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表示装置および基本色生成方法

国内特許コード P140010939
掲載日 2014年8月26日
出願番号 特願2005-179258
公開番号 特開2006-350916
登録番号 特許第4110252号
出願日 平成17年6月20日(2005.6.20)
公開日 平成18年12月28日(2006.12.28)
登録日 平成20年4月18日(2008.4.18)
発明者
  • 小豆畑 敬
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 表示装置および基本色生成方法
発明の概要 【課題】通常の道路交通信号灯の形状を変えることなく、色覚異常者も正常な色覚を有する者も共に容易に弁別することができ、製造コストの増加を抑えることができると共に、第一色覚異常者ないし第三色覚異常者にとっても誤認を軽減することができる道路交通信号灯若しくは他の表示装置等又は基本色生成方法を提供する。
【解決手段】基本色設定部26が第一ないし第三色覚異常者の同一の混同色線上に存在する2つの基本色の一方若しくは両方について、当該基本色と波長が異なるか又は内側の色度座標を有すると共に、当該基本色に対応する所定の色度範囲外であって当該基本色と同種の色を混合させる制御を行なう。基本色の混合は、波長可変発光ダイオード30にパルス電源28から所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことにより行なう。
【選択図】 図1(A)
従来技術、競合技術の概要



人間の網膜の最も奥には光受容器である錐体がある。この錐体には赤、緑、青の光に感度が高い3つの錐体(L錐体、M錐体、S錐体)があり、正常眼の場合、この3つの錐体が各色の弁別のために機能している。しかし、この3つの錐体が正常に機能しない場合、色盲等の色覚異常となって現れる。色覚異常には、L錐体、M錐体、S錐体を各々欠く2色型の第一色覚異常、第二色覚異常、第三色覚異常がある。非特許文献1および2に記載されているように、第一色覚異常および第二色覚異常の頻度は、男子4.5%、女子0.156%程度の発生率と言われている。これに対して第三色覚異常の頻度はごく希であり、1~5万人に一人程の発生率(0.002~0.01%)と言われている。





図8は第一色覚異常の場合の混同色線(confusion loci)を示し、図9は第二色覚異常の場合の混同色線を示し、図10は第三色覚異常の場合の混同色線を示す(非特許文献3参照)。まず、図8ないし図10の表示形式について簡単に説明する。図8ないし図10は、赤、緑、青の光の配合率で種々の色を3次元座標として表した上で、これをxy平面上に射影したCIE(Commission Internationale de l’Eclairage : 国際照明委員会)によるxy色度図である。xy色度図上の曲線内の領域(色度座標xおよびyの各所定の範囲により示される領域)が色名を現しており、例えば、左上の領域は緑、左下の領域は青、右横の領域は赤、右斜め上の領域(x=0.45~0.5でy=0.45~0.5)は黄、中央の領域は白を表している。xy色度図上で色度座標(x1、y1)と(x2、y2)とにより示される2色を混合した場合、その結果の色は当該2色を結ぶ直線上にある。xy色度図上の曲線の周囲に付された数値は各色の波長をnm単位で示している。





図8における曲線内に示される複数の直線は、第一色覚異常の場合に当該直線上の色を弁別できないことを示す混同色線を示す。例えば、第一色覚異常の場合、波長650nm近辺の赤と波長500nm近辺の緑とを結ぶ混同色線C1上の色の弁別ができない。波長650nm近辺の赤と波長580nm近辺の黄とを結ぶ混同色線(不図示)上の色の弁別もできない。一方、波長580nm近辺の黄と波長500nm近辺の緑とについては混同色線がないため、当該2色を混同することはない。





同様にして、図9における曲線内に示される複数の直線は、第二色覚異常の場合に当該直線上の色を弁別できないことを示す混同色線を示す。例えば、第二色覚異常の場合、波長650nm近辺の赤と波長580nm近辺の黄とを結ぶ混同色線C2上の色の弁別ができない。一方、波長580nm近辺の黄と波長500nm近辺の緑とについては混同色線がないため、当該2色を混同することはない。





同様にして、図10における曲線内に示される複数の直線は、第三色覚異常の場合に当該直線上の色を弁別できないことを示す混同色線を示す。例えば、第三色覚異常の場合、波長450nm近辺の青と波長520nm近辺の緑とを結ぶ混同色線C3上の色の弁別ができない。一方、波長580nm近辺の黄と波長500nm近辺の緑とについては混同色線がないため、当該2色を混同することはない。





図11は、道路交通信号灯の色度範囲を示す色度図である。例えば特許文献1にも記載されているように、道路交通信号灯の色度範囲は警察庁の仕様(警交仕規等。以下、単に「仕様」と略す。)により規定されている。図11において、記号Bは青信号光の色度範囲(斜線で示す。)、Yは黄信号光の色度範囲(斜線で示す。)、Rは赤信号光の色度範囲(斜線で示す。)である。慣用的に青信号、青色の信号等と言うが、青信号光の色度範囲Bは実際には緑色の色度範囲である。以下、道路交通信号灯の場合は特に混乱のない限り慣用的に青色信号光または青色と言うこととする。道路交通信号灯の各信号光は、各々の仕様により規定された色度範囲B、Y、R内の色であれば任意の色を組み合わせて作成することができる。ここで、例えば、第一色覚異常の場合を考えると、上述のように図8により示される混同色線上の色の弁別ができないため、赤信号光と青信号光との弁別および赤信号光と黄信号光との弁別ができなくなるという問題があった。同様に第二色覚異常の場合を考えると、上述のように図9により示される混同色線上の色の弁別ができないため、赤信号光と黄信号光との弁別ができなくなるという問題があった。第三色覚異常の場合は、図10により示される混同色線からみて弁別ができなくなる信号光はない。しかし、道路交通信号灯以外の他の任意の表示装置において、混同色線上の2つの色度範囲の色を仕様等として用いる場合、当該2つの色度範囲の色を弁別できなくなる可能性があるという問題があった。





