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活性金属塩凝集剤及びその製造方法 外国出願あり

国内特許コード P140010585
整理番号 H20-076
掲載日 2014年6月2日
出願番号 特願2011-501694
登録番号 特許第5498477号
出願日 平成22年2月24日(2010.2.24)
登録日 平成26年3月14日(2014.3.14)
国際出願番号 JP2010053374
国際公開番号 WO2010098492
国際出願日 平成22年2月24日(2010.2.24)
国際公開日 平成22年9月2日(2010.9.2)
優先権データ
  • 特願2009-041973 (2009.2.25) JP
発明者
  • 三木 俊克
  • 村田 卓也
  • 深石 準
出願人
  • 国立大学法人山口大学
  • 有限会社山口ティー・エル・オー
  • 株式会社アプローズ
発明の名称 活性金属塩凝集剤及びその製造方法 外国出願あり
発明の概要 本発明は、金属塩系凝集剤の凝集活性を著しく高めた活性金属塩凝集剤を提供することを目的とする。本発明の活性金属塩凝集剤は、金属塩凝集剤または該金属塩凝集剤を含有する水溶液を電解処理してなる。
従来技術、競合技術の概要



浮遊性濁体や水溶性の除去対象物質を含む農業用排水、産業用排水や家庭用排水である下水の浄化或いは飲料水とするための源水(これらを総称して、本明細書において汚水と称する)の浄化においては、濾過分離処理、吸着分離処理、凝集沈殿処理、凝集浮上処理、電気化学処理といった物理化学的手段による懸濁物や溶解不純物の除去及び好気性菌や嫌気性菌の生物代謝によって除去対象物質を分解する生物学的手段が、単独または併用して用いられる。物理化学的手段のうち、溶解又はコロイド等として存在する除去対象物質は、通常凝集剤を用いて粗粒又はフロック状とし、沈殿又は浮遊させ分離除去する。

凝集剤としては一般にアルミニウム系、鉄系、マグネシウム系などの金属塩、中でもこれらの金属を含む重合体が高い効果を有するとされている。

これらの凝集剤の働きは、一般に汚水中の濁質コロイドがその表面に負の電荷を帯びていることから、前記金属塩凝集剤は、水中で、たとえばアルミニウムヒドロキシ錯体など正の電荷となって電荷を中和し、コロイド粒子を集合させフロック状としたり、また汚水中に溶解しているサポニンやたん白質或いはフミン類などの有機物を塩析するなどの作用により、除去対象物をフロック等の塊状化するものである。

従来、一般に使用されている金属塩系の凝集剤としては硫酸アルミニウム(硫酸バンド:Al(SO)やポリ塩化アルミニウム(PAC:〔Al(OH)Cl16-n)(n=1~5、m≦10)などのアルミニウム系、硫酸第1鉄(りょくばん:FeSO・7HO)や塩化第2鉄(FeCl・6HO)あるいは硫酸第2鉄の硫酸基の一部を水酸基で置換したポリ硫酸第2鉄(〔Fe(OH)8(SO33-n/2)などの鉄系、更には鉄-シリカ無機高分子である重合ケイ酸鉄(PSI:〔(SiO)・(Fe1~3)(n=50~200)などが主として用いられる。

これらの凝集剤と併せて、又は単独で、カチオン系、アニオン系又はノニオン系の高分子凝集剤(凝集助剤)が用いられる場合もある。これらの有機凝集剤としてカチオン系の例はアニリン誘導体、ポリエチレンイミン等のアミン類、ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド系凝集剤であり、主として下水や屎尿など、又はクロレラ、緑藻類、バクテリアなどの藻類の除去に用いられる。また、アニオン系の例は、ポリアクリル酸ソーダなどであり、特に被処理水のpHが中性からアルカリ性の場合に用いられ、一般に重金属水酸化物などカチオン荷電粒子を含む排液、たとえば紙パルプ工場廃水、金属機械工場廃水、選鉱廃水、めっき廃水などの場合に多く用いられる。

