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レンズ機能部材アレイおよびホログラム生成装置ならびにホログラム生成プログラム コモンズ

国内特許コード P140010631
整理番号 08-09
掲載日 2014年6月9日
出願番号 特願2008-195524
公開番号 特開2010-032818
登録番号 特許第5019541号
出願日 平成20年7月29日(2008.7.29)
公開日 平成22年2月12日(2010.2.12)
登録日 平成24年6月22日(2012.6.22)
発明者
  • 山本 健詞
  • 三科 智之
  • 大井 隆太朗
  • 妹尾 孝憲
  • 奥井 誠人
出願人
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
発明の名称 レンズ機能部材アレイおよびホログラム生成装置ならびにホログラム生成プログラム コモンズ
発明の概要 【課題】IPを利用した電子ホログラフィにおいて被写体を撮影した撮影画像のデータを有効利用することのできる技術を提供すること。
【解決手段】ホログラム生成装置20は、半レンズアレイ2を介してIPを利用して撮影された被写体1の撮影画像4を構成する要素画像6を反転した反転要素画像8から成る表示用画像7を用いて表示用画像7とホログラム面10との間に半レンズアレイ2が仮想的に配設されているものとして反転要素画像8についてFFT後の変換画像の半分を書き込んでホログラムを生成する。半レンズアレイ2は、被写体101を焦点距離fの位置に結像する凸レンズからなる要素レンズ105のレンズ中心を通る軸線と平行な分割面で要素レンズ105を2分割したときに生成される半レンズと同じ形状の部分レンズであり、半レンズアレイ2において、複数の半レンズ5は、分割面の配設方向が水平方向である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


立体画像の分野において、インテグラル・フォトグラフィ(Integral Photography:以下、IPという)は、被写体の奥行きを明に求めなくても立体像の再生が可能なことから、撮像から再生までを実時間で行うことができる技術として注目されている。このIPを利用してホログラムを生成する技術が従来から知られている。そして、IPを利用してホログラムを生成する技術のうち、表示に関する部分を電子ホログラフィで行おうという試みがなされてきている。電子ホログラフィは、ホログラム作成時に被写体を点光源の集合体と考え、液晶等の電子デバイスにホログラム(干渉縞)を表示し、ホログラムが表示された表示パネルのホログラム面にレーザ光等の参照光を照射して再生像を得る技術である。ここで、表示パネルに表示されるホログラムは演算処理により生成されており、被写体を撮影した撮影画像からホログラムへの変換はIPホロ変換と呼ばれている。



図15に、従来のホログラム生成装置によるIPホロ変換の原理の説明図を示す。IPホロ変換は大別して2つの過程を経て行われる。IPホロ変換の第1段階、つまり撮影画像を生成する段階において、図15(a)に示すように、被写体101をレンズアレイ102越しに、図示しないCCD等の撮影装置で撮影する。このとき、撮像面を、レンズアレイ102(Lens Array、LA)の後側焦平面に置く。被写体101が自然光で照らされているときの被写体光(拡散光)103は、レンズアレイ102を通過して撮像面において撮影画像104として取得される。



レンズアレイ102は、被写体101の水平方向および垂直方向に対応させて複数の要素レンズ105が水平方向および垂直方向に2次元マトリクス状に並設されて構成されている。この例では、レンズアレイ102は、3行3列の9つの要素レンズ105を備えている。要素レンズ105は、被写体101を所定の焦点距離fの位置に結像する凸レンズである。また、撮影画像104は、各要素レンズ105の配置に対応して3行3列の9つの要素画像106を含んでいる。撮影画像104において、要素画像106の位置は、光線の通過する場所を示しており、要素画像106中の被写体の画像はその位置での方向別の光線情報を示している。なお、要素画像106は、被写体101の上下左右が反転した状態で撮像される。



IPホロ変換の第2段階、つまり表示のためにホログラムを生成する段階において、図15(b)に示すように、レンズアレイ102の前側焦平面に表示面(撮影画像104を演算処理により変換した表示用画像107)を置き、レンズアレイ102の後側焦平面にホログラム109を置く。ここで、表示用画像107は、各要素レンズ105の配置に対応して3行3列の9つの反転要素画像108を備えている。反転要素画像108は、要素画像106を上下左右反転させたものである。このIPホロ変換の第2段階では、一般に3つの変換処理が行われる。すなわち、表示面(表示用画像107)からレンズアレイ102までのフレネル変換(Fresnel diffraction)、レンズアレイ102の入射面から出射面までの位相シフト、レンズアレイ102からホログラム面(後側焦平面)までのフレネル変換が順次実行される。この一般的な3つの変換処理は、フレネル領域の光波の伝搬を忠実に辿る演算処理を行うものである。



