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管腔器官把持アクチュエータおよびこれを用いた管腔器官の直径の変化を監視するための装置

国内特許コード P140010937
掲載日 2014年8月26日
出願番号 特願2005-164600
公開番号 特開2006-334235
登録番号 特許第4452886号
出願日 平成17年6月3日(2005.6.3)
公開日 平成18年12月14日(2006.12.14)
登録日 平成22年2月12日(2010.2.12)
発明者
  • 峯田 貴
  • 牧野 英司
  • 藤 哲
  • 廣田 賢一
  • 渡邉 優
  • 菅原 卓
  • 柴田 隆行
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 管腔器官把持アクチュエータおよびこれを用いた管腔器官の直径の変化を監視するための装置
発明の概要 【課題】外科手術を行った際の血管吻合部における血栓の発生を、患者に侵襲を与えることなく、簡易、迅速かつ正確に検知することができる、使用時の十分な血管把持力と、使用後の取り外しの容易性を兼ね備えた血管把持アクチュエータなどとして有用な管腔器官把持アクチュエータおよびこれを用いた管腔器官の直径の変化を監視するための装置を提供する。
【解決手段】管腔器官把持アクチュエータ1は、管腔器官Xを把持するための把持部5と、把持部5が管腔器官Xを把持するように動作する動作部6を少なくとも備えた形状記憶合金薄膜体2の表面に、把持部5と動作部6のそれぞれを形状回復温度よりも高い温度にまで別個に加熱することを可能とする加熱手段と、形状記憶合金薄膜体2が把持した管腔器官Xの直径の変化を電気信号に変換して検知する変位薄膜センサを設け、管腔器官Xの直径の変化を監視する装置は、この管腔器官把持アクチュエータ1を備える。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



医療技術の進歩により、手指が切断された際の血管吻合手術の成功率は非常に高く、時には吻合手術によって完全に回復することも可能になっている。しかし、術後に血管の縫い目である吻合部で血栓が発生し、これにより吻合部の下流の末梢部分への血流が阻害され、最悪の場合には指先の壊死を引き起こすことがある。このような問題を未然に防止するためには、血栓の発生を初期段階で発見し、薬剤の投与などにより血栓を的確に溶解除去する必要があることから、術後2日程度の血栓形成のモニタリングは非常に重要な意味を持つ。現在、一般的に行われている血栓形成のモニタリング方法としては、術後の皮膚の温度や色の変化によって血栓による血流障害を検知することに基づくものがある。しかし、このような方法では、血流障害を検知した時点で既に事態が手遅れになっている場合があり、また、検知の正確性が医師や看護師の熟練度に左右されてしまうといった問題がある。





以上のような背景のもと、血管吻合部における血栓の発生の有無を、ドップラープローブセンサを用いて監視する方法や、レーザ計測装置を用いて監視する方法が提案されている。前者の方法は、例えば、図4のようにして、プローブから血管内に超音波を発振し、その反射波を電気信号に変換して周波数の変化をドップラー現象として計算することで、血流の流速を測定することができるセンサを用い、血流の流速の変化の有無(血栓が発生した場合にはその近辺において血流の流速が低下する)から血栓の発生の有無を監視するものである(必要であれば非特許文献1や非特許文献2を参照のこと)。後者の方法は、近赤外レーザを血管に照射してその透過光をフォトカウンタで受光すると、血栓が存在する部位の血球成分は、血栓が存在しない部位の血球成分と異なるため、両部位の間には光吸収特性や光散乱特性に違いを生じるので、その違いが透過光量の違いになって現れる現象を利用して血栓の発生の有無を監視するものである(必要であれば非特許文献3を参照のこと)。しかし、これらの方法には、血管径に応じた各種のプローブを必要とするので汎用性に欠けるといった問題や、大型測定プローブを血管に直接固定しなければならず、使用後には取り外すための再手術が必要になるといった問題がある。血管吻合部における血栓の発生を簡易、迅速かつ正確に検知することができ、しかも、患者にとって低侵襲性で、医師や看護師の負担を軽減することができる実用的な血栓形成のモニタリング方法を提供するためには、血管への取り付けを容易に行うことができ、使用後には再手術などを行うことなく容易に血管から取り外すことができる血流センサが要求される。





