TOP > 国内特許検索 > 表示素子および表示用組成物

表示素子および表示用組成物

国内特許コード P140010932
掲載日 2014年8月26日
出願番号 特願2007-170268
公開番号 特開2009-008897
登録番号 特許第5257876号
出願日 平成19年6月28日(2007.6.28)
公開日 平成21年1月15日(2009.1.15)
登録日 平成25年5月2日(2013.5.2)
発明者
  • 吉澤 篤
  • 佐藤 賢忠
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 表示素子および表示用組成物
発明の概要 【課題】液晶材料の配向プロセスが不要で、コントラスト良好、高速応答が可能な表示素子の提供。
【解決手段】少なくとも一方が透明な一対の基板間に挟持された媒質に電界を印加することによって表示を行う表示素子であって、該媒質にはブルー相を示す液晶性物質(液晶化合物、液晶組成物のいずれをも指す。)が用いられ、電界無印加時に光学的等方相を示し、電界印加時に電界誘起相転移により光学的異方性を示すものであることを特徴とする、表示素子。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



液晶表示素子は、軽量で消費電力が小さいという特徴を持ち、パソコンモニター、携帯電話およびテレビ等に広く用いられている。しかし、電界に対する応答が遅く動画表示の精細度が不十分であること、黒表示においても光学的な異方性を持つため光が漏れるなどの欠点をもっている。さらには、液晶状態で用いるために配向処理というプロセスが必須となる。





このような状況の中、最近は、ブルー相を用いた表示素子が報告されている。通常の液晶ディスプレイで用いられている液晶はネマチック液晶と呼ばれるものであり、位置の秩序は完全に失われているが、配向の秩序を持っている。一方、ブルー相(BP)はキラルネマチック液晶と等方性液体の間のごく狭い温度範囲(通常は1K以下)に出現するものであり、高温側から出現する順序に対応してBPIII、BPII、BPIと分類されている。ブルー相は光学的に等方性であり、BPIは体心立方、BPIIは単純立方の対称性を持つことが知られているが、BPIIIはこれらと異なり、アモルファスであって、構造はまだよくわかっていない。





ブルー相に電場を印加した場合に起こる現象としては、以下のことが知られている(菊池、液晶,2005,9,82)。

1)局所的な分子再配向、2)格子歪み、3)相転移

1)は比較的低電場で起こり、電場強度に応じて局所的に分子が再配向するものであり、誘起される複屈折は電場強度の二次に比例し(Kerr効果)、応答時間はマイクロ秒オーダーである。電場強度を大きくすると、2)が、続いて3)が生じる。2)は電場強度によって格子定数が変化する現象で、その応答時間はミリ秒オーダーである。3)はブルー相からキラルネマチック相、さらにはネマチック相へ転移する現象であり、その応答時間は秒以上のオーダーである。





さて、ブルー相を表示媒体として用いる場合に問題となるのが、その狭い温度範囲である。これに関して菊池らは、ブルー相を示す液晶材料に高分子を添加することによりBPIの温度範囲を顕著に広め、局所的再配向による数100マイクロ秒オーダーの高速応答を報告している(非特許文献1、2)。この表示方式は1)の局所的再配向を用いるものである。





また、Colesらは、二量体液晶の組成物にキラルドーパントを添加すことによりBPIの温度範囲を広げ、電圧印加による格子歪みに由来するカラースイッチングを報告している(非特許文献3)。一方、媒質としてブルー相やキュービック相を使用し、Kerr効果を用いた表示素子も提案されている(特許文献1)。





【特許文献1】

開2005-202390号公報「表示素子および表示装置」

【非特許文献1】

.Kikuchi et al.,Nature Mater.,2002,1,64,

【非特許文献2】

.Hisakado et al., Adv.Mater.,2005,17,96

【非特許文献3】

.Coles & M.N.Pivnenko,Nature,2005,436,997

産業上の利用分野



本発明はブルー相とよばれる液晶相を表示媒質として用い、電界無印加時は光学的等方相を示し、電界印加時に光学的異方性を示すことにより表示を行う素子等に係り、特に、通常の液晶ディスプレイと異なり、液晶材料の配向プロセスが不要で、電界に対する応答が高速であり、かつ高いコントラストを実現可能な、表示素子および表示用組成物に関するものである。



特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式〔1〕または〔2〕により特定される化学構造を備えている表示用化合物と光学活性化合物とが混合されていることにより、ブルーIII相を示すことを特徴とする、表示用組成物。
【化1】



(式中、A~Fはエーテル、エステルおよび単結合などの結合基、X、Y、Zはコアとよばれる堅い構造をもち、たとえば、ベンゼン、ピリミジン、シクロヘキサンなどからなり、その水素の一部がフッ素等のハロゲン原子あるいはシアノ基などの極性基で置換されているものも含み、R1~R3はアルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン原子あるいはシアノ基などの極性基からなり、R4はアルキル基または単結合であることを表す。)
【化2】

(式中、A~Gはエーテル、エステルおよび単結合などの結合基、X、Y、Z、Wはコアとよばれる堅い構造をもち、たとえば、ベンゼン、ピリミジン、シクロヘキサンなどからなり、その水素の一部がフッ素等のハロゲン原子あるいはシアノ基などの極性基で置換されているものも含み、R1~R3はアルキル基またはアルコキシ基、ハロゲン原子あるいはシアノ基などの極性基からなり、R4、R5はアルキル基または単結合であることを表す。)

【請求項2】
ブルーIII相を示す温度範囲が8K以上であることを特徴とする、請求項1に記載の表示用組成物。

【請求項3】
請求項1または2に記載の表示用組成物を用いた表示素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007170268thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close