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放射線量率マップデータ収集システム 実績あり

国内特許コード P140010867
整理番号 3608
掲載日 2014年8月11日
出願番号 特願2011-283518
公開番号 特開2013-134105
登録番号 特許第5955546号
出願日 平成23年12月26日(2011.12.26)
公開日 平成25年7月8日(2013.7.8)
登録日 平成28年6月24日(2016.6.24)
発明者
  • 谷垣 実
  • 奥村 良
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 放射線量率マップデータ収集システム 実績あり
発明の概要 【課題】放射線計測に不慣れなユーザーであっても容易且つ正確に放射線量率マップデータを収集することができる放射線量率マップデータ収集システムを提供する。
【解決手段】構造物の内部に配置されて放射線の線量率マップデータを収集する放射線量率マップデータ収集システム100であって、自動的に放射線量の測定と現在位置に関する位置情報の測定とを行い、得られた線量率データと位置データとを組み合わせて放射線量率マップデータを取得し、該システムが前記構造物による放射線の遮蔽率の情報を有している場合には、前記線量率データは該システムに保持されている遮蔽率を用いて較正され、該システムが前記構造物による遮蔽率の情報を有していない場合には、前記線量率データは該システムが有する遮蔽率の情報から推定された遮蔽率又は外部から入力された遮蔽率を用いて較正される。
【選択図】図10
従来技術、競合技術の概要



原子力発電所のような原子炉を有する原子力関連施設の敷地内及び敷地周辺には、複数の固定式のモニタリングポストが点在するように配置されており、各モニタリングポストの位置における空間線量率が常時モニターされている。ここで、空間線量率(又は放射線量率)とは、対象とする空間の単位時間当たりの放射線量のことである。放射線の量を、物質が放射線から吸収したエネルギー量(吸収線量)で測定する場合、空間線量率は、吸収線量の単位であるGy(グレイ)を用いてGy/h(グレイ/時)で表される。あるいは、放射線の量を、生体の被曝の影響による生物学的影響の大きさ(線量当量)で測定する場合、空間線量率は、線量当量の単位であるSv(シーベルト)を用いてSv/h(シーベルト/時)で表される。なお、線量当量は、吸収線量に生体への影響に応じた係数をかけることにより求められる。空間線量率をモニターすることにより、放射性物質の漏洩をいち早く検知することができるとともに、必要に応じて、近隣住民に対して避難勧告などの適切な指示を出すことができる。しかしながら、チェルノブイリ原子力発電所や福島第1原子力発電所で発生した大規模な放射性物質の漏洩事故のような原子力災害が発生した場合、漏れ出した放射性物質は半径数十km~数百km(あるいはそれ以上)の広範囲の地域に拡散する。このような原子力災害が発生した場合、空間線量の分布を示すマップ(以下、放射線量率マップと呼ぶ)を作製することは、拡散した放射性物質がどこにどのくらい分布しているかを推定するため、及び、住民の被曝管理や放射性物質の拡散状況を推定するために重要であり、住民の避難区域や屋内退避区域を画定したり、住民が無用の被曝をしないように種々の規制区域を設けたりするために有用である。また、放射線量率マップの作製することは、除染計画や被害を受けた地域の環境修復の計画等を立てる上でも非常に重要である。





放射線量率マップの一例として、γ線(あるいはX線)の線量率分布をマッピングした(γ線の)空間線量率マップが挙げられる。このような空間線量率マップを作製する場合、モニタリングポストにおいて計測される空間線量率のデータを利用することが考えられる。しかしながら、モニタリングポストの設置箇所は限られているので、すべての地域において空間線量率を測定することは不可能である。また、大規模な放射性物質の漏洩事故を想定して、あらかじめ広範囲の地域にわたって、モニタリングポストを密に設置することは費用の面からも現実的ではない。





ここで、特許文献1には、設置場所を検知するGPS位置測定器及び放射線量を測定する放射線測定器を有する移動可能な子局と、子局から遠く離れた場所でデータ処理を行う親局とを備える緊急時環境放射線モニタリング装置が開示されている。なお、子局は、検出した位置データ及び放射線量データを無線で親局に伝送するデータ送信装置を有しており、親局は、各子局からの位置データ及び放射線量データを受信するデータ受信装置と、受信したデータを測定エリアの放射線量率マップとして画像化するデータ処理装置を有している。





