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カラー電子ホログラフィ表示装置 コモンズ

国内特許コード P140010609
整理番号 07-19
掲載日 2014年6月4日
出願番号 特願2007-217079
公開番号 特開2009-053234
登録番号 特許第4894046号
出願日 平成19年8月23日(2007.8.23)
公開日 平成21年3月12日(2009.3.12)
登録日 平成24年1月6日(2012.1.6)
発明者
  • 妹尾 孝憲
  • 三科 智之
出願人
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
発明の名称 カラー電子ホログラフィ表示装置 コモンズ
発明の概要 【課題】装置を小型化しつつ、3色の光のそれぞれの参照光や共役光が漏れることなく、色ずれや歪みの生じることのないカラー電子ホログラフィを表示することができるカラー電子ホログラフィ表示装置を提供する。
【解決手段】カラー電子ホログラフィシステムSは、カラーホログラム光発生装置10の光源によって、赤緑青の色光からなる光群をそれぞれ発生し、ホログラムメモリ19によってホログラムパターンを出力し、LCD18によって、カラー電子ホログラフィ像を表示し、カラー不要光除去手段20の第一光学系21によって、ホログラムパターンに光群が照射されることで発生されたカラー電子ホログラフィ像を構成する再生光を集光させ、遮光板22によって、不要光を遮断し、第二光学系によって、不要光が除去された物体光であるカラー電子ホログラフィ像に戻す。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、カラー電子ホログラフィ像を表示する方法として、例えば、特許文献1で開示されている方法がある。この特許文献1に開示されている方法は、赤緑青の3色光源で、それぞれの色に対応するホログラムパターンが表示されたホログラム表示デバイスを照射し、得られた3色のホログラム光を光学的に合成して、カラー電子ホログラフィ像を表示するカラーホログラフィ装置を用いたものである。



また、この特許文献1には、カラーホログラフィ装置を小型化するために、光源に半導体レーザを用いることが開示されていると共に、当該半導体レーザの温度変化によるカラー電子ホログラフィ像の色ずれを補償するレーザ温度制御方法が併せて開示されている。



ここで、特許文献1に開示されているカラーホログラフィ装置について、図15を参照して説明する。
図15に示したように、カラーホログラフィ装置100は、半導体レーザを構成する赤緑青の3色それぞれのレーザダイオード(赤LD、緑LD、青LD)101、102、103と、これらから照射されたレーザ光のビーム径を拡大するビーム拡大レンズ111、112、113と、液晶素子(LCD)で構成され拡大された光により赤緑青の3色のホログラムパターンから各色のホログラム光(赤色の単色光、緑色の単色光、青色の単色光)を表示するLCD(ホログラム表示デバイス)121、122、123と、これらで表示された3色の単色光を合成して、カラー電子ホログラフィ像を出力するビーム合成光学系130と、を備えている。



なお、ビーム合成光学系130は、互いに直交するハーフミラーを正方形の対角線上に配置した構成であり、左右から入射した光を下方に反射させ、上方から入射した光を下方に透過させることで、各色の単色光を合成し、カラー電子ホログラフィ像を出力することができる。
また、カラーホログラフィ装置100は、ホログラムパターンを予め記憶しており、ホログラム表示デバイス121、122、123に出力するホログラムメモリ124を備えている。



カラーホログラフィ装置100では、ホログラムパターンから発生する共役光や、ホログラム表示デバイスを照射した0次光(レンズ系で曲がらない光)も同時出力されてしまうことになり、これらの光が単色光の中で被写体の像を成す物体光に重なる不要光となって、観視者がカラー電子ホログラフィ像を見づらくなる。



例えば、ホログラム表示デバイスが液晶素子の場合、当該液晶素子の間隔Pが光の波長λよりも10倍程度大きく、ビーム拡大レンズ等で拡大された光(入射光)の入射方向と、ホログラムパターンにより回折されて物体光となる当該回折光との成す角度θは、sinθ=λ/2Pで与えられ、非常に小さくなる。この結果、被写体光と重なった入射光が、観視者の目に入り、カラー電子ホログラフィ像がほとんどみられないことになる。



