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燃料電池用電極触媒 コモンズ

国内特許コード P140010953
整理番号 N13116
掲載日 2014年8月28日
出願番号 特願2014-067263
公開番号 特開2015-191745
出願日 平成26年3月27日(2014.3.27)
公開日 平成27年11月2日(2015.11.2)
発明者
  • 杉本 渉
  • 大西 智弘
  • 滝本 大裕
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 燃料電池用電極触媒 コモンズ
発明の概要 【課題】固体高分子形燃料電池用電極のアノード触媒として好ましく用いられ、CO耐性及び触媒耐久性をより向上させることができる電極触媒を提供する
【解決手段】カーボンブラック上に白金粒子又はルテニウム白金粒子を担持した電極触媒と、RuOナノシートとの複合触媒であって、その複合触媒を構成するRu/Ptモル比が0.1以上1.5以下の範囲内であるように構成した燃料電池用電極触媒により上記課題を解決する。この電極触媒は、HOR活性保持率が72%以上で触媒劣化率が13%以下であり、CO耐性用途及び触媒の劣化抑制用途で用いられることが好ましい。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


家庭用の固体高分子形燃料電池のアノード触媒は、燃料ガスに含まれるCOに対する被毒耐性の向上が必要とされている(非特許文献1)。改質器の高性能化は、燃料ガス中のCO含有量の減少に効果的であるが、燃料電池システムの高コスト化を招き、本格普及の障壁になっている。こうした状況下、家庭用燃料電池の本格普及を目的として、CO耐性が高いアノード触媒の開発が期待されている。



カーボンブラック担体上にルテニウム-白金合金粒子(Ru/Pt=1.5/1(モル比))を担持したPtRu/C電極触媒は、CO耐性が高いため、現在、家庭用燃料電池のアノード触媒で標準的に使用されている。このPtRu/C電極触媒は、PtとRuが合金化することでPtの電子状態が変化するため、二元機能機構(Ptに強吸着したCOを酸化除去する機構)又はリガンド効果(Pt-CO結合が弱まりCO酸化されやすくなる効果)により、CO耐性が高まることが知られている。



しかしながら、PtRu/CのRuは、一部合金化せずに存在しているため、十分なCO耐性を引き出せていないことが問題になっている。さらに、PtRu/Cは、CO耐性が高いながらもCOフリーでの水素酸化反応(HOR)活性が低いため、十分な性能でない。また、カーボンブラック担体上に白金粒子を担持したPt/C電極触媒は、触媒表面がPtのみであるため、PtRu/Cよりも高い水素酸化反応活性(HOR活性)を有するが、PtRu/Cよりも低いCO耐性であるという難点もある。



上記のように、PtRu/CにおけるCOフリーでのHOR活性がPt/Cよりも低いことは、PtRu粒子の肥大化や表面Pt量の減少によると考えられている。したがって、微小な粒径で、かつ表面がPtリッチなPtRu/Cの合成、すなわちCOフリーでのHOR活性とCO耐性の両方が高い触媒が必要とされている。



こうした要求に対しては、カーボンブラック担体上にルテニウム-白金合金粒子(Ru/Pt=1/1(モル比))を担持したPtRu/C電極触媒をナノカプセル法で合成した例が報告されている。PtRu/CのCOフリーでのHOR活性は、同様の合成法で得られたPtRu/Cよりも高かった。これは、PtRu/Cの表面がPtリッチであったためと報告されている。また、CO耐性は、PtRu/Cが最も高く、次にPtRu/Cが高いことも報告されている。これらの結果より、COフリーでのHOR活性とCO耐性は、PtRu/CとPtRu/Cでトレードオフの関係にあるため、改善が必要であるといえる。



CO耐性を高める手段の一つに、PtRu/Cの改良が挙げられる。COフリーでのHOR活性が高いPtRu/CのCO耐性を高めるためには、酸化物マテリアルの添加が効果的であるとされている。



MoOとPtRu/Cを組み合わせ、300℃の熱処理で得られたMoO-PtRu/Cは、CO耐性とCO酸化能が高いと報告されている。特に、MoOの添加量が増加するにつれて、CO耐性やCO酸化能が高まった。MoOとPtRuが複合化した結果、Ptに吸着したCOとMoOに吸着したOHとが反応し、COが酸化されやすくなりCO耐性が高まったと報告されている。これについては、in-situ ATR-FTIR測定で確認されている。また、MoとPtRuが合金化したことで電子状態が変化したことも、CO耐性向上の要因であると報告されている。これらのことから、Pt近傍にOH種を引き寄せる金属種が存在することで、CO耐性及びCO酸化能を高められることがわかっている。



また、PtRu/CとSnOとを複合化させた触媒でCOフリーのHOR活性とCO耐性を向上させることが報告されている。また、PtRu/CとSnOとを複合化させた触媒は、PtRu/CよりもCO耐性が高いことも報告されている。さらに、Pt/CとSnOとの複合触媒でも、CO耐性を向上させている。SnO粒子がPtRuやPt粒子と隣接することで、二元機能機構によりCO酸化が促進されることが知られており、これに起因してCO耐性が高まったと報告されている。



しかしながら、これらの金属酸化物添加による複合触媒は、電気化学的活性表面積を低下させてしまっていた。金属酸化物を添加しても活性表面積を低下させない触媒が合成できれば、COフリーでのHOR活性とCO耐性の両方が高い触媒であると期待できる。



金属酸化物を添加しても電気化学的活性表面積を低下させずにCO耐性を高めた触媒として、PtRu粒子表面にRuO凝集体が一部接したRuO-PtRu/Cが挙げられる。PtRu粒子表面にRuO凝集体が近接することで、CO酸化能及びCO耐性が高まることがわかった。RuO凝集体の表面積を大きくできれば、CO酸化能をさらに高められると期待できる。そのため、比表面積の大きなRuOが求められる。



また、PtRu/Cは、燃料電池の起動停止に対する耐久試験でRuが溶出することが知られている。その結果、電極触媒のCO耐性は顕著に低下する。そこで、電極触媒には、起動停止に対する高耐久化も必要とされている。触媒の高耐久化には、SiOやTiO、RuOとの複合触媒で実現できることがわかっている。

産業上の利用分野


本発明は、燃料電池用電極触媒に関し、さらに詳しくは、固体高分子形燃料電池用電極のアノード触媒として好ましく用いられ、CO耐性及び触媒耐久性をより向上させることができる、RuOナノシート添加による燃料電池用電極触媒に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カーボンブラック上に白金粒子又はルテニウム白金粒子を担持した電極触媒と、RuOナノシートとの複合触媒であって、
前記複合触媒を構成するRu/Ptモル比が0.1以上1.5以下の範囲内であることを特徴とする燃料電池用電極触媒。

【請求項2】
HOR活性保持率が72%以上で触媒劣化率が13%以下である、請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。

【請求項3】
CO耐性用途及び触媒の劣化抑制用途で用いられる、請求項1又は2に記載の燃料電池用電極触媒。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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