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カルボン酸化合物及びエステル化合物の水素化によるアルコールの製造方法 コモンズ

国内特許コード P140010506
整理番号 NU-0529
掲載日 2014年4月30日
出願番号 特願2013-268047
公開番号 特開2015-124156
出願日 平成25年12月25日(2013.12.25)
公開日 平成27年7月6日(2015.7.6)
発明者
  • 斎藤 進
  • 野依 良治
  • サントシュ アグラワル
  • 鳴戸 真之
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 カルボン酸化合物及びエステル化合物の水素化によるアルコールの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】単一の均一系触媒を用いて、効率的にカルボン酸化合物を水素化させてアルコールを得る方法を提供することを目的とする。具体的には、多様なカルボン酸化合物及びエステル化合物を、緩和な条件においても、均一系触媒を用いて、効率的に水素化してアルコールを得る方法を提供する。
【解決手段】一般式(1):ReX
[式中、Xはハロゲン原子;Yは同じか又は異なり、それぞれリン原子を1個以上含む配位子;ZはX及びY以外の配位子;mは1~6の整数;nは1~6の整数;pは0~2の整数である;m、n及びpの合計は2~6の整数である。]
で示されるレニウム錯体と、特定のアルカリ金属塩との存在下に、カルボン酸化合物及び/又はエステル化合物を水素化する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


水素化反応等の水素移動反応は、低分子及び高分子有機化合物の合成に広く利用されている。



例えば、非特許文献1では、特定のルテニウム錯体が、エステルや二酸化炭素を水素化してアルコールを合成するのに有用であることが示されている。その他、アミドを水素化する例も知られている。



しかしながら、分子性の触媒を用いたカルボン酸化合物の水素化の例はほとんど存在しない。これは、カルボン酸化合物は、水素添加反応に対し安定なカルボキシル基を有するため、一般に水素添加反応は困難とされているためである。また、従来のカルボン酸化合物の水素化方法においては、均一系触媒を用いた場合、基質依存性が高いため、基質の種類に応じて触媒の中心金属や配位子、反応条件等をその都度大幅に変える必要があった。



このため、アミドやエステルのみならず、カルボン酸化合物であっても、水素化反応によりアルコールを合成することができれば、低分子及び高分子有機化合物の合成に適用することができ、多様なアルコールを合成できるため、より有用である。



例えば、異種二核金属クラスター触媒や、不均一系触媒を用いた場合には、報告例が存在する(非特許文献2~3)。しかしながら、非特許文献2では、単一金属からなる均一系触媒を用いた場合には、カルボン酸化合物の水素化は困難であるうえに、高圧を必要としており、さらに、環還元が進行する。また、非特許文献3では、基質によっては脱炭酸を伴うため、基質一般性や選択性に乏しい。このため、緩和な条件で進行させることができる基質一般性に優れた方法とは言えない。



このように、カルボン酸化合物を直接還元してアルコールを得ることは困難であるうえに、基質によっては好ましくない副反応が生じることから、通常は、カルボン酸化合物を分子内エステル化した後に、還元反応を行っている。また、エステル化合物の水素化については、レニウム錯体を用いた反応がほとんど知られておらず、例えば、非特許文献2において、単一触媒ではなく混合触媒の場合に水素化反応を進行できることが知られている程度である。



このため、均一系触媒を用いて、多様なカルボン酸基質を、緩和な条件で水素化させてアルコールを得る方法はいまだ達成されていない。また、単一の均一系レニウム触媒を用いて、多様なエステル基質を、緩和な条件で水素化させてアルコールを得る方法はいまだ達成されていない。このため、このような方法が求められている。

産業上の利用分野


本発明は、カルボン酸化合物及びエステル化合物の水素化によるアルコールの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カルボン酸化合物及び/又はエステル化合物を水素化してアルコールを製造する方法であって、
レニウム錯体及びアルカリ金属塩の存在下に、水素雰囲気下でカルボン酸化合物及び/又はエステル化合物を水素化する工程を備え、
前記レニウム錯体は、一般式(1):
ReX
[式中、Xはハロゲン原子;Yは同じか又は異なり、それぞれリン原子を1個以上含む配位子;ZはX及びY以外の配位子;mは1~6の整数;nは1~6の整数;pは0~2の整数である;m、n及びpの合計は2~6の整数である。]
で示される化合物である、製造方法。

【請求項2】
前記レニウム錯体において、レニウムが3~7価である、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記一般式(1)において、Yは、ホスフィン配位子である、請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記一般式(1)において、Zは、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む配位子である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。

【請求項5】
前記レニウム錯体が、一般式(1A):
【化1】


[式中、Zは前記に同じ;X~Xは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子;R~Rは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよいアリール基;実線と破線で表される結合は、単結合又は二重結合;1個のRと1個のRは互いに結合し、隣接する-P-Re-P-とともに環を形成してもよい。]
で示される化合物である、
請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。

【請求項6】
前記アルカリ金属塩は、一般式(2):
MBR
[式中、Mはアルカリ金属;Rは同じか又は異なり、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基である。]
で示される塩である、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。

【請求項7】
前記水素化反応工程において、リン原子を1個以上含む配位子Y’を添加する、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。

【請求項8】
前記一般式(1)において、Y’は、ホスフィン配位子である、請求項7に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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