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熱電半導体装置の熱電能向上方法および熱電能試験方法

国内特許コード P140010928
掲載日 2014年8月26日
出願番号 特願2012-196584
公開番号 特開2014-053432
登録番号 特許第6090975号
出願日 平成24年9月6日(2012.9.6)
公開日 平成26年3月20日(2014.3.20)
登録日 平成29年2月17日(2017.2.17)
発明者
  • 笹川 和彦
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 熱電半導体装置の熱電能向上方法および熱電能試験方法
発明の概要 【課題】半導体薄膜において、EMの導入により保護膜の有無によって熱電材料内部の応力状態が変化し熱電効果に影響を与えることを確認することにより、熱電半導体装置の発電能力を向上させる熱電能向上方法等を提供する。
【解決手段】Bi-Sb-Te試験片10にポリイミド保護被膜12がある場合は無い場合と比較して、EMの導入により熱電能が増加することを発見した。ポリイミド保護被膜12があるときの熱電能の増加は、試験片10内の応力勾配に起因していると考えられる。S被覆基板11上に形成された試験片10と試験片10上に形成されたポリイミド保護被膜12とを有する熱電半導体装置15において、試験片10の一端側を陰極側とし他の一端側を陽極側として所定の高密度電流を通電しEMを導入することにより、熱電半導体装置15の熱電能を向上させることができる
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



熱電効果は熱的現象と電気的現象との相互作用であり、物体の両端に温度差のみを与えた時にこの両端で電位差が発生する現象、あるいはその逆現象のことである。熱電能(Thermoelectric Power、Thermopower)とは、この与えた温度差1度あたりで何ボルト発生するかを表した物性値である。従来、熱電発電、熱電冷却等の幅広い分野で熱電効果の応用が試みられている。一方、電子デバイスの微細な金属配線においては、高密度電子流による金属原子の拡散現象であるエレクトロマイグレーション(Electromigration : EM)の発生が知られている。これまで、金属薄膜、半導体薄膜に対して、熱電効果に対するEMの影響についての研究がなされてきた(金属薄膜に関しては非特許文献1参照、半導体薄膜に関しては非特許文献2参照)。金属配線において、EMの導入により保護膜の有無によって配線内部の応力状態が異なることが知られている(非特許文献3参照)。





非特許文献2によれば、保護膜のない半導体薄膜において、EMの導入によりSb(アンチモン)原子が移動し、熱電能が増加することが知られている。熱電効果は、EM導入前にSb原子が一様に分布している時も、両端に温度差を与えることにより電位差が発生する。EM導入後は、Sb原子の濃度に偏り、即ち濃度分布が生じるため、保護膜のない半導体薄膜の熱電能が増加したものと考えられている。





非特許文献3によれば、保護膜で被覆した金属配線において、EMの導入により配線内部に応力の分布が生じることが知られている。EMの導入により、いわゆるBlech効果(陽極側に原子が溜り、陰極側からは原子が流れ出るため、原子濃度の勾配が生じる)によって、応力の分布(応力勾配=原子濃度の勾配)が生じたものである。

産業上の利用分野



本発明は、絶縁性基板上に形成された熱電半導体と、当該熱電半導体上に形成された保護被膜とを有する熱電半導体装置の熱電能向上方法および熱電能試験方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絶縁性基板上に形成されたアンチモン(S)を材料として含む熱電半導体と、該熱電半導体上に形成された保護被膜とを有する熱電半導体装置の熱電能向上方法であって 前記熱電半導体の一端側を陰極側とし他の一端側を陽極側として所定の高密度電流を通電しエレクトロマイグレーションを導入することにより、熱電半導体装置の熱電能を向上させることを特徴とする熱電半導体装置の熱電能向上方法。

【請求項2】
請求項1記載の熱電半導体装置の熱電能向上方法において、前記絶縁性基板は二酸化シリコン(S)被覆基板であり、前記熱電半導体はビスマス-アンチモン-テルリウム(B-S-T)薄膜であり、前記保護被膜はポリイミド保護被膜であることを特徴とする熱電半導体装置の熱電能向上方法。

【請求項3】
絶縁性基板上に形成されたビスマス-アンチモン-テルリウム(B-S-T)薄膜と、該B-S-T薄膜上に形成された保護被膜とを有する熱電半導体装置の熱電能試験方法であって、
前記熱電半導体の引き出し電極間に所定の温度差を与える温度差付与ステップと、
前記熱電半導体の引き出し電極間の熱起電力を測定する熱起電力測定ステップと、
前記熱電半導体の引き出し電極間の温度差を測定する温度差測定ステップと、
前記熱起電力測定ステップで測定された熱起電力と前記温度差測定ステップで測定された温度差とに基づき、熱電能を求める熱電能取得ステップと、
前記熱電半導体の引き出し電極間に温度差を与えずに、該熱電半導体の一端側を陰極側とし他の一端側を陽極側として所定の高密度電流を通電してエレクトロマイグレーションを導入するエレクトロマイグレーション導入ステップと、
前記熱電半導体の引き出し電極間に所定の温度差を与える温度差再付与ステップと、
前記熱電半導体の引き出し電極間の熱起電力を再測定する熱電能起電力再測定ステップと、
前記熱電半導体の引き出し電極間の温度差を再測定する温度差再測定ステップと、
前記熱起電力再測定ステップで測定された熱起電力と前記温度差再測定ステップで測定された温度差とに基づき、エレクトロマイグレーション導入後の熱電能を求める熱電能再取得ステップと、
前記熱電能取得ステップで取得された熱電能と前記熱電能再取得ステップで取得されたエレクトロマイグレーション導入後の熱電能とを比較する熱電能比較ステップとを備えたことを特徴とする熱電半導体装置の熱電能試験方法。

【請求項4】
請求項3記載の熱電半導体装置の熱電能試験方法において、前記保護被膜を有していない熱電半導体装置を用いて前記温度差付与ステップから前記熱電能再取得ステップまでを実行する保護被膜無し熱電能試験ステップと、
前記保護被膜を有する熱電半導体装置を用いた場合における前記熱電能取得ステップで取得された熱電能及び前記熱電能再取得ステップで取得されたエレクトロマイグレーション導入後の熱電能と、前記保護被膜無し熱電能試験ステップの熱電能取得ステップで取得された熱電能及び熱電能再取得ステップで取得されたエレクトロマイグレーション導入後の熱電能とを比較する保護被膜影響比較ステップとをさらに備えたことを特徴とする熱電半導体装置の熱電能試験方法。

【請求項5】
請求項3又は4記載の熱電半導体装置の熱電能試験方法において、前記絶縁性基板は二酸化シリコン(S)被覆基板であり、前記保護被膜はポリイミド保護被膜であることを特徴とする熱電半導体装置の熱電能試験方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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