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トランスインピーダンスアンプ

国内特許コード P140010891
整理番号 2125
掲載日 2014年8月19日
出願番号 特願2008-176672
公開番号 特開2010-016740
登録番号 特許第5147061号
出願日 平成20年7月7日(2008.7.7)
公開日 平成22年1月21日(2010.1.21)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
発明者
  • 中村 誠
  • 岸根 桂路
  • 小野寺 秀俊
  • 土谷 亮
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 トランスインピーダンスアンプ
発明の概要 【課題】最小受信感度を損なうことなく消費電力を抑えて、大入力信号を受信することを可能とするトランスインピーダンスアンプ(TIA)を実現する。
【解決手段】トランスインピーダンスアンプ11は、PDから出力された入力信号電流Iinに対応した出力信号電圧Voutを出力する。TIA11のコア回路は、増幅回路13と、増幅回路入出力を接続する帰還抵抗12により構成されている。レベル検出回路15が出力信号電圧Voutの値を検出し、この値が大きくなると電流制御回路14は、増幅回路13の電流源トランジスタに流す電流を増加するように制御する。これにより、入力信号電流Iinの値の増加に対応して出力信号電圧Voutの値が増加したときであっても、波形歪みや速度低下なく、信号等価処理をすることができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



光通信技術の進展とともに通信速度が高速化されるとともに、低電力化も求められている。一方、高速化に伴いトランジスタが微細化されると、線形動作範囲が狭くなり波形品質劣化が生じる。特に、大きな入力信号を受信する場合、トランスインピーダンスアンプの出力信号も大きくなるため、この波形品質劣化の影響が大きい。従来、波形品質劣化が生じないようにするためには、入力信号の大きさに対応したバイアス電流をトランスインピーダンスアンプに流す必要があった。





従来のトランスインピーダンスアンプの構成を図13、図14に示す。

図13中において、記号1はトランスインピーダンスアンプ(TIA)、記号2は帰還抵抗(Rf)、記号3は増幅回路、記号4はフォトディテクタ(PD)である。





従来のトランスインピーダンスアンプ1は、例えば図14に示すように、トランジスタM1と負荷抵抗RLならびにエミッタ帰還抵抗REから構成されたソース接地増幅回路Iと、このソース接地増幅回路Iの出力端子に接続されたトランジスタM2と電流源となるトランジスタM3から構成されるソースフォロワ回路IIと、該ソースフォロワ回路IIの出力端子と上記ソース接地増幅回路Iの入力端子との間に接続された帰還抵抗Rfから構成される。





つまり、図13,図14に示すように、増幅回路3が、ソース接地増幅回路Iとソースフォロワ回路IIにより構成され、増幅回路3の入力端子と出力端子との間に帰還抵抗Rfが接続されて、トランスインピーダンスアンプ1が構成されている。





図15に、図13,図14に示した従来のトランスインピーダンスアンプ1の基本的動作を示す。図15は特に入力電流に対する出力電圧の関係を示した、トランスファー特性である。

トランスインピーダンスアンプ1では、一般的な反転アンプを例にとると、入力信号電流Iinが大きくなるにつれて、出力信号電圧Voutは低くなる。これは、入力信号電流Iinが帰還抵抗Rfを流れ電圧降下が起きるためで、入力信号電流Iinの大きさに応じて、出力電圧振幅Voutppの大きさが以下に示す式のように変化する。

outpp=Rf×Irf (1)





また、図14に示すような並列帰還型トランスインピーダンスアンプ1の出力信号電圧Voutは、以下の式により求められる。ここで、Vreは直列帰還抵抗(エミッタ帰還抵抗)REによる電圧降下、Vgs1はトランジスタM1の動作時のゲート-ソース間電位である。

out=Vre+Vgs1-Rf×Iin (2)





しかしながら、ソース接地増幅回路Iとソースフォロワ回路IIと帰還抵抗Rfから構成される並列帰還型トランスインピーダンスアンプ1では、入力信号電流Iinがさらに大きくなるとトランスファー曲線が飽和する。

これは、入力信号電流Iinは帰還抵抗Rfを介し後段のソースフォロワ回路IIの電流源トランジスタM3に流れ込むが、入力信号電流Iinが大きくなると、ソースフォロワ回路IIの電流源トランジスタM3が電流源として十分機能しなくなり、波形劣化や高速性能の劣化が生じるという問題があった。





