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ブラインド信号分離システム、ブラインド信号分離方法、ブラインド信号分離プログラムおよびその記録媒体 コモンズ

国内特許コード P140010699
整理番号 03-109
掲載日 2014年7月3日
出願番号 特願2003-315144
公開番号 特開2005-084860
登録番号 特許第3931237号
出願日 平成15年9月8日(2003.9.8)
公開日 平成17年3月31日(2005.3.31)
登録日 平成19年3月23日(2007.3.23)
発明者
  • 前川 聡
  • 小谷 学
  • 奥村 朋哉
出願人
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
発明の名称 ブラインド信号分離システム、ブラインド信号分離方法、ブラインド信号分離プログラムおよびその記録媒体 コモンズ
発明の概要 【課題】源信号が時空間的に混合された混合信号から混合信号数以上の源信号を分離することを可能とする。
【解決手段】信号入力部11に入力された混合信号を信号格納部12が格納し、信号分離部13の定式化部131が信号格納部12に格納された混合信号を抽出して時間対称性を有する基底からなる複数の小行列から構成される基底行列を用いた演算式として定式化し、学習アルゴリズム適用部132が過完備基底に基づく学習アルゴリズムを適用し、混合行列算出部133が混合行列を算出し、源信号推定部134が混合信号から分離する源信号を推定し、出力部14が算出された混合行列、推定された源信号を出力する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


ブラインド信号分離問題において、特に時間遅れで混合される信号を分離する方法としてブラインドデコンボリューション法がある。Zhangらは、複数の独立信号が時空間的に混合された観測信号に対して統計的独立性の尺度として出力信号に対するKLダイバージェンス(Kullback-Leibler divergence)を利用し、これを最小化するように線形フィルタを学習する方法を提案することで、多チャンネルブラインド信号分離を行っている(例えば、非特許文献1参照)。



一方、観測信号数よりも独立信号が多い場合の信号に対して過完備基底を用いた学習アルゴリズムを用いる方法がある。Olshausenらは入力信号と推定されたモデルとの間の自乗誤差、及び出力のスパース性により構成される評価関数を定義し、これを最小化するように学習を行うスパースコーディングネットワークを提案している(例えば、非特許文献2、3、4参照)。また、Lewickiらは最尤推定法に基づいて入力データの事後確率を最大化することでブラインド信号分離を行っている(例えば、非特許文献5、6、7参照)。



ここで、Lewickiらによって提案された学習アルゴリズムの概要について述べる。n次元の独立信号である源信号s={s1 ,…,sn }がm次元の混合信号x={x1 ,…,xm }に混合される時、以下のように定式化できる。



x=As (1)
式(1)において、Aはm行n列の行列(基底行列)である。基底行列Aの各列を基底関数とみなすと、sの各要素は、各基底関数の係数(基底係数)となっている。さらにm≦nであることを前提としており、混合信号xは過完備基底の線形和として表されるとみなすことができる。ここでの目的は、混合信号xの情報のみからそれを構成するのに最適な基底行列Aと源信号sとを推定することである。ここで推定される最適な基底行列Aが、源信号sを混合して混合信号xとする混合行列である。



以下では,確率論的観点からそれらの解を得る推定方法について述べる。まず、基底係数の推定について説明する。基底が過完備であることにより式(1)をみたすsは一意的に定まらない。そこで、sの事後確率P(s|x,A)を最大化することにより最適なsを得る方法を用いる。その方法は以下の線形計画問題を解くことに帰着される。



min cT |s|, subject to As=x (2)
ここで、c=(1,…,1),線形計画法の目的関数はcT |s|=Σk |sk |である。これは、As=xという条件下で事前確率分布P(s)を最大化することと等価である。P(s)にはスパース性を示す分布としてラプラス分布、



