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発電方法及び発電システム 新技術説明会

国内特許コード P140010943
掲載日 2014年8月26日
出願番号 特願2012-198647
公開番号 特開2014-051856
登録番号 特許第6132225号
出願日 平成24年9月10日(2012.9.10)
公開日 平成26年3月20日(2014.3.20)
登録日 平成29年4月28日(2017.4.28)
発明者
  • 村岡 洋文
  • 伊藤 久男
  • 浅沼 宏
出願人
  • 国立大学法人弘前大学
発明の名称 発電方法及び発電システム 新技術説明会
発明の概要 【課題】 水等の注入流体の損失及び誘発地震の発生を抑制しつつ、効率よく発電する。
【解決手段】 本発明に係る発電方法は、地上から、地下の岩石変形挙動に関する脆性延性境界Bよりも深部に位置する延性帯L2まで延びる注入井10を掘削する第1掘削工程と、注入井10を介して地上から延性帯L2に流体を注入することにより、流体を注入された領域を局所的な脆性帯領域20aに変化させ、当該局所的な脆性帯領域20aに亀裂20bを生成することで、局所的な脆性帯領域20a及び亀裂20bからなり、延性帯L2に包囲される貯留層20を生成する貯留層生成工程と、地上から、注入井10とは異なる位置において貯留層20まで延びる生産井30を掘削する第2掘削工程と、生産井30を介して貯留層20から地上に流れる流体を用いて発電する発電工程と、を含む。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要



地熱を利用した発電手法として、涵養地熱系発電(EGS:Engineered geothermal system power generation)が知られている。涵養地熱系発電は、当初は高温岩体発電とほとんど同義であった。しかしながら、涵養地熱系発電は、次第に意味が拡張され、今日では、与えられた地熱地域の地下条件下において、熱、亀裂、流体等のうちの一部の要素が十分でない場合に、足りない要素を工学的手法により克服する地熱発電手法と定義されている(下記非特許文献1参照)。涵養地熱系発電の中心は、水圧破砕による人工亀裂システムと人工熱水循環系の構築にあり、その意味においては従来の高温岩体発電の概念とほとんど変わらない。しかしながら、涵養地熱系発電は、熱の不足について大深度掘削という工学的手法により克服することを狙っており、高温岩体発電よりさらに発展した概念といえるものである。





涵養地熱系発電は、熱水資源を利用する従来の熱水系地熱発電よりも深部をターゲットにすることが多く、従来よりも掘削コストが増大する傾向がある。しかし、熱水資源を利用することができる高透水性の天然亀裂は極めて偏在しているため、熱水系地熱発電には、熱水資源として利用可能な天然亀裂を外して掘削してしまうという掘削リスクが存在する。一方、亀裂を能動的に人工造成する涵養地熱系発電には、熱水系地熱発電のような掘削リスクがない。また、涵養地熱系発電は、人工的に水を循環させるため、温泉泉源等の天然の熱水対流系に影響を与えず、火山帯に限らず陸域のどこでも利用可能である。このような涵養地熱系発電のメリットは、深度増加によるコスト増大を相殺すると共に投資回収性を高める可能性を秘めている。そのため、涵養地熱系発電については、各国が研究開発に凌ぎを削っている。





涵養地熱系発電を実用化する上での課題として、注入水損失及び誘発地震の発生という大きく2つの課題が認識されている(非特許文献1参照)。

産業上の利用分野



本発明は、地熱系発電に関する発電方法及び発電システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
地上から、天然亀裂が点在する領域である脆性帯と自然状態で亀裂が生じない領域である延性帯との境界である脆性延性境界よりも深部に位置する前記延性帯まで延びる注入井を掘削する第1掘削工程と、
前記注入井を介して地上から前記延性帯に流体を注入することにより、流体を注入された領域を局所的な脆性帯領域に変化させ、当該局所的な脆性帯領域に亀裂を生成することで、前記局所的な脆性帯領域及び亀裂からなり、前記延性帯に包囲される貯留層を生成する貯留層生成工程と、
地上から、前記注入井とは異なる位置において前記貯留層まで延びる生産井を掘削する第2掘削工程と、
前記生産井を介して前記貯留層から地上に流れる流体を用いて発電する発電工程と、
を含む発電方法。