また、ホログラムパターンは、複素数で記述される物体光の振幅及び位相の双方を、干渉縞のパターンの濃淡に変換して絶対値だけを記録したものであることに起因し、カラー電子ホログラフィ像を表示する際に、物体光の回折方向と逆方向に回折する共役光を発生させてしまう。この共役光の回折角度も小さいので、物体光に重なってしまい、不要光となり、カラー電子ホログラフィ像の品質を著しく劣化させることとなる。



そして、カラー電子ホログラフィ像を表示する際に、不要光を除去するための従来技術(不要光除去光学系)としては、凸レンズが入射された光をフーリエ変換して、当該光のエネルギを焦点位置に収束させる作用があることを利用するものがある(例えば、非特許文献1参照)。この不要光除去光学系を、図16を参照して説明する。



この図16に示すように、不要光除去光学系140は、焦点距離fのレンズ(凸レンズ)141及びレンズ(凸レンズ)143を、2f離して配置し、双方の焦点距離位置に不要光を遮断して必要な物体光のみを透過させる遮光板142を配置したものである。そして、この不要光除去光学系140の外部には別途、ホログラムパターンを表示する表示デバイス120が配置されている。



この不要光除去光学系140では、共役光と物体光とが異なる位置に収束するようにホログラムパターンが求められている。このホログラムパターンは、被写体の各点から全方向に散乱反射される参照光(半導体レーザによるレーザ光)の中で図16の被写体の各点ごとに水平より上側(遮光板142の無い側)の空間に散乱する光のみからなるものである。このような不要光除去光学系140による不要光の除去は、シングルサイドバンド法と呼ばれている。なお、ここで説明したホログラムパターンは、計算機シミュレーションでのみ取得可能であり、実際に、被写体にレーザ光を照射して、反射光をフィルムに記録するアナログホログラムでは、被写体の各点毎に水平より下に散乱する光を止める事は不可能なため、実現不可能である。



ここで、計算機シミュレーションによってホログラムパターンを求める求め方について説明する。まず、計算機シミュレーションでは、方向と位相の揃ったコヒーレントなレーザ光Rを想定し、このレーザ光Rが被写体上の点(u,v,w)に当たると散乱して被写体光A(u,v,w)になるとし、被写体からz軸方向に距離zだけ離れた点(x,y,z)における当該被写体光A(u,v,w)を、次に示す数式(1)を用いて求める。



A(x,y,z)=A(u,v,w)exp(-j2πd/λ)/d・・・数式(1)



この数式(1)において、j=虚数単位、π=円周率、λ=光の波長であり、dは次に示す数式(2)を用いて求める。



d={(z-w)+(x-u)+(y-v)1/2 ・・・数式(2)



なお、被写体からz軸方向に距離zだけ離れた点(x,y,z)では、被写体上の各点(u,v,w)からの被写体光(散乱した光)がすべて到達しているので、到達しているすべての被写体光を加え合わせたものが、被写体からz軸方向に距離zだけ離れた点(x,y,z)での物体光O(x,y,z)となる。しかし、ここでは、シングルサイドバンド法を用いているので、被写体から上半分に散乱する光のみ(v<y:被写体からz軸方向に距離zだけ離れた点の垂直方向における座標yが被写体の垂直方向における座標vよりも大きい部分に散乱する光のみ)を、次に示す数式(3)を用いて加える。



O(x,y,z)=Σu,v<y,wA(x,y,z) ・・・数式(3)



このようにして得られた物体光O(以下、被写体の各点から出た光を「被写体光」とし、この被写体光がホログラム面上で重なり合った光を「物体光」として区別することとする)は、一般に、振幅|O(x,y,z)|と位相φ(x,y,z)とで、次に示す数式(4)で表すことができる。



O(x,y,z)=|O(x,y,z)|exp{-jφ(x,y,z)}
・・・数式(4)



そして、ホログラムパターンは、この光の振幅と位相とを干渉縞のパターンとして記録したものである。このため、前記したレーザ光Rを参照光としてこの光Oに重ねて照射すると、被写体からz軸方向に距離zだけ離れた点(x,y,z)での光は、O+Rとなり、この点にフィルム等のホログラムパターン記録材料を配置すれば、このホログラムパターン記録材料にO+Rの絶対値の2乗Iが、干渉縞のパターンとして記録されることになる。このIを次に示す数式(5)で表す。