このような事情に鑑み、下記の非特許文献4では、形状回復時に血管を把持するように形状記憶させた形状記憶合金薄膜体による血管把持アクチュエータが提案されている。この血管把持アクチュエータは、外力によって予めフォーク状の先端部分を開放状態に変形しておき、形状回復時に先端部分が血管を把持するように動作させ、把持した血管の直径の変化を電気信号に変換して検知しようとするものである(図5参照)。

【非特許文献1】

nilkumar K Reddy, George E Taffet, Sridhar Madala, Lloyd H Michael, Mark L Entman, and Craig J Hartley :" Noninvasive blood pressure measurement in mice using pulsed Doppler ultrasound ", Ultrasound in Medicine & Biology 29 (2003) 379-385

【非特許文献2】

eza Tabrizchi, Michael K Pugsley :" Methods of blood flow measurement in the arterial circulatory system ", Journal of Pharmacological Methods 44 (2000) 375-384

【非特許文献3】

口晴敏、山海嘉之、榛沢和彦「微小血栓(栓子)検出におけるレーザー計測の有効性の検討」第3回日本栓子検出と治療研究会予稿集pp.56-57(2000.12)

【非特許文献4】

田賢一、山田圭一、牧野英司、菅原卓、藤哲、柴田隆行「TiNiCu形状記憶合金薄膜による血管把持アクチュエータの形成」社団法人表面技術協会第109回講演大会要旨集p266(2004.3)

産業上の利用分野



本発明は、外科手術を行った際の血管吻合部における血栓の発生の有無を監視するためなどに有用な管腔器官把持アクチュエータおよびこれを用いた管腔器官の直径の変化を監視するための装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
管腔器官を把持するための把持部と、把持部が管腔器官を把持するように動作するための動作部を少なくとも備えた形状記憶合金薄膜体の表面に、把持部と動作部のそれぞれを形状回復温度よりも高い温度にまで別個に加熱することを可能とする加熱手段と、形状記憶合金薄膜体が把持した管腔器官の直径の変化を電気信号に変換して検知するための変位薄膜センサを設けてなることを特徴とする管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項2】
形状記憶合金薄膜体が平板状に形状記憶されてなり、動作部は形状回復時に把持部が管腔器官を把持するように、把持部は動作部の形状回復時に管腔器官を把持するとともに自身の形状回復時に把持していた管腔器官を開放するように、それぞれ外力によって変形させて使用されることを特徴とする請求項1記載の管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項3】
形状記憶合金薄膜体の厚さが1μm~500μmであることを特徴とする請求項1または2記載の管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項4】
形状記憶合金薄膜体の形状回復温度が45℃~70℃であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項5】
加熱手段が金属薄膜からなるマイクロヒータであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項6】
変位薄膜センサが金属薄膜からなる歪みゲージ抵抗型センサであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項7】
管腔器官が血管であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の管腔器官把持アクチュエータ。

【請求項8】
管腔器官を把持するための把持部と、把持部が管腔器官を把持するように動作するための動作部を少なくとも備えた形状記憶合金薄膜体の表面に、絶縁膜を形成した後、その表面に、把持部と動作部のそれぞれを形状回復温度よりも高い温度にまで別個に加熱することを可能とする加熱手段としてのマイクロヒータを構成する配線パターンと、形状記憶合金薄膜体が把持した管腔器官の直径の変化を電気信号に変換して検知するための変位薄膜センサとしての歪みゲージ抵抗型センサを構成する配線パターンを、同一の金属薄膜を用いて1度のパターニング工程で形成し、その後、これらの配線パターンを絶縁保護するために、その全体を絶縁膜で被覆することを特徴とする管腔器官把持アクチュエータの製造方法。

【請求項9】
請求項1記載の管腔器官把持アクチュエータの変位薄膜センサによって検知した電気信号を、管腔器官把持アクチュエータに接続した解析手段で解析することで、管腔器官の直径の変化を監視することができるようにしてなることを特徴とする管腔器官の直径の変化を監視するための装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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