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連続発酵法

国内特許コード P140010450
掲載日 2014年4月11日
出願番号 特願2012-284395
公開番号 特開2013-150598
出願日 平成24年12月27日(2012.12.27)
公開日 平成25年8月8日(2013.8.8)
優先権データ
  • 特願2011-285613 (2011.12.27) JP
発明者
  • 森永 康
  • 古川 壮一
  • 荻原 博和
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 連続発酵法
発明の概要 【課題】雑菌汚染の心配がなく、微生物の流出が起きない長期間実施可能な連続発酵法の提供。
【解決手段】pH5以下の条件下でラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌と酵母からなる凝集物を用いることにより、長期間実施しても、雑菌汚染や微生物流出の心配がない連続発酵法を得た。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



微生物による発酵により、エタノール、乳酸などの有機酸類、フェネチルアルコール等の香料成分等を生産する方法として、一回ずつ原料と微生物を準備して行うバッチ法や、微生物菌体の回収系を組込んだ反復回分培養法(半連続発酵法)が行われてきた。

これらの方法は、短時間で培養が終了するため、雑菌汚染による被害が少ないという利点がある。また、微生物菌体を加えるため、微生物による発酵が順調に進むという利点もある。

しかし、これらの方法では、生産されたエタノール等の濃度が高くなると、生産性や収率が低下し、効率的に目的とする物質の生産ができないという問題があった。また、反復回分培養法においては、酵母菌体の回収系として、遠心分離機等が必要となるため、系が複雑で設備のコストが高いという問題もあった。





そこで、これらの問題を解決するために、酵母等の微生物菌体を担体に固定化したり、自ら凝集して粒子を形成する、凝集性を有する酵母を用い、凝集体として蓄積させたりすることで、菌体の回収系を必要としない、または遠心分離操作等を必要とせず容易に行える技術の開発が進められた。

しかし、微生物菌体の担体への固定化には、アルギン酸などの固定化剤が必要であり、固定化のための工程が複雑であった。酵母等の微生物の群集が自立的(自働的)に固体に付着することで形成されるバイオフィルムを用いることも検討されたが、十分な菌量が固定化されたバイオフィルムを得ることができず、目的とする物質の生産を十分に行うことはできなかった。また、凝集体においては、微生物を発酵槽内に安定に保持するために、凝集性を有する酵母の使用が必須であるという問題があった。





そこで、本発明者らは、微生物として酵母と乳酸菌とを用い、これらの共培養を試みたところ、十分な菌量が固定化されたバイオフィルムが得られることを見出した(特許文献1、参照)。本発明者らは、このバイオフィルムがエタノールの生産を目的とする反復回分培養法に利用できることを確認している(非特許文献1、参照)。しかし、このバイオフィルムを用いた連続発酵法は確立できていなかった。





連続発酵法では、最初に準備した微生物に、原料を順次加えることにより、持続的に微生物による発酵を続けることが可能となる。このような連続発酵法では、微生物の回収系を必要としておらず、数日から数週間、数ヶ月間と長期にわたり、持続的かつ大量に目的とする物質の生産を行うことも可能となるという利点がある。

しかし連続発酵法は雑菌汚染されやすく、また、目的とする物質を回収する際に、微生物も一緒に流出(Wash out)してしまい、安定して発酵が続けられない等の問題があった。そして、連続発酵法において、雑菌汚染等が起きた場合には、大量の廃棄物が生じるため廃棄のためのコスト等が非常に高くなるというリスクもあった。そのため、雑菌汚染の心配がなく、微生物の流出が起きない長期間実施可能な連続発酵法の提供が望まれていた。





このような連続発酵法の一つとして、凝集性を有する酵母の凝集体により、連続エタノール発酵を行う技術が開発されている(非特許文献2、参照)。

しかし、この技術は、凝集性を有する酵母の使用が必須であるため、発酵能力は高いが単独では凝集性を有さない酵母等には活用できないという問題がある。また、丸底フラスコ等であらかじめ凝集体を作成した後、それを発酵槽に移してから連続発酵を行うという非常に煩雑な工程を必要とする技術であるため、より簡便な連続発酵法の提供も望まれていた。





本発明者らが作成したバイオフィルムと同様に、乳酸菌と酵母を共培養する系としては、脱脂乳に乳酸菌スターターと醸造用酵母スターターとを同時に無菌的に添加して発酵させることにより、乳酒を製造する技術が開示されている。しかし、これはバッチ法によるものであり、連続発酵法により乳酒を製造することは示唆すらされていない(特許文献2、参照)。

また、乳酸菌と酵母と担体としてセラミックビーズを充填したバイオリアクター中に糖液を送液することでエタノールと乳酸を含む発酵液を得て、これをウスターソースの製造に利用する技術も開示されている(特許文献3、4、参照)。

しかし、この技術においては、乳酸菌と酵母がバイオフィルムを形成しておらず、長期の連続発酵法を行った場合、乳酸菌や酵母が流出する可能性が高い。また、発酵中の雑菌汚染を防止するために、加熱殺菌をした原料溶液の利用や(特許文献3、参照)、食塩濃度が2~16重量%となるような条件で発酵を実施すること(特許文献4、参照)を必要とするものであり、厳密な管理を行わない限り、必ずしも雑菌汚染が起こらないとはいえない。

産業上の利用分野



本発明は、pH5以下の条件下で、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する乳酸菌と酵母からなる凝集物を用いることによる連続発酵法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
pH5以下の条件下で、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌と酵母からなる凝集物を用いる連続発酵法。
【請求項2】
凝集物がバイオフィルムまたは凝集体である請求項1に記載の発酵法。
【請求項3】
ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌が、酵母との共凝集性を示し、酵母と共培養した場合に乳酸菌と酵母からなる凝集物を形成する乳酸菌である請求項1または2に記載の連続発酵法。
【請求項4】
ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌が、受託番号 NITE P-376(ML11-11)または受託番号 NITE P-1112(HP9)として寄託された乳酸菌である請求項1~3のいずれかに記載の連続発酵法。
【請求項5】
酵母が、サッカロマイセス・セレビシエに属する酵母である請求項1~4のいずれかに記載の連続発酵法。
【請求項6】
ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌と酵母からなるバイオフィルムの形成にあたり、担体を用いる請求項2~5のいずれかに記載の連続発酵法。
【請求項7】
担体がガラス、セルロースまたはイナワラから選ばれる少なくとも一種以上を含む担体である請求項6に記載の連続発酵法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の連続発酵法によってエタノールを生産する方法。
【請求項9】
受託番号 NITE P-1112(HP9)として寄託された乳酸菌。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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