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ヘテロ構造を有するフォトニック結晶及びそれを用いた光デバイス 外国出願あり

国内特許コード P140010813
整理番号 337
掲載日 2014年8月8日
出願番号 特願2004-090407
公開番号 特開2005-275161
登録番号 特許第3881666号
出願日 平成16年3月25日(2004.3.25)
公開日 平成17年10月6日(2005.10.6)
登録日 平成18年11月17日(2006.11.17)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 高山 清市
出願人
  • TDK株式会社
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ヘテロ構造を有するフォトニック結晶及びそれを用いた光デバイス 外国出願あり
発明の概要 【課題】 一定の幅を持った波長帯域内の光を合波・分波することができるフォトニック結晶を提供する。
【解決手段】 スラブ状の本体21に複数の禁制帯領域211、212を設け、空孔221、222を禁制帯領域毎に異なる周期及び大きさで配置する。禁制帯領域211-212間の境界23の垂線26から+30°傾いた方向に伸びる幹導波路24と、-30°の方向に伸びる枝導波路25を形成する。禁制帯領域212内の幹導波路24の透過波長帯には含まれず禁制帯領域211内の幹導波路24の透過波長帯には含まれる合分波波長帯域内の光は、境界23において反射され、それにより幹導波路24から枝導波路25に分波される。一定の幅を持った合分波波長帯域内の全ての波長の光がこうして枝導波路25に分波される。そのため、誤差により光信号の波長にずれが生じても分波することができる。合波の場合も同様である。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


光通信回線は近年、都市間を結ぶ基幹回線のみに留まらず、一般家庭にまで普及しつつある。一般家庭において光通信を利用するためには、各家庭毎に光信号と電気信号を相互に変換する光送受信モジュールが必要となる。この光送受信モジュールは一般的に、光送信器、光受信器、波長合分波器という3つの構成要素から成る。これらのうち、光送信器には主にレーザダイオード(LD)が、光受信器には主にフォトダイオード(PD)が用いられる。波長合分波器には、これまで多層膜誘電体加工を施された平板ガラスタイプのものや、立方体状プリズムタイプのものが用いられてきた。しかし、これらの波長合分波器は比較的大きなものであるため、一般家庭への普及のためには波長合分波器をより小型化することが望ましい。



近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を人工的に形成したものである。周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を本体内に周期的に設けることにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関してバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域を「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ぶ。PBGが形成されるエネルギー領域(波長帯)は、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。



このフォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。このような欠陥を有するフォトニック結晶はその波長の光の光共振器として使用することができ、更に、この欠陥を線状に設けることにより導波路として使用することができる。そして、このような導波路の近傍に上記のような光共振器を形成することにより、このフォトニック結晶は波長合分波器となる。この波長合分波器では、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す(分波器)ことができると共に、外部から導波路に導入する(合波器)ことができる。フォトニック結晶を用いた波長合分波器は、従来の多層膜平板ガラスや立方体状プリズムを用いた波長合分波器よりも小型化することができる。



このような波長合分波器として、特許文献1には、板状の本体にそれとは屈折率の異なる領域を周期的に設け、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を設けることにより共振器を形成した2次元フォトニック結晶波長合分波器が記載されている。点状欠陥の大きさや形状を適宜設定することにより、所定の波長の光を合波・分波することができる。また、特許文献2には、周期の異なる複数の領域(禁制帯領域)を有する2次元フォトニック結晶に、複数の禁制帯領域を通過する導波路と、禁制帯領域毎に共振器を設けた2次元フォトニック結晶波長合分波器が記載されている。この構成では、各領域の周期の違いにより、共振器毎に異なる波長の光を合波・分波することができる。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、図1)
【特許文献2】
特開2003-279764号公報([0029]~[0034]、[0057]~[0059]、図17、図18)



