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トランスインピーダンスアンプ

国内特許コード P140010893
整理番号 2579
掲載日 2014年8月19日
出願番号 特願2009-172791
公開番号 特開2011-029872
登録番号 特許第5137141号
出願日 平成21年7月24日(2009.7.24)
公開日 平成23年2月10日(2011.2.10)
登録日 平成24年11月22日(2012.11.22)
発明者
  • 中村 誠
  • 小野寺 秀俊
  • 土谷 亮
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 トランスインピーダンスアンプ
発明の概要 【課題】利得周波数特性が広帯域で高速動作が可能であり、チップサイズの小さなトランスインピーダンスアンプを提供する。
【解決手段】光信号電流を受信し電圧信号を出力するトランスインピーダンスアンプにおいて、ソース接地増幅回路1と、ソースフォロワ回路2と、負帰還抵抗RL21と、誘導結合性を有する少なくとも2つのインダクタとを備えた。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



光通信技術の進展とともに伝送されるデータ量が飛躍的に増大しており、伝送装置の大容量化が求められている。この大容量化を実現するために、光受信器の高速化が求められている。





図9は、一般的な光通信における光電変換を行う光受信器の構成を示した模式図である。

図9に示すように、一般的に光受信器は、トランスインピーダンスアンプ(TIA)100と、フォトディテクタ(PD)103と、入力寄生容量104とにより構成されている。そして、トランスインピーダンスアンプ100は、負帰還抵抗RF101と、第1の増幅回路102とにより構成されている。





この従来の光受信器は、光信号Linをフォトディテクタ103で受信し、光信号Linを電流信号Iinに変換し、さらにトランスインピーダンスアンプ101はこの電流信号Iinを受信及び増幅し、後段の回路が受信可能な振幅の電圧信号Voutに変換するものである。そして、トランスインピーダンスアンプ100において受信可能なデータの高速化を実現するためには、利得周波数特性の広帯域化が必須である。





ところで、トランスインピーダンスアンプ100の帯域を制限する要因は、第1にフォトディテクタ103等の入力寄生容量104とトランスインピーダンスアンプ100の入力インピーダンスによる入力回路の周波数特性に起因するもの、第2にトランスインピーダンスアンプ100を構成する構成回路の周波数特性に起因するもの、その他に、トランスインピーダンスアンプ100の出力回路の周波数特性に起因するものとがある。





はじめに、第1の要因である入力回路の周波数特性に起因する帯域制限について説明する。

トランスインピーダンスアンプ100のインピーダンス変換利得Ztは、下記式(1)のように与えられる。

【数1】




ここで、RFは負帰還抵抗、Cinはフォトディテクタ103等の入力寄生容量104、Aoは増幅回路のオープンループ利得である。





上記式(1)から、Ztが1/√2になる3dB帯域f3dBは、下記式(2)のように求められる。

【数2】








次に、第2の要因であるトランスインピーダンスアンプ100を構成する構成回路の周波数特性に起因する帯域制限について説明する。

図10は、第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプの構成を示した模式図である。

図10に示すように、第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプ100は、負荷抵抗RL106とトランジスタM1107とソース抵抗RS110とからなるソース接地増幅回路(common‐source amp.)105と、負帰還抵抗RF101と、トランジスタM2108とトランジスタM3109とからなるソースフォロワ回路(Source follower)106とにより構成されている。なお、図10中において、Iinは電流信号、Voutは電圧信号、VDDはドレイン側電源、VSSはソース側電源、VCSはコンスタントソース電圧を示している。





このように、第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプ100は、主にソース接地増幅回路105と、ソースフォロワ回路106とにより構成されるが、入力寄生容量Cin104及び帰還抵抗RF101により帯域が制限される。そして、高速動作においては、この入力寄生容量Cin104による帯域制限を無視できなくなるため、周波数特性を改善することが困難であった。ここで、図10に示す第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプ100における周波数特性の例を図11に示す。





