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表面殺菌装置

国内特許コード P140011036
整理番号 H21-020
掲載日 2014年10月30日
出願番号 特願2009-053868
公開番号 特開2010-207278
登録番号 特許第5435619号
出願日 平成21年3月6日(2009.3.6)
公開日 平成22年9月24日(2010.9.24)
登録日 平成25年12月20日(2013.12.20)
発明者
  • 白井 睦訓
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 表面殺菌装置
発明の概要 【課題】
殺菌設備を備えない任意の広範なエリアを薬剤等を用いることなく容易かつ確実に殺菌するとともに、従来の紫外線殺菌灯を用いる場合に比べて殺菌処理中又はその後も人体や被殺菌対象に対して悪影響を及ぼす恐れがはるかに少ない殺菌方法を提供する。
【解決手段】
光源から1m以上離れた被照射対象3に400nm~410nmに光強度の極大を有する光(近紫外光4)を被殺菌対象3の表面における近紫外光4の強度を0.82mW/cm以上に保って少なくとも2時間照射することを特徴とする表面殺菌方法による。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



近年、例えばメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の薬剤耐性菌による感染症の被害が増加する傾向にあり、病院や介護施設等において広範囲のエリアにおいて人体に有害な病原体を確実に死滅させることができる技術の開発が望まれている。





一般に、病原体による感染症を防ぐ方法としては、薬剤を用いて病原体の増殖を抑制する方法と、紫外光を照射することにより病原体の遺伝情報を破壊して病原体を死滅させる方法が知られている。前者の場合、連続的又は繰り返し薬剤を使用することにより、病原体が薬剤に対する耐性を獲得してしまう場合があり、最終的に薬剤が効かなくなってしまう恐れがあった。後者の場合、病原体を確実に死滅させることができるものの、紫外光は人体にも悪影響を及ぼすため、人の出入のある広範囲な空間を殺菌するための手段としては適さないという課題があった。加えて、紫外光は合成樹脂を急速に劣化させてしまうので、この点からも身の回りの恒常的な殺菌手段としては適さないという課題があった。





また、近年、人体に悪影響を及ぼす心配がなく、かつ、病原体を十分に死滅させることができる光線として近紫外光が注目されているが、人(特に立ったまま)が出入する室内の広範なエリアを人に対して安全にかつ効率よく殺菌できる方法やその装置に関する従来技術は現時点では具体化されていない。





ただし、紫外光や近紫外光を用いてごく狭いエリアや特定の場所を殺菌する方法や装置、あるいは、薬剤等を利用して広範なエリアや空間を殺菌する方法や装置に関する従来技術としては、例えば、以下のような発明や技術内容が知られている。





特許文献1には「薬剤耐性病原性微生物の薬剤感受性増強方法、および高度薬剤耐性菌の出現予防方法」という名称で、抗菌性物質存在下に、405nmをピークとする400-410nmの波長を有する発光ダイオード(LED)の光を照射して、薬剤耐性を有する病原性微生物の抗菌性物質に対する感受性を増強する方法、および高濃度の抗菌性物質存在下にLED光を照射して、高度薬剤耐性を有するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の病原性微生物の出現を予防する方法が開示されている。





この特許文献1に開示される発明においては、LED光の耐性菌に照射する光強度は、好ましくは、100μW~100mW/cmであるが、最も好ましいのは、2~10mW/cmであり、照射対象物への照射方法は、照射装置の構造や対象物の形状・存在する環境によって異なるものの、人をはじめとする動物や植物などを対象とする場合には、近接(5~20cm)もしくは対象物から200cmまでの間隔にして行う旨が開示されている。





特許文献2には「冷蔵庫」という名称で、貯蔵スペース内照明用光源とこれとは異なる静菌効果を高めるための光源(例えば400nm以上500nm以下の青色を含む波長の光)を備えることで、冷蔵庫を清潔に保持し、保鮮性を向上させる冷蔵庫が開示されている。特許文献2記載の発明においては、紫外線(例えば波長254nm)を使用する場合と比較して、紫外線照射による食品の脂質酸化促進や、樹脂の劣化促進や、人体影響などの紫外線によってもたらされる悪影響を回避でき、効果的である旨が開示されている。





特許文献3には「紫外線殺菌装置と紫外線殺菌方法」という名称で、360ないし380nmの波長域に主発光ピークを有する発光チップ(例えば発光ダイオード(LED))による発光を集光レンズで集束して放射することで、直接(集光)照射部のウイルスを不活化するウイルスの紫外線殺菌装置に関する発明が開示されている。特許文献3に開示されるによる紫外線殺菌装置では、紫外線が充分に照射されない部分(間接照射部;光強度が集光部(直接照射部)の100分の1程度の部分)においても、ウイルスや有色の液体の殺菌効果を飛躍的に向上できる旨開示されている。





特許文献4には「閃光パルスによる光殺菌方法及びその装置」という名称で、青色発光ダイオードアレイ(例えば、光源「青色LED」は波長が419nm~519nmでピーク波長は466nm)から所定間隔の閃光パルスを発生させて所定の距離を離して殺菌対象物に照射して殺菌することを特徴とする光殺菌方法について開示されている。





この他にも人の出入りする室内の殺菌に着目すれば、光を利用しない殺菌方法として、室内にオゾンガスや正負イオンを供給し空気を循環させる方法(例えば特許文献5)や、超音波加湿器にて電解陽極水を霧化して空間に噴射拡散させる方法(例えば特許文献6)なども開示されている。

産業上の利用分野



本発明は、人が立ち入る空間等の表面又は広いエリアを効率よく殺菌する方法及びその装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被照射対象に400nm~410nmに光強度の極大を有する光(以下、この光を近紫外光と呼ぶ。)を発する光源と、
制御信号に基づいて前記被照射対象と前記光源との距離を調整する位置調整部と、
前記被照射対象上に照射される前記近紫外光の強度を感知するセンサーと、
前記光源の発光と消灯を制御、前記センサーからの検出信号に基づいて前記被照射対象上に照射される前記近紫外光の照度値を演算し、この照度値が0.82mW/cm以上なるように前記制御信号を発信し、前記照度値から前記近紫外光の照射必要時間を演算により求める制御部と、
前記近紫外光の照射時間を計測するタイマーと、
前記照度値とともに、記照射必要時間を表示する表示部と、を有することを特徴とする表面殺菌装置。

【請求項2】
被照射対象に400nm~410nmに光強度の極大を有する光(以下、この光を近紫外光と呼ぶ。)を発する光源と、
前記被照射対象と前記光源との距離を調整する位置調整部と、
前記被照射対象上に照射される前記近紫外光の強度を感知するセンサーと、
前記光源の発光と消灯を制御、前記センサーからの検出信号に基づいて前記被照射対象上に照射される前記近紫外光の照度値を演算し、この照度値から前記近紫外光の照射必要時間を演算により求める制御部と、
前記近紫外光の照射時間を計測するタイマーと、
前記照度値とともに、記照射必要時間を表示する表示部と、を有することを特徴とする表面殺菌装置。

【請求項3】
前記制御部は前記照度値が0.82mW/cmに満たない場合に、点滅信号又は音声によりその状況を使用者に伝えるための警灯又は音声発生部を備えることを特徴とする請求項に記載の表面殺菌装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009053868thum.jpg
出願権利状態 登録
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