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太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P140010517
整理番号 GI-H25-35
掲載日 2014年4月30日
出願番号 特願2014-040950
公開番号 特開2015-167439
出願日 平成26年3月3日(2014.3.3)
公開日 平成27年9月24日(2015.9.24)
発明者
  • 小林 智尚
  • 吉野 純
  • 嶋田 進
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】 任意の地点における太陽光発電装置の発電量を太陽光発電パネルの傾斜をも考慮して高精度で予測することができる太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法を提供し、系統電力を効率よく安定して供給することを可能とする。
【解決手段】 本発明は、電子計算機を用いて太陽光発電装置の発電量を予測するシステム及び方法であって、異なる計算条件に基づく気象予報データD1~D3に基づく物理気象モデルから大気の光学的厚さを計算することなどにより予測地点の日射強度のアンサンブル予測値と、そのスプレッドとを算出し、予測日射強度の予測信頼度または予測信頼区間を加えて発電量を予測するようにした(ステップS1~S8)太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


太陽光発電の発電出力は天候に大きく作用される。そのため現在、気象予報システムを用いた太陽光発電発電量予測技術開発が世界的に主流になりつつある。しかし、太陽光発電システムあるいは電力事業者という電気電子工学分野と気象予報という気象学分野では大きな隔たりがあり、予測技術開発の進捗は思わしくないのが現状である。



太陽光発電は、余剰電力買取制度等の政府・自治体の政策もあり、現在住宅用の普及率は3.8%(2011)におよび、今後もさらに急速な普及が見込まれている。しかし、太陽光発電の発電出力は天候に左右され不安定である、という欠点を有している。太陽光発電がさらに普及した近い将来、この不安定な太陽光発電の出力が電力事業者等の系統電力の不安定要因になりかねないという問題がある。



このような理由から、電力事業者にとって有効な情報として、太陽光発電に係わる日射予測や、それに基づく発電量予測を提供する技術が開発されている。
たとえば、「電力供給方法」(特許文献1:特開2004-289918)の様にリアルタイムの気象情報に含まれる日射強度を用いる方法、
「エネルギー需給制御方法及び装置」(特許文献2:特開2005-86953)、「太陽光発電システムの発電量予測方法、装置、およびプログラム」(特許文献3:特開2006-33908)の様に過去の気象データに関するデータベースと前日の気象情報から経験的に当日の予測を行う方法、
「電源システム,電源システムの制御方法およびプログラム(特許文献4:特開2008-43147)」は予測手法が具体的に記載されておらず不明、
資源エネルギー庁やNEDOが近年行っている気象予報モデルを用いて物理的プロセスに従って気象予報および日射強度予報を行う手法などがある。



このなかで、気象予報モデルは気象の物理プロセスをそのまま計算機でシミュレートしている点から最も精度が高い。しかし気象予報モデルによる高精度の日射強度予測でも、予報が外れることもあるため、電力事業者がこの予測技術や予測値を電力需要予測に活用するにはリスクが伴い、実際には現状でも利用されていない。



岐阜大学では局地気象予報システムを構築し、2006年より国内大学では唯一の気象予報として、岐阜県・愛知県を対象としたピンポイント局地気象予報を公開している。
そしてこの技術を基礎に、太陽光発電システムの発電量予測に係わる局地気象予報モデルを用いた高精度日射強度予測技術を開発している(橋本 潤 外4名,大気放射モデルSMARTS2と局地気象モデルMM5による全天候型分光日射推定モデルの提案,太陽エネルギー学会誌,2008年、特許文献5:特開2011-159199)。



現在、電力事業者より太陽光発電システムに係わる日射量予測の要請があるにもかかわらず、実際には上記の予測技術および予測結果は活用されていない。これは、その予測結果の信頼性が不明確なためである。



そこで、気象庁が提供する週間アンサンブル予報を利用して、翌日から一週間先を対象とする日射量予測の信頼性を推定する手法が提案されている(非特許文献1)。
しかしながら、この非特許文献1に記載の手法は、気象庁から提供される週間アンサンブル予報のデータから全雲量を予測し、過去の全雲量と日射量の関係から日射量を予測するものであるが、その日射量予測と信頼性の精度は、電力事業者の給電計画で求められている電力需要予測の誤差の許容範囲に達するレベルではない。



本件発明においては、前記アンサンブル予測手法をさらに発展させ、局地気象予報モデルによる高精度日射強度予測を行うと共に、当日や翌日について、その予測結果の特に優れた信頼度あるいは信頼区間も合わせて提供できる技術を開発した。
これにより電力事業者は予測の信頼度あるいは信頼区間により、発電予備電力の運用を効果・効率的に行い、系統電力の安定供給が可能となると共に、運用コストの削減にもつなげることが可能である。