上述の問題を解決するため、従来から種々の道路交通信号灯が開発されてきた。特許文献1には、第一色覚異常者が赤信号と青信号とを誤認することを軽減する青色信号光を提供することを目的とし、主波長が異なる複数種類の小光源を複数個空間的に配置して2色を混光することにより青色信号光を得ることが記載されている。特許文献2には、色弱者にも信号の判別が可能な一灯式の道路交通信号機を提供することを目的とし、一定形状を有する通常の主表示部と共に、各々異なった形状または位置に表示される補助表示部を設けることが記載されている。特許文献3には、色覚異常者が認識しやすい信号灯を提供することを目的とし、通常の信号灯の周囲に色覚異常者でも識別しやすい色の波長を発光する補助表示灯を設けることが記載されている。





【非特許文献1】

川一夫著、「7.色覚異常の遺伝」、161頁、色覚異常、眼科MOOK、No.16、1982年2月18日初版発行、金原出版株式会社発行。

【非特許文献2】

庭紀雄著、「8.第三色覚異常」、171頁、色覚異常、眼科MOOK、No.16、1982年2月18日初版発行、金原出版株式会社発行。

【非特許文献3】

山惠二著、「色覚のメカニズム」、91頁~92頁、1998年9月25日初版発行、株式会社朝倉書店発行。

【特許文献1】

開平8-138192号公報

【特許文献2】

開平11-39593号公報

【特許文献3】

開2002-231003号公報

産業上の利用分野



本発明は、3つの基本色を有する表示装置および当該表示装置における基本色生成方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基本色が色度図上の所定の色度範囲に含まれると共に、色覚異常者が色弁別不能な同一の混同色線上の2つの基本色の一方若しくは両方を該同一混同色線上にない色を用いて合成する合成制御によって基本色の設定を行なう基本色設定部を備え
前記基本色設定部の合成制御は、前記2つの基本色の一方若しくは両方について、基本色と波長が異なると共に該基本色に対応する前記所定の色度範囲内又は外であって該基本色と同種の色を混合させる制御であり、
前記混合は、電流値の変化により発光波長が変化する波長可変発光ダイオードに、所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことにより行なうことを特徴とする表示装置。

【請求項2】
基本色が色度図上の所定の色度範囲に含まれると共に、色覚異常者が色弁別不能な同一の混同色線上の2つの基本色の一方若しくは両方を該同一混同色線上にない色を用いて合成する合成制御によって基本色の設定を行なう基本色設定部を備え
前記基本色設定部の合成制御は、前記2つの基本色の一方若しくは両方について、基本色より内側の色度座標を有すると共に該基本色に対応する前記所定の色度範囲内又は外であって該基本色と同種の色を混合させる制御であり、
前記混合は、電流値の変化により発光波長が変化する波長可変発光ダイオードに、所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことにより行なうことを特徴とする表示装置。

【請求項3】
請求項1又は2記載の表示装置において、該表示装置は道路交通の管制に用いる交通信号灯であることを特徴とする表示装置。

【請求項4】
基本色が色度図上の所定の色度範囲に含まれると共に、色覚異常者が色弁別不能な同一の混同色線上の2つの基本色の一方若しくは両方を該同一混同色線上にない色を用いて合成する合成制御によって基本色の設定を行なうものであり、
前記合成制御は、前記2つの基本色の一方若しくは両方について、基本色と波長が異なると共に該基本色に対応する前記所定の色度範囲内又は外であって該基本色と同種の色を混合させる制御であり、
前記混合は、電流値の変化により発光波長が変化する波長可変発光ダイオードに、所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことにより行なうことを特徴とする基本色生成方法。

【請求項5】
基本色が色度図上の所定の色度範囲に含まれると共に、色覚異常者が色弁別不能な同一の混同色線上の2つの基本色の一方若しくは両方を該同一混同色線上にない色を用いて合成する合成制御によって基本色の設定を行なうものであり、
前記合成制御は、前記2つの基本色の一方若しくは両方について、基本色より内側の色度座標を有すると共に該基本色に対応する前記所定の色度範囲内又は外であって該基本色と同種の色を混合させる制御であり、
前記混合は、電流値の変化により発光波長が変化する波長可変発光ダイオードに、所定の個数のピーク電流値を有するパルス電流であって、異なるピーク電流値のパルスを含むパルス群間の周期が所定のパルス周期以下であるパルス電流を流すことにより行なうことを特徴とする基本色生成方法。

【請求項6】
請求項4又は5記載の基本色生成方法において道路交通の管制に用いる交通信号灯における基本色の設定に該基本色生成方法を用いたことを特徴とする基本色生成方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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