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メタスチン誘導体およびその用途 外国出願あり

国内特許コード P140010889
整理番号 2043
掲載日 2014年8月19日
出願番号 特願2010-511949
登録番号 特許第5700641号
出願日 平成21年4月28日(2009.4.28)
登録日 平成27年2月27日(2015.2.27)
国際出願番号 JP2009058409
国際公開番号 WO2009139298
国際出願日 平成21年4月28日(2009.4.28)
国際公開日 平成21年11月19日(2009.11.19)
優先権データ
  • 特願2008-119235 (2008.4.30) JP
発明者
  • 藤井 信孝
  • 大石 真也
  • 富田 健嗣
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 武田薬品工業株式会社
発明の名称 メタスチン誘導体およびその用途 外国出願あり
発明の概要 本発明は、式(I)で表わされるメタスチン誘導体またはその塩



〔式中、各記号は明細書中の定義と同義である〕、またはそれらを含有してなる医薬組成物を提供する。該メタスチン誘導体またはその塩は、血中安定性に優れ、癌転移抑制作用または癌増殖抑制作用を有する。
従来技術、競合技術の概要

(発明の背景)
多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調節している。これらのレセプターの多くは共役しているグアニンヌクレオチド結合性蛋白質(guanine nucleotide-binding protein、以下、G蛋白質と略称する)の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行う。また、これらのレセプターは、7個の細胞膜貫通領域を有する共通した構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。



このようなG蛋白質共役型レセプター蛋白質の一つとして、GPR54遺伝子によってコードされるヒト型レセプター蛋白質[非特許文献1]が知られている。



また、上記のGPR54に対するリガンドとして機能する生理活性ペプチドとして、メタスチン(別名:キスペプチン)[非特許文献2]が知られている。
癌の転移は患者の余命を左右する重要な要素である。メタスチンはGPR54アゴニストとして作用することにより肺移行性GPR54発現黒色腫細胞の転移を抑制することが知られている[非特許文献2]。
また、同様にGPR54発現膵癌細胞の転移も抑制することが明らかになっている[非特許文献3]。一方で、脳内GPR54にアゴニストが作用することによりゴナドトロピン等の性ホルモンの放出が促進されること[非特許文献4]、GPR54の機能欠損が性機能低下症の原因になること[非特許文献5]が最近次々に明らかにされている。以上のようにメタスチン/GPR54系は癌転移抑制および性機能疾患の両面において非常に魅力的な創薬標的となっている。



本発明者らは、N末端に塩基性官能基としてビス-2-ピコリルアミノ基や、グアニド基を有するペンタペプチド誘導体がGPR54アゴニストであることを見出した[非特許文献6]。さらに、N末端に4-フルオロベンゾイル基を有するリガンドが、これまでに報告されたアゴニスト活性を示す化合物の中で最も強力な生物活性を示すことを見出し、定量的構造活性相関研究によりその構造と活性の関連に関わる情報を得た[非特許文献7]。また、N末端に(i)アリール基または全体として電子吸引性の性質を有するアリール基、(ii)窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含有する置換もしくは非置換の芳香族複素環基、または(iii)低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、低級アルカノイルアミノ低級アルキル基、ヒドロキシ置換フェニルカルボニルオキシ基、アミノ基およびヒドロキシル基からなる群より選択される1~3個の電子供与性基で置換されたアリール基を有するように修飾されたペンタペプチドが優れたGPR54アゴニスト活性を有することを見出した[特許文献1]。



一方、メタスチン関連ペプチドは、そのC末端のGly-Leuジペプチド間のペプチド結合が複数のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)により分解を受けることが報告されており、メタスチン関連ペプチドの臨床応用を考慮に入れた場合、MMP阻害剤との併用やMMPによる分解を受けないメタスチン誘導体の利用が必要であることが示唆されている[非特許文献8]。

産業上の利用分野



本発明は、メタスチン誘導体およびその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】




〔式中、Z、ZおよびZはそれぞれ同一または異なって水素原子またはC1-3アルキルを、
【化2】




はそれぞれ同一または異なって-CH-,-CO-又は-CS-を、
1は(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを、
2は(1)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-8アルキル、
(2)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいアラルキル、
(3)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキル、または
(4)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC1-4アルキルを、
3は(1)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1-4アルキルを、
Xは
【化3】




