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異極像結晶体を用いたX線発生装置

国内特許コード P140010835
整理番号 1738
掲載日 2014年8月11日
出願番号 特願2004-098371
公開番号 特開2005-285575
登録番号 特許第4619028号
出願日 平成16年3月30日(2004.3.30)
公開日 平成17年10月13日(2005.10.13)
登録日 平成22年11月5日(2010.11.5)
発明者
  • 吉門 進三
  • 深尾 真司
  • 中西 義一
  • 伊藤 嘉昭
  • 福島 整
出願人
  • 学校法人同志社
  • 中西 義一
発明の名称 異極像結晶体を用いたX線発生装置
発明の概要 【課題】 従来のものより強度の強いX線を発生させることができ、また、X線を連続的に発生させることができる、異極像結晶体を用いたX線発生装置を提供する。
【解決手段】 内部に低気体圧雰囲気を維持する容器1と、容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段3a、3bと、容器の内部において異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された少なくとも一対の異極像結晶体5a、5bと、異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段3a、3b;6a、6b~8a、8bとを備えたことにより、異極像結晶体の温度の昇降に伴って容器からX線を放射する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


X線発生源としては、電子銃X線発生装置が従来より一般に知られている。電子銃X線発生装置では、ターゲットに打ち込まれた電子のエネルギーがほとんど熱に変換されてしまい、X線への変換効率は0.1%と極めて低く、この変換効率を上げることがこれまで重要な課題とされてきた。



そして、この課題を解決し得るものとして、異極像結晶を用いたX線発生源が最近注目されている(例えば、非特許文献1参照)。異極像結晶は、焦電結晶体とも呼ばれ、加熱および冷却を繰り返してその温度を昇降させると、結晶内部の自発分極が増減し、表面吸着電荷がその変化に追随できなくなって、電気的な中和が破られるという特性を有している。代表的な異極像結晶体としては、LiNbO単結晶があり、この結晶体内では正電荷(Li、Nb5+)の重心と負電荷(O2-)の重心とが一致しないため、定常状態でも分極していて、この電荷量と等量で異符号の電荷が結晶表面に吸着しているために、常時は電気的に中和されている。



図8には、異極像結晶体を用いた従来のX線発生装置の1例の構成を示した。図8を参照して、低気体圧雰囲気に維持されたパッケージ51内の底面に、台座としてのヒーター/クーラー板52が配置され、この上面に異極像結晶体53が、その正の電気面を支持して置かれ、上向きに露出した負の電気面がパッケージ51上面をなす銅製ターゲット54に対向している。ターゲット54の上面には、X線に対して透明で気密保持が可能なベリリウム窓55が装着されている。パッケージ51にはグラウンド線56が接続されて接地電位に維持され、さらに、ヒーター/クーラー板52への直流電圧印加線57および温度制御信号線58が接続されて室温からの温度の昇降を行う加熱サイクルを生ずるようになっている(例えば、非特許文献2参照)。



この従来のX線発生装置によれば、主として温度昇降時の負の電気面および正の電気面の電荷の増減による電界の変化により、負の電気面から解放される荷電粒子や、電子がパッケージ内のガス(特にO2分子)を遊離および励起し、これによって電離した電子をターゲットに衝突させて、X線を励起するものと考えられる。
しかしながら、この構成では、装置から発生するX線の強度は弱く、実用に適したものではなく、しかも、X線は、異極像結晶体の温度の上昇時および下降時に不連続にしか発生しないという問題を生じていた。
【非特許文献1】
科学雑誌"Nature"(1992,Vol. 358, P.278)
【非特許文献2】
インターネットURL,www.amptek.comホームページより配信されているAMPTEK INCの商品カタログ「AMPTEK X-RAY GENERATOR WITH PYROELECTRIC CRYSTAL COOL-X」

産業上の利用分野



本発明は、異極像結晶体を用いたX線発生装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された少なくとも一対の異極像結晶体と、を備え、
前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正負の異なる電気面が互いに向き合うように配置され、前記少なくとも一対の異極像結晶体の間には、金属ターゲットが配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持されており、さらに、
前記異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段を備え、前記異極像結晶体の温度の昇降に伴って前記異極像結晶体から発生するX線を、前記容器の外部に放射するものであることを特徴とするX線発生装置。

