TOP > 国内特許検索 > 偏波選択性電波シャッター

偏波選択性電波シャッター コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P140010991
整理番号 06-87
掲載日 2014年9月8日
出願番号 特願2007-118863
公開番号 特開2008-278163
登録番号 特許第4812120号
出願日 平成19年4月27日(2007.4.27)
公開日 平成20年11月13日(2008.11.13)
登録日 平成23年9月2日(2011.9.2)
発明者
  • 飯草 恭一
  • 原田 博司
出願人
  • 国立研究開発法人情報通信研究機構
発明の名称 偏波選択性電波シャッター コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】2つの直行する方向のどちらかに、相互に、外部から電気的に切替えることができる偏波選択性電波シャッターを実現する。
【解決手段】アンテナ導電体(A1、A2、A3、A4)と、方向性を持つ可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)とは、A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、と循環接続を有し、Ak、Ak+1方向の偏波はZkが高リアクタンスの場合には高透過率を示し、Z1が低リアクタンスの場合には低透過率を示す。A1、A3は第1電位源に、A2、A4は第2電位源に接続する。1)第1電位源を、第2電位源より高電位にすることで、A1とA2方向の偏波を高透過率とし、2)第2電位源を第1電位源よりも高電位にすることで、A2とA3方向の偏波を高透過率として、電気的に偏波切換を行なう。また、この構成の複数を行列状に組み合わせて、大型化する。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要


例えば、電波を用いる無線LAN(ローカルエリアネットワーク)装置で、ビル間にネットワークを設ける場合に、マルチパスによる通信速度の低下が問題になる場合がある。これは、送信された電波が、隣接するビルで反射することで直接波よりも長い伝搬路を通った後に受信されることによるものである。この伝搬距離の違いにより、直接波と干渉し、あるいは、直接波のデータ信号とのずれが発生して異なったデータとの重ねあわせが起きることにより、伝送による誤りが発生する。このような誤りを防ぐために、通信装置は、データの再送やデータ転送率を下げることを行なうので、この結果、通信速度が低下する。



また、一般に反射波は、偏波方向が送信時と比較して回転しているものが多いことが知られている。このため、送受信ともに特定方向の偏波で行なうことが望ましい。このような構成は、従来は、偏波特性を備えたアンテナや格子状の偏波フィルタを用いたアンテナで送受信することで実現されている。



また、伝送路で偏波方向の回転がない通信環境においては、偏波多重を用いた無線LANを設けることができる。このような偏波多重も、偏波特性を備えたアンテナや格子状の偏波フィルタを用いたアンテナで送受信することで実現されている。



よく知られているように、円偏波(右旋編波と左旋偏波)を用いても、上記と同様に誤り率の低下を抑制したり偏波多重を行なう事は出来るが、本発明は直線偏波に係わる偏波選択性電波シャッターである。



[従来例1]
特許文献1には、遮蔽しようとする周波数の電波を選択的に吸収し、しかも、従来のλ/4型電波吸収体よりも厚さを薄くし、且つ電波吸収体の電磁波反射膜と電磁波吸収膜の間に用いる誘電体層にハニカム構造を用いることにより軽量な電波吸収体を提供し、遮蔽しようとする周波数以外の電波を双方向に透過させることができ電波吸収体間の接続や接地の必要がなく施工性に優れる電波吸収体が、開示されている。これは、抵抗体皮膜層とハニカム構造誘電体層とを備え、抵抗体皮膜層に対して反対側の前記誘電体層表面には電波反射層が形成され、少なくとも前記抵抗体皮膜層と電波反射層との間には位相調整層が設けられているものである。



[従来例2]
また、特許文献2には、電磁波の透過性を制御可能な電波遮蔽制御体が開示されている。これは、温度変化によって電気抵抗が変化(導体→不導体または不導体→導体)する材料(抵抗変化材料と称す)よりなる電磁波の伝播経路中に配された各種遮蔽材の温度を調整(加熱、冷却)することにより、当該遮蔽材の導電性を変化させ電磁波の透過性を制御するとしたものである。さらに、特許文献2には、同一の対温度抵抗値変化能を有する抵抗変化材料を棒状または帯状に成形してなるシールド材を交互配置のもと同一間隔で簾状若しくは格子状に配置した簾状若しくは格子状のシールド材各個の温度を交互に異調整(加熱、冷却)することにより、導電性材料間隔を変化させてシールド効果を発揮する電波の最大周波数(最小波長)を選択、変更できるとしたことを特徴とするシールド対象周波数可変の電磁波シールドシステムが開示されている。