【請求項2】
予め測定されている地質データに基づいて掘削地域を選択する選択工程をさらに含み、
前記第1掘削工程及び前記第2掘削工程では、前記選択工程において選択された掘削地域に含まれる地点を掘削する、
請求項1記載の発電方法。

【請求項3】
掘削対象とする地域において予め測定されている地温データから得られた地温勾配又は地下温度分布に関する情報に基づいて、前記脆性延性境界の深度を推定する推定工程をさらに含み、
前記第1掘削工程では、前記推定工程において推定された前記脆性延性境界の深度に基づいて、前記注入井を掘削する、
請求項1又は2記載の発電方法。

【請求項4】
前記第1掘削工程では、
前記注入井の坑底が前記脆性延性境界よりも深部に到達しているか否かを判定する判定工程を含み、
前記第1掘削工程では、前記判定工程において前記注入井の坑底が前記脆性延性境界よりも深部に到達していると判定された場合に、前記注入井の掘削を完了する、
請求項1~3の何れか一項記載の発電方法。

【請求項5】
前記判定工程では、
前記注入井の内部の温度を測定し、測定された温度に基づいて、前記注入井の坑底が前記脆性延性境界よりも深部に到達しているか否かを判定する、
請求項4記載の発電方法。

【請求項6】
前記判定工程では、
前記注入井の側面部を画像化し、当該画像に含まれる亀裂の量に基づいて、前記注入井の坑底が前記脆性延性境界よりも深部に到達しているか否かを判定する、
請求項4又は5記載の発電方法。

【請求項7】
前記判定工程では、
前記注入井の内部の比抵抗値を深度方向に連続して測定し、所定の深度区間において連続して測定された比抵抗値が当該深度区間において所定幅以上に上下する回数に基づいて、前記注入井の坑底が前記脆性延性境界よりも深部に到達しているか否かを判定する、
請求項4~6の何れか一項記載の発電方法。

【請求項8】
前記判定工程では、
前記注入井の坑底から岩石コアを採取し、当該岩石コアの3主応力軸間の主応力を測定し、当該主応力間の応力比に基づいて、前記注入井の坑底が前記脆性延性境界よりも深部に到達しているか否かを判定する、
請求項4~7の何れか一項記載の発電方法。

【請求項9】
前記貯留層生成工程では、
前記局所的な脆性帯領域に亀裂を生成した際に生じるアコースティックエミッションを時系列的に観測することで亀裂を監視し、当該亀裂の状態に基づいて前記注入井を介して地上から前記貯留層に注入する流体の速度及び圧力を調節することで、前記貯留層を生成又は維持する、
請求項1~8の何れか一項記載の発電方法。

【請求項10】
前記貯留層生成工程では、
前記第1掘削工程における掘削以前に予め測定した地下の比抵抗値を基準とした比抵抗値の変化を時系列的に観測することで前記局所的な脆性帯領域の成長過程を監視し、当該成長過程に基づいて前記注入井を介して地上から前記貯留層に注入する流体の速度及び圧力を調節することで、前記貯留層を生成又は維持する、
請求項1~9の何れか一項記載の発電方法。

【請求項11】
前記貯留層生成工程では、
前記注入井を介して地上から前記貯留層に注入する流体にプロッパントを混入させる、
請求項1~10の何れか一項記載の発電方法。

【請求項12】
地上から、天然亀裂が点在する領域である脆性帯と自然状態で亀裂が生じない領域である延性帯との境界である脆性延性境界よりも深部に位置する前記延性帯まで延びる注入井と、
地上から前記延性帯への前記注入井を介した流体の注入により、流体を注入された領域を局所的な脆性帯領域に変化させ、当該局所的な脆性帯領域に亀裂を生成することで、前記延性帯に包囲されるように形成された、局所的な脆性帯領域及び亀裂からなる貯留層と、
地上から、前記注入井とは異なる位置において前記貯留層まで延びる生産井と、
前記生産井を介して前記貯留層から地上に流れる流体を用いて発電する発電手段と、
を備える発電システム。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2012198647thum.jpg
出願権利状態 登録
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