【数1】




を仮定している。θは分散を決定するパラメータである。



次に、データの構造に最も適合する基底を見い出すための学習アルゴリズムの導出について考える。ここではあるデータxに対する対数事後確率、



【数2】




を尤度関数とみなし、これを最大化するAを求めるという最尤推定法に基づき、最適な基底を導出する。導関数



【数3】




がゼロとなるような最尤推定値Aを勾配法によって学習することで探索する。しかし、P(x|A)を求めるための式(3)の積分計算は一般的には困難であり、その値を具体的に求めることはできない。よって、P(x|A)を鞍部点法により^sの周りで展開することで得られる近似式を用いると、



【数4】




となる。ここで、



【数5】




である。σはノイズ(x-As)の標準偏差を表す。なお、^sは式(2)における解である。学習則はlogP(x|A)のAに関する導関数により得ることができる。



【数6】




とすると、学習則は以下の式で与えられる(例えば、非特許文献5参照)。



【数7】




ここで、



【数8】




である。



以上により求めた学習則△Aを利用して基底行列Aを以下の手順により学習により修正していく。なお、学習則△Aによる修正は、修正直前の基底行列Aの各要素毎に行われる。
(1)混合信号xを入力信号とし、入力信号xと基底行列Aから式(2)の線形計画法によりsを求める。なお、式(2)の線形計画法の計算に用いられるソフトの一例が、下記の非特許文献8に記載されている(非特許文献8参照)。
(2)上記(1)の手順で求めたsにより式(6)の△Aを計算し、以下の式により基底行列Aを修正する。



new =Aold +η△A (7)
new 、Aold はそれぞれ修正前と修正後の基底行列を表す。ηは学習率である。
(3)上記(1)、(2)の手順を基底行列Aが収束するまで繰り返す。基底行列Aの収束値が混合行列として算出される。また、基底行列Aが収束値をとるときの式(2)における解^sが推定された源信号である。
【非特許文献1】
L.-Q.Zhang,A.Cichocki and S.Amari,“Multichannel blind deconvolution of non-minimum phase systems using information backpropagation ”,Neural Information Processing(INCONIP'99),pp.210-216,(1999).
【非特許文献2】
B.A.Olshausen and D.J.Field,“Sparse coding with an overcomplete basis set:A strategy employed by V1? ”,Vision Research,Vol.37,No.23,pp.3311-3325,(1997).
【非特許文献3】
B.A.Olshausen and D.J.Field,“Wavelet-like receptive fields emerge from a network that learns sparse codes for natural images.”,Nature,Vol.381,pp.607-609,(1996).
【非特許文献4】
B.A.Olshausen and D.J.Field,“Natural image statistics and efficient coding.”,Network,Vol.7,pp.333-339,(1996).
【非特許文献5】
M.S.Lewicki and T.J.Sejnowski,“Learning overcomplete representations.”,Neural Computation,Vol.12,pp.337-365,(1998).
【非特許文献6】
T.W.Lee,M.S.Lewicki,M.Girolami and T.J.Sejnowski, “Blind source separation of more sources than mixtures using overcomplete representations”,IEEE Signal Processing Letters,6(4),pp.87-90,(1999).
【非特許文献7】
M.S.Lewicki and T.J.Sejnowski,“Learning nonlinear overcomplete representations for efficient coding.”Advances in Neural and Information Processing Systems 10,pp.556-562.(1997).
【非特許文献8】
ftp://ftp.ics.ele.tue.nl/pub/lp solve/

産業上の利用分野



本発明は、ブラインド信号分離技術に関し、特に、源信号が時間遅れで混合された信号から源信号を分離するブラインド信号分離システム、ブラインド信号分離方法、ブラインド信号分離プログラムおよびその記録媒体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の源信号が時空間的に混合されてなる混合信号から混合前の源信号を分離する信号分離システムであって、
前記混合信号を入力する信号入力手段と、
前記入力された混合信号を格納する信号格納手段と、
前記信号格納手段に格納された混合信号を抽出し、抽出された混合信号から前記源信号を分離する信号分離手段とを備え、
前記信号分離手段が、
前記混合信号を示す行列をx、前記源信号を示す行列をsとしたときに、時間軸のシフトに対する対称性を有する基底からなる複数の小行列で構成される基底行列Aを用いて、x=Asという演算式を定式化し
行列cをc=(1,...1)で示される行列とし、また、cT |s|=Σk |sk |としたときに、線形計画法を用いて、前記定式化した演算式x=Asを条件としてcT |s|を最小化するsを、前記源信号を示す行列として決定する
ことを特徴とするブラインド信号分離システム。