【請求項2】
内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された少なくとも一対の異極像結晶体と、を備え、
前記少なくとも一対の異極像結晶体は、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置されており、さらに、
前記異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段を備え、
前記温度制御手段は、前記少なくとも一対の異極像結晶体の温度の昇降を、互いに逆の温度勾配でかつ同じ周期で生じさせるようになっており、前記異極像結晶体の温度の昇降に伴って前記異極像結晶体から発生するX線を、前記容器の外部に放射するものであることを特徴とするX線発生装置。

【請求項3】
前記容器の壁はX線を透過させない材料から形成され、前記容器の壁には少なくとも1つのX線透過窓が備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線発生装置。

【請求項4】
内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶体支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶体支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された一対の異極像結晶体と、を備え、前記一対の異極像結晶体は、正の電気面同士または負の電気面同士が互いに向き合うように配置され、さらに、
前記容器の内部において、前記一対の異極像結晶体の間の間隙の周囲を取り囲むように配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持された金属ターゲットと、
前記異極像結晶体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備え、前記異極像結晶体の温度の昇降に伴って前記異極像結晶体から発生するX線を、前記容器の外部に放射するものであることを特徴とするX線発生装置。

【請求項5】
前記容器の壁はX線を透過させない材料から形成され、前記容器の壁には少なくとも1つのX線透過窓が備えられていることを特徴とする請求項4に記載のX線発生装置。

【請求項6】
前記温度制御手段は、
前記少なくとも一対の異極像結晶体のそれぞれの温度を測定する温度センサーと、
前記異極像結晶体の加熱および冷却を繰り返し行うことができる加熱・冷却手段と、
前記温度センサーからの温度検出信号に基づき、前記加熱・冷却手段の動作を制御する制御手段と、を有していることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載のX線発生装置。

【請求項7】
内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶支持手段と、
前記容器の内部において前記異極像結晶支持手段に支持され、互いに間隔をあけて対向配置された一対の異極像結晶集合体と、
前記異極像結晶集合体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備え、
前記一対の異極像結晶集合体は、それぞれ、ベース上に多数個の異極像結晶体が凹面をなすように配列、固着されたものからなり、一方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が正の電気面を表面側に向けて配置され、他方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が負の電気面を表面側に向けて配置され、前記一対の異極像結晶集合体は、前記凹面をなす表面が互いに向き合うように配置されており、さらに、前記一対の異極像結晶集合体の間には、金属ターゲットが配置され、前記容器の内部に設けられたターゲット支持手段に支持されていることを特徴とするX線発生装置。

【請求項8】
前記容器の壁はX線を透過させない材料から形成され、前記容器の壁には、同一平面上に位置する少なくとも1つの細長いスリット状のX線透過窓が備えられており、前記ベースは半円筒形状を有し、前記多数個の異極像結晶体は前記ベースの凹面上に配列固着され、前記一対の異極像結晶集合体は、その軸方向の間隙が前記少なくとも1つのスリット状のX線透過窓に整合するように前記容器の内部に対向配置されていることを特徴とする請求項7に記載のX線発生装置。

【請求項9】
X線を透過させない材料から形成され、内部に低気体圧雰囲気を維持する容器と、
前記容器の内部に設けられた異極像結晶支持手段と、
誘電体を介して互いに接合された状態で対向配置され、かつ、前記容器の内部において前記異極像結晶支持手段に支持された一対の異極像結晶集合体と、
前記異極像結晶集合体の温度を昇降させる温度制御手段と、を備え、
前記一対の異極像結晶集合体は、それぞれ、半球殻形状のベースの凹面上に多数個の異極像結晶体が固着されたものからなり、一方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が正の電気面を表面側に向けて配置され、他方の異極像結晶集合体は、それを構成するすべての異極像結晶体が負の電気面を表面側に向けて配置され、前記一対の異極像結晶集合体は、リング状の誘電体を介して互いに接合されて球殻を形成し、前記球殻の内部には、その中心を含む位置に金属ターゲットが配置されて、前記異極像結晶集合体に備えられたターゲット支持手段に支持されており、前記一対の異極像結晶集合体の少なくとも一方には、少なくとも1つの貫通孔が形成され、前記容器の壁には、前記貫通孔に整合するX線透過窓が形成されていることを特徴とするX線発生装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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