また、ノニオン系の例は、ポリエチレンオキサイドなどで,特にpHが中性~酸性の場合に適し、砂利・粘土採取廃水選鉱廃水など無機質懸濁物の沈降促進、濾過促進などの場合、金属塩凝集剤と併せて用いられる。

また、電気分解(以下、本明細書において電解と称する)による汚水中の有機物凝集除去方法も開示されている。電解による汚水の処理手段としては、一般に金属電極を用いることにより、電解時に該電極の溶出により被処理汚水中に陽イオンを供給するものであり、たとえば、特許文献1、2は電極としてアルミニウムや鉄を用いている。また、PACにより懸濁粒子を凝集させた後、電解による気泡の発生により凝集粒を水面に浮上させ、フロスを形成させるもの(特許文献3)、また、難分解性有機物を含む排水について、まず好気性菌により分解した後、金属イオンを含む凝集剤、たとえばPACや塩化第二鉄を加えて、電解酸化・還元することにより、該金属イオンと難分解性有機物との錯体の生成を促進させる方法(特許文献4)、或いはシリカを含む排水に対して、鉄を電極とする電解操作により、一部シリカ-鉄よりなる凝集剤を系内で形成させて被除去物質を除去する方法(特許文献5)などがある。

しかし、これらの電解による汚水の処理は悉く汚水中に含まれる汚濁物質自体に作用させるものであるため、装置の大型化や、オン・サイトで電解をしなければならないという問題があった。

更に汚水処理においては、上記金属塩凝集剤による浮遊物の除去処理と併せて、所謂活性汚泥法といわれる細菌を用いた有機物の分解処理が行われる。たとえば農業用排水の処理などにあっては、好気性菌処理と嫌気性菌処理とを併用することもしばしば行われている。

以上の如く、汚水処理にあっては、一般にまず凝集剤による浮遊物、特にコロイド物質又は一部溶解した有機物を除去する必要があり、従来アルミニウム系の凝集剤が主として用いられてきた。しかし、アルミニウム系凝集剤、たとえばPAC等は低濃度原水,低水温,高アルカリ度原水、塩類の多い原水に対して著しく凝集効果が落ちることが知られているだけでなく、処理液中にアルミニウムが存在し、人体への影響が疑われるため、河川への放流や、田畑への給水等に使用する場合、可及的に低濃度とすることが望まれている。また、鉄系凝集剤、たとえばPSIなどは鉄鋼業における酸洗廃液等の利用が検討されているが、凝集対象となる汚水中有機物に応じてシリカ量を変化する必要があるだけでなく,濾過損失が大きいため、現在の処理施設をそのまま使うには制御系やノウハウの再構築が必要、ソースが限られるなどの事情もあってPACほどには一般的ではない。硫酸バンドやりょくばんあるいは塩化鉄などは凝集効果が劣るため、大量に用いる必要があるが、多量に使用したとしても必ずしも凝集効果の向上が期待できるわけではない。したがって、凝集効果の高い凝集剤の使用で使用量を削減できれば、汚水処理コストの低減となるので、より効率的な凝集剤の開発が望まれていた。特に、従来使用されている金属塩凝集剤によっては、溶解している有機物を除去する性能が劣り、有機物等を多く溶解している汚水に対しては、大量の凝集剤の使用や後処理による有機物の分解等を必要とするという欠点があった。

更に問題として、上記金属塩系凝集剤、特に塩素含有凝集剤にあっては、前記の電解を伴う処理の場合、たとえば農業用排水処理等でしばしば行われる凝集剤処理に続く嫌気性菌による処理が不可能(菌が死滅する)となる事態がしばしば生ずるという欠点があった。

産業上の利用分野 【技術分野】



本発明は、浄水、下水、産業用排水、農業用排水等の汚水の浄化に用いる凝集剤に係る。特に水溶性やコロイド状有機物を含む汚水に対して著効を有する活性凝集剤及びその製造方法に関する。