上記の従来例を予め決められた2つの直交するそれぞれの方向に2段重ねで用いて、それらの方向のどちらかの偏波方向を持った電波を選択的に透過することで濾波する構成を実現することは容易である。しかし、上記の電波吸収体や、あるいは電磁波シールドシステムは、単体でも電波の透過方向の厚みは大きく、2段重ねで用いることで、さらに薄型にしづらいという問題があった。



【特許文献1】
特開2005-79247号公報
【特許文献2】
特開2001-210990号公報

産業上の利用分野



この発明は、到来する電波を、予め決められた2つの直交する方向から選択した偏波方向を持った電波を選択的に透過することで濾波し、偏波特性を持たない通信装置に供給することのできるもので、電気的に選択する偏波方向を切り換えることができる偏波選択性電波シャッターに関している。

特許請求の範囲 【請求項1】
4つのアンテナ導電体(A1、A2、A3、A4)と4つの可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)とを用いて構成した電波シャッターで、
上記の可変リアクタは、方向性を持ち、電気的にリアクタンスを制御可能な可変リアクタであり、
それぞれの可変リアクタは、
第1方向に電位差が印加された場合には、低リアクタンスを示し、
第1方向と逆の第2方向に電位差が印加された場合には、前記低リアクタンスよりも大きな高リアクタンスを示し、
1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、と循環する電気的接続を有し、
上記の可変リアクタの向きは、上記の循環に沿った一定の向きであり、
1をA5とみなすものとするとき、1から4までのkについて、
k、Zk、Ak+1の接続は、
kが高インピーダンスを示す場合には、Ak、Ak+1を結ぶ方向の予め決められた周波数をもつ偏波について高透過率を示し、
1が低インピーダンスを示す場合には、Ak、Ak+1を結ぶ方向の予め決められた周波数をもつ偏波について前記高透過率よりも低い低透過率を示し、
1は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
第1電位源の電位を、第2電位源の電位よりも高くあるいは低くすることで、A1とA2とを、また、A2とA3とを結ぶ方向の上記の周波数の偏波の透過率を電気的に切換可能としたことを特徴とする偏波選択性電波シャッター。

【請求項2】
1とA3とを抵抗体を介して電気的に接続することで、A1およびA3を抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続することを特長とする請求項1に記載の偏波選択性電波シャッター。

【請求項3】
M×N行列状に配列したアンテナ導電体と、複数の可変リアクタとを含み、
(1)上記の行列の任意の位置の隣り合う4つのアンテナ導電体(Aj、k、Aj、k+1、Aj+1、k、Aj+1、k+1)は、請求項1に記載の構成に対応する構成を持ち、Aj、k、Aj、k+1、Aj+1、k+1、Aj+1、kはそれぞれA1、A2、A3、A4に対応し、Aj、k、Aj、k+1、Aj+1、k+1、Aj+1、k間には、上記の可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)に対応する可変リアクタを備え、上記のアンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、の循環方向を第1循環方向とし、
1は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続するものとするとき、
(2)さらに、アンテナ導電体(Aj+1、k、Aj+1、k+1、Aj+2、k、Aj+2、k+1)は、請求項1に記載に対応する構成を持ち、Aj+1、k、Aj+1、k+1、Aj+2、k+1、Aj+2、kはそれぞれA1、A2、A3、A4に対応し、Aj+1、k、Aj+1、k+1、Aj+2、k+1、Aj+2、k間には、上記の可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)に対応する可変リアクタを備え、この場合の上記のアンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、の循環方向は、第1循環方向と逆の第2循環方向であり、
1は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
(3)さらに、アンテナ導電体(Aj、k+1、Aj、k+2、Aj+1、k+1、Aj+1、k+2)は、請求項1に記載に対応する構成を持ち、Aj、k+1、Aj、k+2、Aj+1、k+2、Aj+1、k+1はそれぞれA1、A2、A3、A4に対応し、Aj、k+1、Aj、k+2、Aj+1、k+2、Aj+1、k+1間には、上記の可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)に対応する可変リアクタを備え、この場合の上記のアンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、の循環方向は、第1循環方向と逆の第2循環方向であり、
1は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続する、
ことを特徴とする偏波選択性電波シャッター。

