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水溶性ポルフィリン誘導体とそれらの製造方法 新技術説明会

国内特許コード P140010501
整理番号 S2013-1461-N0
掲載日 2014年4月22日
出願番号 特願2014-009210
公開番号 特開2015-137303
出願日 平成26年1月22日(2014.1.22)
公開日 平成27年7月30日(2015.7.30)
発明者
  • 松岡 浩司
  • 石丸 雄大
  • 鈴木 美穂
  • 幡野 健
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 水溶性ポルフィリン誘導体とそれらの製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】疾患の診断や治療に使用する水溶性の向上したポルフィリン誘導体とその製造方法の提供。
【解決手段】ポリフィリンを含有するモノマー、糖又はグリコシドを含有するモノマー及びポリフィリン・糖共に含有しないモノマーとの共重合により得られる糖-ポルフィリン誘導体含有ポリマー、若しくはその薬学上許容される塩又はそれらの水和物。上記三種のラジカル反応性基を有するモノマーをラジカル重合を行うことにより糖-ポルフィリンを含有するポリマーを製造する方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ポルフィリンは、4つのピロール環がα位置で4つのメチン基と交互に結合した環状化合物とその誘導体の総称である。ポルフィリン環には26のπ電子が含まれている。ポルフィリンは、26π電子共役系におけるπ電子の遷移に基づいて、紫外領域(400 nm付近)にπ-π遷移に起因する強いピーク(ソーレ帯)と、480~650 nmを中心とした可視領域に分子構造の振動に共役した禁制遷移である強い吸収帯(Q帯)をもっている。
環の中心部の窒素は、鉄やマグネシウムをはじめとする多くの元素と安定な錯体を形成することが知られている。ポルフィリンや類似化合物の金属錯体は、体内では、鉄の錯体として酸素の運搬をするヘモグロビンのヘムや、電子移動および物質代謝をするシトクロムとして存在する。また、光合成生物の葉緑体中に見られるクロロフィルもポルフィリン骨格を有するマグネシウム錯体である。光を吸収し、その励起状態から高エネルギーの電子を放出し、正電荷がいくつかの酸化還元を経てニコチンアミドの還元をする。
このようにポルフィリンおよびその類縁体は、いずれも生体内において重要な役割を担う。



ポルフィリンは正常細胞に比べ、癌細胞に蓄積しやすい(非特許文献1)。ポルフィリンのソーレー帯、Q帯が組織透過性の比較的高い630 nmのレーザー光によって励起されるエネルギーにより、一重項酸素を生成し、癌細胞を死滅させることが知られている。ポルフィリンを利用した癌の検査・治療方法には、光線力学診断 (photodynamic diagnosis ; PDD)と光線力学的療法(photodynamic therapy ; PDT)がある。PDDはプロトポルフィリンが腫瘍細胞に蓄積しやすい性質を利用して、その赤色蛍光を指標にして癌組織を特定し、皮膚癌、肺癌、大腸癌等に応用することができる。一方、PDTは光感受性物質とレーザー光線との併用で悪性腫瘍内に光化学反応を起こさせ、腫瘍組織を死滅させる方法である。PDTには2つの方法があり、1つは「内視鏡的PDT」といい、光増感剤(ヘマトポルフィリン誘導体)を静注して内視鏡的に光線を病変部に照射する方法である。もう1つは「ALA-PDT」といい、δ-アミノレブリン酸(ALA)を経口投与して光線を照射する方法である。PDTは、従来の外科的手術より患者への負担が少なく、患者のQOL(生活の質)の向上に非常に有効であるとして近年では特に注目されている。また、内視鏡的PDTにおける治療は、早期肺癌や食道癌、胃癌、子宮頸部初期病変で非常に良好かつ比較的簡単で、臨床における利点も多い。



このように、ポルフィリンは癌の診断や治療における利用が期待されている。しかしながら、ポルフィリンは、水に対する溶解性が極めて低く、疾患の診断や治療に使用する上で、制限が生じている。この問題を解決する試みとして、例えば、ポルフィリン環に水溶性の置換基を導入するといった手法(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)、アルキレングリコールを用いて高分子化し水溶性を高める手法(特許文献4)などが開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、水溶性ポルフィリン誘導体、及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式( I ):
【化1】


[式中、Rは糖又はグリコシドを表し、Rはポルフィリンを表し、U、V、W及びXは、グリコシド結合、チオグリコシド結合、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、スルフィド結合、ジスルフィド結合、ウレタン結合、カーボネート結合又は尿素結合のいずれか又はこれらの組み合わせの結合を含んでもよく、同一でも相異なってもよい酸素、窒素、硫黄、芳香環及び/又はカルボニル基を含んでもよい炭化水素鎖を含んでもよく、Yは同一でも相異なってもよい酸素、窒素、硫黄、芳香環及び/又はカルボニル基を含んでもよい炭化水素鎖を表し、Zはカルボキシル基若しくはその塩、水酸基、エチル基、CONH又はCONHCHCHOHを表し、l、m及びnは0又は1以上の整数であって同一でも相異なってもよく、a、b、c、d、e及びfは0又は1以上の整数であって同一でも相異なってもよい]で表される糖-ポルフィリン誘導体含有ポリマー、若しくはその薬学上許容される塩又はそれらの水和物。

【請求項2】
下記式(III)で表される、請求項1に記載の糖-ポルフィリン誘導体含有ポリマー、若しくはその薬学上許容される塩又はそれらの水和物。
【化2】


[式中、lは10、mは100、nは1である]

【請求項3】
請求項1又は2に記載の式(I)又は(III)で表される糖-ポルフィリン誘導体含有ポリマー、若しくはその薬学上許容される塩又はそれらの水和物を含有する医薬。

【請求項4】
請求項1又は2に記載の式(I)又は(III)で表される糖-ポルフィリン誘導体含有ポリマー、若しくはその薬学上許容される塩又はそれらの水和物を含有する抗癌剤。

【請求項5】
とRを、ラジカル重合を生じるモノマーの共存下において、ラジカル重合反応を行うことにより、請求項1に記載の式(I)の化合物を製造する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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