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高分子材料の直接造形法および直接造形装置 実績あり

国内特許コード P140010833
整理番号 1679
掲載日 2014年8月8日
出願番号 特願2007-033269
公開番号 特開2008-194968
登録番号 特許第4972725号
出願日 平成19年2月14日(2007.2.14)
公開日 平成20年8月28日(2008.8.28)
登録日 平成24年4月20日(2012.4.20)
発明者
  • 西村 理
  • 井元 俊之
  • 北條 正樹
  • 安達 泰治
  • 西野 孝
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 国立大学法人神戸大学
発明の名称 高分子材料の直接造形法および直接造形装置 実績あり
発明の概要 【課題】材料自体の硬軟、粘着性の有無、軟化点・融点や曲げ強度などの制約が無く、また、フィラメント状材料を不要とし任意の材料形態を使用可能であり、高融点の樹脂においても造形が可能で、造形時間が短く生産性に優れた直接造形法および装置を提供する。
【解決手段】本発明のスキャフォールドの直接造形法および装置は、気体加圧ディスペンサを用いて、加熱融解された融解高分子材料がノズルから押し出され、ノズルの吐出位置が制御されることにより三次元構造体が形成されるものである。加圧気体に高分子材料に対して不活性なガス(窒素、二酸化炭素)を使用することにより、材料、特に生分解性高分子や生理活性物質の熱分解による酸化物の生成を抑制することができる。ポリグリコール酸やポリ乳酸などの高融点の樹脂による造形が可能であり、かつ、20mm/秒以上の速度で直接造形できるため、造形時間が短く、生産性に優れている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



生体適合性樹脂による医療用デバイスの製作には、種々の方法が用いられる。例えば、鋳型などの中間的媒体を用いない直接造形法に限定しても、三次元プリンタ(3DP:3D-printer),光重合成形法(SLA:Stereo-lithography)、レーザー焼結法(SLS:Selective laser sintering),衝撃粒子造形法(BPM:Ballistic particle manufacturing),溶融積層造形法(FDM: Fusion Deposition Modeling)などが知られている(例えば、特許文献1~特許文献3を参照)。

これらの方法により、樹脂を直接目的とする形に成形でき、個々の患者の状態に応じた医療用デバイスの作製が可能となっている。





こういった個々の患者の状態に応じた医療用デバイスの作製は、特に再生医療において、骨をはじめとする患者の個々の組織の患部・欠損部に対してオーダーメードの先端的医療を進めるに際し重要なプロセスである。つまり、医療用デバイスとして、臓器や組織、あるいは傷害または外科的切除による欠損の形状や大きさを三次元的に正確に修復するため、連続微細多孔を有するスキャフォールド(生体細胞が接着・増殖する足場)の作製が必要となっている。





上述した従来の直接造形法には個々に得失があるものの、共通している問題点は、それぞれの方法に適合する特殊な材料が不可欠なことにある。インクジェットの三次元プリンタ(3DP)、レーザー焼結法(SLS)および衝撃粒子造形法(BPM)では、微粒子状の樹脂懸濁液が必要となる。また、光重合成形法(SLA)では、光重合性のモノマーまたはポリマー前駆体が必要となる。





特に、インクジェットの三次元プリンタ(3DP)においては、ミクロンオーダの成形が可能であるが、射出できる液体の粘性に上限があり、多くの場合、融解したワックス等の低粘性材料のみを射出して、先ず鋳型を成形する。そして、成形した鋳型に粉末状の樹脂を付着させる、溶解した樹脂を含浸・固化させるなどした後、鋳型部分のワックス等を溶解するなどして取り除く手順を経る。このような手順を経て、目的となる樹脂の成形体を得るため、成型後の変形、溶媒の残留が問題となる。





また、溶融積層造形法(FDM)は、可塑的に変形し得る物質のフィラメント状材料を小さなノズルから押し出し三次元構造体を作製する。ノズルは、所望の三次元構造体を得るように、適切なX,Y,Z運動制御によって、三次元構造体が作製される造形ステージの表面に向けられる。





図9に、従来の溶融積層造形法(FDM)を実現する装置概念図を示す。

従来の溶融積層造形装置では、ノズルヘッドから、半流動性の熱可塑性ポリマー材料が押し出し加工されて非常に薄い層に堆積する。熱可塑性ポリマー材料を、樹脂の軟化温度から分解温度の間に設定し、成形に適した半流動性の状態を維持することが溶融積層造形法の基本となる。ノズル上部のヒーターによる温度制御で、熱可塑性ポリマー材料を半流動性の状態に維持している。フィラメントはローラーにより、図示しないボビンから巻き出され、押し出しノズルに供給され、ノズル先端の半流動性の材料を押し出す。このように、ノズルはフィラメント状の熱可塑性ポリマー材料を融かすために熱せられ、融かされた熱可塑性ポリマー材料の流れをオン/オフさせ得るメカニズムを備えている。そして、このノズルは、水平方向(X,Y方向)および垂直方向(Z方向)に動かされることができる機械のステージに取り付けられる。