このような装置はすでに実用化されており、例えば福島第一、第二原子力発電所を有する福島県には、NaIシンチレーション検出器、電離箱測定装置、中性子線量測定装置、ダストサンプラ、気象観測装置及びゲルマニウム半導体検出器等を搭載した環境放射線測定車が配備されている。この環境放射線測定車は、平常時には、福島第一及び第二原子力発電所に係る原子力防災対策を重点的に充実するために、発電所から半径10kmの範囲の地域において定められた計104地点を巡回し、各地点の空間線量率、大気浮遊じん中の放射能濃度等を測定している。そして、緊急時には、原子力発電所周辺地域の、予め定められている緊急時環境モニタリング地点において、同様に空間線量率、大気浮遊じん中の放射能濃度等の測定を行うことになっている。いずれの場合にも、測定されたデータは、衛星携帯電話回線を通じて福島県原子力センターに伝送される。

産業上の利用分野



本発明は、例えばγ線の空間線量率のような放射線量率を測定し、それに基づいて放射線量率マップを作製する放射線量率マップデータ収集システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
構造物の内部に配置されて放射線の線量率マップデータを収集する放射線量率マップデータ収集システムであって、
所定のトリガ条件が満たされたときに、自動的に放射線量の測定と現在位置に関する位置情報の測定とを行い、得られた線量率データと位置データとを組み合わせて放射線量率マップデータを取得するように構成され、
前記放射線量率マップデータ収集システムは、
前記構造物の内部に配置されて、放射線の線量率を測定する放射線測定手段と、
前記構造物の種類に応じて求められた放射線の遮蔽率に関する情報を、少なくとも1つ含むデータテーブルを保持可能なメモリ手段と、
前記放射線測定手段により測定された線量率データを較正する較正手段を有し、
前記較正手段は、
前記データテーブルに現在の構造物又は現在の構造物に近い構造物に対応する放射線の遮蔽率に関する情報が含まれる場合には、前記データテーブルに含まれる当該情報に基づいて前記線量率データを較正し、且つ、
前記データテーブルに現在の構造物又は現在の構造物に近い構造物に対応した放射線の遮蔽率の情報が含まれない場合には、外部から入力された放射線の遮蔽率に関する情報に基づいて前記線量率データを較正するように構成されていることを特徴とする放射線量率マップデータ収集システム。

【請求項2】
前記放射線量率マップデータ収集システムは、
在位置に関する位置データを取得する位置情報取得手段と、
前記較正手段により較正された線量率データ及び当該線量率データが測定された地点における位置データを関連付けて放射線量率マップデータを作成するマップデータ作成手段と、
前記放射線測定手段、前記較正手段、前記位置情報取得手段、及び前記マップデータ作成手段を制御して、前記放射線量率マップデータの自動収集を行わせる制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の放射線量率マップデータ収集システム。

【請求項3】
前記制御手段は、前記位置情報取得手段が位置情報を正常に取得しているかどうかを判定し、前記位置情報が正常に取得されている間に、前記放射線測定手段に前記線量率の測定を行わせることを特徴とする請求項2に記載の放射線量率マップデータ収集システム。

【請求項4】
前記放射線測定手段は、入射した放射線のエネルギーに応じて異なる出力信号を出力する検出器を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線量率マップデータ収集システム。

【請求項5】
前記検出器がCsIシンチレーション検出器であることを特徴とする請求項4に記載の放射線量率マップデータ収集システム。

【請求項6】
前記制御手段は、前記放射線測定手段に、前記検出器の前記出力信号の大きさと前記入射した放射線のエネルギーとの相関を測定させることを特徴とする請求項4又は5に記載の放射線量率マップデータ収集システム。

【請求項7】
さらに、収集した前記線量率データ、較正された線量率データ、位置データ、放射線量率マップデータのうち少なくとも1つのデータを、有線回線又は無線回線を通じて所定の外部記憶装置に転送するデータ転送手段を備える請求項4~6のいずれか一項に記載の放射線量マップデータ収集システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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