フレネル変換は、ホログラム面の位置等の条件に制約を受けることがない反面、その演算処理に多大な時間を要するという欠点がある。そこで、このIPホロ変換の第2段階において、特定の制約条件を受け入れつつ、短時間の演算処理を可能とするものとして、表示面(表示用画像107)からホログラム面(後側焦平面)まで、フレネル変換を利用せずに、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を使う方法が知られている(非特許文献1、2参照)。このようにFFTを使ったIPホロ変換(以下、FFTIPHという)では、反転要素画像108を2次元FFTして、2次元FFT後の変換画像を、表示用画像107中の反転要素画像108と同じ位置に配置する。この作業をすべての反転要素画像108について行うことで出来上がった画像をホログラム109として扱う。この作業でホログラムを生成可能とするために、非特許文献1、2に記載の技術では、制約条件として、レンズアレイ102の要素レンズ105が凸レンズで構成されているものとしている。それは、「凸レンズには、前側焦平面上における光分布のフーリエ変換を後側焦平面上に形成する性質がある」からである(非特許文献3参照)。FFTIPHは、実時間で立体像を再生できる可能性が高いことから、興味深い方法であると言える。



電子ホログラフィは、ホログラムとして液晶等の電子デバイスを使うため、ホログラムを書き換え可能である。そのことから究極の立体動画表示装置として期待されている。しかしながら、電子デバイスの解像度が写真乾板に比べて低いことに起因して、物体光と共役光とが重なってしまい、再生立体像の画質が著しく劣化するという問題があった。この問題に対処するため、ハーフゾーンプレート法とシングルサイドバンドホログラムの併用法(Single-sideband holography with half-zone-plate processing、以下、SSHZPという)が使われてきた。この方法は、光の進行方向を光軸方向周辺のすべての領域ではなく、半分の領域に制限することで、物体光と共役光との重なりを排除できるというものである。このSSHZPは、例えば、非特許文献2に記載のFFTを使う方法等においても利用されている。なお、SSHZPの詳細については非特許文献4に記載されている。
【非特許文献1】
大井隆太朗、三科智之、奥井誠人、岡野文男、“インテグラル・フォトグラフィを利用したホログラム作成におけるFFTの適用”、信学技報, vol. 105, no. 37, IE2005-16, pp. 31-35, 2005年5月
【非特許文献2】
大井隆太朗、三科智之、奥井誠人、野尻裕司、岡野文男、“実写ホログラムの高速な計算方法の提案”、映像情報メディア学会誌Vol. 61, No. 2, pp. 198~203 (2007)
【非特許文献3】
小山次郎および西原浩、“光波電子工学”、コロナ社、pp.79-81、1978
【非特許文献4】
T. Mishina, F. Okano, and I. Yuyama, “Time-alternating method based on single-sideband holography with half-zone-plate processing for the enlargement of viewing zones,” Applied Optics, vol. 38, no. 17, pp. 3703-3713, Jun. 1999

産業上の利用分野



本発明は、レンズ機能部材アレイおよびホログラム生成装置ならびにホログラム生成プログラムに関し、特に、インテグラル・フォトグラフィを利用してホログラムを生成するために用いられるレンズ機能部材アレイおよびホログラム生成装置ならびにホログラム生成プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
インテグラル・フォトグラフィを利用してホログラムを生成するために撮影時に被写体とこの被写体を撮影する撮影装置との間に、水平方向および垂直方向に2次元マトリクス状に並設される複数のレンズ機能部材を備えるレンズ機能部材アレイであって、
前記レンズ機能部材は、被写体を所定の焦点距離の位置に結像する凸レンズのレンズ中心を通る軸線と平行な分割面で当該凸レンズを所定の割合で2つに分割したときに生成される2つの分割レンズのうちの一方と同じ形状の部分レンズであることを特徴とするレンズ機能部材アレイ。

【請求項2】
前記複数のレンズ機能部材は、前記分割面の配設方向が水平方向であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ機能部材アレイ。

【請求項3】
前記レンズ機能部材は、前記凸レンズを等分割した形状の半レンズであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ機能部材アレイ。

【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一項に記載のレンズ機能部材アレイにより取得される要素画像を上下左右反転した反転要素画像から成る表示用画像を用いて前記表示用画像とホログラム面との間に前記レンズ機能部材アレイが仮想的に配設されているものとして演算処理によりホログラムを生成するホログラム生成装置であって、
入力された前記表示用画像のうち前記レンズ機能部材に対応した反転要素画像の光波分布を変換して前記ホログラム面の位置における光波分布に対応した物体光としてのホログラム形成用の画像を生成し、前記生成した画像を当該反転要素画像の位置に置き換える画像変換手段と、
前記反転要素画像の位置に置き換えられたホログラム形成用の画像が配設された前記ホログラム面に参照光を照射したものとして、前記ホログラム面における物体光と前記参照光との干渉結果を算出する参照光照射結果算出手段と、
を備えることを特徴とするホログラム生成装置。

