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SF6ガス回収装置、及びSF6ガス回収方法

国内特許コード P140010619
掲載日 2014年6月6日
出願番号 特願2010-150405
公開番号 特開2012-012254
登録番号 特許第5517128号
出願日 平成22年6月30日(2010.6.30)
公開日 平成24年1月19日(2012.1.19)
登録日 平成26年4月11日(2014.4.11)
発明者
  • 峰原 英介
出願人
  • 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター
発明の名称 SF6ガス回収装置、及びSF6ガス回収方法
発明の概要 【課題】 発電所、変電所、加速器施設等において使用される高電圧機器の圧力容器または密封容器中に封入されるSF6ガス(絶縁ガス)を、外界に放出することなく完全に回収して別容器に移送を行えるSF6ガス回収装置、及びその方法を提供すること。
【解決手段】 SF6ガスが封入された被回収容器1と;この被回収容器1に接続され、槽内に吸着材が収容されて成る低温吸着ポンプ5と;この低温吸着ポンプ5の槽内を液体窒素温度まで冷却可能な冷却手段6と;前記低温吸着ポンプ5の槽内を所定温度まで昇温可能なヒーター装置7と;前記低温吸着ポンプ1に接続された油回転ポンプ4と;この油回転ポンプ4に直列的に接続された移送用圧縮機3と;この移送用圧縮機3に接続され、前記被回収容器1から低温吸着ポンプ5を経由して移送されたSF6ガスを収容可能な貯蔵容器2とを含んで構成した。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



従来技術は、圧力差と油回転ポンプと圧縮機を用いて、装置容器と貯蔵容器の間を繰り返し、移送する方法が採られている。耐圧の高い油回転ポンプを用いて各容器の中にあるSF6ガスを残留量ができるだけ少なくなるように、低い圧力まで排気する。この油回転ポンプの背圧を圧縮機を用いて移送終点へ高い圧力にして移送する。このようにして高価なSF6ガスの消費量と排出量を低減する努力が行われている。





しかしながら、大型の油回転ポンプでも排気速度が不十分で、遷移圧力領域以下では時間がかかるために実際的ではなく、通常は適当な圧力で排気を打ち切る。この最終圧力は1mBar程度がやっとで最初の加圧充填量の0.02%程度は少なくとも外部放出される。この量は大型容器を用いる発電所、変電所、加速器施設などにおいて無視できる量ではない。温暖化係数が24000倍のSF6ガスは1台当たり年間数回の排気で無視できない影響が地球温暖化現象に出ていると考えられる。





また、従来においては、温暖化ガスの外部放出を止めるために温暖化係数が1ケタから2ケタ小さい代替フロンガスを使用する方法も提案されている。絶縁性能はおおよそ下記表1に示す温暖化係数の逆の順番でSF6ガスが一番高い。このため、代替フロンでは、高い絶縁性能が確保されない。またSF6ガス以外では可燃性や毒性など安全性確保が危惧される。その点はSF6ガスは結核等の気胸治療目的で使用された実績があり、毒性も可燃性も腐食性などの問題はない。

【表1】








また他にも、大排気量超高真空ポンプであるターボ分子ポンプやメカニカルブースターや拡散ポンプやエジェクターポンプの使用も提案されているが、これらは大型では桁違いに高価となり、排気ポンプの付帯設備などで設置場所にも困難が伴う。またSF6など凝縮性気体などに対する選択性がないために残留ガスの分圧が高くなり、SF6ガスの最終到達真空度は従来技術より1ケタ程度下回るだけとなる。また選択性もないことからガスの純化もできない。





一方、従来においては、吸着材を利用してSF6ガスを選択分離して回収する技術も提案されているが(特許文献1~3参照)、これらは、正圧下においてSF6ガスの吸着回収を行う技術であるため、装置容器中に残るSF6ガスの残留量を著しく低減できるものではない。

