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生物窒素固定制御因子及びその利用 コモンズ

国内特許コード P140010679
整理番号 NU-0540,S2014-0707-N0
掲載日 2014年7月1日
出願番号 特願2014-054088
公開番号 特開2015-173652
出願日 平成26年3月17日(2014.3.17)
公開日 平成27年10月5日(2015.10.5)
発明者
  • 藤田 祐一
  • 辻本 良真
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 生物窒素固定制御因子及びその利用 コモンズ
発明の概要 【課題】光合成生物においてニトロゲナーゼを発現させて生物窒素固定を実現するための遺伝子を特定し、その遺伝子を非窒素固定生物への適用を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するタンパク質、前記アミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し前記タンパク質と機能的に同等なタンパク質、前記アミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し前記タンパク質と機能的に同等なタンパク質、から選択されるいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の発現の活性化を備える、形質転換体。シアノバクテリア由来の窒素固定遺伝子群から選択される1種又は2種以上の活性を備え、ニトロゲナーゼによる窒素固定が増強され、低酸素及び窒素枯渇条件下で誘導的に窒素固定が増強される形質転換体。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


作物の生産性は、大量の化学肥料に依存している。化学肥料は、高いエネルギーコストのかかる工業的な窒素固定、空気中に存在する窒素分子を安定な窒素化合物に変換するプロセスによって生産され、その過程で大量の化石燃料が消費されている。



限られた原核生物が窒素固定を行うことが知られている(生物窒素固定)。生物窒素固定とは、ニトロゲナーゼによって分子状窒素がアンモニアに変換される過程をいう。生物窒素固定には、ニトロゲナーゼの構造遺伝子のみならず、その活性中心となる金属クラスターの生合成や還元力供給などの多数の遺伝子が関わっていると考えられている(非特許文献1)。



窒素固定を行う原核生物としては、例えば、Leptolyngbya boryana(L. boryana)が挙げられる。L. boryanaは、いわゆるシアノバクテリアであって、嫌気条件下でヘテロシストを形成せずに窒素固定を行う糸状性シアノバクテリアである。このシアノバクテリアは、ヘテロシストを形成しないため、同一細胞内において光合成と窒素固定とを行うという特徴も有している(非特許文献2)。

産業上の利用分野


本明細書は、生物による窒素固定(生物窒素固定)を制御する因子及びその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)~(e):
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(d)配列番号1で表される塩基配列でコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質
(e)配列番号1で表される塩基配列と50%以上の同一性を有する塩基配列によってコードされるタンパク質であって、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
から選択されるいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の発現の活性化を備える、形質転換体。

【請求項2】
ニトロゲナーゼによる窒素固定が増強可能である、請求項1に記載の形質転換体。

【請求項3】
低酸素及び窒素枯渇条件下で誘導的に前記窒素固定が増強可能である、請求項2に記載の形質転換体。

【請求項4】
さらに、シアノバクテリア由来の窒素固定遺伝子群から選択される1種又は2種以上の遺伝子の活性化を備える、請求項1~3のいずれかに記載の形質転換体。

【請求項5】
前記窒素固定遺伝子群は、L. boryanaの窒素固定遺伝子群である、請求項4に記載の形質転換体。

【請求項6】
さらに、以下の(f)~(j)のいずれかに記載のタンパク質;
(f)配列番号4で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(g)配列番号4で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(h)配列番号4で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(i)配列番号3で表される塩基配列でコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質
(j)配列番号3で表される塩基配列と50%以上の同一性を有する塩基配列によってコードされるタンパク質であって、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードする遺伝子の発現の活性化を備える、請求項1~5のいずれかに記載の形質転換体。

【請求項7】
前記形質転換体は、光合成生物体である、請求項1~6のいずれかに記載の形質転換体。

【請求項8】
前記光合成生物体は、シアノバクテリアである、請求項7に記載の形質転換体。

【請求項9】
前記光合成生物体は、植物体である、請求項7に記載の形質転換体。

【請求項10】
以下の(a)~(e):
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(d)配列番号1で表される塩基配列でコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質
(e)配列番号1で表される塩基配列と50%以上の同一性を有する塩基配列によってコードされるタンパク質であって、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
から選択されるいずれかのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、形質転換ベクター。

【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載の形質転換体の製造方法であって、
宿主生物細胞に、以下の(a)~(e):
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(d)配列番号1で表される塩基配列でコードされるアミノ酸配列を有するタンパク質
(e)配列番号1で表される塩基配列と50%以上の同一性を有する塩基配列によってコードされるタンパク質であって、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
から選択されるいずれかのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを導入して形質転換する工程、
を備える、製造方法。

【請求項12】
窒素固定を利用して有用物質を生産する方法であって、
請求項1~9のいずれかに記載の形質転換体に窒素を固定させて、前記形質転換体を生育又は増殖させて有用物質を生産する工程、
を備える、生産方法。

【請求項13】
前記形質転換体は、光合成生物体である、請求項12に記載の生産方法。

【請求項14】
前記光合成生物体は、シアノバクテリア又は植物体である、請求項12に記載の生産方法。

【請求項15】
窒素固定を利用して生物体を生産する方法であって、
前記生物体としての請求項1~9のいずれかに記載の形質転換体に窒素を固定させて、前記形質転換体を生育又は増殖させる工程、
を備える、生産方法。

【請求項16】
低酸素及び窒素枯渇条件下で作動可能な転写制御因子のスクリーニング方法であって、
以下の(b)、(c)及び(e):
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列と50%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質
(e)配列番号1で表される塩基配列と50%以上の同一性を有する塩基配列によってコードされるタンパク質であって、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質から選択される1種又は2種以上の被験タンパク質をコードする遺伝子で形質転換された非窒素固定生物体における低酸素及び窒素化合物枯渇条件下での前記被験タンパク質による1又は2以上の窒素固定遺伝子の発現増強を評価する工程、
を備える、スクリーニング方法。
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