I=|R+O|=(R+O)(R+O)=RR+OO+(RO+OR
=|R|+|O|+2|R||O|cos(φ) ・・・数式(5)



この数式(5)において、RはRの複素共役項であり、OはOの複素共役項である共役光である。この数式(5)において、第3項は、元の被写体光の振幅|O|と位相φとが含まれているので、計算機シミュレーションではこの第3項の|O|cos(φ)のみを計算してホログラムパターンとしている。



このホログラムパターンに元の参照光(レーザ光)Rを照射した際の再生光をPとすると、この再生光Pは次に示す数式(6)で表される。
P=R|O|cos(φ)=R|O|{exp(-jφ)+exp(jφ)}/2
・・・数式(6)



この数式(6)において、再生光Pは、元の被写体の物体光O=|O|exp(-jφ)と、この物体光Oの共役光O=|O|exp(jφ)とを含んだものである。



このようにして得られたホログラムパターンを、図16に示した表示デバイス120に表示し、参照光を照射すると、元の物体光と共役光とを含んだ再生光が回折して出てくる。そして、物体光は図の上方向に回折して元の被写体から出た光と同じであり、共役光はこの再生光の複素共役成分であるため、図16の点線で示した下方向に回折されて表示デバイス120に対して鏡像の位置に共役像を形成する。



これらの物体光と共役光とは、凸レンズ141を通ると収束されるが、物体光は焦点距離fの付近では、凸レンズ141の光軸より図中上の領域しか通らない。一方、共役光は、凸レンズ141の光軸より図中下の領域しか通らない。このため、この領域に遮光板を配置すれば、共役光は遮断されることとなる。



そして、表示デバイス120に照射した参照光は、凸レンズ141の光軸上の焦点距離fに収束するので、遮光板を光軸よりも少し高めに設置すれば遮断することができる。これにより、物体光の一部が遮断されるため視域がわずかに減じるが、再生光によって形成される再生像が欠けることはない。さらに、このようにして収束された物体光は、凸レンズ143を通ることにより、元の物体光(被写体から出て上半分に散乱する光)に戻される。



一般に、第1の凸レンズ(凸レンズ141)及び第2の凸レンズ(凸レンズ143)の焦点距離をそれぞれf、gとし、凸レンズ間の距離を2fとし、第1のレンズの前方の距離Dで光軸から距離A離れた位置にある被写体上の点は、第2の凸レンズの後方の距離Zの位置に、光軸から距離B離れた位置に像を作るとすると、距離Zは次の数式(7)で、距離Bは数式(8)で表される。



Z=fg(2f-D)/{g(D-f)+f(2f-D)} ・・・数式(7)
B=Afg/{g(D-f)+f(2f-D)} ・・・数式(8)



ここで、g=fの場合は、Z=2f-D、B=Aとなる。すなわち、不要光除去光学系140を通った再生像は、位置が光軸方向に4fシフトするだけで、大きさや形状は不変であることになる。
【特許文献1】
特開平9-68917号公報
【非特許文献1】
NHK技研R&D,No.93,pp.14-19,2005.9(図3)

産業上の利用分野



本発明は、ホログラムパターンから生じる不要光を除去してカラー電子ホログラフィ像を表示するカラー電子ホログラフィ表示装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
赤色、緑色及び青色の各々の色についての、被写体の各点からの光の拡散の範囲が半分に制限された物体光と、前記各々の色の光である色光との干渉縞のパターンであるホログラムパターンを用いて、当該被写体のカラー電子ホログラフィ像を表示するカラー電子ホログラフィ表示装置であって、
赤色、緑色及び青色の3色の前記色光を発生する光源と、
この光源からの光の光路上に設けられ、前記色光それぞれに対応した前記ホログラムパターンを表示する表示デバイスと、
を有するカラーホログラム光発生手段と、
このカラーホログラム光発生手段の表示デバイスに表示された前記ホログラムパターンに前記光源からの光が照射されることで発生した光を集光する第1光学系と、
前記ホログラムパターンの生成時における前記被写体の各点からの光の拡散の制限の範囲に対応して、この第1光学系の像側焦点面上において、当該第1光学系の光軸を境界にして前記第1光学系から出射した光のうちの半分の所定の領域の光を遮断できるように配置された遮光板と、
この遮光板の後段に設置され、前記第1光学系から出射した光のうち前記遮光板によって遮断されない光を集光して、カラー電子ホログラフィ像を形成する第2光学系と、
を有するカラー不要光除去手段と、
を備え、
前記第1光学系が、前記表示デバイスに表示された前記ホログラムパターンに前記光源からの光が照射されることで発生した光を集光する第1の集光レンズを有し、
前記ホログラムパターンが、ひとつの色の前記色光における前記第1の集光レンズの焦点面の位置に対する、他の前記色光の色の違いに起因した前記第1の集光レンズの焦点面の位置のずれが補正されたパターンであることを特徴とするカラー電子ホログラフィ表示装置。

