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肝細胞がん発症リスクの判定方法

国内特許コード P140010582
整理番号 H24-011
掲載日 2014年5月29日
出願番号 特願2012-170087
公開番号 特開2014-027898
出願日 平成24年7月31日(2012.7.31)
公開日 平成26年2月13日(2014.2.13)
発明者
  • 恒富 亮一
  • 岡 正朗
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 肝細胞がん発症リスクの判定方法
発明の概要 【課題】精度よく肝細胞がん再発リスクを判定できるバイオマーカーを用いた、肝細胞がん再発リスクを判定する方法や肝細胞がん再発リスクの判定用キットを提供すること。
【解決手段】7種類の遺伝子(CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1、GLYAT、TSPAN8、及びNQO1)をバイオマーカーとして用いることにより、精度よく肝細胞がん再発リスクを判定することができる。また、かかる7種類のバイオマーカー遺伝子のうち、3種類のバイオマーカー遺伝子(SLC22A1、TSPAN8、及びNQO1)を選択し、さらにCOL15A1及びABCB6遺伝子をバイオマーカーとして選択して判別分析を行うと、術後2年以内肝細胞がん再発症群の中で「術後2年以内肝細胞がん再発症あり」と判定されるのは88%(感度)であるのに対して、術後2年を超えて肝細胞がん無再発症群の中で「術後2年を超えて肝細胞がん再発症なし」と判定されるのは100%(特異度)であり、肝細胞がん再発症リスクを高精度に判定できる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



我が国では死亡原因の第一位はがんであり、その対策は国民の健康という観点から最重要課題となっている。肝細胞がん(hepatocellular carcinoma;HCC、以下、「HCC」ということもある)は、世界中で最も頻出の高い固形がんのひとつであり、2009年の日本におけるHCCによる死亡率は、がんの中でも3番目に高いことが報告されている。HCCは、その殆どがウイルス感染に起因する慢性肝炎や、慢性肝炎から進行した肝硬変を背景として発症することが知られており、HCC患者の中で、C型肝炎ウイルス(HCV)に陽性である人の割合は約70%、B型肝炎ウイルス(HBV)に陽性である人の割合は約20%にのぼる(非特許文献1)。これらの肝炎ウイルスがHCCを引き起こすメカニズムの詳細は明らかにされていないが、ウイルスの持続感染が慢性肝炎や肝硬変等を引き起こす過程で、肝細胞のがん化が起こると考えられている。





現在のところ、HCC治療法としては外科的な摘除手術が有効であるとされているが、術後の再発率はきわめて高く、予後不良であることが知られている(非特許文献2)。術後早期(およそ1~2年)の肝内再発については、門脈浸潤を原因とした肝内転移によると考えられている。また、肝細胞がん患者の多くはウイルス感染の素地を有していることから、術後後期においても多中心性発がんにより肝細胞がんが再発することも知られている(非特許文献3)。以上のように、HCCの治療には、高い再発の危険性が伴っており、外科手術後の再発を予測するためのバイオマーカーの開発は、HCC患者のQOL(quality of life)の観点から非常に重要である。





これまでに、DNAマイクロアレイ法などの網羅的解析から、がん細胞での遺伝子発現プロファイルが構築され、がんと関わりのある遺伝子が多数同定されてきた。これを基に、がん特異的遺伝子のmRNA発現をバイオマーカーとして、がんに対する早期検出・分類・予後予測などの診断法が開発されている。しかしながら、現在までに実用化されたものは、米国食品医薬品局に認可された、乳がんの再発リスクを70の遺伝子の発現から予測するMammaPrint(Agendia社製)にとどまっているのが現状である。

産業上の利用分野



本発明は、肝細胞がん発症リスクの判定方法や判定用キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の[Aグループ]における遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子のmRNA若しくはcDNAの発現減少、又はそれらがコードするタンパク質の発現減少、あるいは、[Bグループ]における遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子のmRNA若しくはcDNA、又はそれらがコードするタンパク質の発現増加を検出することを特徴とする、肝細胞がん発症リスクを判定する方法。
[Aグループ]
CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1、GLYAT
[Bグループ]
TSPAN8、NQO1

【請求項2】
遺伝子が、[Aグループ]に含まれる以下の[A’グループ]、又は[Bグループ]に含まれる以下の[B’グループ]から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
[A’グループ]
CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1
[B’グループ]
TSPAN8

【請求項3】
遺伝子が、[Aグループ]に含まれるESR1、又は[Bグループ]に含まれるNQO1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項4】
[Aグループ]及び/又は[Bグループ]における遺伝子から4以上を選択して判別分析を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
少なくとも[Bグループ]に含まれるTSPAN8を選択することを特徴とする請求項4に記載の方法。

【請求項6】
[Aグループ]に含まれるCYP2A6、SLC10A1、及びGLYATと、[Bグループ]に含まれるTSPAN8とを選択することを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。

【請求項7】
[Aグループ]及び/又は[Bグループ]における遺伝子に加えて、さらに、以下の[Cグループ]における遺伝子のmRNA若しくはcDNA、又はそれらがコードするタンパク質の発現増加、及び/又は[Dグループ]における遺伝子のmRNA若しくはcDNA、又はそれらがコードするタンパク質の発現減少を検出し、判別分析を行うことを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載の方法。
[Cグループ]
COL15A1
[Dグループ]
ABCB6

【請求項8】
[Aグループ]に含まれるSLC22A1と、[Bグループ]に含まれるTSPAN8及びNQO1と、[Cグループ]に含まれるCOL15A1と、[Dグループ]に含まれるABCB6とを選択することを特徴とする請求項4~7のいずれかに記載の方法。

【請求項9】
以下の[Aグループ]における遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子のmRNA又はcDNAの発現、あるいは、[Bグループ]における遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子のmRNA又はcDNAの発現を検出するためのプライマー対若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする、肝細胞がん発症リスクの判定用キット。
[Aグループ]
CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1、GLYAT
[Bグループ]
TSPAN8、NQO1

【請求項10】
遺伝子が、[Aグループ]に含まれる以下の[A’グループ]、又は[Bグループ]に含まれる以下の[B’グループ]から選択されることを特徴とする請求項9に記載のキット。
[A’グループ]
CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1
[B’グループ]
TSPAN8

【請求項11】
遺伝子が、[Aグループ]に含まれるESR1、又は[Bグループ]に含まれるNQO1であることを特徴とする請求項9に記載のキット。

【請求項12】
以下の[Aグループ]における遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子がコードするタンパク質に特異的に結合する抗体、あるいは、[Bグループ]における遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子がコードするタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする、肝細胞がん発症リスクの判定用キット。
[Aグループ]
CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1、GLYAT
[Bグループ]
TSPAN8、NQO1

【請求項13】
遺伝子が、[Aグループ]に含まれる以下の[A’グループ]、又は[Bグループ]に含まれる以下の[B’グループ]から選択されることを特徴とする請求項12に記載のキット。
[A’グループ]
CYP2A6、SLC10A1、SLC22A1、ESR1
[B’グループ]
TSPAN8

【請求項14】
遺伝子が、[Aグループ]に含まれるESR1、又は[Bグループ]に含まれるNQO1であることを特徴とする請求項12に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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