産業上の利用分野


本発明は、太陽光発電システムの発電量予測方法に関するものであり、さらに詳しくは、気象予報モデルを用いて、任意の地点、任意の高度・方位角で設置された太陽光発電システムの発電量を高精度に予測すると共に、その予測値の信頼度あるいは信頼区間も合わせて予測することができる太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法であって、系統電力を効率よく安定して供給することを可能とするものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
太陽光発電装置による発電量を電子計算機を用いて予測するシステムであって、
2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから日射強度または大気の光学的厚さを計算することで得られた予測地点の地上における光の直達成分による日射量と、2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから大気の光学的厚さを計算することなく得られた予測地点の地上における光の散乱成分による日射量と、を合算することで、予測地点における任意の斜面の予測日射強度及びそのスプレッドを算出し、
気象予報データに基づいて算出した過去の予測日射強度及びそのスプレッドと、過去の実測日射強度から得られた予測誤差との関係から、1)予測日射強度の信頼度、あるいは、2)所定の確率で得られる予測日射強度の信頼区間を算出し、太陽光発電装置による発電量を予測するようにしたことを特徴とする太陽光発電装置の発電量予測システム。

【請求項2】
太陽光発電装置による発電量を電子計算機を用いて予測するシステムであって、
2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから日射強度または大気の光学的厚さを計算することで得られた予測地点の地上における光の直達成分による日射量と、2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから大気の光学的厚さを計算することなく得られた予測地点の地上における光の散乱成分による日射量と、を合算することで、予測地点における任意の斜面の予測日射強度及びそのスプレッドを算出し、
そのスプレッドから予測日射強度の信頼度を算出し、太陽光発電装置による発電量を予測するようにしたことを特徴とする太陽光発電装置の発電量予測システム。

【請求項3】
太陽光発電装置による発電量を電子計算機を用いて予測し、系統電力を担う他の発電施設によって発電すべき発電量を予測する方法であって、
2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから日射強度または大気の光学的厚さを計算することで得られた予測地点の地上における光の直達成分による日射量と、2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから大気の光学的厚さを計算することなく得られた予測地点の地上における光の散乱成分による日射量と、を合算することで、予測地点における任意の斜面の予測日射強度及びそのスプレッドを算出し、
気象予報データに基づいて算出した過去の予測日射強度及びそのスプレッドと、過去の実測日射強度から得られた予測誤差との関係から、所定の確率で得られる予測日射強度の信頼区間を算出して太陽光発電装置による発電量を予測し、
太陽光発電装置以外の発電装置によって発電すべき発電量を予測するようにしたことを特徴とする発電量予測方法。

【請求項4】
太陽光発電装置による発電量を電子計算機を用いて予測し、系統電力を担う他の発電施設によって発電すべき発電量を予測する方法であって、
2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから日射強度または大気の光学的厚さを計算することで得られた予測地点の地上における光の直達成分による日射量と、2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから大気の光学的厚さを計算することなく得られた予測地点の地上における光の散乱成分による日射量と、を合算することで、予測地点における任意の斜面の予測日射強度及びそのスプレッドを算出し、
そのスプレッドから予測日射強度の信頼度を算出して太陽光発電装置による発電量を予測し、
太陽光発電装置以外の発電装置によって発電すべき発電量を予測するようにしたことを特徴とする発電量予測方法。

【請求項5】
太陽光発電装置による発電量を電子計算機を用いて予測し、系統電力を担う他の発電施設によって発電すべき発電量を予測する方法であって、
2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから、大気の光学的厚さを予測することで予測地点における予測日射強度及びそのスプレッドを算出し、
気象予報データに基づく物理気象モデルから算出した過去の予測日射強度及びそのスプレッドと、実測日射強度から得られた予測誤差との関係から所定の確率で得られる予測日射強度の信頼区間を算出して太陽光発電装置による発電量を予測し、
太陽光発電装置以外の発電装置によって発電すべき発電量を予測するようにしたことを特徴とする発電量予測方法。

【請求項6】
太陽光発電装置による発電量を電子計算機を用いて予測し、系統電力を担う他の発電施設によって発電すべき発電量を予測する方法であって、
2以上の異なる計算条件に基づく物理気象モデルから、大気の光学的厚さを予測することで予測地点における予測日射強度及びそのスプレッドを算出し、
そのスプレッドから予測日射強度の信頼度を算出して太陽光発電装置による発電量を予測し、
太陽光発電装置以外の発電装置によって発電すべき発電量を予測するようにしたことを特徴とする発電量予測方法。

【請求項7】
請求項3~請求項6の何れか一項に記載の発電量予測方法を電子計算機で実行するためのプログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014040950thum.jpg
出願権利状態 公開
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


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