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キチンまたはキトサンと合成高分子との複合体およびその製造方法 コモンズ

国内特許コード P140010479
整理番号 348
掲載日 2014年4月14日
出願番号 特願2011-288901
公開番号 特開2013-136699
登録番号 特許第5939796号
出願日 平成23年12月28日(2011.12.28)
公開日 平成25年7月11日(2013.7.11)
登録日 平成28年5月27日(2016.5.27)
発明者
  • 田村 裕
  • 古池 哲也
  • 大西 裕
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 キチンまたはキトサンと合成高分子との複合体およびその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】薄膜化に適した強靱な膜物性等、キチンまたはキトサン単独では得られない物性を有するキチンまたはキトサンと合成高分子との複合体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】以下の工程を含む、キチンまたはキトサンと合成高分子との複合体の製造方法を提供する:
(a)キチンゲルまたはキトサンヒドロゲルを提供する工程; および
(b)該キチンゲルまたはキトサンヒドロゲル、架橋剤および重合開始剤の存在下において、液体状態で重合性モノマーを重合させる工程。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



キチンおよびキトサンは、エビ、カニ、イカ等から得られる天然高分子である。また、生物資源としてはセルロースに次ぐ年間生産量を有しており、生体適合性や生分解性に優れた材料として様々な技術分野において利用されている。特に、キトサンは抗菌性を有しており、また、キチンは表皮細胞増殖促進効果を発揮することから、医用および生活関連分野の用途に利用されている。





例えば医用分野においては、表皮細胞増殖促進効果を有するキチン繊維の不織布(特許文献1)やキチン・キトサンの綿状物(特許文献2)等が創傷被覆保護材として利用されており、表面にキトサン又は改質キトサンが塗布された不織布からなる白血球除去用フィルタ(特許文献3)等も開発されている。また、生活関連分野への応用例としては、例えば抗菌性を有するキチン・キトサン繊維が挙げられる(特許文献4)。





しかし、これらの応用事例はいずれも、キチンまたはキトサンを単独で利用するもの、あるいはキチンまたはキトサンと他の高分子をグラフト化または被覆もしくは混合等によって化学的または物理的に複合化した材料等を利用するものがほとんどである。





一方、高性能かつ安全性の高い蓄電デバイス用の膜として、イオン液体を含浸したキトサン膜の利用が注目されており、例えば、電気二重層キャパシタ用のキトサンを用いたゲル電解質の開発が進められている(副田和位,山崎穣輝,山縣雅紀,石川正司, 「イオン液体を用いた非水系天然高分子ゲルのEDLC特性に対する効果」第51回電池討論会(2010年11月9日~11日))。





しかし、キチンやキトサンを用いたゲル電解質を実用化するためには、これらを薄膜化する技術が必要となる。さらに、キチンやキトサンのみからなる薄膜は強度に問題があり、その製造自体も容易ではない。





キチンまたはキトサンと他の高分子との複合材料としては、キチンとポリビニルピロリドン(PVP)をブレンドした材料(非特許文献1)や、キチンまたはキトサン骨格にポリサルコシン鎖をグラフト化した材料(非特許文献2および3)等が知られているが、これらが膜材料として適した物性を有するかどうかは不明であり、また、異種の高分子化合物を良溶媒へ溶解させて混合(ブレンド)する複合化方法では、溶媒を除去した際に相分離する場合がある。





そのため、例えば薄膜化に適した強靱な物性等を有する、キチンまたはキトサンを利用した新規な高分子複合体や、相分離を生じることなくかかる高分子複合体を製造できる新規な方法が望まれていた。

産業上の利用分野



本発明は、天然高分子と合成高分子との複合化技術、特に、キチンまたはキトサンと合成高分子との複合体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
a)キチンゲルまたはキトサンヒドロゲルを提供する工程; および
(b)該キチンゲルまたはキトサンヒドロゲル、架橋剤および重合開始剤の存在下において、液体状態で、ビニル化合物である重合性モノマーを重合させる工程
を含む、キチンまたはキトサンとビニル化合物重合体との複合体の製造方法であって、
キチンゲルを提供する工程(A)が、
(A1)少なくとも1mm以上の平均粒子径を有するキチンと、該キチン1重量部に対して0.8~100重量部の分散媒とを均一に混合する工程;
(A2)得られた混合物と、工程(A1)のキチン1重量部に対して0.8~100重量部の分散媒とを均一に混合する工程; および
(A3)分散媒の総量が工程(A1)のキチン1重量部に対して4~500重量部になるまで工程(A2)を繰り返してキチンゲルを得る工程
を含み、または
(A1’)キチンを、塩化カルシウム水和物飽和メタノール、ジメチルアセトアミド-塩化リチウムおよびイオン液体からなる群より選択される溶媒に溶解させる工程; および
(A2’)該キチン溶液から溶媒を除去し、キチン1重量部に対する溶媒の量が50~90重量部であるキチンゲルを得る工程
を含み、ならびに
キトサンヒドロゲルを提供する工程(B)が、
(B1)キトサンを酸水溶液に溶解する工程;
(B2)工程(B1)のキトサン水溶液のpHを7~12に調整する工程;
(B3)工程(B2)において生じた沈殿を収集する工程; および、
(B4)工程(B3)において収集した沈殿を水によりpHが6.0~7.5になるまで洗浄する工程、または工程(B3)において収集した沈殿を水に分散させた液を、pHが6.0~7.5になるまで水に対して透析する工程
を含む、複合体の製造方法

【請求項2】
キチンゲルを提供する工程(A)において、分散媒が水である、請求項に記載の方法。

【請求項3】
キチンゲルを提供する工程(A)において、溶媒が塩化カルシウム二水和物飽和メタノールである、請求項に記載の方法。

【請求項4】
工程(b)の前に、工程(a)において提供されたキチンゲルまたはキトサンヒドロゲル中の分散媒もしくは溶媒を別の分散媒もしくは溶媒に置換する工程をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
重合性モノマーが、アクリル酸エステルメタクリル酸エステルまたはスチレンである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
架橋剤が、多官能アクリル酸エステル多官能メタクリル酸エステルまたはジビニルベンゼンである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
重合開始剤が、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウムおよび過酸化ベンゾイルからなる群より選択されるラジカル重合開始剤である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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