産業上の利用分野



本発明は、SF6ガス回収装置、及びSF6ガス回収方法の改良、詳しくは、発電所、変電所、加速器施設等において使用される高電圧機器の圧力容器または密封容器中に、放電を消弧する或いは放電を防止するために封入されるSF6ガス(絶縁ガス)を、外界に放出することなく完全に回収して別容器に移送を行えるSF6ガス回収装置、及びその方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
SF6ガスが封入された被回収容器(1)と;この被回収容器(1)に接続され、槽内に吸着材が収容されて成る低温吸着ポンプ(5)と;この低温吸着ポンプ(5)の槽内を液体窒素温度まで冷却可能な冷却手段(6)と;前記低温吸着ポンプ(5)の槽内を所定温度まで昇温可能なヒーター装置(7)と;前記被回収容器(1)と低温吸着ポンプ(5)にそれぞれ接続された油回転ポンプ(4)と;この油回転ポンプ(4)に直列的に接続された移送用圧縮機(3)と;この移送用圧縮機(3)に接続され、前記被回収容器(1)から低温吸着ポンプ(5)を経由して移送されたSF6ガスを収容可能な貯蔵容器(2)とを含んで構成され、
前記被回収容器(1)と油回転ポンプ(4)間のバルブ(B3)を閉じた状態で、被回収容器(1)と低温吸着ポンプ(5)間のバルブ(B4)を開いて冷却下の吸着槽内でSF6ガスを凝縮可能とする一方、今度は低温吸着ポンプ(5)と被回収容器(1)間のバルブ(B4)を閉じて、低温吸着ポンプ(5)と油回転ポンプ(4)間のバルブ(B6)を開くことにより昇温下の吸着槽内で気化したSF6ガスを貯蔵容器(2)に回収可能としたことを特徴とするSF6ガス回収装置。

【請求項2】
被回収容器(1)と油回転ポンプ(4)の間に複数の低温吸着ポンプ(5・5…)を並列に接続し、これらの低温吸着ポンプ(5・5…)を各バルブ(B5・B5…)の開閉によって選択的に使用可能としたことを特徴とする請求項1記載のSF6ガス回収装置。

【請求項3】
低温吸着ポンプ(5)の槽内に吸着分子が異なる複数種の吸着材を収容すると共に、ヒーター装置(7)に温度調節機能を設けてSF6ガス以外の不純物ガスを分留・除去可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載のSF6ガス回収装置。

【請求項4】
低温吸着ポンプ(5)に接続された油回転ポンプ(4)を、別系統で被回収容器(1)に直接接続して、被回収容器(1)と低温吸着ポンプ(5)間のバルブ(B4)を閉じた状態で被回収容器(1)内のSF6ガスを低温吸着ポンプ(5)を経由せずに回収可能としたことを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のSF6ガス回収装置。

【請求項5】
被回収容器(1)と貯蔵容器(2)とを移送用圧縮機(3)を介して別系統で接続し、被回収容器(1)内のSF6ガスを移送用圧縮機(3)のみで回収可能としたことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のSF6ガス回収装置。

【請求項6】
被回収容器(1)と貯蔵容器(2)とを別系統で直接接続し、被回収容器(1)内のSF6ガスを被回収容器(1)と貯蔵容器(2)の差圧により回収可能としたことを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載のSF6ガス回収装置。

【請求項7】
被回収容器(1)に封入されたSF6ガスを別の貯蔵容器(2)に移送する方法であって、
被回収容器(1)内のSF6ガスを、油回転ポンプ(4)と移送用圧縮機(3)により貯蔵容器(2)に移送する第一の段階と;SF6ガスの移送速度が低下する粘性流と分子流の境界領域に近づいた、配管直径と圧力で決まる遷移圧力領域に入るところでは、一旦、油回転ポンプ(4)の排気を止めてバルブ(B3)を閉じ、吸着材が収容された低温吸着ポンプ(5)へのバルブ(B4)を開いて、冷却手段(6)により液体窒素温度に冷却した槽内でSF6ガスを凝縮させる第二の段階と;その後、被回収容器(1)と低温吸着ポンプ(5)間のバルブ(B4)を閉じて、ヒーター装置(7)で低温吸着ポンプ(5)内を所定温度まで昇温する第三の段階と;低温吸着ポンプ(5)と油回転ポンプ(4)間のバルブ(B6)を開いて貯蔵容器(2)へ再度、油回転ポンプ(4)と移送用圧縮機(3)を用いて吸着槽内で気化したSF6ガスを移送する第四の段階とを含むことを特徴とするSF6ガス回収方法。

【請求項8】
第一の段階の前に被回収容器(1)内のSF6ガスを、被回収容器(1)と貯蔵容器(2)の差圧及び移送用圧縮機(3)によって貯蔵容器(2)に移送することを特徴とする請求項7記載のSF6ガス回収方法。

【請求項9】
第三の段階および第四の段階において、吸着分子が異なる複数種の吸着材を収容した低温吸着ポンプ(5)を、温度調節機能を備えたヒーター装置(7)で昇温してSF6ガスに含まれている不純物ガスを分留除去することを特徴とする請求項7または8に記載のSF6ガス回収方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010150405thum.jpg
出願権利状態 登録


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