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複数の振動子を備えたエネルギー変換装置およびその製造方法

国内特許コード P140010455
掲載日 2014年4月11日
出願番号 特願2012-142903
公開番号 特開2014-005796
登録番号 特許第6099240号
出願日 平成24年6月26日(2012.6.26)
公開日 平成26年1月16日(2014.1.16)
登録日 平成29年3月3日(2017.3.3)
発明者
  • 野村 卓史
  • 長谷部 寛
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 複数の振動子を備えたエネルギー変換装置およびその製造方法
発明の概要 【課題】 発散振動を原理として用いることにより複数の振動子を同時に激しく振動させ、効率的なエネルギー変換を実現することができるエネルギー変換装置を提供すること。
【解決手段】 エネルギー変換装置10は、固定子1と複数の振動子2とを有しており、振動子2が変位可能な状態で引張バネ3に支持され、固定子1の下流側に複数設けられているから、ウェイクギャロッピングのような発散振動により、複数の振動子2が同時に激しく振動している状態を維持して、簡単な構成で効率的なエネルギー変換を実現し、発電等に用いることが可能となる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



近年、世界経済の成長に伴いエネルギー需要が増大してきている。年々増加するエネルギー需要に対応するためには、難易度の高い資源開発が必要である。このため、資源開発は高コスト化の傾向にある。このような状況の下、各国における再生可能エネルギー導入の見通しも拡大する傾向にあり、日本においても、再生可能エネルギーの開発・普及を強力に推進することの重要性が指摘されている(平成22年度 エネルギーに関する年次報告 経済産業省)。





再生可能エネルギーである風力や水力を用いるエネルギー変換装置では通常、ブレードやプロペラで構成されるローターを回転させてエネルギーを変換し発電する方式が用いられている。しかし、現在の大型風車に代表されるローター方式を用いて複数の風車を設置する場合、風車の風下に風況の乱れたウェーク領域が形成される。このウェーク領域に風車を設置した場合、エネルギー取得量が大きく減少する。ウェーク領域は風向と直角方向にローター直径の3倍、風下方向にローター直径の10倍程度である。したがって、顕著な卓越風向が出現する地域ではローター直径の3倍×10倍、顕著な卓越風向が出現しない地域ではローター直径の10倍×10倍の間隔を目安として風車が配置される(NEDO「風力発電導入ガイドブック(2008年2月改訂第9版)」103頁)。このため、従来用いられているローター方式には、多数のローターを配置するためには広大な設置面積が必要になるという問題がある。





上述したローター方式以外のエネルギー変換装置として、流体と構造物との関連により振動を生じさせる流体振動を用いたものがある。

流体振動を用いたエネルギー変換装置を用いた水力・風力発電装置により多くの発電量を得ることを目的として、複数の振動子を用いるものが提案されている(例えば、特許文献1、2)。





特許文献1には、多数の振動子を備えたエネルギー変換装置において、エネルギー変換器が振動子の数だけ必要であるというコスト上の問題を解決することを目的として、振動子を並列に連結させた機構において、並列する振動子のうち一つ、又は複数の位相をずらす工夫をした特定の振動子を設置することにより、並列する振動子全体にかかる外力による振動エネルギーを特定振動子に局所的に集中させる方法が記載されている。





特許文献2には、簡素な構成で、発電効率を高めることができる筒型流体振動発電装置を提供することを目的として、筒型部材と、該筒型部材内に配置され、流体エネルギーを受けて起電力を発生する複数の振動起電力発生手段と、これらの振動起電力発生手段からの起電力を集電する集電手段と、該集電手段によって集電された起電力を蓄電手段に充電する充電手段とを備える筒形流体振動発電装置が記載されている。





