する化学式Iで表される化合物からなる水中有害付着生物に対する防汚剤を記載する。





特許文献3は、イソシアノ基又はホルムアミド基を有するシクロヘキサン骨格を有する化学式Iで表される化合物、及びイソシアノ基、ホルムアミド基又はN-メチルホルムアミド基を有するベンゼン骨格を有する化学式Iで表される化合物から選択される化合物からなる水中有害付着生物に対する防汚剤を記載する。





特許文献4は、イソシアノ基を有するアルキル骨格を有する一般式(I)で表されるイソニトリル化合物、及び該イソニトリル化合物を含有する水中有害付着生物防汚剤を記載する。





特許文献5は、イソシアノ基及びアシル基を有するシクロヘキサン骨格を有する一般式(I)で表される二級イソニトリル化合物を含む水中有害付着生物に対する防汚剤を記載する。

産業上の利用分野



本発明は、アミノ酸イソニトリル骨格を有する化合物を有効成分として含有する水中付着生物の防汚剤に関する。本発明はまた、水中付着生物の防汚活性を有する新規化合物及び該化合物の製造方法、並びに前記水中付着生物の防汚剤の使用方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、又は置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリール縮合シクロアルキル若しくはアリール縮合ヘテロシクロアルキルであるか、或いは
R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換若しくは非置換のシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル又はヘテロシクロアルキルを形成し、或いは
R1及びR2は、一緒になって置換若しくは非置換のアルキリデンを形成し、
R3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアミノ、又は置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、アリール縮合シクロアルキル、アリール縮合ヘテロシクロアルキル若しくはアシルオキシであり、
Lは、単結合、又は置換若しくは非置換のアルキレン、アルケニレン若しくはアルキニレン(前記2価基は、=N-、-O-及び-S-から選択される1個以上のヘテロ原子、又はエポキシ、-N(RN1)-、-CO-、-COO-、-SO-及び-SO2-から選択される1個以上のヘテロ原子基、或いはシクロアルキレン、シクロアルケニレン、シクロアルキニレン、アリーレン及びヘテロアリーレンから選択される1個以上の置換若しくは非置換の基をその鎖中に含んでいてもよい)であり、
RN1は、水素、ヒドロキシル、又は置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、アリール縮合シクロアルキル若しくはアリール縮合ヘテロシクロアルキルである。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する水中付着生物の防汚剤。

【請求項2】
式(Ia):
【化2】


[式中、La、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5aは、以下の[i]~[iii]のいずれかを満たす:
[i]
Laは、単結合であり、
R1aは、水素であり、
R2aは、-CH2CH2-S-CH3、-CH2CH2-CN、-CH2CH2CH2CH2-NHR5a、-CH2CH3、-CH2-OR4a、又は
【化3】


(式中、*は、炭素原子との結合点を示す)であるか、或いは
R1a及びR2aは、一緒になってエチリデンを形成し、
R3aは、ヒドロキシル又は非置換のアリールアルキルオキシであり、
R4aは、水素又は非置換のアリールアルキルであり、
R5aは、水素又は非置換のアシルである。
[ii]
Laは、エタン-1,1-ジイルであり、
R1a及びR2aは、水素であり、
R3aは、ヒドロキシル又は非置換のアリールアルキルオキシである。
[iii]
Laは、単結合であり、
R1a及びR2aは、ベンジル、又は
【化4】


(式中、*は、炭素原子との結合点を示す)であり、
R3aは、ヒドロキシル又は非置換のアリールアルキルオキシであり、
R5aは、水素又は非置換のアシルである。]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。

【請求項3】
請求項2に記載の式Iaで表される化合物を製造する方法であって、以下の工程:
式(IIa):
【化5】


[式中、La、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5aは、請求項2と同義である。]
で表される化合物とギ酸又はそのアルキルエステルとを反応させて、式(IIIa):
【化6】


[式中、La、R1a、R2a、R3a、R4a及びR5aは、請求項2と同義である。]
で表されるホルムアミド化合物を得る、ホルムアミド形成工程;
ホルムアミド形成工程で得られる式(IIIa)で表されるホルムアミド化合物と酸ハロゲン化物とを塩基存在下で反応させて、式(Ia)で表される化合物を得る、イソシアノ基形成工程;
を含む、前記方法。

【請求項4】
請求項1に記載の水中付着生物の防汚剤で水中付着生物及び付着対象物の少なくともいずれかを処理することを含む、水中付着生物を防除する方法。

【請求項5】
請求項1に記載の水中付着生物の防汚剤と、塗膜形成成分とを含有する塗料。

【請求項6】
式Iで表される化合物を、該化合物とアミノ酸、ペプチド又は固相担体との連結体の形態で含有する、請求項1に記載の水中付着生物の防汚剤。

【請求項7】
請求項2に記載の式Iaで表される化合物と、アミノ酸、ペプチド又は固相担体との連結体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close