【請求項2】
請求項1に記載のブラインド信号分離システムにおいて、
前記信号分離手段が、
行列xに対する対数事後確率をlogP(x|A)、∇=∂/∂Aとしたときに、学習則ΔAを、計算式
ΔA=AAT ∇logP(x|A)
を用いて算出し、
前記基底行列Aを構成する複数の小行列の真ん中の列の位置にある基底を前記算出された学習則ΔAを用いて修正し、
前記修正された基底に基づいて、前記修正された基底の位相と異なる位相を持つ複数の基底を生成し、前記修正された基底と前記生成された異なる位相を持つ複数の基底とから構成される新たな小行列を生成し、
前記生成された新たな小行列を用いて、前記基底行列Aを更新し、
前記更新された基底行列Aに基づいて、前記線形計画法を用いて、前記定式化した演算式x=Asを条件としてcT |s|を最小化するsを、前記源信号を示す行列として決定する
ことを特徴とするブラインド信号分離システム。

【請求項3】
複数の源信号が時空間的に混合されてなる混合信号から混合前の源信号を分離する信号分離システムにおける信号分離方法であって、
前記信号分離システムが備える信号入力手段が、混合信号を入力し、
前記信号分離システムが備える信号格納手段が、前記入力された混合信号を格納し、
前記信号分離システムが備える信号分離手段が、前記信号格納手段に格納された混合信号を抽出し、抽出された混合信号から前記源信号を分離し、
前記信号分離システムが備える信号分離手段が、さらに、
前記混合信号を示す行列をx、前記源信号を示す行列をsとしたときに、時間軸のシフトに対する対称性を有する基底からなる複数の小行列で構成される基底行列Aを用いて、x=Asという演算式を定式化し、
行列cをc=(1,...1)で示される行列とし、また、cT |s|=Σk |sk |としたときに、線形計画法を用いて、前記定式化した演算式x=Asを条件としてcT |s|を最小化するsを、前記源信号を示す行列として決定する
ことを特徴とするブラインド信号分離方法。

【請求項4】
請求項に記載のブラインド信号分離方法において、
前記信号分離システムが備える信号分離手段が、
行列xに対する対数事後確率をlogP(x|A)、∇=∂/∂Aとしたときに、学習則ΔAを、計算式
ΔA=AAT ∇logP(x|A)
を用いて算出し、
前記基底行列Aを構成する複数の小行列の真ん中の列の位置にある基底を前記算出された学習則ΔAを用いて修正し、
前記修正された基底に基づいて、前記修正された基底の位相と異なる位相を持つ複数の基底を生成し、前記修正された基底と前記生成された異なる位相を持つ複数の基底とから構成される新たな小行列を生成し、
前記生成された新たな小行列を用いて、前記基底行列Aを更新し、
前記更新された基底行列Aに基づいて、前記線形計画法を用いて、前記定式化した演算式x=Asを条件としてcT |s|を最小化するsを、前記源信号を示す行列として決定する
ことを特徴とするブラインド信号分離方法。

【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のブラインド信号分離方法をコンピュータに実行させるためのブラインド信号分離プログラム。

【請求項6】
請求項3または請求項4に記載のブラインド信号分離方法をコンピュータに実行させるためのブラインド信号分離プログラムを記録した記録媒体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
※ 詳細内容の開示にあたっては、別途、JSTと秘密保持契約を締結していただくことが必要となります。


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