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2次元フォトニック結晶 外国出願あり

国内特許コード P140010812
整理番号 336
掲載日 2014年8月8日
出願番号 特願2004-061737
公開番号 特開2005-250202
登録番号 特許第4025738号
出願日 平成16年3月5日(2004.3.5)
公開日 平成17年9月15日(2005.9.15)
登録日 平成19年10月12日(2007.10.12)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 高山 清市
  • 北川 均
出願人
  • TDK株式会社
  • アルプス電気株式会社
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 2次元フォトニック結晶 外国出願あり
発明の概要 【課題】 所定の波長領域でTE偏波とTM偏波の双方に対してフォトニックバンドギャップ(PBG)となる完全PBGを形成し、且つ、その完全PBG幅を十分に確保することができる2次元フォトニック結晶を提供する。
【解決手段】 本体21に、基本的形状が正三角形の空孔22を三角格子状に配置する。このような空孔の形状及び配置により完全PBGが形成される。そして、この正三角形の頂点を円弧状に角取りすることにより、隣接する空孔間の距離(すなわち、本体の接続部分の幅)を確保して、2次元フォトニック結晶の強度を十分に確保しつつ、空孔22を大きくすることができる。これにより、完全PBG幅を広くすることができる。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


光通信は、今後のブロードバンド通信の中心的役割を担う通信方式である。光通信の普及のために、そのシステムに使用される光部品類に対して、より高性能化、小型化、低価格化が求められている。フォトニック結晶を利用した光通信用デバイスは、このような要求を満たす次世代光通信部品の有力候補のひとつである。



フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を人工的に形成したものである。周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を本体内に周期的に設けることにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関してバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域を「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ぶ。PBGが形成されるエネルギー領域(波長帯)は、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。



このフォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。従って、このような欠陥を有するフォトニック結晶はその波長の光の光共振器として使用することができ、更に、この欠陥を線状に設けることにより導波路として使用することができる。



本体をシリコン板、異屈折率領域を空気(空孔)とした場合、現在の光通信で一般的に使用されている波長1.25~1.65μmの近赤外光に対する結晶周期の大きさは1μm以下になり、その加工に際してはナノメートルオーダーの精度が要求される。しかし、近年の加工プロセス機の性能向上によりナノメートルスケールの加工も可能となってきたことから、光通信用フォトニック結晶は既に一部で実用化段階に入っており、偏波分散補償用フォトニック結晶ファイバーなどが実用に供されている。現在は更に、波長分割多重通信(WDM)に使用される光分合波器等の開発が実用化に向けて進められている。



特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を形成した2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。



多くの2次元フォトニック結晶では、電場が面に平行に振動するTE偏波又は磁場が面に平行に振動するTM偏波のどちらか一方の偏波の光に対してPBGが形成されるように設計される。例えば、周期構造を三角格子とし、異屈折率領域を円形(円柱状)とした場合、TE偏波に対してのみPBGが形成される。このような2次元フォトニック結晶の導波路や共振器では、TE偏波のみを使用する限り、ほとんど損失が生じない。しかし、TM偏波についてはPBGが形成されないため、TM偏波は本体内を自由に伝播してしまう。従って、両偏波を含む光が2次元フォトニック結晶の導波路や共振器に導入された場合、一方の偏波は本体内を散逸してしまうため、効率が低下する。



そこで、TE偏波及びTM偏波に対して共にPBGを形成し、しかも両PBGが共通域を持つようにした2次元フォトニック結晶が検討されている。以下、この共通域を「完全フォトニックバンドギャップ(完全PBG)」と呼ぶ。例えば、非特許文献1には、図1(a)の平面図に示すように、スラブ11に三角形(三角柱状)の空孔12を三角格子状に周期的に配置することにより完全PBGが形成される2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶では、完全PBG内の波長の光は、TE偏波及びTM偏波のいずれであっても、導波路や共振器等から本体の面内方向へ漏れることがなく、効率の低下が生じない。



また、非特許文献1の2次元フォトニック結晶では、単位格子の面積に対するその単位格子内の空孔(異屈折率領域)の面積分率であるフィリングファクタ(FF)を大きくすることにより、完全PBGの幅を拡大することができる。これにより、使用可能な波長帯域を広くすることができる。



しかし、非特許文献1の構成では、図1(b)に示すように、FFの値を0.5にすると隣接する空孔12と接してしまうため、実際上0.5以上のFF値をとることはできない。また、0.5以下であっても、FF値を大きくすると、三角形の頂点における本体の接続部分が細くなり、スラブの強度が低下するため、実用上は、FF値を0.45以下にしなければならない。このように、非特許文献1の構成では、設定可能な完全PBG、及びそれにより定まる、使用可能な波長帯域の広さに限界があった。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、[0032]、図1、図5~6)
【非特許文献1】
北川均 他、『2次元フォトニック結晶スラブにおける完全フォトニックバンドギャップ』、第50回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集、社団法人応用物理学会、2003年3月、pp. 1129

産業上の利用分野



本発明は、波長分割多重通信等の分野において光分合波器等に用いられる2次元フォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、光以外の電磁波も含むものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
スラブ状の本体に該本体とは屈折率の異なる同一形状の領域を面内で周期的に配置して成る2次元フォトニック結晶であって、
前記異屈折率領域の平面形状が、頂点を角取りした多角形であることを特徴とする2次元フォトニック結晶。

【請求項2】
前記異屈折率領域が3mの対称性を有する形状であることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項3】
前記多角形が正三角形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項4】
頂点を円弧状に角取りしたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項5】
前記異屈折率領域の配置が三角格子状であり、前記多角形が正三角形であり、本体の屈折率が3.15~3.55の範囲内にあって、
前記円弧の半径raが次式を満足することを特徴とする請求項4に記載の2次元フォトニック結晶。
0<ra<[1.23(FF-0.34)0.5-1.28(FF-0.34)+1.03(FF-0.34)2]
(FF:本体中の異屈折率領域の面積分率)

【請求項6】
FFの値が0.45~0.85の範囲内にあることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項7】
FFの値が0.5~0.70の範囲内にあることを特徴とする請求項6に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項8】
異屈折率領域が空孔からなることを特徴とする請求項1~7に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶に、異屈折率領域の欠陥を線状に設けて成ることを特徴とする光導波路デバイス。

【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶に、異屈折率領域の欠陥を点状に設けて成ることを特徴とする光共振器デバイス。

【請求項11】
請求項1~8のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶と、該2次元フォトニック結晶に異屈折率領域の欠陥を線状に設けて成る少なくとも1本の光導波路と、該光導波路の近傍に異屈折率領域の欠陥を点状に設けて成る少なくとも1個の光共振器と、を備えることを特徴とする光分合波器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004061737thum.jpg
出願権利状態 登録
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