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フォトニック結晶発光ダイオード

国内特許コード P140010850
整理番号 2511
掲載日 2014年8月11日
出願番号 特願2009-240213
公開番号 特開2011-086853
登録番号 特許第5300078号
出願日 平成21年10月19日(2009.10.19)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 冨士田 誠之
  • 北川 均
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • アルプス電気株式会社
発明の名称 フォトニック結晶発光ダイオード
発明の概要 【課題】長期に亘って劣化しにくく、エネルギー効率及び発光効率の高いフォトニック結晶発光ダイオードを提供する。
【解決手段】本発明に係る2次元フォトニック結晶発光ダイオードでは、活性層を、短波長側の光を発する第1活性層12と、長波長側の光を発する第2活性層13の2層構造にし、第2活性層13とその上に積層された第2半導体層14に対して2次元フォトニック結晶構造を形成している。このような構造を採ることにより、第1活性層12では発光効率が低下しない。一方、第2活性層13では、空孔18を設けることにより光取り出し効率が向上するものの、非発光再結合が増加し、発光効率が低下する。しかしながら、第1活性層12から放射された発光効率の高い光が第2活性層13で吸収され、光励起が生じることにより、第2活性層13で光が高効率で再発光される。その結果、発光効率の高い長波長光が、空孔18から高効率で放出される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



半導体発光素子である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、低消費電力、長寿命、小型、高信頼性等の特長を有することから、表示用光源や乗用車のテールランプ、信号灯、携帯電話等のポータブル機器のバックライト等、様々な分野で広く用いられている。また、近年では、乗用車のヘッドランプや照明灯などの大光量光源への応用が期待されており、発光ダイオードの高輝度化が望まれている。





発光ダイオードは、p型半導体層、活性層、n型半導体層を積層し、それらを一対の電極で挟み込んだ構成を有している。発光ダイオードはこれら一対の電極間に電圧が印加されることにより電子及び正孔が活性層に移動し、そこで両者が再結合して光を発生する。しかし実際上、発生した光の多くの部分が外部に取り出されることなく活性層内に留まる。従って、発光ダイオードの発光効率(外部量子効率)は、活性層で発光する際の内部量子効率のみならず、発光した光を外部に取り出す光取り出し効率にも依存し、光取り出し効率の向上が発光効率の向上に大きく寄与する。





発光ダイオードの光取り出し効率を向上させる方法の一つに、2次元フォトニック結晶構造を利用する方法がある。2次元フォトニック結晶は、一般的に、誘電体から成る母材内に、母材とは屈折率の異なる領域(異屈折率領域)を2次元周期的に設けたものであり、これにより、結晶内に光の伝播が不可能となるエネルギー領域(波長帯)を形成させることができる。このエネルギー領域のことをフォトニックバンドギャップ(PBG)と呼ぶ。フォトニックバンドギャップは誘電体の屈折率や周期構造の周期長等により定まり、フォトニックバンドギャップ内のエネルギー(以下では「PBG波長域」と称す)に対応する波長を有する光は周期構造が形成された面内を伝播することができず、この面に垂直な方向にのみ伝播する(放射される)。なお、フォトニック結晶の異屈折率領域は、母材に空孔を設けることによっても形成することができる。このように異屈折率領域を空孔としたフォトニック結晶は、製造が容易であるうえ、母材との屈折率の差を大きくすることができ、これによってフォトニックバンドギャップを広くすることができる。





2次元フォトニック結晶構造を用いた発光ダイオードとして、例えば特許文献1の発光ダイオードがある。この発光ダイオードでは、一対の電極とその間に設けられたp型半導体層、活性層、n型半導体層からなる層構造に、これら3層を貫通する空孔を2次元周期的に多数形成することにより2次元フォトニック結晶構造を形成している。このような構成により、活性層において電子と正孔とが再結合することにより得られた発光は、各層に平行な面内には伝播することができず、これらの層に垂直な方向にのみ取り出すことができる。つまり、取り出し効率の高い発光ダイオードを実現することができる。





特許文献1の発光ダイオードは、2次元フォトニック結晶構造により形成されるフォトニックバンドギャップを利用したものであるが、これとは別に、2次元フォトニック結晶構造を回折格子として用いることもできる。このような構造を用いた発光ダイオードを、以下、回折格子型2次元フォトニック結晶発光ダイオードと呼び、上述のフォトニックバンドギャップを利用した発光ダイオードをPBG型2次元フォトニック結晶ダイオードと呼ぶことにする。PBG型2次元フォトニック結晶発光ダイオードと回折格子型2次元フォトニック結晶発光ダイオードは、発光体の外部量子効率を向上させるメカニズムが次のように異なっている。





PBG型2次元フォトニック結晶発光ダイオードでは、上記のように、発光波長をPBG波長域内に設定して面内方向への発光を抑制し、面垂直方向に発光を振り向けることにより外部量子効率を向上させる。なお、PBG型の構造を用いるには、空孔の周期長と発光波長を同程度に設定する必要がある。

一方、回折格子型2次元フォトニック結晶発光ダイオードでは、空孔の周期を発光波長よりも大きく設定し、発光体内部と外部との面内波数ベクトル保存則制限をフォトニック結晶による逆格子ベクトルを含めた保存則に置き換えることにより全反射条件を緩めて光取り出し効率を向上、つまり外部量子効率を向上させている。

産業上の利用分野



本発明は、活性層等に2次元フォトニック結晶構造を形成した発光ダイオードに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1半導体層、第1活性層、第2活性層、第2半導体層の4層がこの順に積層され、第1電極が該第1半導体層に、第2電極が該第2半導体層に、それぞれ電気的に接続された構造を有する発光ダイオードにおいて、
前記第2活性層が、前記第1活性層より長波長の光を発光する層であり、
前記第1活性層及び前記第2活性層のうち該第2活性層側のみに設けられ、前記第2半導体層及び第2活性層を貫通する空孔が、フォトニック結晶構造を形成するように2次元周期的に配置されている
ことを特徴とする発光ダイオード。

【請求項2】
前記第1活性層及び第2活性層が、それぞれ組成比の異なるInGaN系量子井戸構造から成ることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。

【請求項3】
前記第1活性層のInGaN系量子井戸構造の発光中心波長が500nm未満であり、前記第2活性層のInGaN系量子井戸構造の発光中心波長が500nm以上であることを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオード。

【請求項4】
前記第2半導体層に設けられた空孔の深さ、前記第1半導体層における量子井戸の層数、及び第2半導体層における量子井戸の層数の一部又は全てを調整することを特徴とする請求項2又は3に記載の発光ダイオード。

【請求項5】
前記第1活性層で発光した光の全てが前記第2活性層で吸収されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の発光ダイオード。

【請求項6】
前記第1活性層で発光した光の一部が外部に放出されることにより、該外部に放出された第1活性層の光と前記第2活性層で発光した光とが混色されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の発光ダイオード。

【請求項7】
前記第1活性層で発光した光の発光中心波長が450~500nmの青色光であり、前記第2活性層で発光した光の発光中心波長が560~670nmの黄色光であることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオード。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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