また、一つの振動子から大きな発電量を得るには、構造物を損壊させるに至るほど激しい振動である発散振動に耐風工学で分類する振動を原理として用いる必要がある。このような振動としては、フラッター、ギャロッピングもしくはウェイクギャロッピングがあり、ウェイクギャロッピングを利用したエネルギー回収方法が検討されている(例えば、非特許文献1、2)





非特許文献1には、ウェイクギャロッピングを原理として用いた空力振動を利用した発電のための振動増幅において、下流側円柱の振動を制御する手段として上流側円柱を利用することが記載されている。具体的には、加振により上流側円柱と下流側円柱との相互作用を変化させて、下流側円柱の振動を増幅したり、破壊の危険が生じた場合に振動を抑制したりする風力発電装置が提案されている。この流体-構造連成振動の増幅効果を利用した風力発電装置では、下流側円柱振動に対して一定の位相差で上流側円柱を加振するフィードバック制御機構が用いられている。

非特許文献2には、ウェイクギャロッピングを原理として用いるエネルギー回収方法において、上流側円柱と下流側円柱との距離を変化させた場合の影響が記載されている。

産業上の利用分野



本発明は、流下方向に直列に配置した複数の振動子を有するエネルギー変換装置およびその製造方法に関し、風力発電機や水力発電機等の発電機に利用することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
固定子と振動子とを有しており、
前記固定子が、上流側に固定されており、
前記振動子が、変位可能な状態で弾性体に支持され、前記固定子の下流側に複数設けられており、
前記固定子が前記上流側から下流側への風または水の流れを変動させることによって、前記複数の振動子を同時に振動させて、前記風または水の流れのエネルギーを前記複数の振動子の振動に変換し、当該振動を電気エネルギーに変換することを特徴とする複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項2】
前記固定子と前記固定子に隣接して設けられている振動子との固定子振動子間距離および隣接する振動子間の振動子間距離が、前記振動子が単数の場合に振幅が最大となる最大振幅距離以下であることを特徴とする請求項1に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項3】
前記固定子および前記振動子が同形状の円柱であり、
複数の前記振動子が、前記固定子振動子間距離で等間隔に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項4】
前記固定子および前記振動子が同形状の円柱であり、
前記円柱の断面円の直径をdとすると、前記固定子振動子間距離が3d以下であることを特徴とする請求項3に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項5】
前記固定子および前記振動子が同形状の円柱であり、
前記円柱の断面円の直径をdとすると、前記固定子振動子間距離が2d以下であることを特徴とする請求項3に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項6】
前記固定子および前記振動子が同形状の円柱であり、
前記円柱の断面円の直径をdとすると、前記固定子振動子間距離が2d以上3d以下の範囲内である請求項3に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項7】
前記振動子の数が3以上である請求項4に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項8】
前記振動子が棒状であり、前記各振動子がその両端付近の鉛直上方と鉛直下方の4箇所で前記弾性体により支持されていることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置。

【請求項9】
請求項1に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置の製造方法であって、
前記固定子の下流側に前記振動子を1つだけ配置した状態で、前記固定子と前記振動子との固定子振動子間距離を変化させて、流れにより生じる振動子の振幅を測定し、振幅を測定した前記固定子振動子間距離のうち、振幅が最大になる最大振幅距離を特定する最大振幅距離特定ステップと、
前記固定子振動子間距離および隣接する前記振動子間の振動子間距離を前記最大振幅距離の範囲内で変化させて、流れにより生じる振動子の振幅を測定し、複数の前記振動子の振幅を測定する振幅測定ステップと、
前記振幅測定ステップの測定結果に基づいて、前記固定子振動子間距離および前記振動子間距離を決定する振動子位置決めステップと
を備えていることを特徴とする複数の振動子を備えたエネルギー変換装置の製造方法。

【請求項10】
前記振幅測定ステップにおいて、前記固定子振動子間距離と前記振動子間距離とが同じになるように変化させる請求項9に記載の複数の振動子を備えたエネルギー変換装置の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012142903thum.jpg
出願権利状態 登録
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