【背景技術】





浮遊性濁体や水溶性の除去対象物質を含む農業用排水、産業用排水や家庭用排水である下水の浄化或いは飲料水とするための源水(これらを総称して、本明細書において汚水と称する)の浄化においては、濾過分離処理、吸着分離処理、凝集沈殿処理、凝集浮上処理、電気化学処理といった物理化学的手段による懸濁物や溶解不純物の除去及び好気性菌や嫌気性菌の生物代謝によって除去対象物質を分解する生物学的手段が、単独または併用して用いられる。物理化学的手段のうち、溶解又はコロイド等として存在する除去対象物質は、通常凝集剤を用いて粗粒又はフロック状とし、沈殿又は浮遊させ分離除去する。

凝集剤としては一般にアルミニウム系、鉄系、マグネシウム系などの金属塩、中でもこれらの金属を含む重合体が高い効果を有するとされている。





これらの凝集剤の働きは、一般に汚水中の濁質コロイドがその表面に負の電荷を帯びていることから、前記金属塩凝集剤は、水中で、たとえばアルミニウムヒドロキシ錯体など正の電荷となって電荷を中和し、コロイド粒子を集合させフロック状としたり、また汚水中に溶解しているサポニンやたん白質或いはフミン類などの有機物を塩析するなどの作用により、除去対象物をフロック等の塊状化するものである。





従来、一般に使用されている金属塩系の凝集剤としては硫酸アルミニウム(硫酸バンド:Al(SO)やポリ塩化アルミニウム(PAC:〔Al(OH)Cll6-n)(n=1~5、m≦10)などのアルミニウム系、硫酸第1鉄(りょくばん:FeSO・7HO)や塩化第2鉄(FeCl・6HO)あるいは硫酸第2鉄の硫酸基の一部を水酸基で置換したポリ硫酸第2鉄(〔Fe(OH)(SO3-n/2などの鉄系、更には鉄-シリカ無機高分子である重合ケイ酸鉄(PSI:〔(SiO)・(Fe1~3)(n=50~200)などが主として用いられる。





これらの凝集剤と併せて、又は単独で、カチオン系、アニオン系又はノニオン系の高分子凝集剤(凝集助剤)が用いられる場合もある。これらの有機凝集剤としてカチオン系の例はアニリン誘導体、ポリエチレンイミン等のアミン類、ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド系凝集剤であり、主として下水や屎尿など、又はクロレラ、緑藻類、バクテリアなどの藻類の除去に用いられる。また、アニオン系の例は、ポリアクリル酸ソーダなどであり、特に被処理水のpHが中性からアルカリ性の場合に用いられ、一般に重金属水酸化物などカチオン荷電粒子を含む排液、たとえば紙パルプ工場廃水、金属機械工場廃水、選鉱廃水、めっき廃水などの場合に多く用いられる。

また、ノニオン系の例は、ポリエチレンオキサイドなどで,特にpHが中性~酸性の場合に適し、砂利・粘土採取廃水、選鉱廃水など無機質懸濁物の沈降促進、濾過促進などの場合、金属塩凝集剤と併せて用いられる。





また、電気分解(以下、本明細書において電解と称する)による汚水中の有機物凝集除去方法も開示されている。電解による汚水の処理手段としては、一般に金属電極を用いることにより、電解時に該電極の溶出により被処理汚水中に陽イオンを供給するものであり、たとえば、特許文献1、2は電極としてアルミニウムや鉄を用いている。また、PACにより懸濁粒子を凝集させた後、電解による気泡の発生により凝集粒を水面に浮上させ、フロスを形成させるもの(特許文献3)、また、難分解性有機物を含む排水について、まず好気性菌により分解した後、金属イオンを含む凝集剤、たとえばPACや塩化第二鉄を加えて、電解酸化・還元することにより、該金属イオンと難分解性有機物との錯体の生成を促進させる方法(特許文献4)、或いはシリカを含む排水に対して、鉄を電極とする電解操作により、一部シリカ-鉄よりなる凝集剤を系内で形成させて被除去物質を除去する方法(特許文献5)などがある。





