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キチンナノファイバーの製造方法、キチンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物、ならびにキトサンナノファイバーの製造方法、キトサンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P140010847
整理番号 2344
掲載日 2014年8月11日
出願番号 特願2010-543941
登録番号 特許第5186694号
出願日 平成21年6月30日(2009.6.30)
登録日 平成25年2月1日(2013.2.1)
国際出願番号 JP2009061929
国際公開番号 WO2010073758
国際出願日 平成21年6月30日(2009.6.30)
国際公開日 平成22年7月1日(2010.7.1)
優先権データ
  • 特願2008-334187 (2008.12.26) JP
発明者
  • 伊福 伸介
  • 斎本 博之
  • 矢野 浩之
  • 能木 雅也
  • 大村 善彦
出願人
  • 国立大学法人鳥取大学
  • 国立大学法人京都大学
  • 大村塗料株式会社
  • 株式会社マリンナノファイバー
発明の名称 キチンナノファイバーの製造方法、キチンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物、ならびにキトサンナノファイバーの製造方法、キトサンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要 本発明は、キチン含有生物由来の材料をアルカリ処理にて脱蛋白し、脱蛋白された外皮を酸処理にて脱灰し、所望により脱灰された外皮を酸性条件で処理し、次いで、解繊処理する工程を含む、キチンナノファイバーの製造方法を提供する。本発明は、該方法により得られるキチンナノファイバー、ならびにそれを含む複合材料および塗料組成物も提供する。上記工程に加えて脱アセチル化工程を含むキトサンナノファイバーの製造方法および、該方法により得られるキトサンナノファイバー、ならびにそれを含む複合材料および塗料組成物を提供する。
従来技術、競合技術の概要


ナノファイバーは、一般に数十ないし数百ナノメーターの径(幅)を有する極細繊維であり、従来の繊維と比べて格段に大きい表面積を有する等の特徴を有するため、新規かつ特殊な機能を発揮するものとして注目され、その利用が進められている。ナノファイバーの原料としては、ナイロン、ポリエステル等の高分子材料が主たるものであるが、最近では、環境への配慮から生物材料からナノファイバーを得て、これらを利用することについても盛んに研究がなされている。



キチン、キトサンも生物由来のものであり、ナノファイバー化の研究が行われている。例えば、市販のキチンを回転デスク湿式粉砕機によりナノファイバーに解繊・乾燥する方法があるが(特許文献1、特許文献2)、市販のキチンは繊維間で極めて強固に水素結合を形成するため、物理的な負荷をかけても繊維を完全にほぐすことは困難であり、それゆえ繊維の形状が不揃いである。キトサンを溶媒中に溶解し、エレクトロスピニング(電解紡糸)でナノファイバーを紡糸している例もあるが(特許文献3、非特許文献1)、一度、キトサンを溶媒に溶解する必要があり、環境負荷が大きく、大量生産に不向きである。電解紡糸で得られる繊維は径が太く(繊維幅100nm以上)、不均一である。また電解紡糸法では大量生産が困難であり、エネルギーコストが高い。また、キチンは溶媒に不溶であるため、電解紡糸法ではキチンナノファイバーは製造できない。加水分解によりバイオナノファイバーを得る方法もあるが(非特許文献2)、酸処理によって繊維が寸断されてしまうため、繊維長が1μm以下に短くなってしまう。市販のキチンにTEMPO触媒を用いた酸化処理を施し、水への分散性を高め、超音波処理でナノファイバーを解繊する方法もあるが(非特許文献3)、この方法では酸化処理により加水分解され、繊維長が大幅に減少してしまう。得られたものはファイバーというよりは、ウィスカーに近いものである。そして酸化処理を行っているため、厳密には化学構造はキチンとは異なってしまう。イカの腱由来のキチンに酢酸を添加し、超音波処理でナノファイバー化する方法もある(特許文献4、非特許文献4)。イカ由来キチンは結晶化度が低いベータキチンであるためほぐれやすく、ナノファイバー化が可能であるが、カニ・エビ殻由来キチンは高結晶性で機械的強度が強いアルファキチンであるため、同様の処理を行ってもキチンナノファイバーは得られない。さらに、イカの腱はカニやエビの殻と比較して圧倒的に資源量が乏しいため、上記方法の実用化の可能性は低い。



カニ、エビ等の甲殻類は外皮にキチンを豊富に含んでいる。しかも、エビ・カニは大量に消費されている。ほとんどの場合、これらの外皮は廃棄されている。そこで、これらの資源を有効利用するために、甲殻類からキチンを得て、ナノファイバーを製造する試みがいくつかなされている。しかし、これらの生物から、ありのままの状態の、細く、長く、しかも均質で結晶性、物性、処理操作の簡便さ、蓄積量のいずれにおいても優れたキチンナノファイバーは、得られていなかった。



