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台木と穂木の接ぎ木を介して植物の形質転換を行う方法

国内特許コード P140010909
掲載日 2014年8月22日
出願番号 特願2012-071387
公開番号 特開2013-201911
出願日 平成24年3月27日(2012.3.27)
公開日 平成25年10月7日(2013.10.7)
発明者
  • 原田 竹雄
  • 葛西 厚史
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 台木と穂木の接ぎ木を介して植物の形質転換を行う方法
発明の概要 【課題】 転写型遺伝子サイレンシングを発動させるためのsiRNAを用い、全身性の遺伝子サイレンシングを起こすことで台木と穂木の接ぎ木を介して植物の形質転換を効果的に行う方法を提供すること。
【解決手段】 転写型遺伝子サイレンシングを発動させるためのsiRNAとその標的配列に相補的な配列を有するRNAを穂木において産生せしめ、穂木において産生されたsiRNAとその標的配列に相補的な配列を有するRNAを接ぎ木を介して台木に輸送し、転写型遺伝子サイレンシングを台木において発動させることによって台木の形質転換を行うことを特徴とする。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要



植物の品種改良(生産性や品質の向上、耐病性の付与など)の手段として、特定の標的遺伝子の発現を抑制することで植物の形質転換を行う方法が有効であることは当業者に周知の通りであり、近年、その方法の一つとして、遺伝子の発現機能を阻害する遺伝子サイレンシングが注目されている。遺伝子サイレンシングは、遺伝子の転写レベルで作用する転写型遺伝子サイレンシング(Transcriptional Gene Silencing:TGS)と、転写後に作用する転写後型遺伝子サイレンシング(Post-Transcriptional Gene Silencing:PTGS)に分類されるが、いずれもsiRNA(short interfering RNA)によって発動できることが知られている。siRNAは、20~25bpの低分子RNAであり、細胞内で形成された二本鎖RNA(dsRNA:double-strand RNA)がダイサーによって分断されて生成し、ヘリカーゼによって一本鎖に解離したものは、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)を形成して標的のmRNAに結合し、これを切断することができるものであって、siRNAはこの機能によってPTGSを発動する。また、siRNAは、標的遺伝子のプロモーター領域のメチル化を誘導し(RNA-directed DNA Methylation:RdDM)、さらにその領域のヒストンタンパク質の修飾などにも関与して、その領域をリモデリング化することで、TGSを発動する。TGSはエピジェネティック変異と称され、遺伝子サイレンシングが体細胞分裂や減数分裂を経ても維持されて後代へ遺伝することが知られている。





siRNAは、伴細胞(companion cell)から原形質連絡糸を通して篩管(sieve tube)へ送り出され、長距離輸送されることが知られており、こうした篩管輸送は接ぎ木を介しても行われる。siRNAのこの性質を利用して、PTGSを発動させるためのsiRNAを穂木において産生せしめ、穂木において産生されたsiRNAを接ぎ木を介して台木に輸送し、PTGSを台木において発動させることによって台木の形質転換を行う方法が非特許文献1に記載されている。一方、TGSを発動させるためのsiRNAを穂木において産生せしめ、穂木において産生されたsiRNAを接ぎ木を介して台木に輸送し、TGSを台木において発動させることによって台木の形質転換を行う方法が本発明者らによって見出されている(非特許文献2)。前述の通り、TGSは遺伝子サイレンシングが体細胞分裂や減数分裂を経ても維持されて後代へ遺伝する。従って、非特許文献2に記載の方法は、台木と穂木の接ぎ木を介して行う植物の品種改良の手段の一つとして大いに期待される。しかしながら、TGSでは、PTGSと異なって標的のRNAが存在しないので、RNA上でのトランジティビティ(Transitivity)現象が起動しない。よって、台木においてsiRNAは増幅されず、PTGSのような全身性(Systemic)の遺伝子サイレンシングが起こらないので、非特許文献2に記載の方法にはこの点で改良の余地がある。

産業上の利用分野



本発明は、台木と穂木の接ぎ木を介して植物の形質転換を行う方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
台木と穂木の接ぎ木を介して植物の形質転換を行う方法であって、転写型遺伝子サイレンシングを発動させるためのsiRNAとその標的配列に相補的な配列を有するRNAを穂木において産生せしめ、穂木において産生されたsiRNAとその標的配列に相補的な配列を有するRNAを接ぎ木を介して台木に輸送し、転写型遺伝子サイレンシングを台木において発動させることによって台木の形質転換を行うことを特徴とする方法。

【請求項2】
転写型遺伝子サイレンシングを発動させるためのsiRNAを穂木において産生せしめる方法として、標的遺伝子のプロモーター領域に相同な配列を有するsiRNAを産生することができる、CoYMVプロモーターを用いたベクターを導入したアグロバクテリウムを穂木に感染させる方法を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項3】
転写型遺伝子サイレンシングを発動させるためのsiRNAの標的配列に相補的な配列を有するRNAを穂木において産生せしめる方法として、プロモーター、siRNAの標的配列の少なくとも一部を含むヌクレオチド、配列表の配列番号1に記載の配列を少なくとも含むヌクレオチド、ターミネーターを5’側からこの順番で有してなるベクターを導入したアグロバクテリウムを穂木に感染させる方法を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項4】
穂木としてタバコ(Nicotiana benthamiana)を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項5】
転写型遺伝子サイレンシングを発動させるためのsiRNAとその標的配列に相補的な配列を有するRNAを、アグロインフィルトレーション法によって一過的にタバコにおいて産生せしめることを特徴とする請求項4記載の方法。

【請求項6】
台木がタバコと接ぎ木が成立する植物であることを特徴とする請求項4記載の方法。

【請求項7】
植物の形質転換個体の取得方法であって、請求項1記載の方法によって台木の形質転換を行った後、台木の主根の側根からの再分化個体を形質転換個体として取得することを特徴とする方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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