しかし、これらの電解による汚水の処理は悉く汚水中に含まれる汚濁物質自体に作用させるものであるため、装置の大型化や、オン・サイトで電解をしなければならないという問題があった。

更に汚水処理においては、上記金属塩凝集剤による浮遊物の除去処理と併せて、所謂活性汚泥法といわれる細菌を用いた有機物の分解処理が行われる。たとえば農業用排水の処理などにあっては、好気性菌処理と嫌気性菌処理とを併用することもしばしば行われている。





以上の如く、汚水処理にあっては、一般にまず凝集剤による浮遊物、特にコロイド物質又は一部溶解した有機物を除去する必要があり、従来アルミニウム系の凝集剤が主として用いられてきた。しかし、アルミニウム系凝集剤、たとえばPAC等は低濃度原水,低水温,高アルカリ度原水、塩類の多い原水に対して著しく凝集効果が落ちることが知られているだけでなく、処理液中にアルミニウムが存在し、人体への影響が疑われるため、河川への放流や、田畑への給水等に使用する場合、可及的に低濃度とすることが望まれている。また、鉄系凝集剤、たとえばPSIなどは鉄鋼業における酸洗廃液等の利用が検討されているが、凝集対象となる汚水中有機物に応じてシリカ量を変化する必要があるだけでなく,濾過損失が大きいため、現在の処理施設をそのまま使うには制御系やノウハウの再構築が必要、ソースが限られるなどの事情もあってPACほどには一般的ではない。硫酸バンドやりょくばんあるいは塩化鉄などは凝集効果が劣るため、大量に用いる必要があるが、多量に使用したとしても必ずしも凝集効果の向上が期待できるわけではない。したがって、凝集効果の高い凝集剤の使用で使用量を削減できれば、汚水処理コストの低減となるので、より効率的な凝集剤の開発が望まれていた。特に、従来使用されている金属塩凝集剤によっては、溶解している有機物を除去する性能が劣り、有機物等を多く溶解している汚水に対しては、大量の凝集剤の使用や後処理による有機物の分解等を必要とするという欠点があった。

更に問題として、上記金属塩系凝集剤、特に塩素含有凝集剤にあっては、前記の電解を伴う処理の場合、たとえば農業用排水処理等でしばしば行われる凝集剤処理に続く嫌気性菌による処理が不可能(菌が死滅する)となる事態がしばしば生ずるという欠点があった。

【先行技術文献】

【特許文献】





【特許文献1】 特開平8-117737

【特許文献2】 特開2001-54700

【特許文献3】 特開2002-45630

【特許文献4】 特開2003-275765

【特許文献5】 特開2005-152880

特許請求の範囲 【請求項1】
ポリシリカ鉄系凝集剤または該凝集剤を含有する水溶液を電解処理してなる活性金属塩凝集剤。

【請求項2】
5.9~6.1eVの光吸収帯域の吸光度が、電解処理前よりも低くなっている、請求項1記載の活性金属塩凝集剤。

【請求項3】
電解処理が直流電解処理である、請求項1又は2記載の活性金属塩凝集剤。

【請求項4】
陰・陽両電極となる2つの電極を備えた容器中にポリシリカ鉄系凝集剤または該凝集剤を含有する水溶液を存在させ、両極間に通電することを特徴とする活性金属塩凝集剤の製造方法。

【請求項5】
陽極側と陰極側とが隔膜によって区画されている容器を用いて通電を行い、陽極側の凝集剤を回収することを含む、請求項4記載の活性金属塩凝集剤の製造方法。

【請求項6】
通電量が5~60クーロン/gである、請求項4記載の活性金属塩凝集剤の製造方法。

【請求項7】
通電が直流電圧の印加によりなされる、請求項4記載の活性金属塩凝集剤の製造方法。

【請求項8】
請求項1記載の活性金属塩凝集剤を被処理水と接触させる工程を含む、該被処理水を浄化する、水質浄化方法。
産業区分
  • 処理操作
  • その他無機化学
  • 混合分離
  • 微生物工業
  • 衛生設備
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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