生物由来のナノファイバーの用途についても研究がなされており、実用化もされている。例えば、キトサンを利用した塗料が商品化されているが、キトサンが酸性溶液にしか溶けないので、キトサンを利用した塗料は金属には不向きである。また、キトサンは吸湿性が高いので、キトサンを利用した塗料は、夏場などでは空調設備のある場所で塗装をする必要がある。
【特許文献1】
特開2003-155349号公報
【特許文献2】
特開平4-281017号公報
【特許文献3】
特開2007-236551号公報
【特許文献4】
特開2009-102782号公報
【非特許文献1】
Min B. et al., Polymer, 2004, 45, 7137
【非特許文献2】
Gopalan N., et al., Biomacromolecules, 2003, 4, 657
【非特許文献3】
Fan Y. et al, Biomacromolecules, 2008, 9, 192.
【非特許文献4】
Fan Y. et al, Biomacromolecules, 2008, 9, 1919.

産業上の利用分野



本発明は、キチン含有生物由来の材料からキチンナノファイバーを製造する方法および該方法により得ることのできるキチンナノファイバー、ならびにキチンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物に関する。さらに本発明は、キチン含有生物由来の材料からキトサンナノファイバーを得る方法、ならびにキトサンナノファイバーを含む複合材料および塗料組成物にも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
甲殻類由来のキチン含有材料を、
少なくとも1回の脱蛋白工程および少なくとも1回の脱灰工程に付し、
酸性試薬にて処理する工程に付し、次いで、
解繊工程に付す
ことを特徴とする、キチンナノファイバーの製造方法。

【請求項2】
酸性試薬が弱酸であり、処理工程におけるpHが3~4である請求項1記載の方法。

【請求項3】
解繊工程を石臼式摩砕機および高圧ホモジナイザーのいずれかまたは両方を用いて行う請求項1または2記載の方法。

【請求項4】
甲殻類由来のキチン含有材料を、
少なくとも1回の脱蛋白工程および少なくとも1回の脱灰工程に付し、
弱酸での処理工程に付し、次いで、
解繊工程に付す
ことを特徴とする、キチンナノファイバーの製造方法であって、弱酸での処理工程におけるpHが3~4であり、解繊工程が石臼式摩砕機または高圧ホモジナイザーを用いて行われる請求項1~3のいずれか1項記載の方法。

【請求項5】
各工程を常に乾燥させずに行う請求項1~4のいずれか1項記載の方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載の方法により得られるキチンナノファイバー。

【請求項7】
ファイバーの幅が2nm~20nmである請求項6記載のキチンナノファイバー。

【請求項8】
繊維状態が伸びきり鎖結晶である請求項6または7記載のキチンナノファイバー。

【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項記載のキチンナノファイバーおよび樹脂を含む複合材料。

【請求項10】
熱膨張率が2x10-5-1以下に低減されている請求項9記載の複合材料。

【請求項11】
同じ厚さのキチンナノファイバー不含のものと比べて、600nmにおける透過率の損失が10%以下である請求項9または10記載の複合材料。

【請求項12】
請求項6~8のいずれか1項記載のキチンナノファイバーの存在下で樹脂モノマーを重合させることを特徴とする、複合材料の製造方法。

【請求項13】
請求項6~8のいずれか1項記載のキチンナノファイバーおよび水溶性樹脂またはエマルジョンを含む塗料組成物。

【請求項14】
請求項6~8のいずれか1項記載のキチンナノファイバーの水懸濁液と水溶性樹脂またはエマルジョンをブレンドすることを特徴とする、塗料組成物の製造方法。

【請求項15】
甲殻類由来のキチン含有材料を、
少なくとも1回の脱蛋白工程および少なくとも1回の脱灰工程
および少なくとも1回の脱アセチル化工程に付し、次いで、
解繊工程
に付すことを特徴とする、キトサンナノファイバーの製造方法。

【請求項16】
請求項15記載の方法により得られるキトサンナノファイバー。

【請求項17】
ファイバーの幅が2nm~40nmである請求項16記載のキトサンナノファイバー。

【請求項18】
請求項16または17記載のキトサンナノファイバーおよび水溶性樹脂またはエマルジョンを含む塗料組成物。

【請求項19】
キトサンナノファイバーが請求項17記載のものである、請求項18記載の塗料組成物。

【請求項20】
請求項16または17記載のキトサンナノファイバーの水懸濁液と水溶性樹脂またはエマルジョンをブレンドすることを特徴とする、塗料組成物の製造方法。

【請求項21】
キトサンナノファイバーが請求項17記載のものである、請求項20記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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