このように、溶融積層造形法(FDM)では、熱可塑的に変形し得る物質のフィラメント状材料を小さなノズルから押し出すことによって三次元構造体を作製するものであり、ノズルに供給する、ポリマー材料から形成された押し出し可能な屈曲性のあるフィラメント状(長繊維状)の材料が必要となる。このため、溶融積層造形法(FDM)では、使用できる材料が比較的柔らかなものに限定されており、吸収性医用材料として使用されるポリ乳酸などの曲げ強度が低く硬い樹脂、逆に軟らかくて粘着性やゴム状弾性をもつ樹脂、およびハイドロキシアパタイトのような無機物質を高率に含む複合材料は、使用することが困難であるといった問題がある。





【特許文献1】

許第2930420号公報

【特許文献2】

国特許第5518680号公報

【特許文献3】

国特許第6730252号公報

産業上の利用分野



本発明は、生分解性樹脂などの高分子材料からなるスキャフォールド(組織再生用足場材料)の直接造形法および直接造形装置に関する技術である。

特許請求の範囲 【請求項1】
気体加圧ディスペンサが加熱シリンジを備え、該加熱シリンジ内で加熱融解された高分子材料がノズルから押し出され、前記ノズルの吐出位置若しくは造形ステージが三次元に可動制御されることによりスキャフォールド構造体が形成されることを特徴とするスキャフォールドの直接造形法。

【請求項2】
前記高分子材料がポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸のコポリマー、ポリカプロラクトン、乳酸とカプロラクトンのコポリマーからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項3】
前記高分子材料がポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸のコポリマー、ポリカプロラクトン、乳酸とカプロラクトンのコポリマーからなる群より選ばれるものに、骨形成能を有するハイドロキシアパタイト(HAp)が均一に、かつ単分散されているものであることを特徴とする請求項1に記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項4】
前記気体が前記高分子材料に対して不活性な気体(非酸化気体)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項5】
前記気体加圧ディスペンサの加圧圧力を変化させることにより、吐出される前記高分子材料からなる繊維径を変化し得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法において、前記高分子材料が、粉末、フレーク、ペレット、タブレットのいずれかの固体形状で、前記加熱シリンジ内に搬送されることを特徴とするスキャフォールドの直接造形法。

【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法において、前記ノズルを複数用いて、各ノズルから異なった融解高分子材料を押し出させることにより、部分的に異なった高分子材料でスキャフォールド構造体が形成されることを特徴とするスキャフォールドの直接造形法。

【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法において、前記ノズルを複数用いて、各ノズルから融解高分子材料と表面コーティング材料を押し出させることにより、高分子材料の造形処理と表面処理が同時進行しながらスキャフォールド構造体が形成されることを特徴とするスキャフォールドの直接造形法。

【請求項9】
請求項1乃至6のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法において、前記ノズルを複数用いて、各ノズルから融解高分子材料と充填材料を押し出させることにより、造形された高分子材料層の間の空間に前記充填材料を充填しながらスキャフォールド構造体が形成されることを特徴とするスキャフォールドの直接造形法。

【請求項10】
請求項1乃至6のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法において、前記ノズルを複数用いて、各ノズルから融解高分子材料とサポート材料を押し出させることにより、造形された高分子材料層をサポートするサポート層を構築しながらスキャフォールド構造体が形成されることを特徴とするスキャフォールドの直接造形法。

【請求項11】
前記サポート材料が、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エチルセルロース、およびそれらの混合物からなる群より選ばれることを特徴とする請求項10に記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項12】
前記ノズルの先端の開口形状が、吐出される前記高分子材料からなる繊維の表面積が増大するように、周囲が山形にカット加工されているものを使用することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項13】
前記ノズルとプラットフォームの間に高電圧を印加し、電圧を変化させることで吐出される前記高分子材料からなる繊維の径を変化させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法。

【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載のスキャフォールドの直接造形法を実行するための装置であって、
加熱シリンジを備えた気体加圧ディスペンサと、該気体加圧ディスペンサの先端ノズルを三次元に可動制御し得る駆動機構と具備することを特徴とするスキャフォールドの直接造形装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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