【請求項5】
前記画像変換手段は、
入力された前記表示用画像のうち前記レンズ機能部材に対応した反転要素画像を複製し、この複製された反転要素画像に対して暗画像を付加することで、前記凸レンズを要素レンズとするレンズアレイを用いて撮像される要素画像と同じサイズに正規化された変換処理対象画像を生成する変換処理対象画像生成手段と、
前記変換処理対象画像の光波分布をフーリエ変換することで前記ホログラム面の位置における光波分布に対応した物体光としての変換後画像を生成するフーリエ変換手段と、
前記フーリエ変換された変換後画像において前記暗画像を付加する前の領域に対応した画像を前記凸レンズの分割割合に応じて当該変換後画像の半分のサイズを限度として抽出することで前記ホログラム形成用の画像を生成するホログラム形成用画像抽出手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載のホログラム生成装置。

【請求項6】
前記画像変換手段は、
入力された前記表示用画像のうち前記レンズ機能部材に対応した反転要素画像の光波分布を、フレネル近似に基づいて、前記仮想的に配設された前記レンズ機能部材アレイへの入射面の位置における光波分布に変換する第1フレネル変換と、
前記レンズ機能部材アレイへの入射面の位置における光波分布に前記レンズ機能部材の位相シフト関数を乗算することで、前記レンズ機能部材アレイの出射面の位置における光波分布を求める位相シフトと、
前記レンズ機能部材アレイの出射面の位置における光波分布を、フレネル近似に基づいて、前記ホログラム面の位置における光波分布に対応した物体光に変換する第2フレネル変換とを実行することで前記ホログラム形成用の画像を生成することを特徴とする請求項4に記載のホログラム生成装置。

【請求項7】
前記参照光照射結果算出手段は、
前記生成されたホログラム形成用の画像を前記反転要素画像の位置に置き換えて並べることで前記表示用画像に対応した出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
前記生成された出力用画像全体が配設された前記ホログラム面に対して非垂直に参照光を照射したときに生成されるホログラムとして、前記ホログラム面における物体光としての光波分布と前記参照光としての光波分布とを乗算した結果を求めるホログラム算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載のホログラム生成装置。

【請求項8】
前記参照光照射結果算出手段は、
前記生成されたホログラム形成用の画像が配設された前記ホログラム面に対して非垂直に参照光を照射したときに生成されるホログラムとして、前記ホログラム面における物体光としての光波分布と前記参照光としての光波分布とを乗算した結果を前記要素画像ごとに求めるホログラム算出手段と、
前記求められたホログラムを前記表示用画像に対応して前記反転要素画像の位置に置き換えて並べることで出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載のホログラム生成装置。

【請求項9】
前記参照光照射結果算出手段は、
前記生成されたホログラム形成用の画像を前記反転要素画像の位置に置き換えて並べることで前記表示用画像に対応した出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
前記生成された出力用画像全体が配設された前記ホログラム面に対して垂直に参照光を照射したときに生成されるホログラムとして、前記ホログラム面における物体光としての光波分布を定数倍した結果を求めるホログラム算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載のホログラム生成装置。

【請求項10】
前記参照光照射結果算出手段は、
前記生成されたホログラム形成用の画像が配設された前記ホログラム面に対して垂直に参照光を照射したときに生成されるホログラムとして、前記ホログラム面における物体光としての光波分布を定数倍した結果を前記要素画像ごとに求めるホログラム算出手段と、
前記求められたホログラムを前記表示用画像に対応して前記反転要素画像の位置に置き換えて並べることで出力用画像を生成する出力用画像生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載のホログラム生成装置。

【請求項11】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一項に記載のレンズ機能部材アレイにより取得される要素画像を上下左右反転した反転要素画像から成る表示用画像を用いて前記表示用画像とホログラム面との間に前記レンズ機能部材アレイが仮想的に配設されているものとして演算処理によりホログラムを生成するために、コンピュータを、
入力された前記表示用画像のうち前記レンズ機能部材に対応した反転要素画像の光波分布を変換して前記ホログラム面の位置における光波分布に対応した物体光としてのホログラム形成用の画像を生成し、前記生成した画像を当該反転要素画像の位置に置き換える画像変換手段、
前記反転要素画像の位置に置き換えられたホログラム形成用の画像が配設された前記ホログラム面に参照光を照射したものとして、前記ホログラム面における物体光と前記参照光との干渉結果を算出する参照光照射結果算出手段、
として機能させることを特徴とするホログラム生成プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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