そこで、従来、トランスインピーダンスアンプ100の帯域を改善する手段としてインダクタを挿入するインダクティブピーキングが用いられている。

図12は、第2の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプの構成を示した模式図である。

図12に示すように、第2の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプは、負荷抵抗RL106に直列にインダクタLL120を接続することにより構成されている。なお、第2の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプは上述した構成以外は第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプと同様の構成である。





また、図13は、第3の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプの構成を示した模式図である。

図13に示すように、第3の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプは、負荷抵抗RL106に直列に第1のインダクタLL120を接続し、さらにソース接地増幅回路の出力端子とソースフォロワ回路の入力端子との間に第2のインダクタLS130を接続することにより構成されている。なお、第3の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプは上述した構成以外は第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプと同様の構成である。





図12,13に示すように、負荷抵抗RL106に直列にインダクタLL120を接続することにより、高周波での負荷インピーダンスを補うとともに、寄生容量による帯域劣化を補い、図10に示した第1の従来例に係る従来のトランスインピーダンスアンプ100に対して、2倍程度の帯域改善が可能である。





図14は、第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプと第2の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプにおける周波数特性の例を示した図である。なお、図14中において、破線は第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプの周波数特性の例を示し、実線は第2の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプの周波数特性の例を示す。





図14より、第2の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプは、インダクティブピーキングを用いることにより、第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプに比べ、2倍程度の広帯域化が可能であることが分かる。





しかしながら、インダクティブピーキングに用いられるインダクタの大きさは、トランジスタの大きさに比べ面積が極めて大きく、一つのインダクタの面積がトランジスタの面積のおよそ50倍以上の面積を占めてしまうという問題がある。特に、インダクタを2個以上用いるようなインダクティブピーキングにおいて、この問題は顕著である。ここで、従来の2つのインダクタの物理的なレイアウト例を示した模式図を図15に示す。なお、図15においては、2つのスパイラル型インダクタ140がトランスインピーダンスアンプのコア141と接続されている。





また、インダクタと比べてトランジスタや抵抗の大きさが極端に異なることから、トランジスタや抵抗で構成される回路部分とインダクタとをつなぐ配線が長くなり、配線に起因する寄生容量や寄生抵抗や寄生インダクタによる悪影響も問題となる。





すなわち、トランジスタや抵抗からなる第1の従来例に係るトランスインピーダンスアンプや、第2,3の従来例に係るインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプでは、更なる広帯域化が困難であるという問題があった。





さらに、インダクタの素子サイズはトランジスタや抵抗に比べ、極めて大きいため、特に、従来の複数のインダクタによるインダクティブピーキングを用いたトランスインピーダンスアンプでは、インダクタの素子サイズが大きくなってしまいコスト高になるという問題があった。

産業上の利用分野



本発明は、トランスインピーダンスアンプに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
光信号から変換された電流信号を受信し電圧信号を出力するトランスインピーダンスアンプにおいて、
ソース接地増幅回路と、ソースフォロワ回路と、負帰還抵抗と、誘導結合性を有する2つのインダクタとを備え、
前記インダクタは、前記ソース接地増幅回路の負荷インピーダンスを構成する第1のインダクタと、前記負帰還抵抗と直列に接続された第2のインダクタである
ことを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。

【請求項2】
光信号から変換された電流信号を受信し電圧信号を出力するトランスインピーダンスアンプにおいて、
ソース接地増幅回路と、ソースフォロワ回路と、負帰還抵抗と、誘導結合性を有する2つのインダクタとを備え、
前記インダクタは、前記ソース接地増幅回路の負荷インピーダンスを構成する第1のインダクタと、前記ソース接地増幅回路の出力端子と前記ソースフォロワ回路の入力端子とを接続する第2のインダクタである
ことを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。

【請求項3】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタをスパイラル型インダクタで構成し、該第1のインダクタと該第2のインダクタを重ね合わせることにより誘導結合させる
ことを特徴とする請求項又は請求項に記載のトランスインピーダンスアンプ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009172791thum.jpg
出願権利状態 登録
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