からなる群(群(IV))より選ばれ、
Pは(1)水素原子、
(2)配列番号:67で表わされるアミノ酸配列の第1~49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基、
(3)式 J1-J2-C(J3)(Q3)Y1C(J4)(Q4)Y2C(J5)(Q5)Y3C(J6)(Q6)C(=Z10)-
(式中、J1は(a)水素原子または(b)置換基を有していてもよい環基を含む置換基で置換されていてもよい、(i)C1-15アシル、(ii)C1-15アルキル、(iii)C6-14アリール、(iv)カルバモイル、(v)カルボキシル、(vi)スルフィノ、(vii)アミジノ、または(viii)グリオキシロイルを、
2は(i)C1-6アルキルで置換されていてもよいNH、(ii)C1-6アルキルで置換されていてもよいCH2、(iii)Oまたは(iv)Sを、
3~J6はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを、
3~Q6はそれぞれ、
(i)置換されていてもよいC6-12芳香族炭化水素基、
(ii)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(iii)置換されていてもよいC8-14芳香族縮合環基、
(iv)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(v)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(vi)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(vii)置換されていてもよいアミノ、
(viii)置換されていてもよいグアニジノ、
(ix)置換されていてもよいヒドロキシ、
(x)置換されていてもよいカルボキシル、
(xi)置換されていてもよいカルバモイル、および
(xii)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有していてもよいC1-4アルキルまたは水素原子を示し、
3とQ3、J4とQ4、J5とQ5、J6とQ6が結合することで、あるいはJ2とQ3、Y1とQ4、Y2とQ5、Y3とQ6が結合することで環を形成してもよい、
1~Y3はそれぞれ-CON(J13)-、-CSN(J13)-、-C(J14)N(J13)-または-N(J13)CO-(J13およびJ14はそれぞれ水素原子またはC1-3アルキルを示す)
で示される基を示し、
10は水素原子、OまたはSを示す)で表わされる基、
(4)式J1-J2-C(J7)(Q7)Y2C(J8)(Q8)Y3C(J9)(Q9)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2はそれぞれ前記と同意義を、
7~J9はJ3と同意義を、
7~Q9はQ3と同意義を、
2およびY3は前記と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
7とQ7、J8とQ8、J9とQ9が結合することで、あるいはJ2とQ7、Y2とQ8、Y3とQ9が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、
(5)式J1-J2-C(J10)(Q10)Y3C(J11)(Q11)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2は前記と同意義を、
10およびJ11はJ3と同意義を、
10およびQ11はQ3と同意義を、
3は前記と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
10とQ10、J11とQ11が結合することで、あるいはJ2とQ10、Y3とQ11が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、
(6)式J1-J2-C(J12)(Q12)C(=Z10)-
(式中、J1およびJ2は前記と同意義を、
12はJ3と同意義を、
12はQ3と同意義を、
10は前記と同意義を示し、
12とQ12が結合することで、あるいはJ2とQ12が結合することで環を形成してもよい。)で表わされる基、または
(7)式J1-(J1は前記と同意義を示す)で表わされる基を示す。〕で表されるメタスチン誘導体(I)またはその塩。

【請求項2】
(i)4-Fluorobenzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(ii)D-Tyr-Asn-Trp-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(iii)3-(3-Indolyl)propionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(iv)3-Phenylpropionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(v)2-(Indol-3-yl)ethylcarbamoyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(vi)D-Tyr-Asn-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(vii)TyrΨ(CH2NH)Asn-D-Trp-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(viii)D-Tyr-D-Asn-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(ix)D-Tyr-D-Pya(4)-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(x)3-Pyridylpropionyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(xi)4-Imidazoleacetyl-Asn-Ser-Phe-X-Arg-Trp-NH2
(xii)4-Nitrobenzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xiii)4-(Aminomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xiv)Pyridine-2-carbonyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xv)Benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH
(xvi)4-(Bis-picolylaminomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH、または
(xvii)4-(Guanidinomethyl)benzoyl-Phe-X-Arg-Trp-NH、である請求項1記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩。

【請求項3】
請求項1記載のメタスチン誘導体(I)またはその塩を含有してなる医薬組成物。

【請求項4】
癌転移抑制剤、癌の予防・治療剤、または癌増殖抑制剤である請求項記載の医薬組成物。

【請求項5】
膵臓機能調節剤、急性もしくは慢性膵炎または膵癌の予防・治療剤、胎盤機能調節剤、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防・治療剤、性腺機能改善剤、ホルモン依存性癌、不妊症、子宮内膜症または子宮筋腫の予防・治療剤、排卵誘発または促進剤、性腺刺激ホルモン分泌促進剤または性ホルモン分泌促進剤、アルツハイマー病および軽度認知障害の予防・治療剤からなる群より選択される1種である請求項記載の医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
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