【請求項4】
M×N行列状に配列したアンテナ導電体と、複数の可変リアクタとを含み、
(1)上記の行列の任意の位置の隣り合う4つのアンテナ導電体(Aj、k、Aj、k+1、Aj+1、k、Aj+1、k+1)は、請求項2に記載する構成に対応する構成を持ち、Aj、k、Aj、k+1、Aj+1、k+1、Aj+1、kはそれぞれA1、A2、A3、A4に対応し、Aj、k、Aj、k+1、Aj+1、k+1、Aj+1、k間には、上記の可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)に対応する可変リアクタを備え、
この場合のアンテナ導電体と可変リアクタをそれぞれ(A1、A2、A3、A4)と(Z1、Z2、Z3、Z4)とするとき、
上記のアンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、の循環方向を第1循環方向とし、
1は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続するものとするとき、
(2)さらに、アンテナ導電体(Aj+1、k、Aj+1、k+1、Aj+2、k、Aj+2、k+1)は、請求項2に記載に対応する構成を持ち、Aj+1、k、Aj+1、k+1、Aj+2、k+1、Aj+2、kはそれぞれA1、A2、A3、A4に対応し、Aj+1、k、Aj+1、k+1、Aj+2、k+1、Aj+2、k間には、上記の可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)に対応する可変リアクタを備え、
この場合のアンテナ導電体と可変リアクタをそれぞれ(A1、A2、A3、A4)と(Z1、Z2、Z3、Z4)とするとき、
上記のアンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、の循環方向は、第1循環方向と逆の第2循環方向であり、
1は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
(3)さらに、アンテナ導電体(Aj、k+1、Aj、k+2、Aj+1、k+1、Aj+1、k+2)は、請求項2に記載に対応する構成を持ち、Aj、k+1、Aj、k+2、Aj+1、k+2、Aj+1、k+1はそれぞれA1、A2、A3、A4に対応し、Aj、k+1、Aj、k+2、Aj+1、k+2、Aj+1、k+1間には、上記の可変リアクタ(Z1、Z2、Z3、Z4)に対応する可変リアクタを備え、
この場合のアンテナ導電体と可変リアクタをそれぞれ(A1、A2、A3、A4)と(Z1、Z2、Z3、Z4)とするとき、
上記のアンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続A1、Z1、A2、Z2、A3、Z3、A4、Z4、A1、の循環方向は、第1循環方向と逆の第2循環方向であり、
1は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
2は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続し、
3は、抵抗体を介して第2電位源に電気的に接続し、
4は、抵抗体を介して第1電位源に電気的に接続する、
ことを特徴とする偏波選択性電波シャッター。

【請求項5】
請求項1に記載の偏波選択性電波シャッターを構成単位とし、該構成単位を複数用いて行列状に構成したもので、
行あるいは列方向に隣り合う構成単位は、アンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続の循環方向を鏡像関係にあるように配置し、
行あるいは列方向に隣り合う構成単位間で対向するアンテナ導電体を抵抗体で電気的に接続したことを特徴とする偏波選択性電波シャッター。

【請求項6】
請求項2に記載の偏波選択性電波シャッターを構成単位とし、該構成単位を複数用いて行列状に構成したもので、
行あるいは列方向に隣り合う構成単位は、アンテナ導電体と可変リアクタの電気的接続の循環方向を鏡像関係にあるように配置し、
行あるいは列方向に隣り合う構成単位間で対向するアンテナ導電体を抵抗体で電気的に接続したことを特徴とする偏波選択性電波シャッター。

【請求項7】
請求項4において、行の左端または右端の一方の側あるいは列の上端または下端の一方の側に位置するアンテナ導電体を、抵抗体を介して、順に、第1電位源、第2電位源、あるいは、第2電位源、第1電位源と交互に接続することを特徴とする偏波選択性電波シャッター。

【請求項8】
請求項6において、行の左端または右端の一方の側あるいは列の上端または下端の一方の側に位置するアンテナ導電体について、
第1アンテナ導電体あるいは第1アンテナ導電体に抵抗体を介して接続する第2アンテナ導電体のいずれかを第1電位源に接続し、
第1アンテナ導電体あるいは第2アンテナ導電体に可変リアクタを介して接続する第3アンテナ導電体、あるいは、第3アンテナ導電体に抵抗体を介して接続する第4アンテナ導電体のいずれかを第2電位源に接続することを特徴とする偏波選択性電波シャッター。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007118863thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 詳細内容の開示にあたっては、別途、JSTと秘密保持契約を締結していただくことが必要となります。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close