【請求項2】
前記第2光学系が、前記第1光学系から出射した光のうち前記遮光板によって遮断されない光を集光する凹面鏡と、この凹面鏡からの光の光路上に設置され、当該光の出射方向を変更するミラーとを有することを特徴とする請求項1に記載のカラー電子ホログラフィ表示装置。

【請求項3】
前記第2光学系が、前記第1光学系から出射した光のうち前記遮光板によって遮断されない光を集光する第二の集光レンズを有し、
前記ホログラムパターンが、ひとつの色の前記色光を基準として他の色の前記色光について、前記第二の集光レンズにより形成される前記カラー電子ホログラフィ像の、色の違いに起因した位置及び大きさのずれが更に補正されたパターンであることを特徴とする請求項1に記載のカラー電子ホログラフィ表示装置。

【請求項4】
赤色、緑色及び青色の各々の色についての、被写体の各点からの光の拡散の範囲が半分に制限された物体光と、前記各々の色の光である色光との干渉縞のパターンであるホログラムパターンを用いて、当該被写体のカラー電子ホログラフィ像を表示するカラー電子ホログラフィ表示装置であって、
赤色、緑色及び青色の3色の前記色光を発生する光源と、
この光源からの光の光路上に設けられ、前記色光それぞれに対応した前記ホログラムパターンを表示する表示デバイスと、
を有するカラーホログラム光発生手段と、
このカラーホログラム光発生手段の表示デバイスに表示された前記ホログラムパターンに前記光源からの光が照射されることで発生した光を集光する第1光学系と、
前記ホログラムパターンの生成時における前記被写体の各点からの光の拡散の制限の範囲に対応して、この第1光学系の像側焦点面上において、当該第1光学系の光軸を境界にして前記第1光学系から出射した光のうちの半分の所定の領域の光を遮断できるように配置された遮光板と、
この遮光板の後段に設置され、前記第1光学系から出射した光のうち前記遮光板によって遮断されない光を集光して、前記カラー電子ホログラフィ像を形成する第2光学系と、
を有するカラー不要光除去手段と、
を備え、
前記第1光学系が、前記表示デバイスからの光の光路上に設置され、当該光の出射方向を変更するハーフミラーと、このハーフミラーからの光の光路上に設置され、この光を集光する第1の凹面鏡とを有することを特徴とするカラー電子ホログラフィ表示装置。

【請求項5】
前記第2光学系が、前記第1の凹面鏡からの光の光路上に設置され、当該光の出射方向を変更するハーフミラーと、このハーフミラーからの光路上に設置され、この光を集光する第2の凹面鏡とを有することを特徴とする請求項4に記載のカラー電子ホログラフィ表示装置。

【請求項6】
前記第2光学系が、前記第1の凹面鏡からの光の光路上に設置され、前記第1光学系から出射した光のうち前記遮光板によって遮断されない光を集光する第2の凹面鏡と、当該第2の凹面鏡からの光の光路上に設置され、当該光の出射方向を変更する全反射ミラーとを有することを特徴とする請求項4に記載のカラー電子ホログラフィ表示装置。

【請求項7】
前記第2光学系が、前記第1光学系から出射した光のうち前記遮光板によって遮断されない光を集光する第二の集光レンズを有し、
前記ホログラムパターンが、ひとつの色の前記色光を基準として他の色の前記色光について、前記第二の集光レンズにより形成される前記カラー電子ホログラフィ像の、色の違いに起因した位置及び大きさのずれが更に補正されたパターンであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のカラー電子ホログラフィ表示装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
※ 詳細内容の開示にあたっては、別途、JSTと秘密保持契約を締結していただくことが必要となります。


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