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放射性セシウム汚染土壌の分級・洗浄効果を向上させる除染方法

国内特許コード P140010491
整理番号 13795
掲載日 2014年4月16日
出願番号 特願2012-140943
公開番号 特開2014-006111
出願日 平成24年6月22日(2012.6.22)
公開日 平成26年1月16日(2014.1.16)
発明者
  • 長縄 弘親
  • 柳瀬 信之
  • 永野 哲志
  • 三田村 久吉
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 放射性セシウム汚染土壌の分級・洗浄効果を向上させる除染方法
発明の概要 【解決課題】放射性セシムによる汚染土壌を表土除去によって除染した際に生じる廃棄土を減容するために行う分級・洗浄において、その効果を向上させる方法を提供する。
【解決手段】放射性セシウム汚染土壌に対して分級・洗浄を行う際にポリイオンが存在すると、ポリイオンの持つ微細粒子に対する凝集作用により、粗い粒子に付着した微細粒子を剥離しやすくするとともに微細粒子の再付着を抑制することで、分級・洗浄の効果が向上する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



平成23年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故で飛散した放射性物質により、広範囲にわたって土壌が汚染された。事故の発生から1年以上を経過した平成24年5月現在、半減期の短い放射性ヨウ素はほとんど存在せず、半減期の長い放射性セシウム(Cs-137:半減期30年、Cs-134:半減期約2年)が主たる汚染物質である。





放射性セシウムは、粘土などの微細粒子に吸着固定化された状態で表層の土壌(表土)にとどまりやすい性質がある。よって、汚染土壌の除染には、多くの放射性セシウムが表土に存在しているうちに、表土のみを剥離することが最も有効である。剥離した表土は、放射性セシウムの半減期のおよそ10倍の長期間にわたって適切に遮蔽保管されなければならないが、発生する廃棄土の量は膨大である。国土面積の狭い日本では、廃棄土を遮蔽保管するための処分場の確保に限界があり、廃棄土の減容化が必須である。廃棄土の減容方法としては、酸抽出法(非特許文献1参照)、土壌燃焼法(非特許文献2参照)といった方法も知られているが、酸抽出法のような化学処理は環境負荷の大きさと安全面での問題があり、土壌燃焼法はコスト面での問題が大きい。





一方、非放射性物質による汚染土壌の浄化方法として、分級(ふるい分け)と洗浄により土壌全体から有害成分(重金属イオンなど)及びそれを濃集する粘土などの微細粒子を分離・分別し、汚染土壌の量を減容する、土壌分級・洗浄法と呼ばれる土壌浄化技術が知られている(非特許文献3及び非特許文献4参照)。ところが、通常の分級・洗浄方法では、大粒の粒子の表面に微細粒子が付着することで、分級・洗浄が効率的に進行しないという難点があった。





汚染土壌表層を必要最小限の深さで効果的かつ効率的に剥がすために、分子性ポリマーや自硬性セメントを散布して土壌表層を固化させる方法が知られている。分子性ポリマーは短時間で土壌表層を固化できるが、分級・洗浄の際には、水で固化状態を軟化させるために長時間を要する。自硬性セメントは、いったん固化してしまうと水で軟化させることができないため、水を用いて分級・洗浄することは不可能になる。





水処理分野においては、汚水中の懸濁成分を凝集・フロック化して分離する高分子凝集剤が汎用されており、ポリ陽イオン系又はポリ陰イオン系の高分子凝集剤が知られている(特許文献1及び特許文献2)。一方、分級・洗浄技術においては、界面活性剤あるいは汚染物質(除去対象の物質)と結合する薬剤を利用して洗浄効果を向上させる工夫は経験的に行われているものの、分級・洗浄効果を向上させる目的で、微細粒子を凝集させる作用を持つ薬剤が利用されたことはない。





本発明において、凝集剤は、粗い粒子の表面に付着した微細な粒子の再付着を防ぐことで分級・洗浄効果を向上させる働きをするが、分級・洗浄の分野において、今までこのような凝集剤の作用が注目されたことはなかった。分級・洗浄効果の向上には、もっぱら表面研磨法などの物理的な方法に基づいて、機械・装置の工夫がなされてきた。たとえば、機械的に粒子間の摩擦を発生させて研磨能力を向上させる方法がある(非特許文献4及び非特許文献5参照)。

産業上の利用分野



本発明は、放射性セシウム汚染土壌の分級・洗浄効果を向上させる除染方法に関する。特に、放射性セシウム汚染土壌の除染において、ポリイオンの有する土壌中微細粒子に対する凝集作用を利用して、分級・洗浄効果を向上させる方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
放射性セシウムにより汚染された土壌にポリイオン水溶液を散布した後、
当該土壌の表層を剥離除去し、
生じる放射性廃棄土壌を水の存在下で分級・洗浄し、
分級サイズが0.075mm未満の微細粒子分画を放射性廃棄土壌とする
放射性セシウム汚染土壌の除染方法。

【請求項2】
前記放射性セシウムにより汚染された土壌にポリイオン水溶液を散布して、土壌中でポリイオンをゲル化させた後、土壌表層を剥がして、大粒の土壌粒子表面に付着している微細粒子を洗い出し、放射性セシウムが吸着・固定されている微細粒子を凝集させて大粒の粒子の表面への再付着を防止しながら分級・洗浄する、請求項1に記載の放射性セシウム汚染土壌の除染方法。

【請求項3】
前記ポリイオン水溶液は、
カチオン化セルロース、カチオン化でんぷん、アミノ基を有するポリマーもしくは4級アンモニウム塩のポリマーから選択されるポリ陽イオンを含む水溶液;
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、リグニンスルホン酸およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリスルホン酸およびその塩から選択されるポリ陰イオンを含む水溶液、もしくは
ポリ陽イオンとポリ陰イオンとを含む水溶液である、請求項1又は2に記載の除染方法。

【請求項4】
前記ポリイオン水溶液は、ポリ陽イオン及び/又はポリ陰イオンを1~6wt%含む水溶液である、請求項3に記載の除染方法。

【請求項5】
前記ポリイオン水溶液は、ゲル状のポリイオン複合体を生じていない、請求項3又は4に記載の除染方法。

【請求項6】
前記ポリイオン水溶液は、ポリ陽イオンとポリ陰イオンの両方を含む場合には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウムから選択される塩をさらに含む、請求項5に記載の除染方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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