TOP > 国内特許検索 > 急性中枢神経障害の予後判定方法

急性中枢神経障害の予後判定方法 外国出願あり

国内特許コード P140011037
整理番号 H19-046D
掲載日 2014年10月30日
出願番号 特願2009-507500
登録番号 特許第5555846号
出願日 平成20年3月27日(2008.3.27)
登録日 平成26年6月13日(2014.6.13)
国際出願番号 JP2008055930
国際公開番号 WO2008120684
国際出願日 平成20年3月27日(2008.3.27)
国際公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
優先権データ
  • 特願2007-091600 (2007.3.30) JP
発明者
  • 前川 剛志
  • 泉 友則
  • 小田 泰崇
  • 秋吉 祐樹
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 急性中枢神経障害の予後判定方法 外国出願あり
発明の概要 急性中枢神経障害患者の病態を早期に把握し、適切な治療を行うことを可能とするために、神経学的予後予測のための早期マーカーを検索し、科学的に予後を判定する方法を提供することをその主な課題とする。
心肺停止蘇生後48時間以内の患者の生体液中のSH3BGRL3発現量を測定し、該発現量、あるいは発現の有無に応じて、Glasgow Outcome Scale(GOS)に基づき、予後良好群と予後不良群に分類される障害の予後予測を行なうことを特徴とする予後判定方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要



近年、急性中枢神経障害患者の増加と、臓器移植の問題が絡まって、急性中枢神経障害患者の予後の判断を科学的に証明できるシステムが切望されてきている。ヒトの死の定義は、生存に最も重要な機能を持つ、心(循環)、肺(呼吸)、脳(中枢)の不可逆的停止とされており、日本では、従来から特に心停止を重視していたが、生命維持装置の発達により心臓が停止していても生きられるようになり、現在は、脳の停止(死)をヒトの死とする考えが一般化しつつある。しかしながら、脳死判定も難しく、深昏睡、瞳孔散大、脳幹反射の消失、脳波の平坦化、自発呼吸停止を脳死としているが、これだけで脳機能が全て不可逆的停止と確認できるかなど問題が多い。





急性中枢神経障害とは、心肺停止に伴う脳虚血や、心拍再開後の虚血再灌流に伴う急性期の脳障害で、心臓疾患患者に起る心原性のほか、くも膜下出血、低酸素、窒息中毒、溺水、外傷などによる心肺停止が原因としてあげられる。重症急性中枢神経障害では、社会復帰できる患者は数%~30%程度しかなく、これは、早期に病態を把握し、適切な治療を提供することが重要な意味を持つことを表している。従来、頭部画像検査や電気生理学的検査における異常所見、脳血流量や酸素飽和度の低下などから中枢神経障害の診断が行われている。しかしながら、これらの判定方法は、病態や予後を必ずしも反映していない。意識障害に関しては、Glasgow Coma Scale(GCS)という、開眼、言語反応、運動反応の3つについて点数化して表し、点数が低いものほど、意識障害が重いことを示す判定基準はあるが、予後を判定するものではない。また6ヵ月後の患者を対象に予後判定を行うGlasgow Outcome Scale(GOS)は、発症急性期のものでなく、現実的には遅すぎる状況である。





心筋梗塞の患者について、高危険度あるいは予後不良を判定して、より適切に処置するための方法として、神経ホルモンマーカーであるNT-ProBNP(プロBNPのN末端断片)、虚血マーカーであるトロポニンT、炎症マーカーであるCRP(C-反応性タンパク質)の3種類のマーカーを測定し解析する方法が開示されている(特許文献1)。





SH3BGRL3は、腫瘍壊死因子感受性細胞に対する腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor α:TNFα)の細胞溶解活性や細胞増殖抑制活性を阻害するタンパク質として、ヒト線維芽細胞内より見出された(特許文献2)。このタンパク質は、SH3BGRL3として、第1染色体上のp34.3-35に位置する遺伝子であることが明らかにされ、93個のアミノ酸を有することも明らかにされている(非特許文献1)。

【特許文献1】

許第3783002号公報

【特許文献2】

開平6-256397号公報

【非特許文献1】

azzocco,M.et al.Biochem.Biophys.Res.Commun.285:540-545,2001

産業上の利用分野



本発明は、急性中枢神経障害の予後を判定する方法に関し、急性中枢神経障害患者の血液や脳脊髄液などの生体液中に発現しているSH3 domain binding glutamic acid-rich protein like 3(SH3BGRL3)を測定するための特異抗体、該抗体を用いた急性中枢神経障害の予後を判定する方法、さらに判定のために利用するキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
急性中枢神経障害の予後を判定する方法であって、心肺停止蘇生後48時間以内に採取した患者の生体液中のSH3BGRL3発現量を測定することを特徴とする、予後判定方法。

【請求項2】
生体液中のSH3BGRL3発現量を、SH3BGRL3と特異的に結合する抗体を用いて測定することを特徴とする、請求項1に記載の予後判定方法。

【請求項3】
生体液中のSH3BGRL3発現量を、5段階に分類して、Glasgow
Outcome Scale(GOS)に基づき、障害の予後を5段階に予測することを特徴とする、請求項1または2に記載の予後判定方法。

【請求項4】
生体液が脳脊髄液である、請求項1~3のいずれかに記載の予後判定方法。

【請求項5】
GOSにおける、good recovery(GR)またはmoderate
disability(MD)を予後良好とし、GOSにおける、severe disability(SD)、persistent vegetative state(PVS)または
death(D)を予後不良であるとする、心肺停止蘇生3~6ヶ月後の神経学的予後を、心肺停止蘇生1週間以内の急性期に判定することを特徴とする、請求項3に記載の予後判定方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の予後の判定方法に用いるためのキットであって、SH3BGRL3抗体が含まれていることを特徴とする、心肺停止蘇生後を含む急性中枢神経障害患者の予後判定用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2009507500thum.jpg
出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close