2次元フォトニック結晶における点状欠陥は、そこで共振する光の波長帯域の幅が狭い。そのため、点状欠陥を有する2次元フォトニック結晶波長合分波器は、共振波長λ0の近傍の波長の光のみを合波・分波する狭帯域フィルタとして好適に用いることができる。一方、LDもその発光波長帯域は非常に狭いが、その発光の中心波長自体は製造等によりばらつきがあり、目的とする波長に厳密に合致した製品を製造することは難しい。従って、2次元フォトニック結晶波長合分波器を光送受信モジュールに用いる場合、LDにおいて使用する波長を点状欠陥共振器の狭い波長帯域内に合わせるように、LDのチューニング(選別)を行う必要がある。このチューニングを行うことにより、点状欠陥を有する2次元フォトニック結晶波長合分波器を用いた高精度の光送受信モジュールを構成することができる。このような光送受信モジュールは、長距離基幹系用のものとして、好適に用いることができる。



一方、一般家庭用の光送受信モジュールでは、コストの点からこのようなLDの波長チューニングを行うことは難しい。そのため、波長合分波器の方でこのような、使用されるLDの波長のばらつきを吸収できることが望ましい。

産業上の利用分野



本発明は、波長分割多重通信等の分野において光合分波器や光送受信器等に用いられるフォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、光以外の電磁波も含むものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
a)互いに隣接する第1禁制帯領域及び第2禁制帯領域と、
b)両禁制帯領域の境界を斜めに通過する導波路であって、第1禁制帯領域における透過波長帯域の一部である合分波波長帯域が第2禁制帯領域における透過波長帯域外にあるように設定されている幹導波路と、
c)幹導波路の上記境界との交点から第1禁制帯領域内に分岐する導波路であって、その透過波長帯域が前記合分波波長帯域を含むように設定されている枝導波路と、
を備えることを特徴とするヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項2】
幹導波路に沿って複数の禁制帯領域を直列に設け、各禁制帯領域の合分波波長帯域が、禁制帯領域間の境界と幹導波路の交点から枝導波路が分岐する側として定義される上流側にある全ての禁制帯領域における幹導波路の透過波長帯域に含まれるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項3】
最も下流側の禁制帯領域に、該禁制帯領域の幹導波路の透過波長帯域の光を遮断するブロック領域を接続し、該禁制帯領域とブロック領域の境界を幹導波路に対して斜めに形成するとともに、該境界と幹導波路の交点から該禁制帯領域内に分岐する枝導波路を設けたことを特徴とする請求項2に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項4】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けた2次元フォトニック結晶により構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項5】
前記幹導波路が前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成されたものであり、該異屈折率領域の周期が前記禁制帯領域毎に異なることを特徴とする請求項4に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項6】
前記幹導波路が前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成されたものであり、該異屈折率領域の形状又は大きさが前記禁制帯領域毎に異なることを特徴とする請求項4に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項7】
前記異屈折率領域が空気から成ることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項8】
前記枝導波路を、前記合分波波長帯域内の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように構成することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項9】
前記合分波波長帯域内の光が伝播し、幹導波路を伝播する該合分波波長帯域外の所定の波長帯域の光が伝播しないように、前記枝導波路の幅を設定したことを特徴とする請求項8に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項10】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体を有する2次元フォトニック結晶により構成され、前記枝導波路に接するクラッド部材を設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項11】
前記枝導波路に屈曲部を設けたことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項12】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けて成る2次元フォトニック結晶により構成され、前記屈曲部の近傍にある異屈折率領域の大きさ及び/又は形状を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとすることを特徴とする請求項11に記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項13】
前記禁制帯領域がスラブ状の本体に該本体とは屈折率が異なる領域を周期的に設けて成る2次元フォトニック結晶により構成され、前記幹導波路と前記枝導波路の接続部の近傍にある異屈折率領域の大きさ及び/又は形状を他の異屈折率領域のそれらとは異なるものとすることを特徴とする請求項8~12のいずれかに記載のヘテロ構造を有するフォトニック結晶。

【請求項14】
請求項1~13に記載のフォトニック結晶の幹導波路を入力導波路とし枝導波路を出力導波路とする光分波器、及び、枝導波路を入力導波路とし幹導波路を出力導波路とする光合波器として機能することを特徴とする光合分波器。

【請求項15】
請求項1~13に記載のフォトニック結晶と、枝導波路又は第2禁制帯領域側の幹導波路のいずれか一方に設けた光送信器と、その他方に設けた光受信器と、を備えることを特徴とする光送受信器。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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