図15を用いて説明すると、(a)のように入力信号電流Iinが小さい場合には、入力信号電流振幅に応じた出力信号電圧Voutが出力されるが、(b)のように入力信号電流Iinが大きな場合には、出力信号電圧Voutがリミットされてしまい波形歪みが生じる。





また、トランスインピーダンスアンプ1を構成するソースフォロワ回路IIの電流源トランジスタM3に流れる電流Id1は、ソースフォロワ回路IIのトランジスタM2に流れる電流Id0と、入力電流すなわち帰還抵抗Rfに流れる電流Irfの和である。すなわち、

d1=Id0+Irf (3)

である。

従って、電流Id1は一定値のため入力電流Irfが大きくなると、ソースフォロワ回路IIのトランジスタM2に流れる電流Id0が小さくなってしまい、動作速度が低下するという問題がある。





上記について、並列帰還型TIAのソースフォロワ回路IIにおける電流源トランジスタM3の動作について図16に詳述する。

図16(a)に示すように、大信号電流入力時に、動作点が定電流源として動作するMOS-FETの飽和領域ではなく、オーム領域で動作すると、トランジスタM3が電流源として動作しなくなり、波形歪を生じ伝送特性が著しく劣化するという問題があった。

さらに、図16(b)に示すようなMOS-FETの飽和領域で動作していても、入力信号電流Iinが大きくなるとソースフォロワ回路IIのトランジスタM2に流れる電流Id0が減少すると高周波特性が著しく劣化するという問題があった。特に、電源電圧VDDが低くなるとこの問題は顕著になる。





すなわち、トランスインピーダンスアンプ1において、大信号入力時にトランスインピーダンス変換利得が飽和し、波形歪みや高速性能が劣化するという問題があった。さらに、高速化に伴い高性能な微細トランジスタを用いると電源電圧が低くなりこの影響が大きくなるという問題があった。





【特許文献1】

開平8-46444号

【非特許文献1】

PON用バースト伝送対応光受信技術」、中村誠、楳田洋太郎、遠藤潤、赤津佑史、NTT技術ジャーナル、2006年7月号、p.46-49.

産業上の利用分野



本発明は、光伝送方式の光/電気変換を行う光受信回路において、信号等化を行うトランスインピーダンスアンプに関するものである。特に本願は、低電圧動作において小信号から大信号まで広い入力信号強度が受信可能なトランスインピーダンスアンプに関するものである。





具体的には、光基幹伝送システム、光アクセスシステム、光インターコネクション等の各種光伝送システムに用いられる光受信用IC、ならびにこれを用いた高速光受信モジュール、光送受信トランシーバなどに光受信回路として適用されるものである。

本発明は、光通信技術の進展とともに、高速化と低消費電力が求められる上記光受信回路において、高速・低電圧で動作可能なトランスインピーダンスアンプ(TIA:Trans Impedance Amplifier)を提供するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
信号電流が入力されるとこの信号電流の値に応じた値の信号電圧を出力するトランスファー特性を有するトランスインピーダンスアンプにおいて、
ソース接地増幅回路と、電流源トランジスタを備えたソースフォロワ回路から構成された増幅回路と、
前記増幅回路の入力端子と出力端子との間に接続された帰還抵抗と、
前記増幅回路から出力される前記信号電圧の値を検出するレベル検出回路と、
前記レベル検出回路により検出した前記信号電圧の値の増減に応じて前記電流源トランジスタに流れる電流の電流値を増減させることにより、前記信号電流に対する前記信号電圧の関係が前記トランスファー特性の線形範囲内となるように制御する電流制御回路と、
を有することを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。

【請求項2】
請求項1のトランスインピーダンスアンプにおいて、
前記電流源トランジスタは、並列接続された複数のトランジスタにより構成されており、
前記電流制御回路は、前記複数のトランジスタに流れる電流の電流値を個別に制御することを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。

【請求項3】
請求項1のトランスインピーダンスアンプにおいて、
前記電流源トランジスタは、制御端子が所定の電位に接続されたメインのトランジスタと、制御端子がスイッチを介して所定の電位に接続された少なくとも一つの調整用のトランジスタが並列接続されて構成されており、
前記電流制御回路は、前記複数のトランジスタに流れる電流の電流値を基に、前記スイッチの開閉を制御することを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008176672thum.jpg
出願権利状態 登録
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