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2次元フォトニック結晶 外国出願あり

国内特許コード P140010825
整理番号 1261
掲載日 2014年8月8日
出願番号 特願2006-077600
公開番号 特開2007-256382
登録番号 特許第4900572号
出願日 平成18年3月20日(2006.3.20)
公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
登録日 平成24年1月13日(2012.1.13)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 北川 均
出願人
  • アルプス電気株式会社
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 2次元フォトニック結晶 外国出願あり
発明の概要 【課題】広い幅を有する完全フォトニックバンドギャップ(PBG)を持つ2次元フォトニック結晶を提供する。
【解決手段】スラブ状の本体11に空孔12が形成されている。空孔12は、本体11の第1表面131では三角格子141の格子点121に配置され、第2表面132では三角格子141の重心に対応する位置の格子点122に配置されている。格子点121からそれに最隣接の3個の格子点122に向かって空孔柱12Aが斜め方向に延び、同様に格子点122からそれに最隣接の3個の格子点121に向かって空孔柱12Aが斜め方向に延びている。この構成では、本体11内のそれに平行な断面14では3個の空孔から成る周期構造単位16の形状が対称性がC3vの対称性を有する。この対称性と、空孔柱12Aが斜め方向に延びていることにより、広い幅を有する完全PBGを得ることができる。一実施例では、中央値に対して15%という広い幅の完全PBGが得られる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


波長分割多重通信(Wavelength Division Multiplexing:WDM)に使用される光分合波器等の光通信用デバイスの分野において、高性能化、小型化、低価格化をはかるために、フォトニック結晶を利用したデバイスの開発が進められている。フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を人工的に形成したものである。この周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を誘電体本体内に周期的に配置することにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関するバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域は「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ばれる。PBGが形成されるエネルギー領域(波長帯)は、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。



また、このフォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。従って、このような欠陥を有するフォトニック結晶はその波長の光の光共振器として使用することができる。更に、この欠陥を線状に設けることにより、導波路として使用することができる。



上記技術の一例として、特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を形成した2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。



特許文献1に記載のものを含め、多くの2次元フォトニック結晶では、電場が本体に平行に振動するTE偏波又は磁場が本体に平行に振動するTM偏波のどちらか一方の偏波の光に対してPBGが形成されるように設計される。従って、両偏波を含む光が2次元フォトニック結晶の導波路や共振器に導入された場合、一方の偏波は本体内に散逸してしまい、導波路の伝播効率が低下してしまう。例えば、周期構造を三角格子とし、異屈折率領域を円形(円柱状)とした2次元フォトニック結晶ではTE偏波に対してのみPBGが形成され、PBGに対応する波長領域内の波長を有するTE偏波は本体内に存在し得ない。従って、この場合、導波路や共振器においてTE偏波の損失はほとんど生じない。それに対し、TM偏波についてはPBGが形成されないため、前記波長領域内の波長を有するTM偏波は導波路や共振器から本体内に散逸してしまい、損失が発生する。



そこで、TE偏波及びTM偏波の両方に対してPBGを形成し、その両PBGが共通域を持つようにした2次元フォトニック結晶が検討されている。以下、この共通域を「完全フォトニックバンドギャップ(完全PBG)」と呼ぶ。例えば、特許文献2には、C3vの対称性を有する空孔を三角格子状に周期的に配置することにより完全PBGが形成される2次元フォトニック結晶が記載されている。C3vの対称性とは、3回回転対称軸とその回転対称軸を含む3枚の垂直鏡映対称面を持つ対称性をいい、例えば正三角形がこれに該当する。この2次元フォトニック結晶では、完全PBG内の波長の光は、TE偏波及びTM偏波のいずれであっても、導波路や共振器等から本体内に漏れることがなく、導波路の伝播効率の低下が生じない。
なお、対称性の表記にはシェーンフリース表記とヘルマンモーガン表記の2種類の表記法があるが、「C3v」はシェーンフリース表記によるものであり、この対称性はヘルマンモーガン表記では「3m」と表わされる。



また、特許文献3には、本体に平行な断面(面内断面)では特許文献2の2次元フォトニック結晶と同様にC3vの対称性を有し、その面内断面形状が厚さ方向に変化する空孔を三角格子状に周期的に配置することにより完全PBGが形成される2次元フォトニック結晶が記載されている。このような空孔の例として、この文献には、面内断面形状が正三角形であり、その三角形の辺の長さが厚さ方向に変化する空孔が挙げられている。また、他の例として、本体の上面又は/及び下面付近のみが本体と同じ材料で塞がれ、それ以外は一定の面内断面形状を有する空孔が挙げられている。



非特許文献1には、「ヤブロノバイト(Yablonovite)」という名で知られている3次元フォトニック結晶が記載されている。ヤブロノバイトは誘電体ブロックの表面における三角格子の各格子点から、表面の法線に対して35°の角度で3方向(120°ずつ異なる方向)に延びる空孔を形成したものである。これにより、屈折率には、誘電体ブロックの表面に平行な面内のみならず誘電体ブロックの深さ方向にも周期分布が形成され、その結果、結晶内のいずれの方向に対してもPBGが形成される。このPBGは偏光の方向に依存しない完全PBGである。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、[0032]、図1、図5~6)
【特許文献2】
特開2005-099672号公報([0008]、[0034]、[0040]、[0054]、[0055]、図1、図10~15)
【特許文献3】
特開2006-065150号公報([0019]、[0020]、[0036]、図1、図3)
【非特許文献1】
E. Yablonovitch 他2名、フィジカルレビューレターズ、(米国)、アメリカ物理学会発行、1991年10月21日、第67巻、第17号、第2295-2298頁(E. Yablonovitch et al.: "Photonic band structure: The face-centered-cubic case employing nonspherical atoms", Physical Review Letters 67 (1991) 2295-2298.)

産業上の利用分野



本発明は、波長分割多重通信等の分野において光分合波器等に用いられる2次元フォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、可視光以外の電磁波も含むものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
スラブ状の本体に該本体とは屈折率の異なる領域を周期的に配置して成る2次元フォトニック結晶であって、
前記本体の一方の表面である第1表面において、異屈折率領域が三角格子状に、且つ各格子点に関して少なくとも3回回転対称性を持つように配置されており、
前記本体の他方の表面である第2表面において、異屈折率領域が前記第1表面の三角格子に対して相補的な位置にある三角格子状に、且つ各格子点に関して少なくとも3回回転対称性を持つように配置されており、
前記第1表面の各格子点から該格子点に最隣接である前記第2表面の3個の格子点に向けてそれぞれ異屈折率領域の柱が延びている、
ことを特徴とする2次元フォトニック結晶。

【請求項2】
前記本体に平行な断面において、最隣接の3個の異屈折率領域から成る周期構造単位がC3v又はC6vの対称性を有することを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項3】
前記本体に平行な断面における前記柱の断面が円形であることを特徴とする請求項2に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項4】
前記異屈折率領域が空孔から成ることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶に異屈折率領域の欠陥を点状に設けて成ることを特徴とする光共振器デバイス。

【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶に異屈折率領域の欠陥を線状に設けて成ることを特徴とする光導波路デバイス。

【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶と、該2次元フォトニック結晶に異屈折率領域の欠陥を線状に設けて成る少なくとも1本の光導波路と、該光導波路の近傍に異屈折率領域の欠陥を点状に設けて成る少なくとも1個の光共振器と、を備えることを特徴とする光合分波器デバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006077600thum.jpg
出願権利状態 登録
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